『悪い奴ほどよく眠る』(60)
公団とゼネコンの汚職に、ひとりの男の復讐譚を取り込ませた重厚な黒澤流サスペンス。
5人で手がけた脚本―小国英雄、久板栄二郎、菊島隆三、橋本忍、そして黒澤―はさすがにスキがなく、とくに冒頭の結婚式は脚本を勉強する学生さんにとっての最良のテキストになると思う。
好きなシーンも、この結婚式から。
新婦(香川京子)の
兄(三橋達也)のスピーチがあまりにも素晴らしいので、後半部分すべてを引用しておこう。
※西とは、主人公・三船敏郎のこと。
「―佳子が西に惚れているように、私も西に惚れてます。
一年半前に西のやっていたちっぽけな自動車商会から中古スポーツカーを買ったのがきっかけでふたりは友達になったんですが、私は彼がいまどき珍しい正義感であることを知ってます。
一部では足の悪い妹と結婚して立身出世の足がかりにしているという噂もあるようですが、断じてそんなことはありません。
おい、西。
妹を可愛がってやってくれ。俺はこんなだらしない奴だが妹を幸せにするなら何でもする。妹を不幸せにしたら、貴様殺すぞ」
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『黄金週間特別企画 やっぱり「ここ」が好き(24)』
公団とゼネコンの汚職に、ひとりの男の復讐譚を取り込ませた重厚な黒澤流サスペンス。
5人で手がけた脚本―小国英雄、久板栄二郎、菊島隆三、橋本忍、そして黒澤―はさすがにスキがなく、とくに冒頭の結婚式は脚本を勉強する学生さんにとっての最良のテキストになると思う。
好きなシーンも、この結婚式から。
新婦(香川京子)の
兄(三橋達也)のスピーチがあまりにも素晴らしいので、後半部分すべてを引用しておこう。
※西とは、主人公・三船敏郎のこと。
「―佳子が西に惚れているように、私も西に惚れてます。
一年半前に西のやっていたちっぽけな自動車商会から中古スポーツカーを買ったのがきっかけでふたりは友達になったんですが、私は彼がいまどき珍しい正義感であることを知ってます。
一部では足の悪い妹と結婚して立身出世の足がかりにしているという噂もあるようですが、断じてそんなことはありません。
おい、西。
妹を可愛がってやってくれ。俺はこんなだらしない奴だが妹を幸せにするなら何でもする。妹を不幸せにしたら、貴様殺すぞ」
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明日のコラムは・・・
『黄金週間特別企画 やっぱり「ここ」が好き(24)』