Cape Fear、in JAPAN

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にっぽん男優列伝(307)益岡徹

2015-12-16 05:59:18 | コラム
56年8月23日生まれ、59歳。
山口出身。

公式サイト


キャラクター性と身体の関係性って、けっこう重要ですよね。

分かり易い例を出すと、『ターミネーター』シリーズ(84~)のシュワ氏。
あれはロボットなのだから、あんなマッチョな俳優さんを起用しなくてもよかったはずなのです。
ただ、シュワ氏が演じることによって、ある種の異様さを醸し出すことには成功しています。

『グッドフェローズ』(90)や『カジノ』(95)の、ジョー・ペシ。
身長の低い俳優さんです。
声が高い。
凶暴なイメージはぜんぜんないのに、いちどキレてしまうと誰も止められなくなる。

あぁこういうひと居る居る!! というリアリティ。




そうしたキャラクター性と、本人のイメージがちがう・・・といえば、自分にとっては三谷幸喜がそうです。

身長低めと思ったら、実際はけっこう高いひと。
それは益岡徹(ますおか・とおる)さんにもいえることで、180cmを超えているのです。

ぜんぜん、そんな風には見えない!!

基本が「脇のひと」であるし、二枚目を演じることが少ないからかもしれません。




<経歴>

高校時代に自主制作映画に出演、そこで演じることの楽しさを覚え俳優を志し始める。

早稲田大学卒業後、難関の無名塾(主宰・仲代達矢)に応募し合格、4期生として様々なことを学ぶ。
ここの同期に居たのが、役所広司でした。

実質的な映画俳優デビュー作は81年の『日本の熱い日々 謀殺・下山事件』ですが、
その前年、エキストラ(足軽役)として黒澤の『影武者』にも出演しています。
(確認してみましたが、分かりませんでした笑)

『なんとなく、クリスタル』(81)、『鬼龍院花子の生涯』(82)、『野獣刑事』(82)、『北の螢』(84)、『結婚案内ミステリー』(85)、『テラ戦士ΨBOY』(85)、『熱海殺人事件』(86)、『吉原炎上』(87)、『マルサの女2』(88)、『螢』(89)、『舞姫』(89)、『ハラスのいた日々』(89)・・・と、80年代だけで沢山出演していますが、どれも脇役です。
しかしある意味で、準主役よりも印象に残る演技を披露しているのでした。

『夜逃げ屋本舗』(92)のシリーズ(93年の第2作、95年の第3作)にレギュラー出演、

その後も『七人のおたく』(92)、『毎日が夏休み』(94)、『とられてたまるか!?』(94)、『マルタイの女』(97)、『コキーユ 貝殻』(99)、
『ゲロッパ!』(2003)、『阿修羅のごとく』(2003)、『幸福の鐘』(2003)、『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』(2003)、『東京原発』(2004)と好調がつづく。

『釣りバカ日誌』のシリーズには15作目から舟木課長として途中参戦し、

『釣りバカ日誌16 浜崎は今日もダメだった♪♪』(2005)
『釣りバカ日誌17 あとは能登なれハマとなれ!』(2006)
『釣りバカ日誌18 ハマちゃんスーさん瀬戸の約束』(2007)
『釣りバカ日誌19 ようこそ!鈴木建設御一行様』(2008)

2009年の完結編『釣りバカ日誌20 ファイナル』まで好演しています。


『ALWAYS 三丁目の夕日』(2005)、『県庁の星』(2006)、『それでもボクはやってない』(2007)、『象の背中』(2007)、『容疑者Xの献身』(2008)、『ドロップ』(2009)、『ガマの油』(2009)、『真夏のオリオン』(2009)。
2010年代も『脇役物語』(2010)、『聯合艦隊司令長官 山本五十六』(2011)、『宇宙兄弟』(2012)、『臨場・劇場版』(2012)、『御手洗薫の愛と死』(2013)と安定感抜群。

こういう名脇役のひとが正当に評価される世の中であってほしいと、切に思います。

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明日のコラムは・・・

『にっぽん男優列伝(308)松尾スズキ』
コメント (1)
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