Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

にっぽん男優列伝(337)柳楽優弥

2016-08-18 00:10:00 | コラム
90年3月26日生まれ・26歳。
東京出身。

公式サイト


現時点における、個人的な「本年最高の日本映画」は、『ディストラクション・ベイビーズ』です。
(ちなみに次点は、『シン・ゴジラ』)

舞台を現代日本に置き換えた『時計じかけのオレンジ』(71)といったらいいのか、「意味を与えることなく」若者の暴力衝動を描き切った怪作。

本作を監督した真利子哲也は、先日のロカルノ映画祭で最優秀新進監督賞を受賞、これをきっかけに興味を抱く若い映画ファンも多いと思われます。

この映画の主演を務めたのが、本日の主役・柳楽優弥(やぎら・ゆうや)くん。




海外の映画祭に縁が深いひとです。

なんといっても、デビュー作でカンヌの主演賞を受賞してしまうのですから。

けれどもこのスタートが、本人にとっては重荷になってしまいます。

「子役あるある」かもしれませんが、その後は低迷し、私生活も荒れた(と、されています)。

曰く「(是枝)監督に、やれといわれたことを、ただやっただけ」

ただ是枝さんが褒めたという「眼力」は、映画小僧たちも注目しました。

あの「目」がなければ、『誰も知らない』(2004)は、「ある高み」に到達していなかったような気がするのです。

<経歴>

夫人は、モデルの豊田エリー。



か、かわいい・・・。

2004年―オーディションで是枝監督に「発掘」され、『誰も知らない』で鮮烈な映画俳優デビューを飾る。

88年に起こった巣鴨子供置き去り事件を材に取った、ひじょうにつらい、、、けれども感動的な物語です。

本作に対しては「実際はもっと悲惨だった」などという批判も起こりましたが、ドキュメンタリーじゃないわけですからね、監督が紡ぎたい物語を紡げばいいわけですよ。

柳楽くんは、まだ中学生。
いきなりカンヌのレッドカーペットの上を歩いてしまったら、混乱もしますよね。




『星になった少年 Shining Boy & Little Randy』(2005)、『シュガー&スパイス 風味絶佳』(2006)、『包帯クラブ』(2007)、『戦慄迷宮3D THE SHOCK LABYRINTH』(2009)・・・と、出演作はつづくものの、興行・批評の両面で不振がつづく。

と同時に体調を崩し、拘束時間の長い仕事―つまり映画―を減らし始める。

2008年―病院に緊急搬送されたことから自殺未遂の報道が流れるも、後日、本人が否定。
2009年は実質的に休業状態となり、体重が80kgを超え「激太り」してしまう。

翌年、ダイエットをして元の体型に戻す。
このころから徐々に映画の仕事に復帰し始めます。

再生出来たのは、エリーさんの存在が大きかったみたいですね。
そりゃあね、あんな美人さんが家に居たら頑張っちゃうでしょうよ。


『すべては海になる』(2010)、『爆心 長崎の空』(2013)、『許されざる者』(2013)、『ゆるせない、逢いたい』(2013)、『クローズEXPLODE』(2014)、『闇金ウシジマくん Part2』(2014)、『最後の命』(2014)、『合葬』(2015)。

『ピンクとグレー』(2016)、『HK 変態仮面 アブノーマル・クライシス』(2016)、『ディストラクション・ベイビーズ』(2016)、そして最新作は蛭子能収が主演する『任侠野郎』(2016)。

公開控えの作品は、来年に発表が予定されている『銀魂』(2017)。


うん、キャリア的にはしばらく安心・・・いや訂正、もうずっと、大丈夫っぽい雰囲気が漂っていますよね。

絶好調でしょう。


次回のにっぽん男優列伝は、役所広司さんから。

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『監督って、何者かね』
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする