Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(244)

2018-04-09 04:13:49 | コラム
るーずそっく「す」→「す」けーる

スケール(scale)

<1>寸法・度などの目盛りのついている測定器具。物差し。また、その目盛り。

<2>大きさの程度、規模。

<3>音階

<4>天秤の皿

<5>水の中に溶けているカルシウムなどがボイラーの内側に固着したもの

※goo国語辞書より
※※本稿で用いるスケールとは、もちろん<2>のこと

…………………………………………

<2>の「大きさの程度、規模」にも、ふたつの意味がある。

ひとつは、考えかたが(よい意味で)常識離れしているひとを評する「あのひとは、スケールのでかいひとだ」。

いちどくらいはそんな風にいわれてみたいが、「他者にどう見られているか」を気にしている時点で、まぁ無理な話だね。

好き嫌いを抜きにして、すぐに浮かんだのはアントニオ猪木。

どう? スケールでかいと思わない?


もうひとつのスケールは、ずばり見た目。

しかし身長や体重、つまりヒトに対する見かけでは、あまり「スケールが大きい」とは評さない。
莫大な製作費をかけたとか、実物大の○○を作ってしまったとか、映画などの創作物を評する際に「スケールが大きい」といい、
ヒトに対してスケールを用いるのは「あくまでも内面・言動」、というのが面白いねぇ。


以下、自分の考える「スケールの大きな映画10傑」。

けっこうベタな並びなので、皆さんも納得してくれるのではないかしら。


(1)『風と共に去りぬ』(39…トップ画像)

この時代に、総天然色。

これを観た小津さんが、(戦争で)米国に勝てっこないといった―とされているが、それも納得。

(2)『ダンス・ウィズ・ウルブス』(90)

だって、本物のバッファローが走っているんだもの。



(3)『ベン・ハー』(59)

一般アンケートでは、もしかするとこれが1位かな。

戦車競走の迫力といったら、ない。

(4)『ドンキホーテを殺した男』(2018)

英国の変人、テリー・ギリアムの最新作。

まだ公開前なので予告編を観ただけだが、予告編が完成していることが奇跡と感じてしまう。

なぜなら度重なるトラブルにより、この映画は何度も何度も制作中断を余儀なくされたから。

つまり、この映画制作そのものが「スケールが大きい!」のであった。



(5)『乱』(85)

「後期」黒澤映画を象徴するかのような大作。

どでかいセットを最終的に壊してしまうという過程は、ある意味で気持ちいい。

(6)『イントレランス』(16)

(当時としては)破格の製作費を投じ巨大セットを作ったものの、興行収入は、その半分も回収出来なかったのだとか。

プロデューサーは頭を抱えたかもしれないが、
こういう映画を創ろうとする監督って基本、金儲けには興味ないのだよね。

(7)『黒部の太陽』(68)

実録ドラマとして正攻法の創り、
では、なんのスケールがでかいかというと、なんといっても裕次郎と三船の存在感でしょう。



(8)『アラビアのロレンス』(62)

広大な砂漠を焼きつけたフィルム。
映像そのものが、スケールでか過ぎなんじゃ。

(9)『復活の日』(80)

子どもながらに、外国映画みたいにパワフルだな、派手だな! と思って観た記憶がある。



(10)『タイタニック』(97)

特設スタジオにウォータータンクが用意され、そのなかに1700万ガロンの水を投入した。

やっぱり、やることが桁違いだねぇ。


次回のしりとりは・・・
すけー「る」→「る」いあーむすとろんぐ。

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明日のコラムは・・・

『平日ゾンビ』
コメント (2)
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