たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

霧雨に烟る稲含山はなかなか情緒があった。

2011年08月27日 | 近所じゃない群馬県の山
◎2011年8月27日(土)

 ぐずついた天気が続き、ここのところずっと、行く山を決めるのに苦慮している。先週は、長野まで出かけ、登山口で1時間の雨宿りをしただけで戻って来た。最近、持病になってしまった腰痛が、このロングドライブでさらに悪化し、医者には、5時間以上歩くなと釘をさされた。5時間の根拠は説明なしだった。いずれ、腰痛が和らいだら、いつものように歩くつもりではいるが、今は用心しておかないといけない。それにしても、雨がずっと続いている。梅雨空だ。アブ山行以来3週間も歩いていないから、体調がどうもすっきりしない。ここずっと遠ざかっている西上州の山でも久しぶりに歩いてみようと思った。雨にあたっても短時間で済ませたい。そんな山を探したら、稲含山があった。幸いにも、稲包山は歩いたことがあるが、稲含山はない。

 林道稲含高倉線は9月末まで舗装工事中で、途中で通行止めになっている。これは、甘楽町のホームページでも確認していたし、最近、稲含山を歩かれた方のブログ記事にも記載されていた。せいぜい、2km程度のことだから、林道を歩き30分追加といったところか。林道に入って程なく、重機を使った工事をしていた。ここから歩くのは厳しいなと思い、工事の方に聞いたら、通行止めの箇所はまだ先。その30代と思しき工事関係者、山好きな方らしく、稲含山に登るのかと聞いてきた。ご自分は、明日、那須の釈迦ヶ岳に登るとおっしゃっていた。天気がどうですかねと言って別れたが、子供の遠足のように、うれしそうに、明日の山歩きを無性に楽しみにしている様子が手に取るように分かった。つい、釈迦ヶ岳だけは本当に晴れればいいねと願ってしまった。

(ここから通行止め)


 通行止めは、林道が2分するところから始まっていた。ここは「旧登山口」とのことだ。林道を歩くよりは、旧コースを歩いてもいいのだが、どこにも、踏み跡らしきものはなく、あったとしても、この霧雨では、ヤブこぎで全身ずぶ濡れは必至。林道を歩いて行くことにする。大方、林道が延びるまでは、ここが林道終点で、ここから歩いたという意味の「旧」なのだろう。着替えをして9時に出発。ビニール傘持参。この天気の中、駐めてある車はない。林道はずっと舗装されている。アスファルトではなくコンクリート道。ビニールシートを一面に被せた箇所があった。それ以外の工事箇所はなし。この林道、利用者のほとんどが稲含山ハイキングだろうが、ここまで、経費をかけてハイカーに親切にすることもあるまいにと思ってしまった。工事規制も9月末。紅葉の時期に目を向けた対応だろう。余談だが、この先、山頂までのハイキング道もしっかりと整備されている。この山が群馬百名山に選ばれなかったら、どういうことになっていたのだろうか。

(新秋畑神社)

(ハイキングマップ)

(旧金魚池)


 20分ほど歩いて、左手に神社があった。「稲含大明神」と記されている。正式には、新秋畑神社と呼ぶらしい。林道は未舗装になった。この先が神の池公園だろうか。どうも公園らしくない。案内図板があり、脇に、手書きで「ここは旧金魚池です」と記されている。やたら新旧の多いところだ。ここから入る。9時30分。ここまで、たっぷりと汗をかいた。背中はもうぐっしょりだ。右手に池がある。これが旧金魚池か。金魚や鯉も泳いでいるけど、現役の池じゃないの?ちょっと登って、林道に出る。これまで歩いていた林道だ。コースはその向かいに続く。ここでようやく理解した。ネットやらガイドに出ている登山道入口の写真はこれだったのか。ということは、駐車場は案内看板の先ということか。

(神の水。何年か前に神の手と呼ばれる古代史ねつ造屋がいたっけな)

(側にあった社)

(二の鳥居)

(旧秋畑神社)


