Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(198)

2017-03-09 00:10:00 | コラム
ばかやろ「う」→「う」み

「海がないクセに!!」

群馬県民を罵る際に多用され、なおかつ、たしかなダメージを与えられることば。

そうなんだ、ガキのころ、いっつもそんな風に馬鹿にされてきた。

やがてそのことにも慣れ、麻痺し、そうして出来上がったのが群馬の自虐性。
創作にはある種の自虐性が必要だと自分は考えていて、これが花開いたことにより、漫画『お前はまだグンマを知らない』やゲーム『ぐんまのやぼう』が生まれた、、、のだと思う。
(だからだねー、あくまでも個人的な意見だが、『きりたんぽ』を使われたからって秋田県は怒ることないんじゃなかなって思った、まゆゆ主演のドラマの話ね)


それはともかく。

身近ではなかったぶん、海への憧れは強かった。

ガキのころは、父親に茨城や新潟の海に連れていってもらった。
群馬と茨城は関東圏内で馬鹿にされる傾向にあるが、自分なんか、海があるというだけで「茨城すげー」と思っていたところがあった。


成人後―。

「海の見える街」をチャリで疾走したことはあるが、海に遊びに行った記憶がほとんどない。

行っているのだろうが、「海」メインではないため、あまり印象に残っていないのだろう。

つまり憧れは強かったはずなのに、その実、海に関する「はっきりとした」エピソードというものは、ひとつもないのだった。

さみしいヤツだ・・・。


そんな自分が「海の映画10傑」を選出すると、こうなる。


(1)『太陽がいっぱい』(60)



アラン・ドロンの暗い表情が最高。

しかしドロン自身は、日本人があまりにもこの映画のことばかりいうから、少し嫌気が差しているそうだ。

(2)『HANA-BI』(98)

ラストシーンの海もいいが、個人的には「大杉漣と、海。」(トップ画像)のほうが印象に残る。

(3)『沈黙』(2016)

この映画のサウンドトラックの3割は、波の音。

(4)『魔女の宅急便』(89)

「ただの、大きな水たまりじゃないか」




(5)『ベニスに死す』(71)

すべてを包み込む、海。

非情だが、うつくしい。

(6)『ジョーズ』(75)

あまり指摘されていないと思うが、スピルバーグは海の描写が巧い。




(7)『狂った果実』(56)

モノクロームの海も、悪くない。

(8)『海辺のポーリーヌ』(83)

少女の水着姿が、眩しくて眩しくて。



(9)『ハートブルー』(91)

少しだけ、マリンスポーツが出来るひとが羨ましくなる。

少しだけ、ね。

(10)『八月の濡れた砂』(71)

夕陽と、血と。
青くない海というのが、いかにも「にっかつ産」で素晴らしい。


次回のしりとりは・・・
う「み」→「み」くろ。

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明日のコラムは・・・

『麦酒と麦茶と牛乳』
コメント (2)
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