![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/67/32454e8b791ac08fcb41aed1888aa414.jpg)
◎2019年4月27日(土)
大間々小平小友の駐車地(7:44)……797.3m三角点・十二山(9:32~9:46)……690m付近の石祠(10:13)……970m付近の休憩(11:26~11:36)……稜線・三界ピーク(11:44)……973m標高点付近(11:55)……椚田峠(12:13)……鳴神山下アカヤシオ群生:玄関口(12:25)……鳴神山(12:53~13:24)……椚田峠(13:44)……タバコ休憩(13:47~13:51)……三界ピーク(14:24)……雨量計(14:50~15:00)……855m標高点付近(15:31)……休憩(15:38~15:50)……639m標高点付近(16:40)……駐車地(17:18)
ネット記事で何気なくアカヤシオ情報を見ていたら、25日の鳴神山のアカヤシオは満開だったらしい。翌日は雨。花が多少は落ちてもまだ間にあうだろう。取り急ぎ鳴神山に行くことにした。予測不能な地味尾根に期待するよりも、確実な満開だけは見ておきたい。
ここで余計なことを考える。地味尾根のまばらなアカヤシオも捨てがたい。さりとて賑やかな鳴神山のアカヤシオも久しぶりに見たい。となれば、一般的な駒形コースではなく、ふみふみぃさんがデジカメのバッテリー切れを起こしてしまったらしい大間々奥の小平先小友から歩いてみようか。ただ、ふみふみぃさんのお祭り見物から一週間は経っている。その間に二日間は雨だった。地味尾根の方はもう花も落ちている可能性がある。期待は半々だ。
で、どういうコース設定にするか。昨年のふみふみぃさんご一行のコースの後追いでは大迂回の座間峠経由にさらに鳴神山を加えることになり、とてもじゃないが、自分には無理。あくまでも目的は鳴神山だ。そこで、こじんまり歩きのコースを設定した(こじんまりのつもりでいたが、実際には自分にはとんでもなくきつかった)。
往路は地図上の「小友」から693m、855m標高点を経由し、座間峠と鳴神山をつなぐ主稜線に出て鳴神山。復路は一旦戻って、973m北側の市境起点(ここはハイトスさん記事によると「三界ピーク」というらしい)を西に下り、797.3m三角点(これもまた同様に「十二山」とのこと)から北に下って小友に戻るということで考えていた。ただ、小平川の水線の位置からして、十二山を過ぎて、その先の780mあたりから北西に車道に出る方がいいのかなとも。それはいつものように状況次第の先送り。後でふみふみぃさんの記事を再確認すると、自分の往路予定尾根は復路使用になっていた。
運転しながら、NHKラジオで天気予報を聞くと、現在、桐生、みどり市は大雨注意報とのこと。見上げる空は快晴に向かっている。この注意報は無視する。出がけにも調べたが、今は曇り空ながらも、これから降雨になるはずがない。
やや広い路肩に車を置く。往路予定の尾根を確認したが、何となく登り方がわからない。あんな急な斜面をどうやって登るのかねぇ。橋はあるから水に濡れる心配はない。適当に緩い斜面を選んで登ればいいのだろうが、どうも考えるのが面倒くさい。ここで、即、往復路を逆に歩くことにする。出発時の余計な思案は時間のムダ使い。まして、逆にした方が早いとこ鳴神山にも着くだろう。帰路になる目の前の尾根はその場対応の下りにすればいい。植林混じりだし、きっと作業用の踏み跡もあるだろう(結果的にこれは楽観過ぎた)。
(河原に出る)
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(滝が流れている)
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ということで、復路予定だった尾根先を探したが、どこが末端なのか判然としない。取りあえずガードレールを越え、墓地脇を下ると果たして川が流れていた。目の前は岩壁で、10mほどの細い滝が垂直近くに流れている。この岩壁を登るのは無理な話(撮った写真を後で見ると左から巻いて登れたか)。右手に緩い斜面が見えたのであそこから取り付くことにしよう。とはいっても、易々と取り付きには行けない。この川をどうやって渉ればいいのかが問題。こちらは地下足袋だ。いきなり濡らすのははばかれる。5分ほど逡巡する。車に戻って、長靴に交換しようかとも考えた。ここでシカの角を見かけた。写真に収めたりしているが、そんな場合ではなかった。
結局、大きな石を投げて足場をつくり、足元を濡らさずにジャンプして渉った。早々にこうでは、この先、いろいろと試練が待ち構えているような気がする。何せ、渉ったはいいが、尾根そのものの直登はできず、巻きながら岩壁上の尾根を目指すしかなく、昨日の雨とはいっても、夜半まで降雨があった模様では、斜面は落葉でやたらと滑り、支えにする樹もまた頼りないものだ。
(尾根を目指す)
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(尾根に出る。下りが滝の上になる)
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(まずは雨で瑞々しい花から)
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森林組合の看板が立っていた。ということは、もう少し車道を下れば川を渉らずに済んだのかもしれない。今さらも様子見にも行けず、この斜面を我慢して登るしかない。結構急で、途中でストックを2本出した。踏み跡らしきものが無数にあり、これを使って登る。相変わらずズルズルは続くし、つかむ樹に力を加えれば葉にたまった雨水が落ちてくる。
尾根に出てすぐに目にしたのが右下から濃い道型が現れたこと。これは、ここのところ連続している現象だからもうがっかりも嫌気も何も感じない。そして、アカヤシオの落ちた花。見上げると、生気のないアカヤシオが終焉を迎えつつある状態になっている。あと数日で全部落ちてしまいそうだ。まだ標高490m。これからに期待しよう。
(あっちを登ればよかった)
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(花は大分落ちている)
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(これからはミツバツツジだろう)
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右手に当初の復路予定尾根候補のもう一方が見えてくる。こちらはさも雨上がりでじとっとした尾根で左は植林だが、向こうは陽を浴びて植林もなくカラッとしている。早急に物事を判断してしまうと、こうして失敗する。さらに一言加えれば、向かい尾根の西からの小尾根を使えば川を渉ることもなかった。こうして歩いているのだから、今さらのことだが。
尾根には薄い踏み跡がある。シカフンは見あたらないので、あるいは植林がらみの作業道として使われているのかもしれない。樹の根が滑る以外に特別な障害はなく歩ける。盛りのヤマツツジが間近に見え、下斜面にはミツバツツジ(正確にはトウゴクミツバツツジだろうが、詳しくもないので、以降、すべて「ミツバツツジ」にする)。もうアカヤシオは終わっている。
角張った大石が混じり、ちょっとしたピークに出た。振り返って見下ろすと、傾斜はきつい。高度計は575m。地図を見ると、この辺から797.3m三角点までは緩い登りになるはず。見晴らしは良いが、見えるのは隣の尾根と谷間。そして、目の前の岩っぽいピーク。この登りはたいしたものでもなかった。
上がるに連れてアカヤシオの落ちた花だけが目に付く。大方、雨でやられたのだろう。それでもけなげに咲き残っているのを見ると、ガンバレヨと言いたくなってしまう。さして見事ではないが、つい見ては写真を撮ってしまい、余計な時間をどんどん費やしてしまう。どうしても未練がましく、もしかすれば、上では見られず、これが最後じゃないのかいった感じになってしまうからだ。
(797.3m。十二山という山だとはまだ知らない)
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尾根が静かになり、正面にピークが見える。あれが797.3m三角点だろう。左手先に見えるのは鳴神山のようだが確証はない。植林はすでに消え、歩く両サイドにツツジを目にする。もうこうなると、アカヤシオなのかミツバツツジなのかわからなくなるし、ヤマツツジも参加してくる。まだツボミを含んで落花もしていないのがミツバツツジだろう。見てきれいなら、自分には何の種類であっても構わない。花に関してはその程度の認識だ。いろいろ覚えてもすぐに忘れる。一時、花のガイドブックを持って歩いたこともあったが、それに掲載された写真とは随分と違った花なので悩み、後でまさにその花だと知って以来、ガイドブック持参はなくなった。
(そろそろ疲れ気味)
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(こちらはまだ盛り)
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(十二山に向かっている)
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(ヤマツツジもきれいになりつつある)
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(十二山)
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(ハイトスさん山名板)
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斜面のツツジを見ながら登っている。サイドの急斜面の花は近づけもしないので、尾根上から撮って満足しているが、尾根上にあったりすると、ヘタクソながらも撮り方にこだわって時間がかかる。それでいて帰ってから見るとピンボケのパターンだ。そんな貧弱ながらもそれなりに賑やかな花の尾根を時間をかけて登りあげると797.3m三角点に着いた。
山名板があった。「十二山」とある。「十二時山」と、根本山と熊鷹山の間にある丘状の「十二山」は知っているが、ここにも「十二山」という名の山があるとは知らなかった。ところで、この山名板、何となく書体に見覚えがあり、裏を見ると「hitos 2014」と署名されていた。やはりだ。ここ二回続きでハイトスさんの山名板を見たことになる。もう一枚はすかいさん氏の板だ。こじんまりした落ち着ける山頂だ。
ここで休憩。菓子パンで腹を満たしながら、こんなルートでのんびりと鳴神山を目指すのもいいが、同じ時間で駒形から登っていたら、とっくに鳴神山でアカヤシオを満喫している頃だろう。さらに、今日は風があって、その間に花がどんどん散っていくのではないのかと思うと、気分的にはあせりも出る。まして、ここまで終わりかけのアカヤシオと、盛りながらも数株のヤマツツジ、これからのミツバツツジと、半端なツツジ風景しか見ていない。シャッターを閉めた店が連なる商店街を歩いているようなものだった。
(こんなのが出てきたり)
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(色が消えたり)
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(この辺は見頃だろう)
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(これも)
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歩き再開。ここから50mの下りだが、市境尾根(「赤柴山脈」とも呼ばれているらしいが、山脈と呼ぶには仰々しい感じがする)になって、ようやくこれまでとは違って元気で大きなアカヤシオが入るようになった。また時間をとられる。こうなったら、十二山までの尾根でのんびりと貧しいアカヤシオにうつつを抜かしている場合ではなかったと後悔する。だが、盛りは過ぎていて、かなりの花びらが地面に並んでいる。ヤマツツジはすべてツボミというのもあるが、徐々に開花してきた。こうでなくてはここを歩いている甲斐がない。と思ったところで、視界からツツジは消え、植林が尾根に押し寄せてきた。
(十二山神)
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(奥のが三界ピークか)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/82/2104d93ceb097850c740c67acfa20e1e.jpg)
(鳴神山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/1a/0cf35471e60d03dc3304e996cf094dd7.jpg)
かなり下った685m付近に石祠があり、ヘッドには「十二山神」とある。大正14年に「小平中」が奉納した物だが、これは小平の講だろう。向きは小平方向ではなく、東を向いているし、十二山にも尻を向けた形になっている。これはあまり考え過ぎない方がいいようだ。これが山頂にあって、小平を向いていれば何も疑問は起きないだけのこと。
色のない尾根が続く。植林は右下に遠ざかった。それでも色の復活はない。地味な上り下りは続いている。ようやく、はっきりとあれが鳴神山だとわかるピークを確認した。樹間越しだ。そんなに遠いには感じない。ただ、正面のごつい格好のピーク(三界ピークか?)を経由してからでないと鳴神山には向かえない。あそこのピークへの登りはかなり応えそうだ。
(鳴神山の山頂はこうなっていた)
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(植林が入ったり離れたり)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/ee/f13e4907a01b90b05ac5c5fb25f03eb6.jpg)
再び右手から植林が迫ってきて登りになる。ここで右手下にようやく林道が見えた。この先で驚いた。鳴神山の北斜面がピンクに染まっていた。自分自身のこだわりに失敗したと思った。歩き出しから2時間半は過ぎている。けなげなアカヤシオに時間をとられていた。やはり、駒形登山口か梅田からでも登ればよかったと改めて思う。今時はもうあのピンクの中でバッテリーの心配をしながら撮りまくりだったかもしれない。バッテリー切れといえば、今回の自分の場合はその心配はない。後半になってしまう鳴神山できれいな写真を撮れるようにと、一眼のカメラも持ってきていた。
地図は二種類持ってきていた。大まかなのと等高線が明瞭なのを。これまでは前者で歩いていたが、十二山からの100m下りは予想外だったし、改めて後者地図を広げて見る。林道と接してから先、さもなだらかなアップダウンは続くが、750m付近から900mあたりにかけて150mの一気登りがあるじゃないか。これはきつそうだ。その先、鳴神山までも、973m標高点から100m下りの100m登りがある。少なくともあと2時間はかかるか。あのピンクの群生が2時間も待ってくれるだろうか。気持ちだけはあせるが、身体がついていかないのではしようがない。待っていてくれと祈るしかない。
(こういう風景が好きだ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/1f/c71e6f78f159b78ad9b0c45f14ed0098.jpg)
尾根の下りでミスを起こす。何気なく下った尾根の先が見えない。つまりどんどん下っていて鞍部が見えない。さてはミスったなと右手を見ると、平らな尾根が続いていた。トラバースして復帰する。
一瞬、元気なアカヤシオが復活するも、またツツジがない状態が続いて幸いして歩きに専念はできそうだ。790mでいよいよの登りとなった。これまでの傾斜以上になっている。何とか登りきって傾斜がゆるくなったのは965m。175mのきつい登りだったか。少し上で休む。以前は登りに関してさほどに大騒ぎすることもなかったが、前にも記したが、傾斜の緩いところなら問題はないが、急斜面だと、左足のかかとが地に着かない。つまり、足の平からつま先の部位を使って歩く形になり、これがつらい。自分なりに考えたリハビリをしているのだがどうもまだまだだ。
(座間峠からの稜線に合流)
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タバコをゆっくり一本吸って出発。実はもっと長く休みたかったが、冷たい風が音を立てて吹いているので震え出す状態だった。植林は切れ、ゆるやかな広い雑木の中を登って行くと三界ピークに到着した。休憩から10分もかからなかったが、出発からちょうど四時間。どう考えてもかかり過ぎで、ツツジがなかったら、30分以上は短縮できたろう。この三界ピークにはまた戻って来ないといけない。この稜線の座間峠寄りから下ることになる。重複を避け、林道歩きを極力抑えればこれしかない。
座間峠の標識が出ていて、テープも目立つ。これまでと違って、踏み跡レベルから道になった。ここからは鳴神山の領域だ。ハイカーも多くなる。スズは外した。左手には男体山が見えるようになった。
歩行を邪魔する目障りなピンク色の花は不思議にない。鳴神山のピンクの山肌を見ていただけに、その延長で楽しめると思っていた。
(973m標高点付近)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/a5/06003e7c317f0de55852f82225160db3.jpg)
(東側の眺め)
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(男体山)
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973mピークを通過。ここから100m(正確には120m)下って標高980mの鳴神山に登り返すことになる。ピークの東側は、絵になりそうな細かい山々が段々畑のように懐深く並んでいる。この視界の中に、自分が登ったことのある山もかなりあるのだろうが、どこが何山なのかさっぱりわからない。
(また出てくる)
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(花も大きくなった感じ)
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(鳴神山が間近になる)
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(このバリケードで)
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(迂回させられる)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/70/13d614882200fa4317cbafada5ea62fe.jpg)
ポツラポツラとアカヤシオ。いい感じだ。花も大きい。この辺から鳴神山まで続くのか。眼前になった鳴神山の山肌のピンクは大分広範囲だ。
そろそろ下りが始まる。鳴神山と座間峠が併記された案内板が立ったところに暗に立ち入り禁止を促す倒木のバリケードが置かれ、右に迂回するように木枠やら杭が立った道が続いている。これは何? その時は尾根が崩壊でもしているのかと、それに従ったが、帰路はこれを無視して尾根筋を登り返した。崩壊も何もなかった。何でこんな道を造ったのかはその二日後にわかる。赤城で出会ったヒゲのオジさんと話をしていたら、そのオジさんはこういった山野のボランティア活動をやっている方で、この尾根は急なので自分も参加して迂回路を造ったのだそうだ。ちなみに、この日は鳴神山でシカ除けのテープ巻き作業をしていたらしく、仕事は午前中で切り上げていたらしい。その時に聞いたところによると、そのテープは寿命が一年で自然に戻る性質のものらしい。
(椚田峠)
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そんなことは知らずに迂回下りをしているが、その分長く感じて椚田峠に到着した。オジさんが一人うろついて西に下って行った。そちら方面、標識には「赤柴登山口30分」とあるが、つまりは一時間ほどで登って来られるということか(もっとも、駐車できる駒形まではさらに歩く必要はあるだろうが)。そして、経緯はともかく、「鳴神山でアカヤシオを見ました」という事実は同じということ。そんなどうでもいいことはともかく、備え付けの寒暖計は7℃を指している。風もあるから寒いわけだ。
カッコウソウ自生地の看板。これもまた後で知ったことだが、例のオジさん曰く、小平のカッコウソウ。地元の方々がてんでに持ち込んで自生地ということにしたらしい。オジさんが整備を手伝ったと言っていた。ここで、カメラを一眼に変える。写りはカメラではなく腕次第ということになる。
(鳴神山への登り返し)
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(いよいよ始まったか)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/78/c4ae581b436077e5e9ddcbe11e55e801.jpg)
(そこに下ってきた石塚さんご夫妻とワンコのさくら。さくらちゃんか。後ろの足だけのがご主人)