 間もなく、道は分岐し、右方向は赤鳥居。帰りは赤鳥居を経由する予定。一の鳥居は気づかずに通り過ぎていた。やがて神の水。その前に大ケヤキへの道が分かれる。視界は悪いが、ハイキングコースはしっかりしていて、安心しきって歩ける。岩の下に、小さな木の社が置かれている。扉を開けてみようとしたが開かなかった。水の神でも祀っているのか。水は特に冷たい感じはしなかった。なおも、緩い斜面を登り続ける。10時、秋畑稲含神社。大分荒れている。参考にさせていただいたブログの記事によれば、これが「旧秋畑神社」で、下に移転して「新」となったらしい。案内板によれば、養蚕と農耕の神様のようだ。由縁の記された看板があった。

(クモの巣にしてはかなり密のような。至る処にある。クモの巣じゃないな)

(右下はかなりの急斜面)

(神社の多い山だ)


 しばらく休んで先に行く。斜面の灌木の間に綿帽子がやたらと目に付く。よく見ると、クモの巣のようだ。こんな芸術もあるんだね。そういえば、ここまで、クモの巣に随分とあたったが、ねばり気が余りないのか、不快な思いにならない。霧雨の中とはいえ、アブにも追いかけられず、気持ちの良い歩きを続けている。赤鳥居からのルートに合流。左手に地蔵。足の指先もはっきりと揃い、新しいものだろう。しばらく、柵に沿って歩く。右手を見ると、急斜面になっていて、この柵がなければ、足が震えるところだ。町境を越えたのか、今度は下仁田の稲含神社。ここに遠足で来たのであろう地元の学校の校歌の歌詞が7枚貼られていた。もうここまで来れば、山頂はすぐそこだ。ちょっと行って、稲含山山頂。10時30分。

(展望盤)


 霧で何も見えなかった。展望盤も役立たず。西上州の山もいくつか歩いたが、霧の中で歩いたのは、物語山、小沢岳に続いて3つ目。確率が高いというより、今日のように、間に合わせで来る機会が多いということだろう。おにぎりを食べ、しばらく休む。すっきりしていればいい山だろうな。三等三角点も置かれている。山頂の南側に、踏み跡があり、立入禁止のロープがあった。これは、きっと、白髪岩に向かう尾根ルートだろう。霧がますます濃くなり、雨もぱらついて来た。10時50分、下山。傘を広げる。

(なかなか気持ちの良い下りだった)

(赤鳥居)

(こんな表示が。神社側としては我慢ならなかったのだろう)

(一の鳥居)


 下りは赤鳥居に向かうが、これまでの上りルート以上に整備されている。しかも幅広。特に急な箇所もなく、傘をさしても木にぶつけることもない。だれも歩いていず、雨の音が静かに聞こえる。なかなか趣があっていい風情だ。11時10分、赤鳥居。そして、茂垣峠(地図に記された鳥居峠)を経て、鉄塔。

(林道に出た)


 登る際に気づかなかった一の鳥居をくぐれば、もう林道に辿り着いてしまった。11時20分。雨の粒も大きくなってきた。林道をてくてく下り、駐車地に着いたのは11時45分。わずか2時間45分の山歩きだった。前半は疲れたが、後半になって、ようやく気だるさも抜け、すっきり気分のいい歩きができた。しかし、衣類は汗でぐっしょり、ザックは雨でびっしょりになった。一日・複数山歩きを心がけるハイトス氏、稲含山の後、さらに鍬柄山、大桁山へと遠征されているが、そこまでの気力はない。このまま帰るとする。帰宅後、ハイトス氏の記事を改めて拝見したが、12月に歩かれ、木々の葉も落ちた後だったせいか、まったく雰囲気の違う写真ばかりが並んでいた。別の山みたい。

コメント (4)    この記事についてブログを書く
« アブに惹かれて日留賀岳 | トップ | 岩菅山はやけに水気の多い山... »

