ここ数日のあれやこれやを、日記形式で。
某日―。
飯田橋まで出かけて、映画『沈黙』(2016)を観る。
本年、14度目の鑑賞。
ここへきてようやく、平常心で本作と向き合えるようになった。
「スコセッシが遠藤周作の小説を映画化するらしい」と聞いたのは、自分がまだ20代のころだった。
すぐに小説『沈黙』を手に取った。
1年後くらいには、映画が完成するものだと思っていたから。
だが映画は、いつになっても完成しなかった。
ときどき入ってくる、「いよいよ映画化に向けて…」のニュースを目にするたびに『沈黙』を読み返した。
たぶん5度ほど。
(実際に撮影が始まると、今度は短期間で繰り返し読んだ。結果、10度読み返したことになる。10回以上読んだ小説は、漱石の『それから』と『沈黙』の2作だけ!)
5度読み返したころの自分のことは、それぞれ思い出すことが出来る。
パソコンはなく、だからネットもせず、ただひたすらシナリオを書いていた時代。
いわゆる大恋愛をして、シナリオどころじゃなかった時代。
多重債務に悩み、切迫した日々を送っていた時代。
1本の映画で、タイムマシンに乗った気分になる。
現在のスコセッシは紳士だが、90年代直前くらいまでは狂人のようだった。
自分も変わったし、スコセッシも(根っこは一緒だろうが)変わった。
変わったからこそ、スコセッシは『沈黙』を創ることが出来たのかもしれない。
某日―。
新聞奨学生だったころの購読客さんとウェブ上でつながり、会おうということになった。
自分は当時18歳の専門学校生、お客さんは19歳の女子大生だった。
23年ぶりの再会―これがネットの凄さだが、毎月の集金なんて、せいぜい60秒程度。
60秒×24ヶ月だから、知らないひとと会うといってもいいくらいで。
期待? をしていなかったといったら嘘になるが、まぁふつうに呑んだだけである。
楽しく呑んだが、
「当時、牧野くんはいつもヘアバンドをしていたけど、似合ってなかった」
といわれたのには、苦笑するほかなかったな・・・。
某日―。
WOWOWで、待ちに待った『ツイン・ピークス 2017』の放送が開始される。
第4話までが放送され、それぞれ3度以上は繰り返し観たが、今のところ文句は一切ない。
前シリーズの放送は25年前、自分はまだ高校生だった。
このドラマに夢中になった日々もまた、しっかりと覚えている。
パソコンはもちろん、ワープロさえ持っていない自分は、ルーズリーフにドラマの「ヘタッピな」人物相関図を書き、各章の批評を記した。
ちょうどそのころ、シナリオの処女作(=『白昼夢』)を執筆していて、当時は完全なるオリジナルだと思い込んでいたが、いま読み返すと120%『ツイン・ピークス』のパクリであり、赤面どころの話じゃない。
『ツイン・ピークス 2017』は、前シリーズで活躍したキャラクターが沢山出てくるものの、空気感がまるでちがうので、懐かしさというものを感じさせる創りではない。
ないが、それでも当時の自分を思い出し、やっぱりタイムマシンに乗った気分なのである。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『初体験 リッジモント・ハイ(227)』
某日―。
飯田橋まで出かけて、映画『沈黙』(2016)を観る。
本年、14度目の鑑賞。
ここへきてようやく、平常心で本作と向き合えるようになった。
「スコセッシが遠藤周作の小説を映画化するらしい」と聞いたのは、自分がまだ20代のころだった。
すぐに小説『沈黙』を手に取った。
1年後くらいには、映画が完成するものだと思っていたから。
だが映画は、いつになっても完成しなかった。
ときどき入ってくる、「いよいよ映画化に向けて…」のニュースを目にするたびに『沈黙』を読み返した。
たぶん5度ほど。
(実際に撮影が始まると、今度は短期間で繰り返し読んだ。結果、10度読み返したことになる。10回以上読んだ小説は、漱石の『それから』と『沈黙』の2作だけ!)
5度読み返したころの自分のことは、それぞれ思い出すことが出来る。
パソコンはなく、だからネットもせず、ただひたすらシナリオを書いていた時代。
いわゆる大恋愛をして、シナリオどころじゃなかった時代。
多重債務に悩み、切迫した日々を送っていた時代。
1本の映画で、タイムマシンに乗った気分になる。
現在のスコセッシは紳士だが、90年代直前くらいまでは狂人のようだった。
自分も変わったし、スコセッシも(根っこは一緒だろうが)変わった。
変わったからこそ、スコセッシは『沈黙』を創ることが出来たのかもしれない。
某日―。
新聞奨学生だったころの購読客さんとウェブ上でつながり、会おうということになった。
自分は当時18歳の専門学校生、お客さんは19歳の女子大生だった。
23年ぶりの再会―これがネットの凄さだが、毎月の集金なんて、せいぜい60秒程度。
60秒×24ヶ月だから、知らないひとと会うといってもいいくらいで。
期待? をしていなかったといったら嘘になるが、まぁふつうに呑んだだけである。
楽しく呑んだが、
「当時、牧野くんはいつもヘアバンドをしていたけど、似合ってなかった」
といわれたのには、苦笑するほかなかったな・・・。
某日―。
WOWOWで、待ちに待った『ツイン・ピークス 2017』の放送が開始される。
第4話までが放送され、それぞれ3度以上は繰り返し観たが、今のところ文句は一切ない。
前シリーズの放送は25年前、自分はまだ高校生だった。
このドラマに夢中になった日々もまた、しっかりと覚えている。
パソコンはもちろん、ワープロさえ持っていない自分は、ルーズリーフにドラマの「ヘタッピな」人物相関図を書き、各章の批評を記した。
ちょうどそのころ、シナリオの処女作(=『白昼夢』)を執筆していて、当時は完全なるオリジナルだと思い込んでいたが、いま読み返すと120%『ツイン・ピークス』のパクリであり、赤面どころの話じゃない。
『ツイン・ピークス 2017』は、前シリーズで活躍したキャラクターが沢山出てくるものの、空気感がまるでちがうので、懐かしさというものを感じさせる創りではない。
ないが、それでも当時の自分を思い出し、やっぱりタイムマシンに乗った気分なのである。
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明日のコラムは・・・
『初体験 リッジモント・ハイ(227)』