かーちぇい「す」→「す」ーつあくたー(スーツアクター)
『スター・ウォーズ』シリーズ(76~)の人気キャラクター、R2-D2「の、なか」に入っていたケニー・ベイカーさんが亡くなった。(8.13)
コンピューター操作であることを疑わなかったので、「の、なか」にひとが入っていることを知ったときは、たまげたものである。
ベイカーさんのようなひとを、スーツアクターという。
ただしこれは和製英語なので、向こうでは通じない。
あくまでも、日本の、この業界のみで使用されていることばである。
つまり、着ぐるみなどを着用して演技をするひとたちのこと。
だから、ふなっしーやぐんまちゃんなど「ゆるキャラの、なか」に入っているひとたちも、スーツアクターといっていいだろう。
※『ガキの使い』の「着ぐるみトーク」は、スーツアクターたちの休憩場所における無駄話、、、をイメージしている
キャラクター自身には陽が当たるものの、「の、なか」に入っているひとたちが注目を浴びることは少ない。
「そうでなければいけない」はずだが、なんとなく悲哀というものを感じさせる職業、、、でもある。
そこを描いたのが、2014年に公開された『イン・ザ・ヒーロー』。
主演の唐沢寿明は、実際にスーツアクターとして活動していた時期があり、思い入れが強かったのかな、ふだんの演技も「熱演系」だけど、本作はそれ以上に熱量が高かった。
現在、大ヒットを記録している『シン・ゴジラ』のゴジラもまた、スーツアクターが演じる怪獣「だった」。
「だった」を強調するのは、今夏のゴジラは全編がCGだから。
ただそれは「CG隆盛の現代ゆえ」という安易な発想ではなく、アンノ監督ならではの意図がある。
その意図をここで明かすことはしないが、狙いは外してはいない―個人的には、そう思っている。
さて。
スーツアクトの経験がない我々が想像するのは、「暑いだろうな…」ということ。
実際にスーパーの屋上などで「ヒーローショー」を展開したことのある友人によると・・・
「そりゃ暑いよ!!」とのこと笑
「すげー汗かくし」
「その割にはさ、太ったままだよね」
「…そりゃ、あれだよ。それなりの給料をもらうから、いっぱい喰っちゃうし」
まぁたぶん、自分がやってもそういうオチが待っていると思う。
暑いこと。
そこそこの給料をもらえること。
・・・は、分かったが、どんなひとがスーツアクターになるのかっていうと。
これも想像どおりで、大抵のひとが「俳優志望」である。
友人によると「8割が、そう」だが、「1割にも満たない確率」ではあるものの、「スーツアクターそのもの」を志し、実際にそうなったひとも居るという。
イケメンだし、俳優としても成功しそう。
実際にプロダクション関係者からスカウトもされたが、それを断ってスーツアクターをつづけているひとが居るらしい。
スーツアクター仲間のほとんどから「お前はバカだ」といわれたけど、彼はそれを無視してスーツアクトをつづけたんだって。
自分が同僚であったら、またちがう考えかたをしたかもしれないけれど・・・
なんだかちょっと、未来を信じられるような気がして、少し感動した自分なのでした。
あすのしりとりは・・・
すーつあく「たー」→「たー」みなる。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『シネマしりとり「薀蓄篇」(178)』
『スター・ウォーズ』シリーズ(76~)の人気キャラクター、R2-D2「の、なか」に入っていたケニー・ベイカーさんが亡くなった。(8.13)
コンピューター操作であることを疑わなかったので、「の、なか」にひとが入っていることを知ったときは、たまげたものである。
ベイカーさんのようなひとを、スーツアクターという。
ただしこれは和製英語なので、向こうでは通じない。
あくまでも、日本の、この業界のみで使用されていることばである。
つまり、着ぐるみなどを着用して演技をするひとたちのこと。
だから、ふなっしーやぐんまちゃんなど「ゆるキャラの、なか」に入っているひとたちも、スーツアクターといっていいだろう。
※『ガキの使い』の「着ぐるみトーク」は、スーツアクターたちの休憩場所における無駄話、、、をイメージしている
キャラクター自身には陽が当たるものの、「の、なか」に入っているひとたちが注目を浴びることは少ない。
「そうでなければいけない」はずだが、なんとなく悲哀というものを感じさせる職業、、、でもある。
そこを描いたのが、2014年に公開された『イン・ザ・ヒーロー』。
主演の唐沢寿明は、実際にスーツアクターとして活動していた時期があり、思い入れが強かったのかな、ふだんの演技も「熱演系」だけど、本作はそれ以上に熱量が高かった。
現在、大ヒットを記録している『シン・ゴジラ』のゴジラもまた、スーツアクターが演じる怪獣「だった」。
「だった」を強調するのは、今夏のゴジラは全編がCGだから。
ただそれは「CG隆盛の現代ゆえ」という安易な発想ではなく、アンノ監督ならではの意図がある。
その意図をここで明かすことはしないが、狙いは外してはいない―個人的には、そう思っている。
さて。
スーツアクトの経験がない我々が想像するのは、「暑いだろうな…」ということ。
実際にスーパーの屋上などで「ヒーローショー」を展開したことのある友人によると・・・
「そりゃ暑いよ!!」とのこと笑
「すげー汗かくし」
「その割にはさ、太ったままだよね」
「…そりゃ、あれだよ。それなりの給料をもらうから、いっぱい喰っちゃうし」
まぁたぶん、自分がやってもそういうオチが待っていると思う。
暑いこと。
そこそこの給料をもらえること。
・・・は、分かったが、どんなひとがスーツアクターになるのかっていうと。
これも想像どおりで、大抵のひとが「俳優志望」である。
友人によると「8割が、そう」だが、「1割にも満たない確率」ではあるものの、「スーツアクターそのもの」を志し、実際にそうなったひとも居るという。
イケメンだし、俳優としても成功しそう。
実際にプロダクション関係者からスカウトもされたが、それを断ってスーツアクターをつづけているひとが居るらしい。
スーツアクター仲間のほとんどから「お前はバカだ」といわれたけど、彼はそれを無視してスーツアクトをつづけたんだって。
自分が同僚であったら、またちがう考えかたをしたかもしれないけれど・・・
なんだかちょっと、未来を信じられるような気がして、少し感動した自分なのでした。
あすのしりとりは・・・
すーつあく「たー」→「たー」みなる。
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明日のコラムは・・・
『シネマしりとり「薀蓄篇」(178)』