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ぶなじろう)
2011-08-28 18:57:25
今晩は。
以前、稲包山と稲含山を混同して、コメントを書いてしまった事を思い出しました。その節は、大変失礼しました。
今回こそ、稲含山ですネ。とは言っても稲含山は、字面のみ知る山でして・・・。
写真を拝見する限り、随分と湿気に満ちた山に見えます。それでいて、最後はスッキリとは・・・。感心する他ございませんです。
ところで、腰痛はイヤですねぇ。おいらも、椎間板ヘルニアで苦しんでおります。おいらの場合は、歩けば歩くほどに快調です。長時間歩行をサボるとトタンに腰痛になります。マグロが泳ぎをやめると呼吸困難で死んでしまうのと同じで、歩くのをやめると腰痛で歩けなくなってしまうのです。
腰痛の原因にもよるかと思いますが、おいらの場合は長時間歩行が一番の良薬です。
車はハイゼットにしてから、腰が楽になりました。直立不動の姿勢で運転できるからかも。高級車に乗せてもらうと、一発で腰が痛くなります。
返信する
ぶなじろうさん (たそがれオヤジ)
2011-08-28 21:44:41
ぶなじろうさん、久しぶりのこんにちはです。
ポイントを押さえたコメントをいただきありがとうございます。
まず、山のこと。私にとっても、稲含山は湿気に満ちた白く霞んだ山でした。晴れていたなら、やはり、この山は、夏の時期ではなく、晩秋から冬にかけて歩く山だなと思ったでしょうね。
さて、本題。私の腰痛は、医者がヤブ歩き専門だからでしょうか、病名を言わないのですよ。ぶなじろうさんのような椎間板ヘルニアかもしれないし。腰痛よりも、主役は足の痛みなのです。あやふやに申せば、座骨神経痛なのでしょうがね。時間をみては、勤務先の近くの整形外科にリハビリでまめに通っているのですが、一向に、痛みとしびれは抜けない。歩いている分には、まったく、支障がない。これ、ぶなじろうさんと同じでしょうね。
頸椎、腰椎ともに、レントゲンで見る限りいびつになっていますから、もう、身体もガタガタですよ。ついこの間までは、頸椎のゆがみからくる肩こりがすごかったのですが、今度は腰とは。何ともはやの状態です。60代を通り越して、一気に70代の身体になりつつありますよ。
返信する
霧の稲含山 (ハイトス)
2011-08-29 23:07:12
同病相憐れむのハイトスです。
自分の場合はぶなさんと同じ椎間板ヘルニアとはっきり云われました。うれしくとも何ともありませんでしたがはっきりと病名は云われた方が良いですよね。

たしがれさんも久しぶりの記事でしたね。
まったくここしばらくの毎週末の天気は案配がわるく、このまま9月になってしまいますわ。
霧というかガスの中の稲含山は自分らが行った時とは様相がかなり異なっており、なんか少し幽玄的な雰囲気ではありますね。

さて、西上州の玄関口の山と云えば稲含山と鍬柄山、大桁山が門柱のように1対なのであります。
なんてこだわった訳ではありませんが、合わせても6時間程度ですので、登るぞという気力だけの問題でしょうか。
返信する
ハイトスさん (たそがれオヤジ)
2011-08-30 08:38:56
腰痛フォーラムになってしまいましたね。
ハイトスさんも椎間板ヘルニアですか。ぶなじろうさん、ハイトスさんといい、あのタフネスな歩きの秘訣は腰痛にあったのですか。どうせなら、自分もほったらかしにして、さらに悪化させたいところです。
ハイトスさんも、高級車はやめにして、ハイゼットか軽トラにしてはいかがですか。私も本気で考えよう。

さて、鍬柄山、大桁山が稲含山とともに門柱なら、本来、稲含山の山頂から真ん前に見えるはずですよね。あの白い山では何も見えませんでした。影形だけでも見えていれば、少なからず気力は沸いたかと思うのですがね。改めて、雪の時期に行ってみましょう。
返信する

コメントを投稿

近所じゃない群馬県の山」カテゴリの最新記事