昨日出かけたブックトーク。取り上げられた本は、
・第三書館編集部『ハシズムは沈むか』(第三書館)
・坂口恭平『独立国家の作り方』(講談社現代新書)
・ナオミ・クライン『ショック・ドクトリン(上)惨事便乗型資本主義』(アリス館)
・本橋成一『アレクセイと泉のはなし』(アリス館)
・〈なくそう! 子どもの貧困〉全国ネットワーク編『大震災と子どもの貧困白書』(かもがわ出版)
・肥田舜太郎・鎌仲ひとみ『内部被爆の脅威-原爆から劣化ウランまで』(ちくま新書)
・雨宮処凜『14歳からの原発問題』(河出書房新社)
・上坂高生『あかりのない夜』
・梨木香歩『僕は、そして僕たちはどう生きるか』(理論社)
・ジェフリー・トリース『黒旗山のなぞ』(学研文庫)
・本橋成一『ナターシャ 希望の村 チェリノブイリ、いのちの大地』(学研)
・通販カタログ編集部『汚染された大地に暮らすということ チェノブイリ被災11家族の10年』(ブックレット カタログハウス)
・今関あきよし、堀切リエ『カリーナのりんご チェリノブイリの森』(子どもの未来社)
・もんじゅ君著、小林圭二監修 『さよなら、もんじゅ君 高速増殖炉がかたる原発のホントのおはなし』(河出書房新社)
でした。私は、『僕は、そして僕たちはどう生きるか』を持っていき10分間トークをしました。出版されたのは2011年4月ですが、雑誌に発表されたのは震災前です。ですから3,11を受けて書かれたものではないので、ちょっと違うかなあとも思ったのですが、何人かの方に、「この本をここに出してくれてよかった」という旨のことを言っていただけました。
群れが大きく激しく動く
その一瞬前にも
自分を保っているために
この本の冒頭に書かれている一節です。また後半に近いところには、「彼女の声をキャッチしてあげればいいんだ。そのときどきに。「だいじょうぶ。そこに君がいることは忘れていないよ」って意味を込めて。
とあり、最後は、
やあ。
よかったら、ここにおいでよ。
気に入ったら、
ここが君の席だよ
と結ばれています。絆というスローガンを否定はしませんが、混沌とした世の中で、静かに自分を見つめ、群れないことを選ぶことも自分の精神を守るためには必要だというメッセージがこめられていると感じました。大きなテーマは「再生」ではないかと私は受け取ったのですが、他にもいろいろな切り口で、社会批判をしている小説。子どもをとりまく状況への怒りをこのような小説の形にできるのは、さすがです。
みなさんよく勉強してらっしゃいます。『日本児童文学』編集長Nさんの「知る力と知る勇気が必要。そのための体力をつけなくてはならない。冷静な知の力が求められている」という言葉がズシンときました。知力、体力、どちらも……。
さっそく『14歳からの原発問題』を購入し、電車で読みながら帰ってきたところ、「大飯再稼働正式決定」の大見出しの夕刊に迎えられてしまいましたが。