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◎2012年6月10日(日)
花見ヶ原の駐車場(7:30)……黒檜山(9:20~9:50)……林間道路分岐(11:00)……駐車場(11:35)
とうとう梅雨入りとなり、しばらくは長時間歩きも控えざるを得ない。当初は、未踏のままの、地蔵岳南尾根の下からの完徒を企ててもみたが、土曜日は雨になり、日曜日は晴れるのは分かってはいるものの、何せ長距離になりそうな歩きゆえ、いつ天気が崩れるかもしれず、まして、翌日は平日だ。あっさりとやめにした。短時間で行ける、近場の山を物色した。赤城山の黒保根ルート・花見ヶ原から歩いたことがないのを思い出し、ここにすんなりと決定。早速、ハイトス氏資料をあさったが、氏は歩かれたことがないのか、つまらないコースでうっちゃられたか、該当コースの記録がない。その他大勢さんの記録をさっと読んでみた。いずれも共通して「展望のない林の中を延々と歩く」というのが共通して書かれてあった。これは、自分の暗い感じの歩きにぴったりじゃないのか、大いに期待したい。
(ここから入る)
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(なるほどな。ツツジもきれいなわけだ)
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(群馬県花)
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桐生市のネット記事では、花見ヶ原森林公園キャンプ場は「予約受付停止」となっているが、予約表を見る限り、夏休みの間は営業しているらしい。原発事故の影響らしいが、別にキャンプ場に用事はないし、車が入れればそれでいい。キャンプ場に向かうと、左に「大洞・大沼」の案内板が見え、右手に駐車場があった。駐車場には車がなかった。袈裟丸山は上がガスで見えない。昨日は終日雨。ぬかるみもあるだろうし、短時間だからと、ゴム長にする。出発。あれっ、このコース、関東ふれあいの道になってんじゃないの。あまり面白みは期待できないが、まずは先に行く。カッコウの鳴き声。これはいいね。すっかりと春だ。続いて、ホーホケキョ。レンゲツツジも盛りだ。確か群馬県の県花だ。レンゲツツジは行くにしたがい、増えていく。なるほど、この辺は「つつじ園」というんだ。看板があった。袈裟丸山がようやく顔を出した。「熊出没注意」の張り紙。キャンプ場に熊とは何とも物騒だ。この時はあくまでも他人事。
(しばらくはこんな雰囲気。確かに歩く人は少ないようだ)
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(最初の交差点。帰りは、ここを右に行ってみた)
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ツツジを眺め、写真を撮りながらゆっくり歩いて行くと、上から人の声。駐車場に車もなかったし、先行者はいないと思っていたが、5人グループだった。もっと別の駐車場があったのだろうか。追い抜きながら、イントネーションを聞くと、栃木の方々のようだ。分岐。自分が来た道の方には「村道分岐点」(今は市道になっているのだろうが)。そして、クロスした道は「林間歩道」となっている。この林間歩道を黒檜山に向かう。ササが出て、レンゲツツジも消えた。しばらく行くと「黒桧山3KM 花見ヶ原1KM」の道標。ここで本コースが4kmであることを知る。アカヤシオの花が随分と落ちている。居残りが少し咲いている。一気に殺風景になった。もう終わりなのだろうと思ったが、今度はヤマツツジが出てき、合わせるようにアカヤシオも出てくる。これはいい。花のことはまったく調べもせずにこのコースにやって来たが、ツツジが旬の時期とは知らなかった。ラッキーだった。
(さすが、ふれあい道。道標は完備されている)
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(今度は白いのが)
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(そしてピンク)
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ゴム長の中で、中敷きがよじれて、歩きづらくなった。二枚重ねにしているから1枚抜いただけで済んだが、今日は確かにぬかるみがあって、ゴム長で正解であった。中敷きを工夫しないと。ちょっと痛い。今度はシロヤシオが出てくる。陽の光で見えづらかったが、意外にもかなり咲いている。沢を渡り(以降、同じ沢を3回ほど渡るが、水量は少ない)、中間点に着いた。道標は500m毎に置かれている。このコース、確かに、ツツジがきれいで、この時期なら最高のコースだろう。ただ、他の赤城のハイキングコースに比べたら荒れているかもしれない。黒檜山だけに行くのならいいが、周回をするには不向きなコースだ。シラカバとダケカンバ主体の自然林の中、静かな歩きは楽しめる。いずれを優先するかということだろう。さて、今日の歩き、下りコースは決めかねていた。山頂の北側から北東の尾根で下って林道に出る案がなくはないが、その先がかなり大回りになる。こんなに気持ちよく歩けるのなら、ここをそのまま下ってもいいか。あと、せっかくの短時間歩きだから、小黒檜山立ち寄りも想定内ではあるが、200m以上の登り返しはかなりつらいだろう。現時点では保留にしている。現地で決める。
