Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

誰の伝記映画を観たいですか

2016-02-08 00:10:00 | コラム
某日―。

映像編集の仕事をしている友人が試写場を貸し切って、新作映画『スティーブ・ジョブズ』の先行上映会を開いてくれた。

誕生日プレゼントだという。

(その粋な計らいに)泣きそうになるのを、感謝を大声でいうことによって「なんとか」誤魔化した自分。

映画はというと、さすがはダニー・ボイルの演出、語り口がリズミカルで、時間を忘れてしまう快作に仕上がっていた。
アップル創業者の光と影をあますことなく描き、単なる美談や苦労話に終わっていないところが素晴らしい。


映画にとって大事なのは「いつだって」脚本と編集のはずだが、伝記映画の場合は、その前に「俳優」が大事になってくる。

「そっくりさん」の芸を見るわけではないので、クリソツなひとを起用する必要はない。
かといって、ぜんぜん似ていないのも困る。
先日もマイケル・ジャクソンの役を非黒人が演じたために騒動になったが、「ある程度は」似ている必要もあり。

そういう意味では、マイケル・ファスベンダーは適役だったと思う。

8割方、似ているひとだから。
いや、8割方「似せた」というほうが適切か。
この「似せる」ということこそ、役者の実力なのだろう。





そこできょうは、誰の伝記映画を観たいかを考えてみた。

すでに映画化された人物も入っているが、だからそれは、その作品に満足出来なかったということである。


(1)伊能忠敬

歴史上、最も好きなひとなので。

偉大なことを成し遂げてはいるが、やっぱり狂ってますよ。
その狂いっぷりを描いてほしいのだが、加藤剛のバージョン(2001)では真面目に過ぎてねぇ。。。

(2)アルフレッド・ヒッチコック…トップ画像

性的に「完全に」おかしかった一面を、きっちり描いてほしい。

(3)ブルーザー・ブロディ

その最期も含めて、なかなかにドラマチックだから。



(4)黒澤明

駆け出しのころではなく、巨匠となり、さまざまな葛藤が生まれた後期を中心に。

三船、勝新との確執。
自殺未遂。
大作主義への傾倒。

描くべきことが沢山あって、180分は超えるだろうが。

(5)デヴィッド・ボウイ

もう、ハリウッドでは企画くらいは立ち上がっているのかもしれない。

(6)黒木香

死んだわけではないけれども。
(転落事故のニュースで、死んだと勘違いしたひと多し)

AVの歴史もからめて。



(7)チャールズ・チャップリン

リチャード・アッテンボローでも失敗してしまったが、切り口は悪くなかったと思う。

赤狩り時代に焦点を絞って描いてほしい。

(8)松田優作

ハリウッドであれば、当然のように映画化されているはず。

日本は、こういうことに対してフットワークが重過ぎる。

(9)フョードル・ドストエフスキー

ほとんど犯罪者のようなひとなので、そのあたりをスキャンダラスに。



(10)奥崎謙三

前半は『野火』のような展開、後半は実録タッチで。

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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(153)』
コメント (1)
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