*小学校高学年から
もう一度、ご紹介します。「季節風」同人いとうみくさんのデビュー作です。
へこんでても、くそって思うことがあっても、
おいしいものを食べると
幸せ!って思える。
それで、明日はきっといいことがあるって、
そう信じることができるんだ。(プロローグより)
第一章では糸子視点で、他の章ではそれぞれ別の子の視点でそれぞれの物語が描かれています。でも細川糸子が何かを食べるときの幸せそのものの描写、クラスメートの絡みのシーンのクスっとなるような傍若無人ぶりが各章を通じてあることが、一冊の本として力を持っています。亡き後藤竜二氏が「糸子は大事にしなさい」とみくさんにおっしゃっていたとのこと。
私は第二章の坂巻さんが、糸子を暑苦しい、鬱陶しいと思いながらも無視できない様子が、好きです。
本の作りもステキです。ブックカバーをめくると、そこには……。図書館の本ではこの楽しみが得られないのが、残念です。帯は、「季節風」代表のあさのあつこさん、イラストは『バッテリー』の佐藤真紀子さんというゴールデンコンビです。
みくさん、あらためておめでとうございます。
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岩手に来ました。
数回しかお会いしたことはないのですが、いっしょの読書会の方の訃報のが入ってきました。心からご冥福をお祈り申し上げます。