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ここは階段つきの登りになっている。最初は花が落ちていてちょっとがっかりしてしまったが、上がるに連れて一株、二株と見ごろが増えていく。どうやらピンクゾーンに入ったようだ。そしてまさに盛りゾーン。これでも数日遅いのはやむを得ないが、この一月、やしお山、仙人ヶ岳、三境山、石倉山と、満足の行くアカヤシオを見ていないのだから、その立場からすれば、ここのアカヤシオは見事、満開以外の何物でもない。
上からワンコ連れのご夫婦が下って来た。ここのアカヤシオ情報をいろいろと伺う。上よりもこの辺が一番きれいらしい。ワンコはコーギー犬で、ネット記事でよく見かけたことがある感じなので、そのことを聞くと、何と<石塚さんちのホームページ>の石塚さんであった。こちらも一応名乗ったが、たそがれオヤジのことはご存知だった。それもそのはず。以前、秋田出身のよしみでコメントをいただいたことがある。自然、恒例の赤城オフ会をやられているお仲間のハイトスさんの話になった。
(ここからは敢えて写真コメントは入れない)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/4b/deb7411708df724032b2263975378394.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/d7/84c67c9db4fe5177282e23d72e636ffe.jpg)
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/69/53447c6a4bf705e96bc9c478414bb70a.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/98/0e51c8ee6a7d916593d4187cbe162022.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/4d/adf7771789fe2a8efb4cec5c0cc4c71e.jpg)
石塚さんと別れ、山頂に向かう。アカヤシオはどんどん密度が濃くなる。下って来る方も目に付く。余計なことを記すとボロがでるので写真の羅列にしておく。ただ、上に行っても、花はかなり落ちている。昨日の雨と今日の強い風のせいだろう。
(鳴神山山頂)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/85/9818bc5a81c0a159a8462f57d1875e32.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/b7/308ab11eab386c6cc902758052e95c78.jpg)
(桐生アルプス)
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仁田山岳を先行。ここには5~6人いた。続いて山頂。15人ほどいた。その中の10人ほどのグループが騒がしい。わざわざ法螺貝まで持参し、長々と歌を吹いていた。こうやってグループで来ると、旅の恥は掻き捨ての気分になるのだろう。どこかの国の旅行客のマナーの悪さをどうこうは言えない。きっと周囲が見えなくなるのだろうし、それを諌める仲間もまたいない。
グループがようやく去ったところで、オバちゃんと二人だけになった。よくあちこちを歩いているようで、次は備前楯のアカヤシオ見物だそうだが、あそこは1300mほどあるからまだ先ではないでしょうかね。そして目をつけられた地下足袋の話へと移る。その間にもどんどんハイカーが上がってくる。遠望する山の名前を聞かれた。たまたまそれは皇海山だったから助かったものの、他に確実にわかるのは男体山と庚申山、袈裟丸だけだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/51/9e/e7ed1c3e226a8c4a5cc869b7e5886b04.jpg)
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(お祭りはお開きにして)
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(椚田峠に戻る)
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仁田山岳を経由して下る。来る時に見た花もまた執拗に見ながら下る。ポツンポツンとなってようやく楽園から離れられた。一週間後では遅かったなと思いつつ椚田峠に到着。タバコは我慢していた。ここで一服というわけにもいかず、上の、峠が見えない位置でようやく一服した。こちらに来るハイカーはいない。そういえば、山頂で会ったオバちゃんには、大間々の小友やら小平だのと言っても通じなかったから、「座間峠の方から」来たと言ったらようやく納得してくれた。それを聞いていた周囲の方が「えっ、これから座間峠に戻るのですか」と言ってきたので、もう面倒で「座間峠から車を置いたところまでさらにあるんですよ」とウソをついてしまった。こちらも旅の恥は云々のようなものだ。
(左が巻き道。戻りは右を直登する)
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(まだ余韻が残る)
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(往路時には倒木をまたいだが、右からあっけなく行けた)
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例の巻き道合流にさしかかる。こちらにはガードのようなものが置かれていない。こちらを登る。きつくはあったが障害はなかった。何で巻き道なんか造ったのだろう。急だからかなぁとは思ったが、まさにそうだったわけだが、メインルートからは外れるが、むしろ、十二山の北東750mピークからの下った際、後ろを振り返り、ここを上りで使うのはきついだろうなと思ったが、あそこに林道経由の巻き道でもあればどんなに楽だろう。
鳴神山のアカヤシオを見た後ではすでに名残の花になってしまったが、それを見ながら先に行く。結局、往復ともに同じ花の写真を撮る始末だ。カメラはすでに椚田峠から元のコンデジに戻している。
(子繋山)
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(三界ピーク。左から登って来た。ここは右手に直進する)
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973m標高点を通過し、来る時に見てはいたが主図根点とは気づかなかった石標を見て三界ピークに到着。後で知ったが、この主図根点のある丘状のところが子繋山というらしい。山名板があったのかどうかは確認もしていない。三界とは仏教用語で色界、欲界、無色界のことで、人々はこの三界で生死を繰り返しては輪廻するそうだが、自分のような俗に浸り過ぎた人間には何のことやらさっぱりわからない。ここがその交差するところなのか。ここから発生するのが赤柴山脈との由。子繋は子供を繋いだ、離さないという意味だとして、えらく険しく、気難しいイメージのスポットのようだが、自分には尾根分岐以外の何も感じない。
いきなりヤブ下りになった。踏み跡も消えた。続いていたテープもない。どうも間違ったかなと左を見るとテープが見えた。ここは、直進せず一旦赤柴山脈に入ってから下るものだったようだ。
(間違うはずもない道)
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(こんなので時間をとられる)
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散発的にアカヤシオが出てくる。もう2時半を回っている。この時間にまだこんなところにいること自体、ちょっとヤバイ状態なのだが、つい見てしまう。まだまだ鳴神山の延長で咲いているが、落花が目立つ。
岩がちになった。ここもまたアップダウン続きがつらい。ちっとも標高が下がらない。錆びたワイヤーを目にし、右手植林、尖がり岩があったりでちょっと歩きづらい。正面に高いピークが見えている。あれは本日の最高峰の1000mだろう。
(あそこのピークから左に下るのだろう)
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(アクセントは結構ある)
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見た目ほどのつらさもなく登り切ったが、左足裏が次第に痛くなってきた。これにはわけがある。椚田峠の先で休憩した際、地下足袋の中敷きの表布が剥がれかかってよじれ、部分的に固まって歩きづらいので無理に全部剥がした。そしたら、今度は中敷き本体のクッションがよれよれになり、中でフィットしなくなり、クッションそのものがよじれるようになり、足を入れると一緒になって先に行ってしまう。ボンドでもあれば固定できたろうが、そんなものはないので、中敷きそのものを取ってしまった。足裏が痛くなって当たり前だ。痛みは我慢できないほどのものではなく、そのうちに足裏の方で痛みに慣れてくれた。
(雨量計)
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(尾根を下る)
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グダグダと書いてしまったが、ようやく帰路尾根分岐の雨量計(小平川雨量観測所)に到着した。すでに3時近くになっていて、切羽詰まった気分になっている。まして歩いたこともない尾根だ。地図を見ると、何か所かで方向を変え、分岐する尾根も多い。助かることは、南側に平行して林道があることで、行き詰ったら、南下すればいいだろう。ただ、勘弁願いたいのはツツジの存在だ。歩きに集中して尾根を早いとこ下りたい。それを邪魔しないでもらいたいの一心だ。だが、そううまくはならなかった。
(しばらくは枝ヤブが続く)
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テープのある尾根だった。古いロープが樹に結わえられ右斜面に下っている。これは作業用だろう。その先の踏み跡は確認はしなかったが、おそらく北側のクネクネ林道につながっているはずだ。樹にはまだ葉がついていないため、概して明るい雑木の尾根だが、樹々の間隔は狭く、枝が顔にやたらとあたる。踏み跡を追ったところで少しはうっとうしさが紛れる程度だが、伸びた枝から解放はされない。メガネも帽子も各一回で飛んだ。
(あの岩の先がどうなっているのか心配になる)
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それに、ちょっとした恐さがある。というのは、岩とかで先が見えないところだ。あの下はどうなっているのかと気になり、恐々と覗き込むと、案外問題なく下れたりする。早々に結論を言えば、末端部以外に危険個所はない。ただ、地図上の等高線は至って緩やかではあるが、決してそうでもないところがある。特にこのように下り使用では要注意だ。小尾根の分岐も、こまめにコンパスを合わせて下ればルートミスはないが、この先で一か所ミスをした。安易ではあるが、下りではコンパスとまめなGPSでのチェックが無難かと思う。
下って15分後に邪魔者が目に入った。ミツバツツジ。群れていないからまだいいか。カメラに収めたとしてもたかがしれて時間のロスだ。他にないかと探したがない。正面には小ピーク。ここもまた下ってもなかなか標高が下がらない尾根のようだ。あのピークは855m標高点らしい。
(作業道がクロスする)
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(855m標高点付近)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/80/9b96e15e07f2908c4c4b132b5d68d8bf.jpg)
下って行くと、左下から幅広の作業道が現れた。その先は尾根下伝いに続いている。こういうのは困る。尾根の南北の林道をつないでいるのか。ここは北の林道とすぐに接近している所だ。作業道は無視して尾根通しに登ると無視できないミツバツツジがまた現れた。すぐに終わってくれて、色のない855m標高点。枝ヤブだらけの一時的に平らなスペースだ。下るとまた道が横切り、今度は尾根を寸断している。ちょっとだけ迷った。3時半を過ぎている。このまま作業道とはいっても軽トラなら走れる幅の道だ。このまま尾根の右に向かって下ろうか。すぐに終点ということはあるまい。暗くなっても、ほぼ確実に林道に出られるだろう。やめておこう。弱音を吐くには30分は早い。
(テープがあって確かに目印にはなるが、これを頼りに歩くわけにもいくまい)
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(この尾根も下っては)
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(登るの繰り返し)
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(まだまだ足を引っ張るのがいる)
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(これもだ)
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続きの尾根に上がるには障害があった。太い倒木。作業道側から迂回して復帰した。気苦労の多い尾根だ。先のピークで休憩。かなり歩き飽きた。もう枝ヤブエリアは抜け、右手に植林が接近してきている。
地図を見ると、まだ登り返し先がブタの鼻のようになっているのと、さらにもう一か所ある。都合3回の登りが残っている。ここでおかしなことに気づいた。ブタの鼻は知らずのうちにというか、もうアップダウンにマヒしてしまった身体には感覚もなく通過していたことがGPSを見てわかった。最後の780m小ピークに至ると、今さらながらのアカヤシオ。足を引っ張られた。続いてミツバツツジと続く。気づいたら西ではなく北に下っていた。
(尾根の様相に変化が出てくる。)
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この先、ミツバツツジを見ながらの下りになってしまった。時計を見ると4時20分。かなりまずい。詳細マップを見ると693m標高点はまだ先。ついでに気になっていた尾根末端を確認する。特別に等高線は狭くはなってはいない。強いていえることは、進行左の南側の等高線が緩くなっているので、末端近くになったら、尾根から外れて左寄りに下ればいいみたいだ。だが、最終的に切羽詰まって、ここで思ったことは忘れることになる。
ミツバツツジはなかなか終わらず、アカヤシオが居残っていたりする。日陰はしおれているのに、もうこの時間帯、夕日を浴びるアカヤシオは現役だったりして困ったものだ。しつこく消えない。
(693m標高点付近)
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(これを過ぎると大分荒れてくる)
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(こんどはこいつか)
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岩の脇を下って鞍部。そして地図では等高線一本分でしかない693m標高点が、10mの登りでは済まない高さに見える。50mほど登った感じで693m到着。あとは消化試合と思いたい。
ミツバツツジが本当しつこく続いた。アカヤシオは消えてくれた。そしてヤマツツジが出てくる。尾根は凹凸の多いヤセ尾根になりつつある。もう何とかしてよと言いたくなったところで、ようやくツツジは消えてくれた。
(恐々で下っている)
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(これを見てほっとはした)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/91/fe8f54a24735bcd0f65907f265a137ff.jpg)
共同アンテナが横倒しになっていた。そして、それを支えていた支柱棒もコードも散乱している。ようやく里に近づいたようだ。こういうところにはしっかりした踏み跡があるはずだ。
また放置されたアンテナがあった。その横にはヤマツツジ。ここからアンテナケーブルが下に続いている。アンテナは現役なのだろうかと思いながら下ると3つ目のアンテナとヤマツツジのセット。こんなにツツジの写真ばかりを何百枚も撮ったはいいが、おそらく見るのは一度だけ。まぁそんなものだろう。これが昔のフィルムカメラのままなら絶対撮らない。山に行くだけで写真代がバカにならない。
(急になり吸い込まれていく感じだ)
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(この辺で左の植林に逃げるべきだった)
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次第に急になってきた。尾根型は岩場になったりしながらも明瞭に続いている。アンテナ線は部分的に支柱で持ち上げられながら左の植林帯に入り込んだようだ。
ここで、さっき地図で見て、左に逃げた方がいいかもと思ったことをすっかり忘れている。尾根型が明瞭過ぎる。かつ、周囲に比べて急激な斜面になっている。こだわらなきゃいいものをこだわってしまった。
(こんなところを下ってきた)
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ストックを収納して樹につかまって下った。スパ地下だからまだよかった。登山靴だったら、落葉が滑って下れない。その肝心な頼りの樹がまばらになってきた。真下には林道が見え、その先には車道路肩の自分の車も見えている。ガクガクしながら下ったが、今さらにして恐怖を覚え左寄りに軌道修正。それでも樹への移りは容易ではない。
ようやく林道に出た。その間の写真を見ると、すべてピンボケになっていた。震えながら撮っていたのではいくら手振れ補正をセットしていても効果はない。
(助かったというよりも放心状態だ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/c2/3809d6d533e670483397d2daa9362a7e.jpg)
ぐったりした。いやはや、何とも…と思ったのはもう少し時間が経ってからのことで、林道に着地した時点ではただの放心状態だった。先日の石垣山での下りもすごいものだったが、今回は恐怖そのものだった。
足の動きがヨタヨタのままで車に戻った。なぜか頭に浮かんだのは、早いとこ帰って犬の散歩をしなきゃいけないなぁだった。今朝の散歩は省略して出て来ていた。妻が犬を散歩させるわけがない。せいぜいエサと水やりだけだ。
もう5時20分近くになっている。タッチアウトセーフだった。末端部をヘッデンを使ってこんな下り方をしていたのでは恐怖どころか危険だった。しかし、まさかの9時間半歩きだった。帰路で小平のカッコウソウでも立ち寄る予定でもいた。休憩とツツジ見物に少なくとも2時間は費やしていたかもしれない。
まぁ、それはそれでいい。ラストの下り尾根末端を除けばきついながらも楽しめた。終わりかけながらも鳴神山でアカヤシオは満喫した。もうアカヤシオの追いかけはしなくともいいだろう。あとはせいぜい、だれも気づかないようなスポットでツツジ祭りに出会えればいいが、連休明けの休日は雑用に追われるし、アカヤシオは今日の鳴神山が今年は最初で最後かもしれない。
(本日の軌跡)
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「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」
大間々小平小友の駐車地(7:44)……797.3m三角点・十二山(9:32~9:46)……690m付近の石祠(10:13)……970m付近の休憩(11:26~11:36)……稜線・三界ピーク(11:44)……973m標高点付近(11:55)……椚田峠(12:13)……鳴神山下アカヤシオ群生:玄関口(12:25)……鳴神山(12:53~13:24)……椚田峠(13:44)……タバコ休憩(13:47~13:51)……三界ピーク(14:24)……雨量計(14:50~15:00)……855m標高点付近(15:31)……休憩(15:38~15:50)……639m標高点付近(16:40)……駐車地(17:18)
ネット記事で何気なくアカヤシオ情報を見ていたら、25日の鳴神山のアカヤシオは満開だったらしい。翌日は雨。花が多少は落ちてもまだ間にあうだろう。取り急ぎ鳴神山に行くことにした。予測不能な地味尾根に期待するよりも、確実な満開だけは見ておきたい。
ここで余計なことを考える。地味尾根のまばらなアカヤシオも捨てがたい。さりとて賑やかな鳴神山のアカヤシオも久しぶりに見たい。となれば、一般的な駒形コースではなく、ふみふみぃさんがデジカメのバッテリー切れを起こしてしまったらしい大間々奥の小平先小友から歩いてみようか。ただ、ふみふみぃさんのお祭り見物から一週間は経っている。その間に二日間は雨だった。地味尾根の方はもう花も落ちている可能性がある。期待は半々だ。
