Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

にっぽん男優列伝(315)松田龍平

2016-02-17 00:10:00 | コラム
83年5月9日生まれ、32歳。
東京出身。

公式プロフィール

英国人捕虜にデヴィッド・ボウイを起用したり、
チンパンジーと交接するヒロインにシャーロット・ランプリングを起用したり、
近藤勇を映画監督の崔洋一に演じさせたり。

怒れる映画監督オオシマこと大島渚の最大特徴といえば、意表をつくキャスティング・センスだったような気がします。

ただ意表をつくだけなら誰だって出来たかもしれませんが、その結果を見て誰をも納得させる、、、となると、なかなかに難しいかと。

『御法度』(99)の中性的キャラクター「加納惣三郎」に、演技経験ゼロの松田龍平(まつだ・りゅうへい)くんを―しかも彼は、優作の長男・・・さすがオオシマ、もうこれだけで話題性は充分。

公開前から、内容はともかく興行面での成功は約束されたようなものでしょう。

映画ファンの多くが思いました、期待値は高い、しかし鳴り物入りでデビューすることになった「龍平くんの、その後」が心配であると。

敢えて悪い例を出しますと・・・
デビュー作でいきなりカンヌの主演男優賞に輝いてしまった、『誰も知らない』(2004)の柳楽優弥くん。

柳楽くんは、現在も頑張っていますが。

ただ輝いて「しまった」と記したように、「栄誉であるはずの演技賞が躓きの原因になったであろう」ことは想像に難くありませんでしたもの。


しかしそれも、杞憂に終わりました。
龍平くんは、器用にマイペースにのほほんと、主に映画で素晴らしいキャリアを築きつづけているのです。


※世界観、大好き




<経歴>

松田優作と松田美由紀の長男。

妻は、モデルの太田莉菜。



父親からの遺伝でしょうか、スポーツ万能でサッカー「セリエAジュニアチーム」のゴールキーパーを務めていたこともありました。

中学3年時にオオシマに強く口説かれ、『御法度』で映画俳優デビューを飾る。

堀越学園を中退後、本格的に芸能の世界へ。
そのきっかけとされているのが、自ら出演を強く望んだ『青い春』(2002)でした。(上記リンク動画を参照)

『恋愛寫眞 Collage of our Life』(2003)、
(父親が尊敬していた)原田芳雄と共演を果たした『ナイン・ソウルズ』(2003)、
『昭和歌謡大全集』(2003)、『キューティーハニー』(2004)、『IZO』(2004)、
劇作家・松尾スズキが映画監督に初挑戦した『恋の門』(2004)、
『NANA』(2005)、『46億年の恋』(2006)、
塚本晋也が「ちゃんとした」資金を得て制作した『悪夢探偵』(2007)と、その続編『悪夢探偵2』(2008)、
『長州ファイブ』(2007)、『世界はときどき美しい』(2007)、『アヒルと鴨のコインロッカー』(2007)、『恋するマドリ』(2007)。

2000年代後半には、実弟の翔太くんも芸能界入りを果たす。

『誰も守ってくれない』(2009)、テレビドラマ版も好評を博した『ハゲタカ』(2009)、『劒岳 点の記』(2009)、野心「だけ」は感じられた『蟹工船』(2009)、
『ボーイズ・オン・ザ・ラン』(2010)、町田市を舞台とした『まほろ駅前多田便利軒』(2011)と、その続編の『まほろ駅前狂騒曲』(2014)、
『探偵はBARにいる』(2011)と続編『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』(2013)、
吉永小百合と共演した『北のカナリアたち』(2012)、地味な辞書作りに焦点を当てた『舟を編む』(2013)、堀北真希が初めて女優に見えた『麦子さんと』(2013)、
『ザ・レイド GOKUDO The Raid 2: Berandal』(2014)、ひょっとしたら現時点における最高傑作かもしれない『ジヌよさらば~かむろば村へ~』(2015)。

本年、公開が控えている作品に・・・
『モヒカン故郷に帰る』『殿、利息でござる!』『ぼくのおじさん』の3本。


映画びいきなので、どうしても弟より兄貴を応援したくなってしまいますね笑


次回のにっぽん男優列伝は、松平健さんから。

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明日のコラムは・・・

『煙草と飴ちゃん』
コメント (1)
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