(このコースには、こんな木道は無粋だと思う)
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(気持ちの良い歩きが続く)
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(こんなものも置かれているが、道標も含めすべてが古い。整備はされていないようだ)
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(唯一のシャクナゲ)
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(黒檜山の稜線)
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上がるに連れ、アカヤシオだかトウゴクミツバツツジが主流になる。いずれかだろうが、しかと判別がつかない。あちこちに花を広げている。木道が現れる。こんなのを置いてもあまり意味のないような気がする。雰囲気だけはいいのだが。案内板があった。この近辺のツツジの解説だ。5月はムラサキヤシオとトウゴクミツバツツジ。6月に入ると、アカヤシオ、ヤマツツジ、シロヤシオ、レンゲツツジが加わるとあった。あるいは、すべて見ているのかもしれない。何せ、判別ができない体たらくだ。黒桧山1kmの標識からは、ツツジもまばらになった。シャクナゲが花を開き、これからはシャクナゲかなと思ったが、シャクナゲはこれだけだった。ようやく、正面に黒檜山の稜線が見えてきた。確かに、ここまでは展望のない歩きが続いていた。ただ、「延々と歩く」といったニュアンスのような嫌らしさは感じなかった。むしろ、緑もきれいで飽きない歩きだ。
(最後の急登とはいってもたかが知れている傾斜だ)
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(稜線に出ると、ガスが巻いていた)
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(左から駒ケ岳ルートが入り込む)
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(黒檜山の山頂に到着)
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(北側の山頂)
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(懸案の小黒檜は見えたり隠れたり)
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少し急になった。これまで、ずっとなだらかであった。これとて、さして急ではない。他のコースに比べて、時間がかかる分、傾斜はなだらかだということだろう。確かに初心者向けコースかもしれない(これは自分が言うのではなく、何かに記されていた)。駒ヶ岳からのコースに合流。地蔵岳も長七郎山もガスで見えない。黒檜山大神を通過して山頂。10人くらいのハイカーがいた。さっさと北側山頂に向かう。先行者が1人。こことて、何も見えない。小黒檜山に行く行かない以前の段階だ。ヤブ尾根の歩き、ガスに巻かれては歩けまい。さて、その先行者、挨拶を交わした際、栃木かなと思ったが、やはり、鹿沼からいらしたそうだ。オッサンか青年か微妙な境界線上だ。しばらく雑談した。見晴山の下に車を置き、ぐるりと外輪山一周だそうだ。これから五輪尾根に向かうとのこと。コースが整備されているとはいえ、自分には出来まい。どこか近道はないかと問われたが、変なところに出て法面になっているのではどうしようもない。猫岩ルートで地道に下るしかないんじゃないの。鹿沼氏と話をしながらも、絶えず小黒檜山が気になった。次第にガスが上がり、見えてくる。改めて、帰りの登り返しはきついなと悟った。今日は無理と判断。歩くとしたら、大沼から上がった時だな。鹿沼氏と別れ、下る。
(この分岐の道標に記された「花見ヶ原キャンプ場」。これまで一顧だにすることはなかった)
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(小沼と地蔵岳がかろうじて見えた)
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帰りがけ、ガスが上がったので、当初予定していた北東尾根を確認した。ここも緩やかな尾根だ。送電線が目印になり、その下に、何かの施設がある。いずれにしても、それを下るのはかなりの遠回りになりそうだ。予定どおりに来た道を下る。黒檜山大神の前でタバコをふかしているオッサンがいた。戻って、仲間入りしようかと立ち止まったが、迷惑かもしれないかなと思い、花見ヶ原分岐で休んだ。何を隠そう、山頂で吸いたいのを、鹿沼氏が側にいたので我慢していただけのことである。1本吸い、ウィダーインを含んで、同じコースを下る。追い越した5人グループが上がってきた。やはり、イントネーションは栃木なまり。なぜかほっとする。続いて山ガール2人組。以降、7~8人のグループ以外に12人ほどと出会う。
(引き続き、その1)
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(その2)
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(その3)
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(その4)
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(その5)
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(キャンプ場のバンガロー)
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帰り道はゆっくりだ。広い斜面の下りゆえ、脇のヤブに入り込んではツツジ鑑賞の連続。写真もかなり撮ったが、後で見てみると、全体が白っぽく、ろくな写真になっていなかった。オート撮影はオールマイティじゃないのかね。だらだらと下って分岐。レンゲツツジがきれいな一帯に入った。春ゼミがうるさいくらいに鳴いている。今朝は聞こえなかったはず。せっかくだから、キャンプ場をぐるりと回ろうか。地形図に記された「花見ヶ原森林公園」の周囲の破線のルートだ。しばらく行くと、キャンプ場の入口。ここを突っ切ると、駐車場に着くはずであるがそのまま行く。敷地内に人の気配がない。
(ウリ坊に出会う。保護色になっちまって見づらいが)
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さて、ここからが、本日の核心部分。行く手にウリ坊が2匹、立ち止まってこっちを向いている。カメラを構えるとササヤブに入る。また出て来た。写真を撮ったら、今度は図体のでかい母親イノシシが横切って、ウリ坊達も共に逃げて行った。この程度なら、まだのどかな雰囲気の部類だ。突然、左脇の沢から、まさに「ガォー」という雄叫びが聞こえたと同時に、沢斜面を、地響きを立てて上に掛け登って行った大きな黒い四つ足を見た。20mと離れていなかった。びっくりして固まってしまった。おそらく、自分の鈴の音か足音で逃げ出したのであろう。ここは、キャンプ場の敷地からは離れていず、いわゆる遊歩道の「林間歩道」だ。突然出くわしたらえらいことになっていた。撃退スプレーを手に持ち、ピンを抜いて開放状態にしたまま、指先をプッシュボタンに置いて歩かない限り保障はないだろう。それにしても、冷静沈着に写真に収めたみー猫氏には恐れ入る。熊との出会いは久しぶりだ。足尾の巣神山以来だから、もう5年にもなるか。それ以前の出会い体験も含め、その都度固まっている己の姿しか思い出せない。
(両手で鈴を振りながら歩いた。実際は、もっと薄暗くなっている)
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当然、あとは、恐る恐るの歩きになってしまった。両サイドはササヤブ。鈴は手に持った。レンゲツツジはさらにきれいなのだが、どうも、気が急いてしまう。ここに登り坂があったりなんかして、余計にいらいらする。駐車場が見えた時はほっとした。襲われずに済みそうだ。駐車場には他に栃木ナンバーの車が1台。きっと、他のところにも駐車場があるのだろう。キャンプ場の管理棟に行ってみた。すぐそこだ。隣接してやはり駐車場。ここには7台くらいの車が置かれていた。駐車場に着いたと同時に雨がぱらついてきた。グッドタイミングでの戻りだった。単調な、初心者向けの往復コースではあったが、予期せずに、多種のツツジ見物を堪能した歩きであった。熊以外はそれなりに満足であった。
※追記。さきほど9時のNHKニュースで知った話だが、絶滅したと言われていた九州の熊が、目撃者情報で、再調査しているらしい。みー猫さんからいただいた、先日の九州歩きのコメントで、絶滅を初めて知った次第で恥ずかしい限りだっただけに、インパクトの強いニュースであった。自然保護やら野生動物保護の立場から、熊の生息を期待する向きがあるのは結構な話ではあるが、襲われたらたまったものではないことだけは確かである。
花見ヶ原の駐車場(7:30)……黒檜山(9:20~9:50)……林間道路分岐(11:00)……駐車場(11:35)
とうとう梅雨入りとなり、しばらくは長時間歩きも控えざるを得ない。当初は、未踏のままの、地蔵岳南尾根の下からの完徒を企ててもみたが、土曜日は雨になり、日曜日は晴れるのは分かってはいるものの、何せ長距離になりそうな歩きゆえ、いつ天気が崩れるかもしれず、まして、翌日は平日だ。あっさりとやめにした。短時間で行ける、近場の山を物色した。赤城山の黒保根ルート・花見ヶ原から歩いたことがないのを思い出し、ここにすんなりと決定。早速、ハイトス氏資料をあさったが、氏は歩かれたことがないのか、つまらないコースでうっちゃられたか、該当コースの記録がない。その他大勢さんの記録をさっと読んでみた。いずれも共通して「展望のない林の中を延々と歩く」というのが共通して書かれてあった。これは、自分の暗い感じの歩きにぴったりじゃないのか、大いに期待したい。
(ここから入る)
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(なるほどな。ツツジもきれいなわけだ)
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(群馬県花)
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桐生市のネット記事では、花見ヶ原森林公園キャンプ場は「予約受付停止」となっているが、予約表を見る限り、夏休みの間は営業しているらしい。原発事故の影響らしいが、別にキャンプ場に用事はないし、車が入れればそれでいい。キャンプ場に向かうと、左に「大洞・大沼」の案内板が見え、右手に駐車場があった。駐車場には車がなかった。袈裟丸山は上がガスで見えない。昨日は終日雨。ぬかるみもあるだろうし、短時間だからと、ゴム長にする。出発。あれっ、このコース、関東ふれあいの道になってんじゃないの。あまり面白みは期待できないが、まずは先に行く。カッコウの鳴き声。これはいいね。すっかりと春だ。続いて、ホーホケキョ。レンゲツツジも盛りだ。確か群馬県の県花だ。レンゲツツジは行くにしたがい、増えていく。なるほど、この辺は「つつじ園」というんだ。看板があった。袈裟丸山がようやく顔を出した。「熊出没注意」の張り紙。キャンプ場に熊とは何とも物騒だ。この時はあくまでも他人事。
(しばらくはこんな雰囲気。確かに歩く人は少ないようだ)
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(最初の交差点。帰りは、ここを右に行ってみた)
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ツツジを眺め、写真を撮りながらゆっくり歩いて行くと、上から人の声。駐車場に車もなかったし、先行者はいないと思っていたが、5人グループだった。もっと別の駐車場があったのだろうか。追い抜きながら、イントネーションを聞くと、栃木の方々のようだ。分岐。自分が来た道の方には「村道分岐点」(今は市道になっているのだろうが)。そして、クロスした道は「林間歩道」となっている。この林間歩道を黒檜山に向かう。ササが出て、レンゲツツジも消えた。しばらく行くと「黒桧山3KM 花見ヶ原1KM」の道標。ここで本コースが4kmであることを知る。アカヤシオの花が随分と落ちている。居残りが少し咲いている。一気に殺風景になった。もう終わりなのだろうと思ったが、今度はヤマツツジが出てき、合わせるようにアカヤシオも出てくる。これはいい。花のことはまったく調べもせずにこのコースにやって来たが、ツツジが旬の時期とは知らなかった。ラッキーだった。
(さすが、ふれあい道。道標は完備されている)
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(今度は白いのが)
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(そしてピンク)
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ゴム長の中で、中敷きがよじれて、歩きづらくなった。二枚重ねにしているから1枚抜いただけで済んだが、今日は確かにぬかるみがあって、ゴム長で正解であった。中敷きを工夫しないと。ちょっと痛い。今度はシロヤシオが出てくる。陽の光で見えづらかったが、意外にもかなり咲いている。沢を渡り(以降、同じ沢を3回ほど渡るが、水量は少ない)、中間点に着いた。道標は500m毎に置かれている。このコース、確かに、ツツジがきれいで、この時期なら最高のコースだろう。ただ、他の赤城のハイキングコースに比べたら荒れているかもしれない。黒檜山だけに行くのならいいが、周回をするには不向きなコースだ。シラカバとダケカンバ主体の自然林の中、静かな歩きは楽しめる。いずれを優先するかということだろう。さて、今日の歩き、下りコースは決めかねていた。山頂の北側から北東の尾根で下って林道に出る案がなくはないが、その先がかなり大回りになる。こんなに気持ちよく歩けるのなら、ここをそのまま下ってもいいか。あと、せっかくの短時間歩きだから、小黒檜山立ち寄りも想定内ではあるが、200m以上の登り返しはかなりつらいだろう。現時点では保留にしている。現地で決める。
(このコースには、こんな木道は無粋だと思う)