で、どういうコース設定にするか。昨年のふみふみぃさんご一行のコースの後追いでは大迂回の座間峠経由にさらに鳴神山を加えることになり、とてもじゃないが、自分には無理。あくまでも目的は鳴神山だ。そこで、こじんまり歩きのコースを設定した(こじんまりのつもりでいたが、実際には自分にはとんでもなくきつかった)。
往路は地図上の「小友」から693m、855m標高点を経由し、座間峠と鳴神山をつなぐ主稜線に出て鳴神山。復路は一旦戻って、973m北側の市境起点(ここはハイトスさん記事によると「三界ピーク」というらしい)を西に下り、797.3m三角点(これもまた同様に「十二山」とのこと)から北に下って小友に戻るということで考えていた。ただ、小平川の水線の位置からして、十二山を過ぎて、その先の780mあたりから北西に車道に出る方がいいのかなとも。それはいつものように状況次第の先送り。後でふみふみぃさんの記事を再確認すると、自分の往路予定尾根は復路使用になっていた。
運転しながら、NHKラジオで天気予報を聞くと、現在、桐生、みどり市は大雨注意報とのこと。見上げる空は快晴に向かっている。この注意報は無視する。出がけにも調べたが、今は曇り空ながらも、これから降雨になるはずがない。
やや広い路肩に車を置く。往路予定の尾根を確認したが、何となく登り方がわからない。あんな急な斜面をどうやって登るのかねぇ。橋はあるから水に濡れる心配はない。適当に緩い斜面を選んで登ればいいのだろうが、どうも考えるのが面倒くさい。ここで、即、往復路を逆に歩くことにする。出発時の余計な思案は時間のムダ使い。まして、逆にした方が早いとこ鳴神山にも着くだろう。帰路になる目の前の尾根はその場対応の下りにすればいい。植林混じりだし、きっと作業用の踏み跡もあるだろう(結果的にこれは楽観過ぎた)。
(河原に出る)
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(滝が流れている)
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ということで、復路予定だった尾根先を探したが、どこが末端なのか判然としない。取りあえずガードレールを越え、墓地脇を下ると果たして川が流れていた。目の前は岩壁で、10mほどの細い滝が垂直近くに流れている。この岩壁を登るのは無理な話(撮った写真を後で見ると左から巻いて登れたか)。右手に緩い斜面が見えたのであそこから取り付くことにしよう。とはいっても、易々と取り付きには行けない。この川をどうやって渉ればいいのかが問題。こちらは地下足袋だ。いきなり濡らすのははばかれる。5分ほど逡巡する。車に戻って、長靴に交換しようかとも考えた。ここでシカの角を見かけた。写真に収めたりしているが、そんな場合ではなかった。
結局、大きな石を投げて足場をつくり、足元を濡らさずにジャンプして渉った。早々にこうでは、この先、いろいろと試練が待ち構えているような気がする。何せ、渉ったはいいが、尾根そのものの直登はできず、巻きながら岩壁上の尾根を目指すしかなく、昨日の雨とはいっても、夜半まで降雨があった模様では、斜面は落葉でやたらと滑り、支えにする樹もまた頼りないものだ。
(尾根を目指す)
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(尾根に出る。下りが滝の上になる)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/b0/c33d54b1089e94a25c6def25a7a29f23.jpg)
(まずは雨で瑞々しい花から)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/55/fed12a95befdb74862d38770d71951e5.jpg)
森林組合の看板が立っていた。ということは、もう少し車道を下れば川を渉らずに済んだのかもしれない。今さらも様子見にも行けず、この斜面を我慢して登るしかない。結構急で、途中でストックを2本出した。踏み跡らしきものが無数にあり、これを使って登る。相変わらずズルズルは続くし、つかむ樹に力を加えれば葉にたまった雨水が落ちてくる。
尾根に出てすぐに目にしたのが右下から濃い道型が現れたこと。これは、ここのところ連続している現象だからもうがっかりも嫌気も何も感じない。そして、アカヤシオの落ちた花。見上げると、生気のないアカヤシオが終焉を迎えつつある状態になっている。あと数日で全部落ちてしまいそうだ。まだ標高490m。これからに期待しよう。
(あっちを登ればよかった)
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(花は大分落ちている)
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(これからはミツバツツジだろう)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/b2/2e8d51732551cf3e62361864192d46ff.jpg)
右手に当初の復路予定尾根候補のもう一方が見えてくる。こちらはさも雨上がりでじとっとした尾根で左は植林だが、向こうは陽を浴びて植林もなくカラッとしている。早急に物事を判断してしまうと、こうして失敗する。さらに一言加えれば、向かい尾根の西からの小尾根を使えば川を渉ることもなかった。こうして歩いているのだから、今さらのことだが。
尾根には薄い踏み跡がある。シカフンは見あたらないので、あるいは植林がらみの作業道として使われているのかもしれない。樹の根が滑る以外に特別な障害はなく歩ける。盛りのヤマツツジが間近に見え、下斜面にはミツバツツジ(正確にはトウゴクミツバツツジだろうが、詳しくもないので、以降、すべて「ミツバツツジ」にする)。もうアカヤシオは終わっている。
角張った大石が混じり、ちょっとしたピークに出た。振り返って見下ろすと、傾斜はきつい。高度計は575m。地図を見ると、この辺から797.3m三角点までは緩い登りになるはず。見晴らしは良いが、見えるのは隣の尾根と谷間。そして、目の前の岩っぽいピーク。この登りはたいしたものでもなかった。
上がるに連れてアカヤシオの落ちた花だけが目に付く。大方、雨でやられたのだろう。それでもけなげに咲き残っているのを見ると、ガンバレヨと言いたくなってしまう。さして見事ではないが、つい見ては写真を撮ってしまい、余計な時間をどんどん費やしてしまう。どうしても未練がましく、もしかすれば、上では見られず、これが最後じゃないのかいった感じになってしまうからだ。
(797.3m。十二山という山だとはまだ知らない)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/94/378f1865f4e0d18978539aee9b99071e.jpg)
尾根が静かになり、正面にピークが見える。あれが797.3m三角点だろう。左手先に見えるのは鳴神山のようだが確証はない。植林はすでに消え、歩く両サイドにツツジを目にする。もうこうなると、アカヤシオなのかミツバツツジなのかわからなくなるし、ヤマツツジも参加してくる。まだツボミを含んで落花もしていないのがミツバツツジだろう。見てきれいなら、自分には何の種類であっても構わない。花に関してはその程度の認識だ。いろいろ覚えてもすぐに忘れる。一時、花のガイドブックを持って歩いたこともあったが、それに掲載された写真とは随分と違った花なので悩み、後でまさにその花だと知って以来、ガイドブック持参はなくなった。
(そろそろ疲れ気味)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/58/d79e335bd308f72462348c248667771a.jpg)
(こちらはまだ盛り)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/2a/e24e690cb7c699264e360491e83d91fb.jpg)
(十二山に向かっている)
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(ヤマツツジもきれいになりつつある)
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(十二山)
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(ハイトスさん山名板)
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斜面のツツジを見ながら登っている。サイドの急斜面の花は近づけもしないので、尾根上から撮って満足しているが、尾根上にあったりすると、ヘタクソながらも撮り方にこだわって時間がかかる。それでいて帰ってから見るとピンボケのパターンだ。そんな貧弱ながらもそれなりに賑やかな花の尾根を時間をかけて登りあげると797.3m三角点に着いた。
山名板があった。「十二山」とある。「十二時山」と、根本山と熊鷹山の間にある丘状の「十二山」は知っているが、ここにも「十二山」という名の山があるとは知らなかった。ところで、この山名板、何となく書体に見覚えがあり、裏を見ると「hitos 2014」と署名されていた。やはりだ。ここ二回続きでハイトスさんの山名板を見たことになる。もう一枚はすかいさん氏の板だ。こじんまりした落ち着ける山頂だ。
ここで休憩。菓子パンで腹を満たしながら、こんなルートでのんびりと鳴神山を目指すのもいいが、同じ時間で駒形から登っていたら、とっくに鳴神山でアカヤシオを満喫している頃だろう。さらに、今日は風があって、その間に花がどんどん散っていくのではないのかと思うと、気分的にはあせりも出る。まして、ここまで終わりかけのアカヤシオと、盛りながらも数株のヤマツツジ、これからのミツバツツジと、半端なツツジ風景しか見ていない。シャッターを閉めた店が連なる商店街を歩いているようなものだった。
(こんなのが出てきたり)
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(色が消えたり)
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(この辺は見頃だろう)
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(これも)
