10日より公開される本年度オスカー受賞作『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』は、
かつてヒーロー映画でスターの座に輝いた俳優の「どん底のいま」を驚異的なカメラワークで描いた傑作。
地味だけど名優のマイケル・キートンがセルフパロディ的な主人公を熱演していて、これがきっかけで日本の若い映画ファンも名前を覚えてくれたらいいな、、、なんて思う。
キートンは実写映画版の「初代」バットマンだけでなく、『ビートルジュース』(88)では「ふざけたゴースト」を演じていて、「非」人間キャラ? に扮することが出来るスマートな俳優さんなのである。
歴代のバットマンを演じた俳優は、ヴァル・キルマーだけは例外のような気がするが、なんとなく地味な印象を受けるひとばかり。
それがバットマンのダークな個性にマッチして、俳優としては満足していないかもしれないけれど、映画としては抜群の効果を発揮していると。
男の子はみんな―と限定しなくてもいいかな、女子だってセーラームーンとかがあるから、少年少女はみんな、変身キャラに憧れるものだ。
※トップ画像…実写版セーラームーンの、セーラーヴィーナスが好きだった。
右のオレンジね。
その横の赤が、ご存知、北川景子。
小説のなかの変身といえば、その筆頭はもちろんカフカの『変身』。
みんないうことだが、あんな格好で出勤しようと頑張るところがシュールで素晴らしい。
もうひとつ挙げれば、中島敦の『山月記』。
乱暴にいえば知的に過ぎて虎と化した悲劇の主人公の心情を、漢詩で表現した怪作である。
国語の教科書に載っていたので、読んだひとも多いことだろう。
では映画のなかにおける変身といえば、なにか―というのが、本日のテーマ。
ヒーロー物から多重人格まで様々だが、変身の過程を文章化しなければならない小説よりも、直接的に映像で表現出来る映画のほうが変身の描写に適しているはずで・・・そんなわけで候補は軽く30を超えた。
以下が、自分が厳選した10人の変身キャラクターである。
(1)『鉄男』(89)
鉄との融合。
映像的には格好いいが、痛そうだな…。
(2)『ロスト・ハイウェイ』(97)
デヴィッド・リンチがカフカをやったら、こんな感じになる―という物語。
意味不明だが、面白い。
(3)『ザ・フライ』(86)
ほとんどのキャラクターがそうだろうが、「望まない変身」が生む悲劇。
ハエはイヤだな。
チョウならいいけど。
(4)『カメレオンマン』(83)
特異体質としての変身。
ウディ・アレンの映画のなかで、いちばん好き。
(5)『サイコ』(60)
変身は病気として解釈されている。
(6)『ターミネーター2』(91)
新型は、液体金属によって「なんにでも」化けられる。
はっきりとCGの映像を観たのはこれが初めてで、劇場で映画に革命が起こっている!! と興奮したものである。
(7)『千と千尋の神隠し』(2001)
パパとママが、豚になっちゃった!!
(8)『ジョニー・ハンサム』(89)
望んだ変身、ではあったのだが・・・。
「俺の顔は、どうなった?」という最後の台詞が、切ない。
(9)『フェイス/オフ』(97)
捜査のためには、憎き相手に変身しなければならない。
SF的な発想ではあるものの、あと20年もすれば、可能になりそう。
(10)『エクソシスト』(73)
厳密にいえば変身ではなく憑依だろうが、鉄男の次に「なりたくない変身」といえば、これだろう。
…………………………………………
本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『映画的泥酔』
かつてヒーロー映画でスターの座に輝いた俳優の「どん底のいま」を驚異的なカメラワークで描いた傑作。
地味だけど名優のマイケル・キートンがセルフパロディ的な主人公を熱演していて、これがきっかけで日本の若い映画ファンも名前を覚えてくれたらいいな、、、なんて思う。
キートンは実写映画版の「初代」バットマンだけでなく、『ビートルジュース』(88)では「ふざけたゴースト」を演じていて、「非」人間キャラ? に扮することが出来るスマートな俳優さんなのである。
歴代のバットマンを演じた俳優は、ヴァル・キルマーだけは例外のような気がするが、なんとなく地味な印象を受けるひとばかり。
それがバットマンのダークな個性にマッチして、俳優としては満足していないかもしれないけれど、映画としては抜群の効果を発揮していると。
男の子はみんな―と限定しなくてもいいかな、女子だってセーラームーンとかがあるから、少年少女はみんな、変身キャラに憧れるものだ。
※トップ画像…実写版セーラームーンの、セーラーヴィーナスが好きだった。
右のオレンジね。
その横の赤が、ご存知、北川景子。
小説のなかの変身といえば、その筆頭はもちろんカフカの『変身』。
みんないうことだが、あんな格好で出勤しようと頑張るところがシュールで素晴らしい。
もうひとつ挙げれば、中島敦の『山月記』。
乱暴にいえば知的に過ぎて虎と化した悲劇の主人公の心情を、漢詩で表現した怪作である。
国語の教科書に載っていたので、読んだひとも多いことだろう。
では映画のなかにおける変身といえば、なにか―というのが、本日のテーマ。
ヒーロー物から多重人格まで様々だが、変身の過程を文章化しなければならない小説よりも、直接的に映像で表現出来る映画のほうが変身の描写に適しているはずで・・・そんなわけで候補は軽く30を超えた。
以下が、自分が厳選した10人の変身キャラクターである。
(1)『鉄男』(89)
鉄との融合。
映像的には格好いいが、痛そうだな…。
(2)『ロスト・ハイウェイ』(97)
デヴィッド・リンチがカフカをやったら、こんな感じになる―という物語。
意味不明だが、面白い。
(3)『ザ・フライ』(86)
ほとんどのキャラクターがそうだろうが、「望まない変身」が生む悲劇。
ハエはイヤだな。
チョウならいいけど。
(4)『カメレオンマン』(83)
特異体質としての変身。
ウディ・アレンの映画のなかで、いちばん好き。
(5)『サイコ』(60)
変身は病気として解釈されている。
(6)『ターミネーター2』(91)
新型は、液体金属によって「なんにでも」化けられる。
はっきりとCGの映像を観たのはこれが初めてで、劇場で映画に革命が起こっている!! と興奮したものである。
(7)『千と千尋の神隠し』(2001)
パパとママが、豚になっちゃった!!
(8)『ジョニー・ハンサム』(89)
望んだ変身、ではあったのだが・・・。
「俺の顔は、どうなった?」という最後の台詞が、切ない。
(9)『フェイス/オフ』(97)
捜査のためには、憎き相手に変身しなければならない。
SF的な発想ではあるものの、あと20年もすれば、可能になりそう。
(10)『エクソシスト』(73)
厳密にいえば変身ではなく憑依だろうが、鉄男の次に「なりたくない変身」といえば、これだろう。
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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
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明日のコラムは・・・
『映画的泥酔』