Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

年末年始企画(4)サウンド映画10傑

2015-12-25 02:51:01 | コラム
音楽がなくても、映画は創れる。

いやサイレント時代を指していっているわけではなく、実際に現代でも、野心的な映画監督によって音楽を一切使用しない、ことばは悪いが「愛想のない」映画も誕生している。

その逆に、音楽・音響効果がないと成立しない映画もある。
きょうは、そんな「サウンドありき」の映画10傑を展開したい。

ミュージカル映画だけじゃない、
ダンス映画だけじゃない、
音楽とワンセットで語られる映画って想像以上に多く、10本に絞ることが難儀だった。

映像のあとに音楽をつけたのか、先に音楽があって映像を構築していったのか―そんな疑問さえ浮かぶほど、映像と音楽が幸福な結婚を果たしている名画たち。


まずは、その結婚が不幸を生んだ例として、サウンド映画のワースト3を挙げてみよう。

(1)『稲村ジェーン』(90)

サウンドトラック以外のところを褒めたひとって、誰か居たのだろうか。

(2)『ラストソング』(94)

ミュージシャンを目指す若者の物語。

クサい台詞の連発に、寒気が止まらなかった。

(3)『ボクシング・ヘレナ』(93)

父親デヴィッド・リンチは、50~60年代ポップスを駆使して不気味な物語を紡ぐ。
その娘ジェニファーは、同じように猟奇的な物語を扱いながら、流す音楽はレニー・クラヴィッツやマドンナだった。

処女作で躓いちゃったなぁ、、、と思ったものである。


では、結婚が幸福だったほうの10傑をどうぞ。

(1)『砂の器』(74…トップ画像)

はじめの120分は前戯で、ラスト20分が本番。
橋本忍も、そのつもりで創っている。

そしてこの20分間の主役は、紛れもなく音楽なのだ。

(2)『ピアノ・レッスン』(93)

エイダは、ピアノとともに生きている。




(3)『ファンタジア』(40)

先に音楽ありき、の好例。

たしかにクラシックには、物語性が詰まっているものね。
そのことにいち早く気づいたディズニーさんって、やっぱり凄いのだ。

(4)『アマデウス』(84)

シーンや台詞のいくつかは、音楽をもとに構築していったという。



モーツァルトの嫁コンスタンツェの母親がモーツァルトに金切り声で叱っていると、それがそのままオペラの一場面へとオーバーラップしていく・・・とても映画的で、個人的なお気に入りのシーンだ。

(5)『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(2000)

映画としては「あんまり好きではない」のだが、監督トリアーの企みと、主演ビョークの熱演には素直に賛辞を送りたい。

「もう、この世には見る価値のあるものがない」から「失明してもいい」と歌うセルマの歌声が奪われなくて、ほんとうによかったと思う。

(6)『リンダリンダリンダ』(2005)

女子高生バンドの物語。



熱くはないが冷めてもいない・・・そんな彼女たちの日常が独特な「間」で描かれ、こういう青春もあるよね、と思わせてくれる。

(7)『シェルブールの雨傘』(64)

すべての台詞が歌に乗せて発せられる。

歌声が吹き替えなのは残念だが、映画表現を一歩前進させた点において、もっともっと評価されていいのではないか。

(8)『ザ・コミットメンツ』(91)

失業保険をもらいながらバンド活動をする若者たち。
労働者階級の日常をリアルに取り入れた群像劇は、ラストまで甘くない。



コーラスのひとり「イメルダ」を演じた女優さんに恋をしたが、いまなにをやっているのかな。

(9)『巴里のアメリカ人』(51)

ジーン・ケリーの超絶ダンスに目が釘付けになるが、ガーシュインの名曲の数々も素敵!!

さらにいえば音楽やダンスだけでなく、色彩美にも注目してほしい。

(10)『モダンタイムス』(36)

テクノロジーの暴走を批判する映画において、敢えて歌声を披露したチャップリンの覚悟を思うと、それだけで涙が出てくる。

チャップリンが作詞作曲をした謎の言語の歌『ティティナ』には、いろんな思いが込められているのだ。



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明日のコラムは・・・

『年末年始企画(5)マッスル映画10傑』
コメント (2)
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