あー、びっくりした。
先日―。
まぁ仲良しといえる24歳のアンチャンから、
「牧野さん、ビートルズって知ってますか」
と、問われた。
ジョークかと思ったが、どうやらそうではないらしい。
「それは、俺が君のほうに質問するような内容のものだよ」
「どういうことですか」
苦笑。
参ったな、それでも通じない。
「AVやデリヘルのことばっかり話している俺に、オナニー知ってますか、セックス知ってますかと聞いているようなものなの」
「・・・そのくらい、、、」
「スタンダードってこと」
「あぁ!」
やっと分かってくれた。
それにしてもマジだろうか。
最近、初めて『レット・イット・ビー』を聴いて感心・笑 したというのである。
いやバカにすることではない、
それ自体は素晴らしいのだが、音楽に興味がなく生きてきても、それを避けるように生きてきたとしても、当たり前のように耳にしてしまう―ビートルズって、そういう存在なのではないか。
「―音楽の教科書に載っていなかった?」
「・・・覚えてません」
「『イエスタデイ』とか『イマジン』とかさ」
「・・・」
「英語の教科書にも載っている気がするし」
「・・・」
「CMでも、しょっちゅう使われているよ」
「・・・分からない、ですねぇ」
「レノンが殺されたことは、知ってる?」
「えっ、ジョン・レノンってビートルズの一員なんですか!?」
そこからかい!!
「ちょっと待って。じゃあメンバーの名前、4人いえない?」
「マッカートニーだけ知ってます。ほか3人という認識です」
ほか3人・笑
「なんで殺されたんですか、というか誰に殺されたんですか」
「ファン」
「ファン?」
「熱狂的な、狂信的なファンね」
「ぜんぜん知りません」
「オノヨーコは?」
「顔は見たことあります。日本人というだけしか知りません」
「きみ、洋楽大好きだったよね」
「えぇアリアナ・グランデとか、ジャスティン・ビーバー大好きですよ」
「それじゃあ、知らないこと恥じなきゃ」
「やばいですか」
「やばい、よね」
「なんでああいう髪型なんですか」
「当時の最先端だと思うよ」
「牧野さんが好きな曲はなんですか」
「『キャント・バイ・ミー・ラヴ』、『ヘルタースケルター』、『オブラディ・オブラダ』あたりかな」
「え、『ヘルタースケルター』って、あの沢尻エリカの―」
「そうだよ」
「でも、どちらかというと自分はストーンズ派」
「ストーンズ?」
「ザ・ローリング・ストーンズ」
「誰ですか?」
苦笑。
呆れに呆れたが、まぁなんだ、これから素晴らしいものに出会えることを想像すれば、この状態も悪くない・・・かもしれない。
彼は映画もよく観るが、新しいものにしか興味を抱けないタイプで。
「―でも、よくあることだけれども、ある映画の台詞の元ネタが、20年前の映画だったりしてね。そのことにピンときたほうが、映画を深く楽しめるでしょう」
「そうかもしれませんけれど」
「知らなくていいことなんか、この世にはないと思うんだ」
・・・と、エラソーにナンダカンダと。
とりあえず、ビートルズの主演映画と『バックビート』(94)を強制的に観させることにした。
いつか分かってくれる?? ことを信じて、口うるさいオッサンであることに決めた―そんな話です。
※「5人目の男」スチュアート・サトクリフを描いたこの映画、好き
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『本気の呪文』
先日―。
まぁ仲良しといえる24歳のアンチャンから、
「牧野さん、ビートルズって知ってますか」
と、問われた。
ジョークかと思ったが、どうやらそうではないらしい。
「それは、俺が君のほうに質問するような内容のものだよ」
「どういうことですか」
苦笑。
参ったな、それでも通じない。
「AVやデリヘルのことばっかり話している俺に、オナニー知ってますか、セックス知ってますかと聞いているようなものなの」
「・・・そのくらい、、、」
「スタンダードってこと」
「あぁ!」
やっと分かってくれた。
それにしてもマジだろうか。
最近、初めて『レット・イット・ビー』を聴いて感心・笑 したというのである。
いやバカにすることではない、
それ自体は素晴らしいのだが、音楽に興味がなく生きてきても、それを避けるように生きてきたとしても、当たり前のように耳にしてしまう―ビートルズって、そういう存在なのではないか。
「―音楽の教科書に載っていなかった?」
「・・・覚えてません」
「『イエスタデイ』とか『イマジン』とかさ」
「・・・」
「英語の教科書にも載っている気がするし」
「・・・」
「CMでも、しょっちゅう使われているよ」
「・・・分からない、ですねぇ」
「レノンが殺されたことは、知ってる?」
「えっ、ジョン・レノンってビートルズの一員なんですか!?」
そこからかい!!
「ちょっと待って。じゃあメンバーの名前、4人いえない?」
「マッカートニーだけ知ってます。ほか3人という認識です」
ほか3人・笑
「なんで殺されたんですか、というか誰に殺されたんですか」
「ファン」
「ファン?」
「熱狂的な、狂信的なファンね」
「ぜんぜん知りません」
「オノヨーコは?」
「顔は見たことあります。日本人というだけしか知りません」
「きみ、洋楽大好きだったよね」
「えぇアリアナ・グランデとか、ジャスティン・ビーバー大好きですよ」
「それじゃあ、知らないこと恥じなきゃ」
「やばいですか」
「やばい、よね」
「なんでああいう髪型なんですか」
「当時の最先端だと思うよ」
「牧野さんが好きな曲はなんですか」
「『キャント・バイ・ミー・ラヴ』、『ヘルタースケルター』、『オブラディ・オブラダ』あたりかな」
「え、『ヘルタースケルター』って、あの沢尻エリカの―」
「そうだよ」
「でも、どちらかというと自分はストーンズ派」
「ストーンズ?」
「ザ・ローリング・ストーンズ」
「誰ですか?」
苦笑。
呆れに呆れたが、まぁなんだ、これから素晴らしいものに出会えることを想像すれば、この状態も悪くない・・・かもしれない。
彼は映画もよく観るが、新しいものにしか興味を抱けないタイプで。
「―でも、よくあることだけれども、ある映画の台詞の元ネタが、20年前の映画だったりしてね。そのことにピンときたほうが、映画を深く楽しめるでしょう」
「そうかもしれませんけれど」
「知らなくていいことなんか、この世にはないと思うんだ」
・・・と、エラソーにナンダカンダと。
とりあえず、ビートルズの主演映画と『バックビート』(94)を強制的に観させることにした。
いつか分かってくれる?? ことを信じて、口うるさいオッサンであることに決めた―そんな話です。
※「5人目の男」スチュアート・サトクリフを描いたこの映画、好き
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『本気の呪文』