fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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『どこどこ山はどこにある』書評(「季節風」137号)

2019年01月27日 | 自作紹介

 岸史子さんが、「やさしくて深い物語」と題して、『どこどこ山はどこにある』の書評を書いてくださいました。

 

 一部抜粋させていただきます。

 悠々とした時を感じる一方で、私はまどかをうらやましく思った。今の自分が介護を抱えていたら、おそらくきりきりと追われているに違いない(まあ、親の介護に直面して、「どこどこ山はどこだっけ?」など悠長に考える大人はそういないだろう)。つまり、本書は子どもだからこそ経験できるファンタジーなのだ。
 (中略)
 身近な人の死は誰もが経験するもの。本書を読んだ子が、大人になる過程で「どこどこ山」を思い出して救われるかもしれない。救われればいいなと願う。


 

 この書評を読んで、私は祖母を思い出しました。『どこどこ山はどこにある』は、かなり現在の母がモデルであって、祖母のことはそんなに考えていなかったのですが。
 私が20代のとき死んだ祖母は、今でいう介護というとらえ方をしないで、自宅でなくなったのですよ。私は仕事でほとんど家にいなかったし、あるいは母は大変だったのかもしれません。

また今号では、私も「言葉の駆け込み寺」と題して、『漢字はうたう』杉本深由起作・吉田尚令絵(あかね書房)の書評を書かせていただいております。

 投稿作品評の厳しさは、いつも以上! あさのあつこさんの言葉の力には、圧倒されます。この投稿評があるのが、他の同人誌と大きな違いです。そしてあるいは、「季節風」から多くの作家が誕生している所以かとも思います。