ボクサーの亀田興毅が引退を発表した。
柄にもなく、ひっそりと。
彼のキャラクター性を考えると、本意ではないだろう。
TBSの力を借りて、派手に引退したかったはず。
でも、それは出来なかった。
きのうの河野戦で敗戦をすると、「勝っても負けても引退するつもりやった。悔いはあらへん」といって控え室に消えたという。
好きか嫌いかでいえば、もちろん? 嫌いなファイターだった。
デビューして1~2年であったなら許せたかもしれない、
しかしチャンプとなって以降も、挑戦者に対して「メンチ切り」をするというガキみたいなパフォーマンスが腹立たしかった。
昭和の香りがしたのである。
いじめっこにしか見えなかったのである。
そもそもが誤解を受け易いスポーツ、
その誤解を「広げる」役目を、チャンプが担ってどうする。
ボクサーとしては、センスがあったほうだと思う。
少なくとも次男よりは。
三男が「最終兵器」「いちばん強い」とされているが、いいや、たぶん長男がいちばんだろう。
だから思うんだ、もったいない、あぁもったいないなぁ、、、と。
格闘技はヒールが必要とされる特殊な世界ではある。
あるが、彼はヒールになれなかった。
単なるキラワレモノでしかなかった。
秋山成勲を見てみるがいい。
このひとも「もちろん」嫌いだが、強靭なメンタリティだけは尊敬に値する。
あの年の大晦日、人気者の桜庭を相手にして全身にクリームを塗りたくり、寝技に持ち込まれないようにした。
最初はしらを切り、隠し通せない時点になって「乾燥肌なもんで…」とイイワケをした。
しかしその数年前にダウンタウンのバラエティ番組において「柔道選手だったころ、相手に道着を取られないよう、柔軟剤を大量に塗りたくった」と発言しており、常習犯であったことが発覚してしまう。
正直にいって。
桜庭は奇跡を起こすひとだけれど、ふつうに戦っていれば秋山が勝ったはず。
だから多くのひとは、なぜあんな真似を・・・と頭を抱えながら年越しを迎えた。
謹慎処分が解け、秋山はリングに戻ってきた。
ブーイングを受けながらも勝ちつづけ、主戦場を日本から米国のオクタゴン(八角形のマット)に移す。
応援は出来ないが、頑張っているなぁと思う。
いっぽうでバラエティ番組に出演する。
みのもんたよりも、松崎しげるよりも黒くなって。
次長課長の河本と同様に、その言動を観ても素直には笑えないが、たいしたもんだと思う。
図太さ、、、といったらいいのだろうか。
そのあたりが、興毅にはなかった。
どん! と構えたところがないというか。
虚勢を張っているようにしか見えなかったのだ。
彼のそうしたファイター人生を「父親の影響」と見る向きは多いだろう。
自分もそう思うが、用なしとして切り捨てたTBSにも罪があるはずで。
そこそこの視聴率を取って、そこそこの金が動いたわけでしょう。
最後まで面倒を見てやるのが筋だと思うけどね。
TBSに「まごころ」があったとしたら引退特番でも組んでやるはずだが、たぶん無視を決め込むだろうね。
あれに似ている、レッドフォードが演出した『クイズ・ショウ』(94)に。
興毅がジョン・タトゥーロで、井岡がレイフ・ファインズというわけ。
だからせめて、格闘技ファンだけはファイターとしての亀田興毅を正当に評価してあげたい。
少なくとも、内藤さんと戦った試合は面白かったよと。
おつかれさん。
嫌いだけど、おつかれさん! くらいはいってあげよう。
嫌いだけど笑笑
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『初体験 リッジモント・ハイ(148)』
柄にもなく、ひっそりと。
彼のキャラクター性を考えると、本意ではないだろう。
TBSの力を借りて、派手に引退したかったはず。
でも、それは出来なかった。
きのうの河野戦で敗戦をすると、「勝っても負けても引退するつもりやった。悔いはあらへん」といって控え室に消えたという。
好きか嫌いかでいえば、もちろん? 嫌いなファイターだった。
デビューして1~2年であったなら許せたかもしれない、
しかしチャンプとなって以降も、挑戦者に対して「メンチ切り」をするというガキみたいなパフォーマンスが腹立たしかった。
昭和の香りがしたのである。
いじめっこにしか見えなかったのである。
そもそもが誤解を受け易いスポーツ、
その誤解を「広げる」役目を、チャンプが担ってどうする。
ボクサーとしては、センスがあったほうだと思う。
少なくとも次男よりは。
三男が「最終兵器」「いちばん強い」とされているが、いいや、たぶん長男がいちばんだろう。
だから思うんだ、もったいない、あぁもったいないなぁ、、、と。
格闘技はヒールが必要とされる特殊な世界ではある。
あるが、彼はヒールになれなかった。
単なるキラワレモノでしかなかった。
秋山成勲を見てみるがいい。
このひとも「もちろん」嫌いだが、強靭なメンタリティだけは尊敬に値する。
あの年の大晦日、人気者の桜庭を相手にして全身にクリームを塗りたくり、寝技に持ち込まれないようにした。
最初はしらを切り、隠し通せない時点になって「乾燥肌なもんで…」とイイワケをした。
しかしその数年前にダウンタウンのバラエティ番組において「柔道選手だったころ、相手に道着を取られないよう、柔軟剤を大量に塗りたくった」と発言しており、常習犯であったことが発覚してしまう。
正直にいって。
桜庭は奇跡を起こすひとだけれど、ふつうに戦っていれば秋山が勝ったはず。
だから多くのひとは、なぜあんな真似を・・・と頭を抱えながら年越しを迎えた。
謹慎処分が解け、秋山はリングに戻ってきた。
ブーイングを受けながらも勝ちつづけ、主戦場を日本から米国のオクタゴン(八角形のマット)に移す。
応援は出来ないが、頑張っているなぁと思う。
いっぽうでバラエティ番組に出演する。
みのもんたよりも、松崎しげるよりも黒くなって。
次長課長の河本と同様に、その言動を観ても素直には笑えないが、たいしたもんだと思う。
図太さ、、、といったらいいのだろうか。
そのあたりが、興毅にはなかった。
どん! と構えたところがないというか。
虚勢を張っているようにしか見えなかったのだ。
彼のそうしたファイター人生を「父親の影響」と見る向きは多いだろう。
自分もそう思うが、用なしとして切り捨てたTBSにも罪があるはずで。
そこそこの視聴率を取って、そこそこの金が動いたわけでしょう。
最後まで面倒を見てやるのが筋だと思うけどね。
TBSに「まごころ」があったとしたら引退特番でも組んでやるはずだが、たぶん無視を決め込むだろうね。
あれに似ている、レッドフォードが演出した『クイズ・ショウ』(94)に。
興毅がジョン・タトゥーロで、井岡がレイフ・ファインズというわけ。
だからせめて、格闘技ファンだけはファイターとしての亀田興毅を正当に評価してあげたい。
少なくとも、内藤さんと戦った試合は面白かったよと。
おつかれさん。
嫌いだけど、おつかれさん! くらいはいってあげよう。
嫌いだけど笑笑
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明日のコラムは・・・
『初体験 リッジモント・ハイ(148)』