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歩き再開。ここから50mの下りだが、市境尾根(「赤柴山脈」とも呼ばれているらしいが、山脈と呼ぶには仰々しい感じがする)になって、ようやくこれまでとは違って元気で大きなアカヤシオが入るようになった。また時間をとられる。こうなったら、十二山までの尾根でのんびりと貧しいアカヤシオにうつつを抜かしている場合ではなかったと後悔する。だが、盛りは過ぎていて、かなりの花びらが地面に並んでいる。ヤマツツジはすべてツボミというのもあるが、徐々に開花してきた。こうでなくてはここを歩いている甲斐がない。と思ったところで、視界からツツジは消え、植林が尾根に押し寄せてきた。
(十二山神)
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(奥のが三界ピークか)
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(鳴神山)
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かなり下った685m付近に石祠があり、ヘッドには「十二山神」とある。大正14年に「小平中」が奉納した物だが、これは小平の講だろう。向きは小平方向ではなく、東を向いているし、十二山にも尻を向けた形になっている。これはあまり考え過ぎない方がいいようだ。これが山頂にあって、小平を向いていれば何も疑問は起きないだけのこと。
色のない尾根が続く。植林は右下に遠ざかった。それでも色の復活はない。地味な上り下りは続いている。ようやく、はっきりとあれが鳴神山だとわかるピークを確認した。樹間越しだ。そんなに遠いには感じない。ただ、正面のごつい格好のピーク(三界ピークか?)を経由してからでないと鳴神山には向かえない。あそこのピークへの登りはかなり応えそうだ。
(鳴神山の山頂はこうなっていた)
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(植林が入ったり離れたり)
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再び右手から植林が迫ってきて登りになる。ここで右手下にようやく林道が見えた。この先で驚いた。鳴神山の北斜面がピンクに染まっていた。自分自身のこだわりに失敗したと思った。歩き出しから2時間半は過ぎている。けなげなアカヤシオに時間をとられていた。やはり、駒形登山口か梅田からでも登ればよかったと改めて思う。今時はもうあのピンクの中でバッテリーの心配をしながら撮りまくりだったかもしれない。バッテリー切れといえば、今回の自分の場合はその心配はない。後半になってしまう鳴神山できれいな写真を撮れるようにと、一眼のカメラも持ってきていた。
地図は二種類持ってきていた。大まかなのと等高線が明瞭なのを。これまでは前者で歩いていたが、十二山からの100m下りは予想外だったし、改めて後者地図を広げて見る。林道と接してから先、さもなだらかなアップダウンは続くが、750m付近から900mあたりにかけて150mの一気登りがあるじゃないか。これはきつそうだ。その先、鳴神山までも、973m標高点から100m下りの100m登りがある。少なくともあと2時間はかかるか。あのピンクの群生が2時間も待ってくれるだろうか。気持ちだけはあせるが、身体がついていかないのではしようがない。待っていてくれと祈るしかない。
(こういう風景が好きだ)
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尾根の下りでミスを起こす。何気なく下った尾根の先が見えない。つまりどんどん下っていて鞍部が見えない。さてはミスったなと右手を見ると、平らな尾根が続いていた。トラバースして復帰する。
一瞬、元気なアカヤシオが復活するも、またツツジがない状態が続いて幸いして歩きに専念はできそうだ。790mでいよいよの登りとなった。これまでの傾斜以上になっている。何とか登りきって傾斜がゆるくなったのは965m。175mのきつい登りだったか。少し上で休む。以前は登りに関してさほどに大騒ぎすることもなかったが、前にも記したが、傾斜の緩いところなら問題はないが、急斜面だと、左足のかかとが地に着かない。つまり、足の平からつま先の部位を使って歩く形になり、これがつらい。自分なりに考えたリハビリをしているのだがどうもまだまだだ。
(座間峠からの稜線に合流)
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タバコをゆっくり一本吸って出発。実はもっと長く休みたかったが、冷たい風が音を立てて吹いているので震え出す状態だった。植林は切れ、ゆるやかな広い雑木の中を登って行くと三界ピークに到着した。休憩から10分もかからなかったが、出発からちょうど四時間。どう考えてもかかり過ぎで、ツツジがなかったら、30分以上は短縮できたろう。この三界ピークにはまた戻って来ないといけない。この稜線の座間峠寄りから下ることになる。重複を避け、林道歩きを極力抑えればこれしかない。
座間峠の標識が出ていて、テープも目立つ。これまでと違って、踏み跡レベルから道になった。ここからは鳴神山の領域だ。ハイカーも多くなる。スズは外した。左手には男体山が見えるようになった。
歩行を邪魔する目障りなピンク色の花は不思議にない。鳴神山のピンクの山肌を見ていただけに、その延長で楽しめると思っていた。
(973m標高点付近)
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(東側の眺め)
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(男体山)
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973mピークを通過。ここから100m(正確には120m)下って標高980mの鳴神山に登り返すことになる。ピークの東側は、絵になりそうな細かい山々が段々畑のように懐深く並んでいる。この視界の中に、自分が登ったことのある山もかなりあるのだろうが、どこが何山なのかさっぱりわからない。
(また出てくる)
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(花も大きくなった感じ)
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(鳴神山が間近になる)
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(このバリケードで)
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(迂回させられる)
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ポツラポツラとアカヤシオ。いい感じだ。花も大きい。この辺から鳴神山まで続くのか。眼前になった鳴神山の山肌のピンクは大分広範囲だ。
そろそろ下りが始まる。鳴神山と座間峠が併記された案内板が立ったところに暗に立ち入り禁止を促す倒木のバリケードが置かれ、右に迂回するように木枠やら杭が立った道が続いている。これは何? その時は尾根が崩壊でもしているのかと、それに従ったが、帰路はこれを無視して尾根筋を登り返した。崩壊も何もなかった。何でこんな道を造ったのかはその二日後にわかる。赤城で出会ったヒゲのオジさんと話をしていたら、そのオジさんはこういった山野のボランティア活動をやっている方で、この尾根は急なので自分も参加して迂回路を造ったのだそうだ。ちなみに、この日は鳴神山でシカ除けのテープ巻き作業をしていたらしく、仕事は午前中で切り上げていたらしい。その時に聞いたところによると、そのテープは寿命が一年で自然に戻る性質のものらしい。
(椚田峠)
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そんなことは知らずに迂回下りをしているが、その分長く感じて椚田峠に到着した。オジさんが一人うろついて西に下って行った。そちら方面、標識には「赤柴登山口30分」とあるが、つまりは一時間ほどで登って来られるということか(もっとも、駐車できる駒形まではさらに歩く必要はあるだろうが)。そして、経緯はともかく、「鳴神山でアカヤシオを見ました」という事実は同じということ。そんなどうでもいいことはともかく、備え付けの寒暖計は7℃を指している。風もあるから寒いわけだ。
カッコウソウ自生地の看板。これもまた後で知ったことだが、例のオジさん曰く、小平のカッコウソウ。地元の方々がてんでに持ち込んで自生地ということにしたらしい。オジさんが整備を手伝ったと言っていた。ここで、カメラを一眼に変える。写りはカメラではなく腕次第ということになる。
(鳴神山への登り返し)
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(いよいよ始まったか)
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(そこに下ってきた石塚さんご夫妻とワンコのさくら。さくらちゃんか。後ろの足だけのがご主人)
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ここは階段つきの登りになっている。最初は花が落ちていてちょっとがっかりしてしまったが、上がるに連れて一株、二株と見ごろが増えていく。どうやらピンクゾーンに入ったようだ。そしてまさに盛りゾーン。これでも数日遅いのはやむを得ないが、この一月、やしお山、仙人ヶ岳、三境山、石倉山と、満足の行くアカヤシオを見ていないのだから、その立場からすれば、ここのアカヤシオは見事、満開以外の何物でもない。
上からワンコ連れのご夫婦が下って来た。ここのアカヤシオ情報をいろいろと伺う。上よりもこの辺が一番きれいらしい。ワンコはコーギー犬で、ネット記事でよく見かけたことがある感じなので、そのことを聞くと、何と<石塚さんちのホームページ>の石塚さんであった。こちらも一応名乗ったが、たそがれオヤジのことはご存知だった。それもそのはず。以前、秋田出身のよしみでコメントをいただいたことがある。自然、恒例の赤城オフ会をやられているお仲間のハイトスさんの話になった。
(ここからは敢えて写真コメントは入れない)
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石塚さんと別れ、山頂に向かう。アカヤシオはどんどん密度が濃くなる。下って来る方も目に付く。余計なことを記すとボロがでるので写真の羅列にしておく。ただ、上に行っても、花はかなり落ちている。昨日の雨と今日の強い風のせいだろう。
(鳴神山山頂)
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(桐生アルプス)