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(気持ちの良い歩きが続く)
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(唯一のシャクナゲ)
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(黒檜山の稜線)
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上がるに連れ、アカヤシオだかトウゴクミツバツツジが主流になる。いずれかだろうが、しかと判別がつかない。あちこちに花を広げている。木道が現れる。こんなのを置いてもあまり意味のないような気がする。雰囲気だけはいいのだが。案内板があった。この近辺のツツジの解説だ。5月はムラサキヤシオとトウゴクミツバツツジ。6月に入ると、アカヤシオ、ヤマツツジ、シロヤシオ、レンゲツツジが加わるとあった。あるいは、すべて見ているのかもしれない。何せ、判別ができない体たらくだ。黒桧山1kmの標識からは、ツツジもまばらになった。シャクナゲが花を開き、これからはシャクナゲかなと思ったが、シャクナゲはこれだけだった。ようやく、正面に黒檜山の稜線が見えてきた。確かに、ここまでは展望のない歩きが続いていた。ただ、「延々と歩く」といったニュアンスのような嫌らしさは感じなかった。むしろ、緑もきれいで飽きない歩きだ。
(最後の急登とはいってもたかが知れている傾斜だ)
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(稜線に出ると、ガスが巻いていた)
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(左から駒ケ岳ルートが入り込む)
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(黒檜山の山頂に到着)
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(北側の山頂)
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(懸案の小黒檜は見えたり隠れたり)
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少し急になった。これまで、ずっとなだらかであった。これとて、さして急ではない。他のコースに比べて、時間がかかる分、傾斜はなだらかだということだろう。確かに初心者向けコースかもしれない(これは自分が言うのではなく、何かに記されていた)。駒ヶ岳からのコースに合流。地蔵岳も長七郎山もガスで見えない。黒檜山大神を通過して山頂。10人くらいのハイカーがいた。さっさと北側山頂に向かう。先行者が1人。こことて、何も見えない。小黒檜山に行く行かない以前の段階だ。ヤブ尾根の歩き、ガスに巻かれては歩けまい。さて、その先行者、挨拶を交わした際、栃木かなと思ったが、やはり、鹿沼からいらしたそうだ。オッサンか青年か微妙な境界線上だ。しばらく雑談した。見晴山の下に車を置き、ぐるりと外輪山一周だそうだ。これから五輪尾根に向かうとのこと。コースが整備されているとはいえ、自分には出来まい。どこか近道はないかと問われたが、変なところに出て法面になっているのではどうしようもない。猫岩ルートで地道に下るしかないんじゃないの。鹿沼氏と話をしながらも、絶えず小黒檜山が気になった。次第にガスが上がり、見えてくる。改めて、帰りの登り返しはきついなと悟った。今日は無理と判断。歩くとしたら、大沼から上がった時だな。鹿沼氏と別れ、下る。
(この分岐の道標に記された「花見ヶ原キャンプ場」。これまで一顧だにすることはなかった)
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(小沼と地蔵岳がかろうじて見えた)
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帰りがけ、ガスが上がったので、当初予定していた北東尾根を確認した。ここも緩やかな尾根だ。送電線が目印になり、その下に、何かの施設がある。いずれにしても、それを下るのはかなりの遠回りになりそうだ。予定どおりに来た道を下る。黒檜山大神の前でタバコをふかしているオッサンがいた。戻って、仲間入りしようかと立ち止まったが、迷惑かもしれないかなと思い、花見ヶ原分岐で休んだ。何を隠そう、山頂で吸いたいのを、鹿沼氏が側にいたので我慢していただけのことである。1本吸い、ウィダーインを含んで、同じコースを下る。追い越した5人グループが上がってきた。やはり、イントネーションは栃木なまり。なぜかほっとする。続いて山ガール2人組。以降、7~8人のグループ以外に12人ほどと出会う。
(引き続き、その1)
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(その2)
