Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

死ぬまでピーカー

2015-08-28 08:27:35 | コラム
行き当たりばったり。
創り手さえ、終わりを考えずに話を進めていっている。

・・・という、物語としては致命的な欠点があるにも関わらず、自分は『ツイン・ピークス』が好きだ。



90年代前半の日本を席巻した、米発の連続テレビドラマ。
ちなみにタイトルに冠したピーカーとは、このドラマを愛するマニアが「自称する際に」用いる業界用語? である。


あのときの盛り上がりは、ちょっと異様だった。

番組を放送していたWOWOWの加入率は2倍になり、
レンタルビデオはいつも貸し出し中、
関連書籍も売れに売れ、
「最初から死んでいる」ヒロイン、ローラ・パーマーの葬儀までおこなわれ、
ジョージアの缶コーヒーのCMが制作された。





総指揮を務めたデヴィッド・リンチは、陽の目を見ないところでコソコソやっているときにこそ輝くひとのはずなのに、あまりにもスポットライトを浴び過ぎた。

だから―と結論づけていいだろうか、映画版は失敗作となった。
(でも、最後のローラの涙と、天使が出現するシーンは、ほんとうに美しかった。あれだけでも観る価値がある)


2017年、このシリーズの新作が放送されることが決定。リンチ自らがメガホンを持つ・・・というニュースは前にも書いたが、その創りかたがユニークで、いかにもリンチらしいなぁ!! と。



何話になるのか不明だが、1本の超大作映画のように撮影・編集し、それを45分ごとに分割させるそうである。

連続テレビの世界では「当たり前のこと」のようでいて、いやいや、この発想はじつに新しい。

ともかく2年後が楽しみだ。
来年はスコセッシの『沈黙』、再来年はリンチの『ツイン・ピークス』があるので、とりあえず43歳になるまでは死ねないというわけである。


さて。
そんな『ツイン・ピークス』もリストに入っているのだが、海外ドラマ専門チャンネルのAXNが「海外ドラマ人気NoNo.1決定戦」を展開している。

『ヒッチコック劇場』や『トワイライトゾーン』から、『私立探偵マグナム』、『Xファイル』、『フレンズ』や『ER』、『ハウス・オブ・カード』まで。

投票は9月20日まで→こちらから


ちなみに、途中経過はこんな感じ。

(1)『フレンズ』
(2)『CSI:科学捜査班』
(3)『Glee』
(4)『ER 緊急救命室』
(5)『ゲーム・オブ・スローンズ』
(6)『ブレイキング・バッド』
(7)『Xファイル』
(8)『24 ―TWENTY FOUR―』
(9)『ビッグバン★セオリー』
(10)『グレイズ・アナトミー』

・・・って、あれ!? 『ツイン・ピークス』入ってないし!!


いやいや。
前述したとおり、リンチは「そういうひと」なので、15位くらいがちょうどいいのかもしれない。

好きは大好き、嫌いは大嫌い―『ツイン・ピークス』は、そんなキチガイドラマである。





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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(135)』
コメント (2)
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