40年7月2日生まれ、76歳。
満州出身。
公式プロフィール
自分が映画を好きになったころには、すでに浅丘ルリ子(あさおか・るりこ)さんは40歳を過ぎていて、そりゃ演技は上手なのだろうけれど、メイクが濃い感じがする(失礼!)し、線は細過ぎるし、目が異様にデカくて、それほど魅力的な女優さんと思えなかったです。
ただ映画を教材として捉えるようになった高校生のころ、浅丘さんのキャリア初期の作品などに触れ、
わ! めっちゃかわいいじゃんか!! と驚いたのでした。
(トップ画像は、その魅力が全開した69年の『華やかな女豹』)
寅さんのマドンナ役としては、浅丘さんが演じたクラブ歌手「リリー」がシリーズのなかで最も印象に残るし、
なるほど、そりゃあ小林旭だって石坂浩二(前夫)だって夢中になるだろうと納得出来ました。
キャリア絶頂期には、日活撮影所の近くに住んでいた・・・ということを知ったので、自分が日活の学生だったころ、撮影所周辺を歩き、このあたりに住んでいたのかな、日本映画黄金期ってすごかったのだろうな、、、などと想像を膨らませたものです。
<経歴>
4人姉妹の次女。
終戦後の46年、館山の引き上げ寮へ入寮する。
14歳のころ、新聞小説『緑はるかに』が映画化(55)されるニュースを聞き、ヒロイン・ルリコ役のオーディションに応募する。
3000人のなかから浅丘さんが選ばれ、幸運な映画俳優デビューを飾りました。
翌年の『愛情』(56)では私生活での経験がない「キスシーン」が含まれていることに動揺するも、父親の激励を受けてやりこなす。
やはり「ふつうでない職業」には、周りのサポートと理解が必要ってことでしょうねぇ。
『裏町のお転婆娘』(56)
『愛は降る星のかなたに』(56)
『踊る太陽 お転婆三人娘』(57)
『今日のいのち』(57)
『鷲と鷹』(57)
『17才の抵抗』(57)
58年からのキャリアが驚異的なので、年ごとにまとめて。
日活アクションのヒロインを演じることが多く、映画ファンのアイドル的存在になったのも頷けます。
58年…『禁じられた唇』『夜の牙』『運河』『夫婦百景』『明日は明日の風が吹く』『美しい庵主さん』『踏みはずした春』『絶唱』『嵐を呼ぶ友情』
59年…『女を忘れろ』『群衆の中の太陽』『俺は挑戦する』『男が爆発する』『世界を賭ける恋』『南国土佐を後にして』『銀座旋風児』『ギターを持った渡り鳥』『波止場の無法者』『銀座旋風児 黒幕は誰だ』
60年…『拳銃無頼帖 抜き打ちの竜』『海から来た流れ者』『拳銃無頼帖 電光石火の男』『大草原の渡り鳥』『銀座旋風児 目撃者は彼奴だ』『十六歳』
61年…『銀座旋風児 嵐が俺を呼んでいる』『でかんしょ風来坊』
62年…『北帰行より 渡り鳥北へ帰る』『銀座の恋の物語』『憎いあンちくしょう』『危いことなら銭になる』『愛と死のかたみ』『若い人』
63年…『何か面白いことないか』『夜霧のブルース』『太平洋ひとりぼっち』『狼の王子』『霧に消えた人』『丘は花ざかり』『結婚の条件』『アカシアの雨がやむとき』
64年…『赤いハンカチ』『夕陽の丘』『若草物語』
65年…『夜明けのうた』『泣かせるぜ』
『憎いあンちくしょう』と『何か面白いことないか』、『夜明けのうた』で演じたキャラクターは、いずれも「典子」であり、映画ファンのあいだでは「典子三部作」といわれています。
キャリア的にもこのあたりで「チヤホヤ的?」な添え物キャラから脱皮、女優としての存在感が増していきます。
『二人の世界』(66)、『帰らざる波止場』(66)、『源氏物語』(66)、『愛の渇き』(67)、『夜霧よ今夜も有難う』(67)、『紅の流れ星』(67)、『波止場の鷹』(67)、『日本一の男の中の男』(67)、『昭和のいのち』(68)、『狙撃』(68)、『地獄の破門状』(69)、『私が棄てた女』(69)、『御用金』(69)、『栄光への5000キロ』(69)、『女体』(69)、『華やかな女豹』(69)。
ここまでのキャリアで、個人的にベストワンを挙げるとするならば・・・
『私が棄てた女』になるでしょうか、小林トシエと好対照をなすキャラクターを好演しています。
『待ち伏せ』(70)、
『戦争と人間・第一部 運命の序曲』(70)、『第二部 愛と悲しみの大河』(71)、『第三部 完結篇』(73)、
『愛の化石』(70)、『ある兵士の賭け』(70)、『告白的女優論』(71)、『嫉妬』(71)、『愛ふたたび』(71)、『蒼ざめた日曜日』(72)。
73年―『男はつらいよ 寅次郎忘れな草』で「リリー」を初めて演じるとファンから絶大な支持を受け、
『寅次郎相合い傘』(75)、『寅次郎ハイビスカスの花』(80)・・・と、たびたび登場する「準レギュラー」へと昇格、
浅丘さんは『寅次郎紅の花』(95)で寅さんと結婚する物語を望み、山田洋次監督に直訴しましたが、それが叶うことはありませんでした。
『渚の白い家』(78)、『鹿鳴館』(86)、『四十七人の刺客』(94)。
活躍の場を映画から舞台へと移したため、21世紀に入ると、映画への出演は激減します。
『木曜組曲』(2002)、『博士の愛した数式』(2006)、『早咲きの花』(2006)、『ジーン・ワルツ』(2010)。
しかし最近作『デンデラ』(2011)の迫力を目の当たりにすると、まだまだ映画で活躍してほしいな! と、個人的には思うのです。
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明日のコラムは・・・
『にっぽん女優列伝(6)浅田美代子』
満州出身。
公式プロフィール
自分が映画を好きになったころには、すでに浅丘ルリ子(あさおか・るりこ)さんは40歳を過ぎていて、そりゃ演技は上手なのだろうけれど、メイクが濃い感じがする(失礼!)し、線は細過ぎるし、目が異様にデカくて、それほど魅力的な女優さんと思えなかったです。
ただ映画を教材として捉えるようになった高校生のころ、浅丘さんのキャリア初期の作品などに触れ、
わ! めっちゃかわいいじゃんか!! と驚いたのでした。
(トップ画像は、その魅力が全開した69年の『華やかな女豹』)
寅さんのマドンナ役としては、浅丘さんが演じたクラブ歌手「リリー」がシリーズのなかで最も印象に残るし、
なるほど、そりゃあ小林旭だって石坂浩二(前夫)だって夢中になるだろうと納得出来ました。
キャリア絶頂期には、日活撮影所の近くに住んでいた・・・ということを知ったので、自分が日活の学生だったころ、撮影所周辺を歩き、このあたりに住んでいたのかな、日本映画黄金期ってすごかったのだろうな、、、などと想像を膨らませたものです。
<経歴>
4人姉妹の次女。
終戦後の46年、館山の引き上げ寮へ入寮する。
14歳のころ、新聞小説『緑はるかに』が映画化(55)されるニュースを聞き、ヒロイン・ルリコ役のオーディションに応募する。
3000人のなかから浅丘さんが選ばれ、幸運な映画俳優デビューを飾りました。
翌年の『愛情』(56)では私生活での経験がない「キスシーン」が含まれていることに動揺するも、父親の激励を受けてやりこなす。
やはり「ふつうでない職業」には、周りのサポートと理解が必要ってことでしょうねぇ。
『裏町のお転婆娘』(56)
『愛は降る星のかなたに』(56)
『踊る太陽 お転婆三人娘』(57)
『今日のいのち』(57)
『鷲と鷹』(57)