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(その3)
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(その4)
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(その5)
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(キャンプ場のバンガロー)
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帰り道はゆっくりだ。広い斜面の下りゆえ、脇のヤブに入り込んではツツジ鑑賞の連続。写真もかなり撮ったが、後で見てみると、全体が白っぽく、ろくな写真になっていなかった。オート撮影はオールマイティじゃないのかね。だらだらと下って分岐。レンゲツツジがきれいな一帯に入った。春ゼミがうるさいくらいに鳴いている。今朝は聞こえなかったはず。せっかくだから、キャンプ場をぐるりと回ろうか。地形図に記された「花見ヶ原森林公園」の周囲の破線のルートだ。しばらく行くと、キャンプ場の入口。ここを突っ切ると、駐車場に着くはずであるがそのまま行く。敷地内に人の気配がない。
(ウリ坊に出会う。保護色になっちまって見づらいが)
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さて、ここからが、本日の核心部分。行く手にウリ坊が2匹、立ち止まってこっちを向いている。カメラを構えるとササヤブに入る。また出て来た。写真を撮ったら、今度は図体のでかい母親イノシシが横切って、ウリ坊達も共に逃げて行った。この程度なら、まだのどかな雰囲気の部類だ。突然、左脇の沢から、まさに「ガォー」という雄叫びが聞こえたと同時に、沢斜面を、地響きを立てて上に掛け登って行った大きな黒い四つ足を見た。20mと離れていなかった。びっくりして固まってしまった。おそらく、自分の鈴の音か足音で逃げ出したのであろう。ここは、キャンプ場の敷地からは離れていず、いわゆる遊歩道の「林間歩道」だ。突然出くわしたらえらいことになっていた。撃退スプレーを手に持ち、ピンを抜いて開放状態にしたまま、指先をプッシュボタンに置いて歩かない限り保障はないだろう。それにしても、冷静沈着に写真に収めたみー猫氏には恐れ入る。熊との出会いは久しぶりだ。足尾の巣神山以来だから、もう5年にもなるか。それ以前の出会い体験も含め、その都度固まっている己の姿しか思い出せない。
(両手で鈴を振りながら歩いた。実際は、もっと薄暗くなっている)
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当然、あとは、恐る恐るの歩きになってしまった。両サイドはササヤブ。鈴は手に持った。レンゲツツジはさらにきれいなのだが、どうも、気が急いてしまう。ここに登り坂があったりなんかして、余計にいらいらする。駐車場が見えた時はほっとした。襲われずに済みそうだ。駐車場には他に栃木ナンバーの車が1台。きっと、他のところにも駐車場があるのだろう。キャンプ場の管理棟に行ってみた。すぐそこだ。隣接してやはり駐車場。ここには7台くらいの車が置かれていた。駐車場に着いたと同時に雨がぱらついてきた。グッドタイミングでの戻りだった。単調な、初心者向けの往復コースではあったが、予期せずに、多種のツツジ見物を堪能した歩きであった。熊以外はそれなりに満足であった。
※追記。さきほど9時のNHKニュースで知った話だが、絶滅したと言われていた九州の熊が、目撃者情報で、再調査しているらしい。みー猫さんからいただいた、先日の九州歩きのコメントで、絶滅を初めて知った次第で恥ずかしい限りだっただけに、インパクトの強いニュースであった。自然保護やら野生動物保護の立場から、熊の生息を期待する向きがあるのは結構な話ではあるが、襲われたらたまったものではないことだけは確かである。
さて、赤城に泊まりか。贅沢だね。毎朝、起きれば目の前にある山に泊まってまで行くわけか。それなりのご加護やら下心があるから行くのだろうが、スーパー何とかが赤城まで登って営業するとは思ってもいなかったよ。1000円札を大量に持参しないとな。
まっ、飲み過ぎて、翌日も頭の中が花見状態にならないように注意しな。
さて、そういう事情で赤城山に至ったのですか。から鋸とは壮大な計画ですねぇ。私なら、六林班峠でギブアップでくじけですよ。
私の法師岳紀行なんてのは参考にしてはいけません。誇張な表記もありますから。
ただ、法師岳と六林班の間はヤブ天国ですからね。ルートを間違うことはないと思いますが注意してください。
ろんさんのコメントを拝見し、久方ぶりに足尾の山を歩きたくなってしまいました。
今後とも、ヒマでしたらコメント願います。
この辺の山にとても精通しているようでしたので、只者ではないとは感じたのですが、
まさか、有名なオヤジさんだったとは・・・
ブログかヤマレコをやっていそうだったので、「黒檜山 6月10日」で検索したら、発見!
