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◎2020年4月5日(日)
駐車場(7:34)……取り付き(7:50)……906m標高点(8:52~9:07)……林道(9:49)……丸岩岳(10:02~10:21)……熊鷹山(11:06~11:18)……コース外れ(11:22)……石鴨林道(11:49~12:06)……駐車場(13:10)
去年の12月、根本沢の十七丁石碑を見た後にその先をぶらぶらし、昔の墓を見たことだけが収穫の帰路の下りで、正面に屹立した端正な形の尾根が見えた。その尾根にはこれまで気づかなかった。それもそのはずで、駐車場から桐生川対岸を眺めても視界には入らず、林道を戻らないと見えない。その尾根は、丸岩岳につながる906m標高点を経由する西尾根(丸岩岳からの見て西)だった。以来、いずれ登る課題尾根にしていた。
(昨年12月に見た県境ルートでの西尾根。おそらく、正面のピークが906m標高点かと思う。その奥が丸岩岳なのか、途中の小ピークなのかはわからない。今回は正面左から登ったことになる)
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皆さんのアカヤシオ情報記事を見ながら、そろそろ西尾根のタイミングかなと思い、何の気なくハイトスさんにメールしてみる。即答でOKの返信。ハイトスさんもまたその尾根に興味を持っていたとのこと。それなら無理に誘った形にならずに都合も良い。これは後で知ったことだが、ハイトスさんは三境山から根本山、丸岩岳、野峰にかけ、そこはつまらないと事情通に聞いたところ以外の大方のところは歩いていて、この西尾根だけが残っていたそうである。ちなみに、前日の4日にはおK3さんと仙人ヶ岳に行かれたとのこと。頭の負傷の方はもう何ともないようだ。道中、アイコスながらもタバコは吸っていたし。自分なら、連日の山行はできないだろうから、適当な理由をつくって断わる。ついでながら、高木にも声をかけたら、今、自分の家のファームの仕事が忙しく、山を登るヒマがあったら、畑作業を手伝えと言ってきた。これは腰が悪いからと断わったが。
ところで、この西尾根だが、ハイトスさんによると、MさんかFさんだかが下りで使っていたとのこと。自分にその記事の記憶はない。読んでいたとしても、現物の尾根を目にする前だったら、さほどに興味もなかったから覚えていないのか。ただ、行く直前に確認したところ、ヤマレコにここを下った方の記事があって、とにかく急で、激斜面が二か所あったと記されていた。それは下り使用であったからで、上りだったら、激斜感も少しは薄れるのではないのか。
ハイトスさんとは7時半の待ち合わせ。林道が細くなると、しばらく3台が連なった。自分は三番手。先頭を走る車がハイトスさんのだとはすぐにわかった。すれ違えないような区間が続くのは承知だから、自分は軽で来ていた。
駐車場には1台しかなかったからここで都合4台となったが、時間的に早いのか、天気が予報に反してどんよりしているからなのか、やけに少ない気がした。ハイトスさんと合流し、出発。
(いつもの根本山登山口。ハイトスさんが見ている案内図はハイトスさん制作だそうだ。もっとも依頼されてのことらしい。これは下山してから聞いた話)
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(石垣の上が林道。ここを下った)
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いきなりのチョンボをしでかした。元はといえば、自分の錯覚、勘違いからだった。今回の西尾根は県境になっている末端から登るつもりでいたが、何の意思もなく不死熊橋の方に向かった。ハイトスさんの顔から怪訝そうな気配を感じたが、こちらは特に気にもかけていない。不死熊橋から石鴨林道に入ったあたりで、この先、川に下りられるところはないんじゃないのとハイトスさんから言われ、きょとんとしていると指摘を受けた。西尾根の末端から登るのなら、不死熊橋方面ではなく、逆に林道を石鴨天満宮の方に少し下り、そこから桐生川を渡らなければならないと。ここで地図を改めて見てようやく自分の思い込みに気付いた。おそらく、ハイトスさんは、自分が末端を避けて北側から906mに登るつもりでいるとでも思っていたのだろうが、今にして思えば、それを早々に言って欲しかった。戻りましょうかといった話をしていると、脇を、中尾根で根本山に登るのか、自分とハイトスさんの間に入っていた車の単独氏が通って行った。聞けば、根本山は初めてとのこと。他県ならともかく、群馬ナンバーだったから、山歩き間もない方かもしれない。この方、駐車場に戻るとすでに車はなかった。熊鷹山の方には行かず、もしくは途中で降ってきた雪で予定を変更して中尾根ピストンにしたのかもしれない。
そんなことはともかく、自分のアホさに無性に腹立たしく、昨年眺めた尾根は歩けないのは残念だなと思いながらも、こうなったらこちらから登りましょうというご意見もあって、そのまま行くことにした。つまり西尾根末端からではなく、605m標高点付近から北西尾根経由で906mに出るというルート変更ということになる。問題は沢(十二沢)にどうやって下りるかだが、石垣があるところがうまい具合に崩れている。ここから下る。決してすんなりと下ったわけでもない。当然、ハイトスさんに様子見がてらに先行していただいた。沢も水の少ないところを石伝いに渉った。自分としてはまだ落胆が大きかったが、早いとこ頭を切り替えなきゃ目の前の急斜面は登れない。