『17才の抵抗』(57)
58年からのキャリアが驚異的なので、年ごとにまとめて。
日活アクションのヒロインを演じることが多く、映画ファンのアイドル的存在になったのも頷けます。
58年…『禁じられた唇』『夜の牙』『運河』『夫婦百景』『明日は明日の風が吹く』『美しい庵主さん』『踏みはずした春』『絶唱』『嵐を呼ぶ友情』
59年…『女を忘れろ』『群衆の中の太陽』『俺は挑戦する』『男が爆発する』『世界を賭ける恋』『南国土佐を後にして』『銀座旋風児』『ギターを持った渡り鳥』『波止場の無法者』『銀座旋風児 黒幕は誰だ』
60年…『拳銃無頼帖 抜き打ちの竜』『海から来た流れ者』『拳銃無頼帖 電光石火の男』『大草原の渡り鳥』『銀座旋風児 目撃者は彼奴だ』『十六歳』
61年…『銀座旋風児 嵐が俺を呼んでいる』『でかんしょ風来坊』
62年…『北帰行より 渡り鳥北へ帰る』『銀座の恋の物語』『憎いあンちくしょう』『危いことなら銭になる』『愛と死のかたみ』『若い人』
63年…『何か面白いことないか』『夜霧のブルース』『太平洋ひとりぼっち』『狼の王子』『霧に消えた人』『丘は花ざかり』『結婚の条件』『アカシアの雨がやむとき』
64年…『赤いハンカチ』『夕陽の丘』『若草物語』
65年…『夜明けのうた』『泣かせるぜ』
『憎いあンちくしょう』と『何か面白いことないか』、『夜明けのうた』で演じたキャラクターは、いずれも「典子」であり、映画ファンのあいだでは「典子三部作」といわれています。
キャリア的にもこのあたりで「チヤホヤ的?」な添え物キャラから脱皮、女優としての存在感が増していきます。
『二人の世界』(66)、『帰らざる波止場』(66)、『源氏物語』(66)、『愛の渇き』(67)、『夜霧よ今夜も有難う』(67)、『紅の流れ星』(67)、『波止場の鷹』(67)、『日本一の男の中の男』(67)、『昭和のいのち』(68)、『狙撃』(68)、『地獄の破門状』(69)、『私が棄てた女』(69)、『御用金』(69)、『栄光への5000キロ』(69)、『女体』(69)、『華やかな女豹』(69)。
ここまでのキャリアで、個人的にベストワンを挙げるとするならば・・・
『私が棄てた女』になるでしょうか、小林トシエと好対照をなすキャラクターを好演しています。
『待ち伏せ』(70)、
『戦争と人間・第一部 運命の序曲』(70)、『第二部 愛と悲しみの大河』(71)、『第三部 完結篇』(73)、
『愛の化石』(70)、『ある兵士の賭け』(70)、『告白的女優論』(71)、『嫉妬』(71)、『愛ふたたび』(71)、『蒼ざめた日曜日』(72)。
73年―『男はつらいよ 寅次郎忘れな草』で「リリー」を初めて演じるとファンから絶大な支持を受け、
『寅次郎相合い傘』(75)、『寅次郎ハイビスカスの花』(80)・・・と、たびたび登場する「準レギュラー」へと昇格、
浅丘さんは『寅次郎紅の花』(95)で寅さんと結婚する物語を望み、山田洋次監督に直訴しましたが、それが叶うことはありませんでした。
『渚の白い家』(78)、『鹿鳴館』(86)、『四十七人の刺客』(94)。
活躍の場を映画から舞台へと移したため、21世紀に入ると、映画への出演は激減します。
『木曜組曲』(2002)、『博士の愛した数式』(2006)、『早咲きの花』(2006)、『ジーン・ワルツ』(2010)。
しかし最近作『デンデラ』(2011)の迫力を目の当たりにすると、まだまだ映画で活躍してほしいな! と、個人的には思うのです。
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明日のコラムは・・・
『にっぽん女優列伝(6)浅田美代子』