「すき家」で働いていたときのこと。
店内にはカウンターとテーブル席があり、
カウンターにかぎっては、注文を受けてから商品を提供するまで「30秒以内であること」という、「これぞファストフード!」なルールがあった。
いまは、どうだか知らんけどねメニュー多いし。
(カウンターに座るお客さんは)着席する前からなにを注文するか決めているひとも多いので、着席と同時に水を提供し、注文を待つ態勢を取る。
8割くらいのお客さんは水を提供したと同じタイミングで「大盛り、つゆだく」とか注文をくれる
↓
厨房に大声で「大盛り・つゆだく、一丁!」
↓
厨房から「大盛り・つゆだく一丁、ありがとうございます」
↓
ホール担当が厨房に戻るころには、どんぶりに牛丼が盛られている
↓
ホール担当がどんぶりの側面に付着した汁を拭き取り、トレーに載せる
↓
「お待たせしました、大盛り・つゆだくになります」
これで、30秒以内。
たいへんにリズミカルで、素晴らしい。
けれども。
これに慣れてしまうと、残り2割のカウンターのお客さんにプレッシャーを与えてしまうことにもなって。
誰も彼もが、なにを注文するか決めているわけではないのだ。
ある日、こんなことをいわれた。
「そんなに待ち構えられてたら、注文するの緊張するよ」
ハッとした。
もっともだと思った。
「早く注文しろよ」という風にも見られるだろうし。
そんな例外はあるが、基本、この世はリズムだと思っている。
会話もリズム。
テンポよく進めば盛り上がる話も、テンポを間違えてしまうと途端に白けてしまったり。
上で展開した外食のケースでいえば、自分は最低でも30秒で食べるもの・呑むものを決めたい。
「最低でも」なので、通常は15~20秒くらいか。
ほかのひとと「かぶりたくない」から、なかなか決めないひとも居るが、自分はそれが出来ない。
ちゃちゃちゃと決めたい。
あまりにも早過ぎて「ほんとうにこれでいいの?」と突っ込まれることもあるけれど、直感よ直感、自分を信じているし、なにより大事なのはリズムですよと。
当然、文章においてもリズムを最重要としている。
「読み易い」と評されることが多いが、それは「リズミカル」と同じ意味だと思っているので、そーとーうれしいです、はい。
エッチもリズム。
身体の相性がいいというのは、言葉のとおりというほかに、それぞれが持つリズム感の好き嫌いをも指しているはずで。
映画も、リズム。
映画は、一に脚本、二に編集だと思っている。
単なる会話のシーンでも、話している人物を「何秒」捉えるのか・聞いている人物を「何秒」捉えるのか・何回切り返すのか、数多い選択肢のなかから最良と思われるものを選んでつなげていくわけだから、皆が心地良いと感じる編集をやってのける監督のセンスって、そーとーなものだと思いますよ。
そんな、リズム至上主義の自分ではあるが、一般的にいわれるリズム感というものは、たぶんない。
音楽・ダンスでいう、♪ リズムに乗せて ♪ ってやつね。
ゲームの『太鼓の達人』とかも、ぜんぜんダメ。
極端なほどのリズム至上主義になったのは、ないものねだりから、、、かもしれないねぇ。
※トップ画像と動画は、スコセッシ90年の傑作『グッドフェローズ』。
自分が考える、映画史上最高にリズミカルなシーンである。
映像のマジックとは、こういうことをいうのでしょう。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『シネマしりとり「薀蓄篇」(197)』
店内にはカウンターとテーブル席があり、
カウンターにかぎっては、注文を受けてから商品を提供するまで「30秒以内であること」という、「これぞファストフード!」なルールがあった。
いまは、どうだか知らんけどねメニュー多いし。
(カウンターに座るお客さんは)着席する前からなにを注文するか決めているひとも多いので、着席と同時に水を提供し、注文を待つ態勢を取る。
8割くらいのお客さんは水を提供したと同じタイミングで「大盛り、つゆだく」とか注文をくれる
↓
厨房に大声で「大盛り・つゆだく、一丁!」
↓
厨房から「大盛り・つゆだく一丁、ありがとうございます」
↓
ホール担当が厨房に戻るころには、どんぶりに牛丼が盛られている
↓
ホール担当がどんぶりの側面に付着した汁を拭き取り、トレーに載せる
↓
「お待たせしました、大盛り・つゆだくになります」
これで、30秒以内。
たいへんにリズミカルで、素晴らしい。
けれども。
これに慣れてしまうと、残り2割のカウンターのお客さんにプレッシャーを与えてしまうことにもなって。
誰も彼もが、なにを注文するか決めているわけではないのだ。
ある日、こんなことをいわれた。
「そんなに待ち構えられてたら、注文するの緊張するよ」
ハッとした。
もっともだと思った。
「早く注文しろよ」という風にも見られるだろうし。
そんな例外はあるが、基本、この世はリズムだと思っている。
会話もリズム。
テンポよく進めば盛り上がる話も、テンポを間違えてしまうと途端に白けてしまったり。
上で展開した外食のケースでいえば、自分は最低でも30秒で食べるもの・呑むものを決めたい。
「最低でも」なので、通常は15~20秒くらいか。
ほかのひとと「かぶりたくない」から、なかなか決めないひとも居るが、自分はそれが出来ない。
ちゃちゃちゃと決めたい。
あまりにも早過ぎて「ほんとうにこれでいいの?」と突っ込まれることもあるけれど、直感よ直感、自分を信じているし、なにより大事なのはリズムですよと。
当然、文章においてもリズムを最重要としている。
「読み易い」と評されることが多いが、それは「リズミカル」と同じ意味だと思っているので、そーとーうれしいです、はい。
エッチもリズム。
身体の相性がいいというのは、言葉のとおりというほかに、それぞれが持つリズム感の好き嫌いをも指しているはずで。
映画も、リズム。
映画は、一に脚本、二に編集だと思っている。
単なる会話のシーンでも、話している人物を「何秒」捉えるのか・聞いている人物を「何秒」捉えるのか・何回切り返すのか、数多い選択肢のなかから最良と思われるものを選んでつなげていくわけだから、皆が心地良いと感じる編集をやってのける監督のセンスって、そーとーなものだと思いますよ。
そんな、リズム至上主義の自分ではあるが、一般的にいわれるリズム感というものは、たぶんない。
音楽・ダンスでいう、♪ リズムに乗せて ♪ ってやつね。
ゲームの『太鼓の達人』とかも、ぜんぜんダメ。
極端なほどのリズム至上主義になったのは、ないものねだりから、、、かもしれないねぇ。
※トップ画像と動画は、スコセッシ90年の傑作『グッドフェローズ』。
自分が考える、映画史上最高にリズミカルなシーンである。
映像のマジックとは、こういうことをいうのでしょう。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『シネマしりとり「薀蓄篇」(197)』