Cape Fear、in JAPAN

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映画監督別10傑(13)オリバー・ストーン

2018-04-25 00:10:00 | コラム
~オリバー・ストーンのキャリア10傑~

かつて「70年代症候群」と呼ばれていた社会派の監督も、現在は「あの時代」に固執することなく「いま」を描くことも多くなった。

とはいえ国家を見つめる鋭い視線に変化はなく、そういう意味では「政治家に向いている」といった淀川センセーの評はまちがっていなかったのかもしれない。

ただこのひとは商人としての才能も持ち合わせていて、政治的メッセージを「商品にパッケージングさせてしまう器用さ」がセンセーに嫌われた要因だったと思われる。

でも、自分は大好き―とくに90年代前半までの、尖った感じが。


親日家であり、一部では大のソープランド好きが知られているが、
映画小僧として強調しておきたいのは、映画監督をやる前に、脚本家としてもきちんと結果を残しているところ。


『ミッドナイト・エクスプレス』(78)や『コナン・ザ・グレート』(82)、『スカーフェイス』(83)だって手がけているんだぜぃ!!


(1)『JFK』(91)

映画として、ほぼ完璧だと思う。

ミスターXがいうとおり、「真相はもっと深く、そして、もっと醜い」のだ。



(2)『プラトーン』(86)

ほとんどのひとが、この映画でストーンの名前を知ったことだろう。



バーンズを父、エリアスを母と見立てた構成も素晴らしかった。

(3)『Uターン』(97)

意外と知られていない小品だが、「偶然通りかかった街で災難」系の映画としては最高の部類に入る。

ショーン・ペンも、かなりノッている。

(4)『トーク・レディオ』(88)

ラジオDJの視点を通して、メディア論から社会論・政治論まで展開。

そう、ストーンはたしかに「つめこみ過ぎ」の傾向にはある。

(5)『ウォール街』(88)



経済音痴の自分でも充分に楽しめる、金融エンターテインメント。

(6)『ナチュラル・ボーン・キラーズ』(94)

QTの脚本が、なぜかストーンのもとに。

QTは出来に満足していないというが、ちょっと待て映画小僧さんよ、あなたがストーンの作家性や体質を知らなかったとは思えない。

この件に関しては、ストーンを支持する自分なのだった。

映画そのものは、テーマはともかく、映像センスは抜群。

(7)『7月4日に生まれて』(89)

トム・クルーズ、汚れ役に開眼。

忘れがちだが、ロバート・リチャードソンによるカメラが素晴らしい。

(8)『ニクソン』(95)

淀川センセーが初めて褒めたストーンの映画。



ケネディと自分を比較し、いじけてばかりいるニクソンをアンソニー・ホプキンスが好演。

(9)『ワールド・トレード・センター』(2006)

ストーンが描く9.11は、意外や意外、ミニマルなものだった。

港湾警察官を主人公にしているところはよかったが、正直もう少し突っ込んで描いてほしかった。

(10)『ドアーズ』(91)

ジム・モリソンと「あの時代」を、「ラリった」感じの映像で捉える。

映画としては少し物足りなさもあるが、ストーンが捧げる「あの時代」への恋文なのだろう。




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明日のコラムは・・・

『御意見番』
コメント (1)
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