Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

ミュージシャンはスクリーン映えをする

2015-10-30 09:41:16 | コラム
昨夜の『アメトーーク!』は、「Perfumeスゴいぞ芸人」だった。

あすより公開されるドキュメンタリー映画、『WE ARE Perfume』の宣伝を兼ねた企画である。

番組そのものは充分に面白かったが、一足先に映画を観させてもらったPerfumeファンの率直な感想としては、

もっと突っ込んで描いてほしかったな、
やや物足りなかったな、

CDの特典でつくDVD映像以上、でもドキュメンタリー映画以下、、、というか。


特定のファンに向けられた―といっていいだろう、そんな「あるミュージシャン」をドキュメントする映画が増えている。

制作意図が「そこ」にあるのだから「それ以上」を目指さなくてもいい・・・のかもしれないけれど、
たまたま触れて「いいな」と感じ、そこからファンになることもあるわけで。

以下は、ミュージシャンのドキュメンタリーでありながら、結果として「特定のファン以外」の目にも留まることになった映画の10傑である。

これに触れてファンになったミュージシャンも居るし、元々好きだったけれど「さらに」好きになったミュージシャンも居る。

総じていえるのは、ミュージシャンっていうのは絵になるなぁ、スクリーン映えするなぁ、、、ということなのだけれど!!


(1)『ストップ・メイキング・センス』(84)

デヴィッド・バーンが率いる「トーキング・ヘッズ」のライヴを、ジョナサン・デミが「ひたすら」捉え続ける。



ただそれだけの映画なので、力のあるデミが演出じゃなくてもよくね? と一瞬だけ思うが、いいや、これはデミだからこそ完成まで漕ぎ着けられたのではないか。

(2)『シャイン・ア・ライト』(2008)

不良老人ストーンズのライヴを、真面目老人スコセッシが追う。

スコセッシ御大を翻弄することが出来るのは、世界でもミック・ジャガーくらいなものだろう。

そこが、たいへんに面白い。

(3)『イン・ベッド・ウィズ・マドンナ』(91)

初めて観た音楽ドキュメンタリーだったかも。

とにかく格好いい。
いま観ても格好いい。




(4)『ウッドストック 愛と平和と音楽の3日間』(70)

すでに神話化されている69年の音楽フェスを巧みに編集、ひとつの音楽史・文化史にまで昇華している。



編集マンのひとりは、まだ有名になる前のスコセッシだ。

(5)『DOCUMENTARY OF AKB48』シリーズ(2013~)

アイドル好きなのに、じつはAKBにはあまり興味がない。

まゆゆでは、シコッたことがあるけれども。

ただこの映画は別、特殊な環境を生きる少女たちに肉薄し、思わず感情移入してしまった。

(6)『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』(99)

キューバ音楽を支えた古老たちを、ビム・ヴェンダースが温かな眼差しで捉える。

3度観にいったが、いずれも満員御礼。
新しい音楽に敏感な若者で埋まっていて、とてもうれしく思った。

(7)『ラスト・ワルツ』(78)

スコセッシ関連がみっつもランクイン。

ひいきが過ぎて、ごめんね苦笑

でも映画界で屈指の音楽マニアでもあるからね、あのひとは。

76年の「ザ・バンド」解散コンサートのもようをおさめた作品。

(8)『U2 魂の叫び』(88)

頂点に登りつめつつあった当時のU2を、極めて映画的に表現した佳作。

16mmフィルムで撮り、それを35mmにブロウアップして荒々しい映像を創りだした―このあたりが、まさに映画的だろう。

(9)『ワン・プラス・ワン』(68)

ストーンズの異色作、『悪魔を憐れむ歌』録音風景を撮る。



しかし監督がゴダールなので、それだけで済むはずがなく・・・。

(10)『デュラン・デュラン:アンステージド』(2011)

デュラン・デュランのライヴを、あのデヴィッド・リンチが追う。

このミスマッチ感がたまらないし、実際、本編は「どういうわけか」デュラン・デュランではなくリンチの映画になっていた。

映画としては大成功、
しかし、ジャンル映画として、音楽ドキュメンタリーとしては失敗作かもしれない笑

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明日のコラムは・・・

『キャベツ太郎』
コメント (2)
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