46年2月27日生まれ・72歳。
中国生まれ。
「映画は、ボクにとって玩具に過ぎない」
といい切っていた鈴木清順監督の代表作『ツィゴイネルワイゼン』(80)で、初めて大楠道代(おおくす・みちよ)さんを知りました。
清順印の映画としては、じつは、あんまり好きじゃありません。
馬鹿馬鹿しさを超えたところに感動が待っている『けんかえれじい』(66)、襖を開けるたびに背景色が変わる実験映画『刺青一代』(65)、そして日活を追われることになった『殺しの烙印』(67)が個人的3傑で、
物語が「あるようで、まったくない。」ともいえる『ツィゴイネルワイゼン』は、刺激的な映像がつづくので観ていて楽しいのですが、
やや「狙い過ぎた感」があり、まぁそれが清順スタイルというのは分かるのですが、ちょっとイヤだなと。。。
ただ、画面に大楠さんが登場するたび、おぉ! と前のめりになる自分が居ました。
ほどよく下品で扇情的、なんていやらしいひとなんだろうと(しばらく)ファンになりました。
<経歴>
大学在学中に本名・安田道代名義で『風と樹と空と』(64)に出演、女優デビューを飾る。
主演は、吉永小百合でした。
65年―勝新太郎と知り合い、勝の全面バックアップもあって大映の注目女優として売り出されることになる。
『座頭市 海を渡る』(65)、『兵隊やくざ 大脱走』(65)、
『処女が見た』(66)、『殿方御用心』(66)、『野菊のごとき君なりき』(66)、『氷点』(66)。
67年―『痴人の愛』で谷崎が生み出したファムファタール「ナオミ」を熱演、これをきっかけにして役柄の幅が広がっていく。
3度も映画化されていますが、67年版が最もよく出来ていると思います。
『若い時計台』(67)、
『秘録おんな牢』(68)、『セックス・チェック 第二の性』(68)、『尼くずれ』(68)、『悪名十八番』(68)、
『悪名一番勝負』(69)、『関東おんなやくざ』(69)、『女左膳 濡れ燕片手斬り』(69)、
『忍びの衆』(70)、『新女賭博師 壺ぐれ肌』(71)、『新兵隊やくざ 火線』(72)、『金環蝕』(74)。
タイトルを眺めていくだけで分かるのは、このころに、自身の魅力というものをはっきりと自覚していったこと。
じつはけっこうマトモな映画(?)、『セックス・チェック 第二の性』なんて、ミスリードしちゃった助平な男子が劇場を埋め尽くしたと思うんですよね。
それはつまり、「その可能性?」があると思わせるエロさが大楠さんにあったから、、、なのではないでしょうか。
76年、デザイナーの大楠裕二と結婚。
以降、芸名を大楠道代に。
80年、前述した『ツィゴイネルワイゼン』の演技が絶賛される。
清順映画では『陽炎座』(81)、『夢二』(91)でも好演、
ほかに阪本順治にも起用されることが多く、『鉄拳』(90)や『顔』(2000)、映画での最新作『団地』(2016)に出演。
ほかの出演作に・・・
『親鸞 白い道』(87)、『ベッドタイムアイズ』(87)、
『座頭市』(2003)、『赤目四十八瀧心中未遂』(2005)、『空中庭園』(2005)、『人間失格』(2010)、『大鹿村騒動記』(2011)など。
現在は気に入りの監督でないとオファーを快諾しないみたいですが、まだまだ、大楠さんの演技をスクリーンで拝みたいです。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『にっぽん女優列伝(54)大後寿々花』
中国生まれ。
「映画は、ボクにとって玩具に過ぎない」
といい切っていた鈴木清順監督の代表作『ツィゴイネルワイゼン』(80)で、初めて大楠道代(おおくす・みちよ)さんを知りました。
清順印の映画としては、じつは、あんまり好きじゃありません。
馬鹿馬鹿しさを超えたところに感動が待っている『けんかえれじい』(66)、襖を開けるたびに背景色が変わる実験映画『刺青一代』(65)、そして日活を追われることになった『殺しの烙印』(67)が個人的3傑で、
物語が「あるようで、まったくない。」ともいえる『ツィゴイネルワイゼン』は、刺激的な映像がつづくので観ていて楽しいのですが、
やや「狙い過ぎた感」があり、まぁそれが清順スタイルというのは分かるのですが、ちょっとイヤだなと。。。
ただ、画面に大楠さんが登場するたび、おぉ! と前のめりになる自分が居ました。
ほどよく下品で扇情的、なんていやらしいひとなんだろうと(しばらく)ファンになりました。
<経歴>
大学在学中に本名・安田道代名義で『風と樹と空と』(64)に出演、女優デビューを飾る。
主演は、吉永小百合でした。
65年―勝新太郎と知り合い、勝の全面バックアップもあって大映の注目女優として売り出されることになる。
『座頭市 海を渡る』(65)、『兵隊やくざ 大脱走』(65)、
『処女が見た』(66)、『殿方御用心』(66)、『野菊のごとき君なりき』(66)、『氷点』(66)。
67年―『痴人の愛』で谷崎が生み出したファムファタール「ナオミ」を熱演、これをきっかけにして役柄の幅が広がっていく。
3度も映画化されていますが、67年版が最もよく出来ていると思います。
『若い時計台』(67)、
『秘録おんな牢』(68)、『セックス・チェック 第二の性』(68)、『尼くずれ』(68)、『悪名十八番』(68)、
『悪名一番勝負』(69)、『関東おんなやくざ』(69)、『女左膳 濡れ燕片手斬り』(69)、
『忍びの衆』(70)、『新女賭博師 壺ぐれ肌』(71)、『新兵隊やくざ 火線』(72)、『金環蝕』(74)。
タイトルを眺めていくだけで分かるのは、このころに、自身の魅力というものをはっきりと自覚していったこと。
じつはけっこうマトモな映画(?)、『セックス・チェック 第二の性』なんて、ミスリードしちゃった助平な男子が劇場を埋め尽くしたと思うんですよね。
それはつまり、「その可能性?」があると思わせるエロさが大楠さんにあったから、、、なのではないでしょうか。
76年、デザイナーの大楠裕二と結婚。
以降、芸名を大楠道代に。
80年、前述した『ツィゴイネルワイゼン』の演技が絶賛される。
清順映画では『陽炎座』(81)、『夢二』(91)でも好演、
ほかに阪本順治にも起用されることが多く、『鉄拳』(90)や『顔』(2000)、映画での最新作『団地』(2016)に出演。
ほかの出演作に・・・
『親鸞 白い道』(87)、『ベッドタイムアイズ』(87)、
『座頭市』(2003)、『赤目四十八瀧心中未遂』(2005)、『空中庭園』(2005)、『人間失格』(2010)、『大鹿村騒動記』(2011)など。
現在は気に入りの監督でないとオファーを快諾しないみたいですが、まだまだ、大楠さんの演技をスクリーンで拝みたいです。
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明日のコラムは・・・
『にっぽん女優列伝(54)大後寿々花』