すっかり登場もさせていただいてました。
もともとこの日は、庚申ダム⇒小法師岳⇒法師岳⇒鋸山⇒庚申山⇒銀山平⇒庚申ダム
を計画していたのですが、天候が悪そうなので赤城山に変更しました。
そんなこともあって、数日前には、たそがれオヤジさんの法師岳の記事を拝見させてもらってました。
また、ちょくちょく覗きにきますので、どこかの山でお会いした時は「鹿沼のオッサン」で登場させてやってください。
やりましたねと言われても、もういいですよ。みー猫さんのように、行く先々で熊の気配やら現物に触れるのは結構ですよ。
ウリ坊に出会えるところを知っていたら教えてください。まともな写真を撮りたいと思っていますので。ハイトスさんご推薦のゴルフ場、動物園以外のところで。
さて、花見ヶ原のツツジはそんなに有名でした?知りませんでした。桐生市民なら、一度は行ってみないと。今週は何とか持つでしょう。
どうも、ハイトスさん含め、ウリ坊に人気が集まりますね。正直のところ、つかまえて、高木家に連れて行こうかなと思ったりもしたのですが。なかなか愛嬌にあふれていいものですね。
花そのものは無知ですが、殺風景な緑や茶色だけの山よりも、色付きの方がいいのはだれしもが思うことで、私もその程度の部類ですよ。花の名前を熟知されている方はうらやましいですね。どうせなら、いろいろと観察したいですから。ただ、今さら、花の名前を暗記しようとしてもできるわけがないし。
熊は、せいぜい、遠目で見てコースを変える程度のお付き合いで十分ですよ。雄叫びと地響きはもう結構ですわ。精神的にまいります。
それなので今までどうしても敬遠しておりました。
今回はからずともツツジの綺麗な季節に歩かれたようですが、どうも放射性物質の影響なのか人出が激減の様ですね。
倉見川の帰りに花見ヶ原の入り口辺りで今年はキャンプ場は予約受付停止らしいなどと話しながら通過しましたよ。
ウリボウはかわいいですよね。
赤城山麓のゴルフ場では母親に引率された様なウリボウ達を良く見かける事がある様です。
でも熊さんはやっぱり避けたいです。
今回危機一髪でしたね。
一番やっかいなのが出会い頭だそうですので今回はそういった意味では冷や汗もんですな。
つくづくみー猫さんはよくぞ写真に納めたものだと感心します。
イノシシも、あれはなめられませんよ。以前、桐生の山で見かけて雄イノはキバを上に向け、身体もでかくて猛々しいものでした。あんなのに襲われたら、たまったものではありません。ウリ坊と、メスイノで幸いでした。
熊に関しては、雄叫びと地響きだけは忘れられませんね。熊も感情的な動物でしょうから、出会い頭なら、手を払うだけで、すごい身体的被害でしょうね。
めずらしいと言われるより、偶然、そうだったというのが正解ですよ。
私の家の近くからは、丹沢、奥秩、奥武蔵の山は見えましたが、北関東の山は見えずてっきり雨降りだと思っていました。(ああ、行けばよかった。)
たそがれさんはハイトスさん同様、花にはさしたる興味無しのスタンスだったと記憶しておりますが、最近は熱心にツツジなどの撮影にいそしんでいるご様子と感じております。どんなあんばいでしょうか?私もかつては全然興味無しでしたが、今はツツジの季節が待ち遠しくなってしまいました。
ウリ坊、いいですね!奴も走り出すと結構な突進力を持っていますね。必ず近くに親が居るのでそちらが怖い感じがしてしまいます。
その近くに黒いヤツですか!私も一度は見てみたいです。少し、遠目から。
母親が側にいるから、近寄ったら危ないのでしょうね。それより、熊は雄叫びをあげたのですか、向かって来られなくて良かったです。人間が通る所にいるのが怖い、やはり食べ物の匂いが残っているのかな。
鈴の威力を感じました、うるさいと思っても付けてないと!!
お花見コースのようで、今回は藪歩きでなく、色がある歩きで、めずらしいですね。