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仁田山岳を先行。ここには5~6人いた。続いて山頂。15人ほどいた。その中の10人ほどのグループが騒がしい。わざわざ法螺貝まで持参し、長々と歌を吹いていた。こうやってグループで来ると、旅の恥は掻き捨ての気分になるのだろう。どこかの国の旅行客のマナーの悪さをどうこうは言えない。きっと周囲が見えなくなるのだろうし、それを諌める仲間もまたいない。
グループがようやく去ったところで、オバちゃんと二人だけになった。よくあちこちを歩いているようで、次は備前楯のアカヤシオ見物だそうだが、あそこは1300mほどあるからまだ先ではないでしょうかね。そして目をつけられた地下足袋の話へと移る。その間にもどんどんハイカーが上がってくる。遠望する山の名前を聞かれた。たまたまそれは皇海山だったから助かったものの、他に確実にわかるのは男体山と庚申山、袈裟丸だけだ。
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(お祭りはお開きにして)
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(椚田峠に戻る)
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仁田山岳を経由して下る。来る時に見た花もまた執拗に見ながら下る。ポツンポツンとなってようやく楽園から離れられた。一週間後では遅かったなと思いつつ椚田峠に到着。タバコは我慢していた。ここで一服というわけにもいかず、上の、峠が見えない位置でようやく一服した。こちらに来るハイカーはいない。そういえば、山頂で会ったオバちゃんには、大間々の小友やら小平だのと言っても通じなかったから、「座間峠の方から」来たと言ったらようやく納得してくれた。それを聞いていた周囲の方が「えっ、これから座間峠に戻るのですか」と言ってきたので、もう面倒で「座間峠から車を置いたところまでさらにあるんですよ」とウソをついてしまった。こちらも旅の恥は云々のようなものだ。
(左が巻き道。戻りは右を直登する)
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(まだ余韻が残る)
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(往路時には倒木をまたいだが、右からあっけなく行けた)
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例の巻き道合流にさしかかる。こちらにはガードのようなものが置かれていない。こちらを登る。きつくはあったが障害はなかった。何で巻き道なんか造ったのだろう。急だからかなぁとは思ったが、まさにそうだったわけだが、メインルートからは外れるが、むしろ、十二山の北東750mピークからの下った際、後ろを振り返り、ここを上りで使うのはきついだろうなと思ったが、あそこに林道経由の巻き道でもあればどんなに楽だろう。
鳴神山のアカヤシオを見た後ではすでに名残の花になってしまったが、それを見ながら先に行く。結局、往復ともに同じ花の写真を撮る始末だ。カメラはすでに椚田峠から元のコンデジに戻している。
(子繋山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/48/2242af92feca8b2c069eaf0e4d787c83.jpg)
(三界ピーク。左から登って来た。ここは右手に直進する)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/b7/60d0b8a16715bc8519460c84cc1f4c93.jpg)
973m標高点を通過し、来る時に見てはいたが主図根点とは気づかなかった石標を見て三界ピークに到着。後で知ったが、この主図根点のある丘状のところが子繋山というらしい。山名板があったのかどうかは確認もしていない。三界とは仏教用語で色界、欲界、無色界のことで、人々はこの三界で生死を繰り返しては輪廻するそうだが、自分のような俗に浸り過ぎた人間には何のことやらさっぱりわからない。ここがその交差するところなのか。ここから発生するのが赤柴山脈との由。子繋は子供を繋いだ、離さないという意味だとして、えらく険しく、気難しいイメージのスポットのようだが、自分には尾根分岐以外の何も感じない。
いきなりヤブ下りになった。踏み跡も消えた。続いていたテープもない。どうも間違ったかなと左を見るとテープが見えた。ここは、直進せず一旦赤柴山脈に入ってから下るものだったようだ。
(間違うはずもない道)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/7a/e4ae64e3f2bf0eaf105da2d734e71b33.jpg)
(こんなので時間をとられる)
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散発的にアカヤシオが出てくる。もう2時半を回っている。この時間にまだこんなところにいること自体、ちょっとヤバイ状態なのだが、つい見てしまう。まだまだ鳴神山の延長で咲いているが、落花が目立つ。
岩がちになった。ここもまたアップダウン続きがつらい。ちっとも標高が下がらない。錆びたワイヤーを目にし、右手植林、尖がり岩があったりでちょっと歩きづらい。正面に高いピークが見えている。あれは本日の最高峰の1000mだろう。
(あそこのピークから左に下るのだろう)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/88/7ff92deb9af0671482103bd9a6752925.jpg)
(アクセントは結構ある)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/eb/c139f89f51c5a0bb7f3b696ff894f9da.jpg)
見た目ほどのつらさもなく登り切ったが、左足裏が次第に痛くなってきた。これにはわけがある。椚田峠の先で休憩した際、地下足袋の中敷きの表布が剥がれかかってよじれ、部分的に固まって歩きづらいので無理に全部剥がした。そしたら、今度は中敷き本体のクッションがよれよれになり、中でフィットしなくなり、クッションそのものがよじれるようになり、足を入れると一緒になって先に行ってしまう。ボンドでもあれば固定できたろうが、そんなものはないので、中敷きそのものを取ってしまった。足裏が痛くなって当たり前だ。痛みは我慢できないほどのものではなく、そのうちに足裏の方で痛みに慣れてくれた。
(雨量計)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/87/53eb62bc4b74310519109f132da4ce87.jpg)
(尾根を下る)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/e0/38806e851295610d8475767cd8c42778.jpg)
グダグダと書いてしまったが、ようやく帰路尾根分岐の雨量計(小平川雨量観測所)に到着した。すでに3時近くになっていて、切羽詰まった気分になっている。まして歩いたこともない尾根だ。地図を見ると、何か所かで方向を変え、分岐する尾根も多い。助かることは、南側に平行して林道があることで、行き詰ったら、南下すればいいだろう。ただ、勘弁願いたいのはツツジの存在だ。歩きに集中して尾根を早いとこ下りたい。それを邪魔しないでもらいたいの一心だ。だが、そううまくはならなかった。
(しばらくは枝ヤブが続く)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/0b/68c9f315d9aa070ca6ad809d2ed9557e.jpg)
テープのある尾根だった。古いロープが樹に結わえられ右斜面に下っている。これは作業用だろう。その先の踏み跡は確認はしなかったが、おそらく北側のクネクネ林道につながっているはずだ。樹にはまだ葉がついていないため、概して明るい雑木の尾根だが、樹々の間隔は狭く、枝が顔にやたらとあたる。踏み跡を追ったところで少しはうっとうしさが紛れる程度だが、伸びた枝から解放はされない。メガネも帽子も各一回で飛んだ。
(あの岩の先がどうなっているのか心配になる)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/21/4ed3260f3fc7da9bc3ad7738ac1af565.jpg)
それに、ちょっとした恐さがある。というのは、岩とかで先が見えないところだ。あの下はどうなっているのかと気になり、恐々と覗き込むと、案外問題なく下れたりする。早々に結論を言えば、末端部以外に危険個所はない。ただ、地図上の等高線は至って緩やかではあるが、決してそうでもないところがある。特にこのように下り使用では要注意だ。小尾根の分岐も、こまめにコンパスを合わせて下ればルートミスはないが、この先で一か所ミスをした。安易ではあるが、下りではコンパスとまめなGPSでのチェックが無難かと思う。
下って15分後に邪魔者が目に入った。ミツバツツジ。群れていないからまだいいか。カメラに収めたとしてもたかがしれて時間のロスだ。他にないかと探したがない。正面には小ピーク。ここもまた下ってもなかなか標高が下がらない尾根のようだ。あのピークは855m標高点らしい。
(作業道がクロスする)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/1b/97547555febf1fc6012c4f1b0052bc8c.jpg)
(855m標高点付近)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/80/9b96e15e07f2908c4c4b132b5d68d8bf.jpg)
下って行くと、左下から幅広の作業道が現れた。その先は尾根下伝いに続いている。こういうのは困る。尾根の南北の林道をつないでいるのか。ここは北の林道とすぐに接近している所だ。作業道は無視して尾根通しに登ると無視できないミツバツツジがまた現れた。すぐに終わってくれて、色のない855m標高点。枝ヤブだらけの一時的に平らなスペースだ。下るとまた道が横切り、今度は尾根を寸断している。ちょっとだけ迷った。3時半を過ぎている。このまま作業道とはいっても軽トラなら走れる幅の道だ。このまま尾根の右に向かって下ろうか。すぐに終点ということはあるまい。暗くなっても、ほぼ確実に林道に出られるだろう。やめておこう。弱音を吐くには30分は早い。
(テープがあって確かに目印にはなるが、これを頼りに歩くわけにもいくまい)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/6b/aa9508bbd3aed675a5b7d5b9551d8cc6.jpg)
