う「み」→「み」らい
トマス・モアのことば「ユートピア」(utopia=理想郷)の反対語は、「ディストピア」(dystopia)。
ユートピアと真反対の世界観。
つまり未来は明るいものではなく、ひたすら暗いものにちがいない、、、という考えかた。
映画と相性がいいのはディストピアのほう―といい切れないのだろうが、こっちの物語のほうが「より多く」創られているのは事実。
映画にかぎらないよね、小説でも漫画でも同じこと。
想像力を掻き立て、不安を煽り、観客になんらかの問題提起を植えつけることが出来るから。
すべてがハッピー♪ なだけでは、物語の紡ぎようもないし。
だから未来を描いた映画を選出するとなると、以下のように「ディストピア感、濃厚。」なものが大半を占めることになる。
(1)『ブレードランナー』(82)
酸性雨とネオンと。
血の通っていないはずのレイチェル(ショーン・ヤング)が、次第に体温を宿すかのように「変化する」展開に息を呑む。
※このバージョン、悪くない
(2)『マイノリティ・リポート』(2002…トップ画像)
預言者(?)の力を借りて、犯罪を未然に防ぐ世界。
死してなお映画化作品がつづくフィリップ・K・ディックって、ある意味でスティーブン・キングより偉大だ。
(3)『2001年宇宙の旅』(68)
「未来を描く」という観点で捉えると、このあたりに落ち着く・・・とはいえ、特撮技術の見事さは50年前の映画であることを忘れさせてくれる。
(4)『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』(89)
この世界に現実が追いつくことは出来なかったけれど、いやいや、この世界を超えるものも出来てるというオドロキ。
(5)『猿の惑星』(68)
たったワンショットで悲劇的な未来を描いてしまった、ディストピア映画の頂点。
(6)『未来世紀ブラジル』(85)
夢のなかに幸福を求めるヒトの姿というものが、哀しくていとおしい。
(7)『ガタカ』(97)
遺伝子操作が当たり前になった世の中、自然妊娠で生まれたものは「不適正者」と呼ばれるようになる。
派手な描写があるわけではないが、薄ら寒い世界をクールに描き、カルト的人気を誇る傑作SF。
(8)『A.I.』(2001)
未来造形よりも目を引くのは、スピルバーグのサディズムが炸裂するロボット解体ショーだろう。
キューブリックが描いたとしても、ここまでやらなかったと思われる。
(9)『12モンキーズ』(95)
タイムスリップという展開を除けば、けっこう現実味のある物語なのではないか。
(10)『メトロポリス』(27)
真のクラシックは、まったく古びない。
SFの先駆者たちが予想した未来は、やはりディストピアなのだね。
※著作権切れなので、全編観ることが出来ます。長いけど傑作よ、ぜひ!!
次回のしりとりは…
みら「い」→「い」んらん。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『読むスピードが異常に速くなりました。 ~2018総括(6)~』
トマス・モアのことば「ユートピア」(utopia=理想郷)の反対語は、「ディストピア」(dystopia)。
ユートピアと真反対の世界観。
つまり未来は明るいものではなく、ひたすら暗いものにちがいない、、、という考えかた。
映画と相性がいいのはディストピアのほう―といい切れないのだろうが、こっちの物語のほうが「より多く」創られているのは事実。
映画にかぎらないよね、小説でも漫画でも同じこと。
想像力を掻き立て、不安を煽り、観客になんらかの問題提起を植えつけることが出来るから。
すべてがハッピー♪ なだけでは、物語の紡ぎようもないし。
だから未来を描いた映画を選出するとなると、以下のように「ディストピア感、濃厚。」なものが大半を占めることになる。
(1)『ブレードランナー』(82)
酸性雨とネオンと。
血の通っていないはずのレイチェル(ショーン・ヤング)が、次第に体温を宿すかのように「変化する」展開に息を呑む。
※このバージョン、悪くない
(2)『マイノリティ・リポート』(2002…トップ画像)
預言者(?)の力を借りて、犯罪を未然に防ぐ世界。
死してなお映画化作品がつづくフィリップ・K・ディックって、ある意味でスティーブン・キングより偉大だ。
(3)『2001年宇宙の旅』(68)
「未来を描く」という観点で捉えると、このあたりに落ち着く・・・とはいえ、特撮技術の見事さは50年前の映画であることを忘れさせてくれる。
(4)『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』(89)
この世界に現実が追いつくことは出来なかったけれど、いやいや、この世界を超えるものも出来てるというオドロキ。
(5)『猿の惑星』(68)
たったワンショットで悲劇的な未来を描いてしまった、ディストピア映画の頂点。
(6)『未来世紀ブラジル』(85)
夢のなかに幸福を求めるヒトの姿というものが、哀しくていとおしい。
(7)『ガタカ』(97)
遺伝子操作が当たり前になった世の中、自然妊娠で生まれたものは「不適正者」と呼ばれるようになる。
派手な描写があるわけではないが、薄ら寒い世界をクールに描き、カルト的人気を誇る傑作SF。
(8)『A.I.』(2001)
未来造形よりも目を引くのは、スピルバーグのサディズムが炸裂するロボット解体ショーだろう。
キューブリックが描いたとしても、ここまでやらなかったと思われる。
(9)『12モンキーズ』(95)
タイムスリップという展開を除けば、けっこう現実味のある物語なのではないか。
(10)『メトロポリス』(27)
真のクラシックは、まったく古びない。
SFの先駆者たちが予想した未来は、やはりディストピアなのだね。
※著作権切れなので、全編観ることが出来ます。長いけど傑作よ、ぜひ!!
次回のしりとりは…
みら「い」→「い」んらん。
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明日のコラムは・・・
『読むスピードが異常に速くなりました。 ~2018総括(6)~』