Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

映画監督別10傑(11)ブライアン・デ・パルマ

2018-04-06 00:10:00 | コラム
~ブライアン・デ・パルマのキャリア10傑~

親友スコセッシより2つばかり年上の77歳、それでも元気で助平でありつづけるデ・パルマ御大。

今でこそ大作も手がけ巨匠のように捉えられているけれど、
本人がヒッチコック好きを公言することを憚らず、また、自作にヒッチコック的な要素を取り入れ過ぎたために、80年代までは「モノマネ監督に過ぎぬ」なんて悪口をいうひとも居た。

たしかにヒッチコックを真似たところは「多々ある」が、性根が「よい意味で」映画的に腐っているため、じつは似ても似つかない。

ヒッチコックがどれほど残酷な演出をしようとも、そこには「なんとなく、品。」があった。
翻ってデ・パルマは、ごくありふれたシーンを演出したとしても「なんとなく、下品。」なのだった。

これぞ真骨頂、
じつをいえば自分は、ヒッチコックよりもデ・パルマを敬愛している。

クソッタレでも映画を撮っていいんだよ。
いやクソッタレだからこそ、映画を撮るほかないだろう。

そんなことを教えてくれたひとだから。


(1)『キャリー』(76)

いじめられっこの聖典ともいえる傑作ホラー。

この映画を父親に薦めたのだが、返ってきたことばは「すべてが狂ってる。病んでいる。お父さんには、分からない世界だ」

うん、そのとおりかもしれない。



(2)『悪魔のシスター』(73)

シャム双生児の姉妹を題材とした、キワモノ・サスペンス。

現代では創れないかもしれないが、悪趣味が徹底していて、やけに面白い。



(3)『殺しのドレス』(80)

性病に罹った男、性的にフラストレーションを感じている中年女性、性倒錯者の医師。

あるドラマで精神科医が「すべての悩みはセックスに通ずるものですよ」と発したが、それを地でいく物語。

(4)『ミッドナイトクロス』(81)

録音技師を主人公とした、映画好きにはたまらないサスペンス。

トラボルタが、なかなかよい味を出している。

(5)『スカーフェイス』(83)

アル・パチーノのハイテンション演技と、エネルギッシュな演出。

脚本がオリバー・ストーンであることにも注目しよう。



(6)『アンタッチャブル』(87)

極論をいえば、初のメジャー作品、、、かもしれない。

大スターを前にしても「スタイルを変えなかった」ところが頼もしい。

(7)『カリートの道』(93)

『スカーフェイス』コンビが撮ったとは思えない、落ち着いた創り。

しかし、ケレンも忘れはしないぜ。



(8)『ファントム・オブ・パラダイス』(74)

哀しくて、美しくて、破廉恥で。

ロックオペラという新ジャンルを生み出した、この時代のデ・パルマ以外には撮ることが出来なかった怪作。

(9)『ボディ・ダブル』(84)

この映画がいちばん「ヒッチコック愛」が強いと思われるが、元になった『裏窓』(54)や『めまい』(58)と比較してほしい、やっぱり、ぜんぜんちがうでしょう。

ジェームズ・スチュアートが帰宅しても、嫁が別の男の上にまたがっていた・・・なんていう展開はありえないもの笑

(10)『パッション』(2012)



性悪女の騙し合いを、ときどき二分割の画面で―って、やっていることが70年代と変わらない。

そのことがうれしいので、細かい穴なんか気にしない気にしない。

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明日のコラムは・・・

『DNA』
コメント (1)
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