あれほど、あれほど好きなのに。
初めてケンタッキーフライドチキンを食べた日のことを、覚えていない。
ぜんっぜん、覚えていない。
吉野家の牛丼を食べた日のことは、よく覚えているけれど。
これまた、上京後のことである。
群馬の館林に住んでいたから・・・というのは、もはや常套句のようだな。
それもあるけど、たぶんガキのころは内向的で友達も少なかったから、外食の機会が少なかっただけかもしれない。
初めて吉牛を食べたのは、18歳の夏だった。
先輩が車を購入し、初めてのドライブに連れて行ってくれた帰りに寄った。
店を出た直後に車が事故ったから、よく覚えているんだな笑笑
食べかたを知らないので、先輩が箸を取るまで手をつけなかった。
あー、なるほど、卵に醤油たらしてぶっかけるのか・・・なんつって。
(トップ画像は、星野源と夏帆の好演が光る映画『箱入り息子の恋』(2013)より)
『芋粥』の主人公っぽく「マック喰いてぇー! 吐くほど喰いてぇー!!」と思うようになったのは、高校1年生のころだった。
アクティブなガキなら、思ったその日に電車に乗って―というところが、片田舎っぽいが―前橋あたりに出て、すぐに夢を実現させることだろう。
そのくらい簡単な夢、、、だったということ。
しかし暗いガキだったから誘う相手も居ないし、だからといってひとりで行動する勇気もない。
(勇気要るか? ファストフードに行くのに)
いつしか東京に出ることはマックに行くことと同意となり、早く高校を卒業したいなぁと強く思うようになっていく。
東京イコール、なんでもある。 という認識だったから。
上京する前日―。
宮崎爺の『魔女の宅急便』(89)を鑑賞し、キキと自分を重ね合わせて涙した。
3月12日、午前11時―。
とーちゃんとかーちゃんに見送られ、館林をあとにする。
その180分後には、調布駅の南口に居た。
目指すはアパートを用意してくれている朝日新聞の専売所・・・ではなくって、マクドナルドの調布駅南口店。
この数ヵ月後―。
朝刊配達中に酔った男に絡まれて抵抗することも出来なかった
↓
それを掃除中のきゃわいいアルバイト女子に目撃されて恥をかく
↓
身体を鍛え始める
・・・というエピソードが起こるのだが、それはまたべつの話である。
「店内で食事」といい、注文したのは以下のメニュー。
ビッグマック 2個
てりやきマックバーガー 2個
フィレオフィッシュ 2個
チキンナゲット 10個入り
フライドポテト L2個
ベーコンポテトパイ 2個
ファンタオレンジ L
阿呆かってね。
『芋粥』の主人公「よりは」頑張ったつもりだが、フィレオフィッシュを1個だけ残したので「持ち帰り」に。
美味かったかって?
まぁ不味くはなかったが、東京の地に立った緊張と、夢を実現させたことで胸がいっぱいになってしまい、正直、美味いとも思えなかった。
期待値の高さと実際のそれとの差異は、大抵がそんなもの―この真理を、上京直後に学んだ自分なのである。
おわり。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『畳とアスファルト』
初めてケンタッキーフライドチキンを食べた日のことを、覚えていない。
ぜんっぜん、覚えていない。
吉野家の牛丼を食べた日のことは、よく覚えているけれど。
これまた、上京後のことである。
群馬の館林に住んでいたから・・・というのは、もはや常套句のようだな。
それもあるけど、たぶんガキのころは内向的で友達も少なかったから、外食の機会が少なかっただけかもしれない。
初めて吉牛を食べたのは、18歳の夏だった。
先輩が車を購入し、初めてのドライブに連れて行ってくれた帰りに寄った。
店を出た直後に車が事故ったから、よく覚えているんだな笑笑
食べかたを知らないので、先輩が箸を取るまで手をつけなかった。
あー、なるほど、卵に醤油たらしてぶっかけるのか・・・なんつって。
(トップ画像は、星野源と夏帆の好演が光る映画『箱入り息子の恋』(2013)より)
『芋粥』の主人公っぽく「マック喰いてぇー! 吐くほど喰いてぇー!!」と思うようになったのは、高校1年生のころだった。
アクティブなガキなら、思ったその日に電車に乗って―というところが、片田舎っぽいが―前橋あたりに出て、すぐに夢を実現させることだろう。
そのくらい簡単な夢、、、だったということ。
しかし暗いガキだったから誘う相手も居ないし、だからといってひとりで行動する勇気もない。
(勇気要るか? ファストフードに行くのに)
いつしか東京に出ることはマックに行くことと同意となり、早く高校を卒業したいなぁと強く思うようになっていく。
東京イコール、なんでもある。 という認識だったから。
上京する前日―。
宮崎爺の『魔女の宅急便』(89)を鑑賞し、キキと自分を重ね合わせて涙した。
3月12日、午前11時―。
とーちゃんとかーちゃんに見送られ、館林をあとにする。
その180分後には、調布駅の南口に居た。
目指すはアパートを用意してくれている朝日新聞の専売所・・・ではなくって、マクドナルドの調布駅南口店。
この数ヵ月後―。
朝刊配達中に酔った男に絡まれて抵抗することも出来なかった
↓
それを掃除中のきゃわいいアルバイト女子に目撃されて恥をかく
↓
身体を鍛え始める
・・・というエピソードが起こるのだが、それはまたべつの話である。
「店内で食事」といい、注文したのは以下のメニュー。
ビッグマック 2個
てりやきマックバーガー 2個
フィレオフィッシュ 2個
チキンナゲット 10個入り
フライドポテト L2個
ベーコンポテトパイ 2個
ファンタオレンジ L
阿呆かってね。
『芋粥』の主人公「よりは」頑張ったつもりだが、フィレオフィッシュを1個だけ残したので「持ち帰り」に。
美味かったかって?
まぁ不味くはなかったが、東京の地に立った緊張と、夢を実現させたことで胸がいっぱいになってしまい、正直、美味いとも思えなかった。
期待値の高さと実際のそれとの差異は、大抵がそんなもの―この真理を、上京直後に学んだ自分なのである。
おわり。
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明日のコラムは・・・
『畳とアスファルト』