(この尾根も下っては)
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(登るの繰り返し)
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(まだまだ足を引っ張るのがいる)
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(これもだ)
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続きの尾根に上がるには障害があった。太い倒木。作業道側から迂回して復帰した。気苦労の多い尾根だ。先のピークで休憩。かなり歩き飽きた。もう枝ヤブエリアは抜け、右手に植林が接近してきている。
地図を見ると、まだ登り返し先がブタの鼻のようになっているのと、さらにもう一か所ある。都合3回の登りが残っている。ここでおかしなことに気づいた。ブタの鼻は知らずのうちにというか、もうアップダウンにマヒしてしまった身体には感覚もなく通過していたことがGPSを見てわかった。最後の780m小ピークに至ると、今さらながらのアカヤシオ。足を引っ張られた。続いてミツバツツジと続く。気づいたら西ではなく北に下っていた。
(尾根の様相に変化が出てくる。)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/2c/44058b44ed3e3d089d3f229bee5b0e84.jpg)
この先、ミツバツツジを見ながらの下りになってしまった。時計を見ると4時20分。かなりまずい。詳細マップを見ると693m標高点はまだ先。ついでに気になっていた尾根末端を確認する。特別に等高線は狭くはなってはいない。強いていえることは、進行左の南側の等高線が緩くなっているので、末端近くになったら、尾根から外れて左寄りに下ればいいみたいだ。だが、最終的に切羽詰まって、ここで思ったことは忘れることになる。
ミツバツツジはなかなか終わらず、アカヤシオが居残っていたりする。日陰はしおれているのに、もうこの時間帯、夕日を浴びるアカヤシオは現役だったりして困ったものだ。しつこく消えない。
(693m標高点付近)
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(これを過ぎると大分荒れてくる)
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(こんどはこいつか)
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岩の脇を下って鞍部。そして地図では等高線一本分でしかない693m標高点が、10mの登りでは済まない高さに見える。50mほど登った感じで693m到着。あとは消化試合と思いたい。
ミツバツツジが本当しつこく続いた。アカヤシオは消えてくれた。そしてヤマツツジが出てくる。尾根は凹凸の多いヤセ尾根になりつつある。もう何とかしてよと言いたくなったところで、ようやくツツジは消えてくれた。
(恐々で下っている)
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(これを見てほっとはした)
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共同アンテナが横倒しになっていた。そして、それを支えていた支柱棒もコードも散乱している。ようやく里に近づいたようだ。こういうところにはしっかりした踏み跡があるはずだ。
また放置されたアンテナがあった。その横にはヤマツツジ。ここからアンテナケーブルが下に続いている。アンテナは現役なのだろうかと思いながら下ると3つ目のアンテナとヤマツツジのセット。こんなにツツジの写真ばかりを何百枚も撮ったはいいが、おそらく見るのは一度だけ。まぁそんなものだろう。これが昔のフィルムカメラのままなら絶対撮らない。山に行くだけで写真代がバカにならない。
(急になり吸い込まれていく感じだ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/f6/5d61a011c873c4fb7047003b9c46d784.jpg)
(この辺で左の植林に逃げるべきだった)
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次第に急になってきた。尾根型は岩場になったりしながらも明瞭に続いている。アンテナ線は部分的に支柱で持ち上げられながら左の植林帯に入り込んだようだ。
ここで、さっき地図で見て、左に逃げた方がいいかもと思ったことをすっかり忘れている。尾根型が明瞭過ぎる。かつ、周囲に比べて急激な斜面になっている。こだわらなきゃいいものをこだわってしまった。
(こんなところを下ってきた)
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ストックを収納して樹につかまって下った。スパ地下だからまだよかった。登山靴だったら、落葉が滑って下れない。その肝心な頼りの樹がまばらになってきた。真下には林道が見え、その先には車道路肩の自分の車も見えている。ガクガクしながら下ったが、今さらにして恐怖を覚え左寄りに軌道修正。それでも樹への移りは容易ではない。
ようやく林道に出た。その間の写真を見ると、すべてピンボケになっていた。震えながら撮っていたのではいくら手振れ補正をセットしていても効果はない。
(助かったというよりも放心状態だ)
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ぐったりした。いやはや、何とも…と思ったのはもう少し時間が経ってからのことで、林道に着地した時点ではただの放心状態だった。先日の石垣山での下りもすごいものだったが、今回は恐怖そのものだった。
足の動きがヨタヨタのままで車に戻った。なぜか頭に浮かんだのは、早いとこ帰って犬の散歩をしなきゃいけないなぁだった。今朝の散歩は省略して出て来ていた。妻が犬を散歩させるわけがない。せいぜいエサと水やりだけだ。
もう5時20分近くになっている。タッチアウトセーフだった。末端部をヘッデンを使ってこんな下り方をしていたのでは恐怖どころか危険だった。しかし、まさかの9時間半歩きだった。帰路で小平のカッコウソウでも立ち寄る予定でもいた。休憩とツツジ見物に少なくとも2時間は費やしていたかもしれない。
まぁ、それはそれでいい。ラストの下り尾根末端を除けばきついながらも楽しめた。終わりかけながらも鳴神山でアカヤシオは満喫した。もうアカヤシオの追いかけはしなくともいいだろう。あとはせいぜい、だれも気づかないようなスポットでツツジ祭りに出会えればいいが、連休明けの休日は雑用に追われるし、アカヤシオは今日の鳴神山が今年は最初で最後かもしれない。
(本日の軌跡)
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「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」
復路の末端は下りで使えばそうなるだろうなあと。いつも石灯籠の裏から岩交じりの急斜面を無理やり登ってますから。
往路の十二山に行くまでの区間、二週間前にアカヤシオがどうだったか気になります。一本北東の尾根はヤシオ山でした。
きっとこの日にアカヤシオだけの事を思えば理想はバスで駒形登山口に行って鳴神山・座間峠→神戸駅で戻るだったんだろうなと。それでも大体登山道だし、歩きとして面白いのはたそがれさんの今回の歩きなんでしょうが。
鳴神山もアカヤシオなんですねぇ~。俄然興味が湧いてきましたよ。しかし、馴染みの無い所での薮ルートは避けたい所で、ふみふみぃさんの書き込みを含めて、来年の楽しみといたします。
ここのところふみふみぃさんの後追いが続いていて、昨日は1103mに行って来ました。備前楯の斜面はかなりの色づきでしたが、1103mのアカヤシオはいささか疲れ気味で、すでに旬は過ぎていました。ただ、群生地のようで、来年はもう少し早く行きたいと思っています。備前楯には行きませんでした。そこに行くまでにちょっとしたアクシデントがあって、かなりの体力を使い、1103mすらようやくでしたし、駐車場には車も多かったのでその気にはなりませんでした。
どうもここのところ、私のアカヤシオは遅いか早過ぎるかです。鳴神山にしても、もう2~3日早かったら、かなりのお祭りだったかと思います。こういう手の季節の花は、人の情報でじぁ行くかとやっても、数日の遅れでタイミングは逃してしまうものですね。
下りで使った尾根、ふみふみぃさんの歩きのベースは石灯篭のようですが、それでもかなりの急斜面のようですね。あそこを往路で使ったら、私は鳴神山に行く気力は失せると思います。
しかし、小友の尾根群もバカになりませんね。来年は集中的にアカヤシオ求めをやりたいと思っています。
鳴神山のアカヤシオは以前にも見に行ったことがあり、見事なことは知っていましたが、何せハイカーが多くて、例えば今回のように法螺貝のグループがいて、どうも静かに鑑賞できない難点があります。
鳴神山も、駒形登山口からオーソドックスに登り、その先は静かな歩きを楽しむべく座間峠に出てわたらせ渓谷鉄道で戻るという手もありますが、どうせなら、私は吾妻山からの縦走で鳴神山、それから座間峠というコースの方が楽しめると思いますけど。ただ、距離が長いですね。
小友から十二山へ、そして雨量計からの西尾根を下るとは地元にいながら今まで考えたこともなかったです。
なるほど・・・です。
身近な所で見落としていたというところです。
後追いしてみたくなりました。
でももうヤシオの季節も終わっているので鳴神山はパスしよう。
十二山の山名板はまだ2年は持ちそうですね。
スカイさんの板が結構しっかりしているからもっと長持ちしそうですし。
地元の方を差し置いて失礼いたしました(笑)。
私の今回のコースはあくまでもふみふみぃさんの歩きをベースにしたものです。これも可能だろうなといったところです。
要注意は往路の取り付きと復路の出口ですが、出口の方はふみふみぃさんの記事を見ても、急斜面は避けられず、さらに先の尾根を利用した方が良いでしょう。また、私の取り付きは、徒渉がありますので、車道を下って、徒渉のない、自分が候補にもしていた尾根が良いかもしれません。
小友からの歩きも、アカヤシオがあったので変化に富んで楽しめましたが、後は紅葉の時季ではないでしょうか。殺風景そのものですよ。
偶然にも、続けてハイトスさんの山名板に出会いましたが、いずれメンテも必要でしょうし、あるいは自分の足尾の山の板もそうですが、見苦しくなって、交換が面倒なら取り外しが無難になるでしょうね、