(急斜面登り。上に南西尾根が顔を出す)
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まだ尾根型にはなっていない。もとより、北西尾根とはいっても、その末端部からは先に来ている。目の前はただの広い急斜面だ。ヒノキの植林の樹の幹には白いテープが巻きつけてはいるが、大方、それは間伐対象外の目印やもしれず、そのための作業道のようなものは見えず、気まぐれに見つける踏み跡らしきところを、こっちだあっちだと拾いながらジグザグに登る。その踏み跡すら、人間のものとは思えないものもある。幸いにも樹間は密で、つかむものに不自由はないので、かろうじて四つん這いになっても登れる。これに倒木や間伐が加わったら難儀する。沢床に倒木の堆積はなかったし、まだ青年期の植林なのか、去年の台風19号には耐えられたのだろう。
(南西尾根に出る)
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(向こうの尾根が、当初登るつもりでいた末端からの西尾根)
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とにかく、尾根型を目指して登ったし、気を許せる登りではなかったからしんどいとかといった思いはなかったが、上に尾根が見えた時にはほっとした。尾根に上がる。少しは落ち着いたが、幾分傾斜が緩くなって、尾根幅と樹間が広くなって明るくなっただけのことで、相変わらずの植林尾根。杉も混じったのか、足元は木の葉が積もって歩きづらい。
足元が落ち着いたところでダブルでストックを出す。今はもう、激急未満の急斜面はこれに頼るしかない。激急は上りも下りもストックが足手まといになることもある。ハイトスさんはストックに縁がない。持参もしない。たいしたものだと思う。ある程度は落ち着いたせいか、忘れていた息切れがし始めた。ストックを使って登っているだけでも少しは楽で、見下ろすと、ハイトスさんは四つん這いで登ってくる。
(三境山)
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(緩くなったとはいえ四つん這い登り)
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左手に三境山が見えるようになると、傾斜も幾分落ち着き、広葉樹の雑木になりつつある雰囲気。そろそろアカヤシオに期待したい。が、色づきどころか新緑すら目に入らない。曇天も加わって、景色は相変わらずの冬枯れのままだ。標高的には700~800m付近で見ごろかと思うが、たまに見かける何ツツジの木かは知らないが、ツボミはまだ小さくて固い。これでは期待もできない。今日の楽しみは西尾根以外に、アカヤシオとタラの芽摘みがある。この様子ではアカヤシオは期待薄。
(普通の尾根になって)
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(906m)
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(MHCの標識)
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(予定では向こうからここに至ることになっていた)
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ようやく普通の斜度の歩きにはなったものの、右側はかなり切れていて、県境の西尾根はまだ見えていない。それもそのはず。地図を見れば、この先の906mから直角に右から上がって来ていて、その間は深そうな谷間になっている。北西尾根に登った際にちらりと見えただけだった。
おとなしい尾根になって906m標高点到着。<MHC 906>の標識が置かれている。ハイトスさんによれば、県境歩き隊(前橋ハイキングクラブ)のだろうとのこと。もう13年前の板で、県境歩きには興味があって『群馬の県境を歩く』(上毛新聞社刊)まで買って読んだ。この隊も西尾根を下り使用していて、「転げ落ちそうな急斜面」と形容されている。ここには、他に桐生市水準点と石柱が二基。いずれかが図根点らしい。ここで休憩。お互い一服。こちらは紙巻タバコだ。
(唯一のアカヤシオ)
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ふと西尾根の方を見ると、アカヤシオが一株。これが本日唯一の収穫で、後にも先にもアカヤシオに触れることはなかった。ただ、このアカヤシオ、尾根から外れた斜面に咲いていたので、間近に鑑賞することはできなかった。
この先の等高線の詰まり具合を地図で見る限り、950mから1050mの間がやや急といった感じがする。それでも、ここまでの取り付きの600mから800mにかけての等高線の間隔に比べれば若干広い。それにしても、このどんより天気はずっとこうなのか。予報では3時頃までは陽が出ているはずだったが。寒くてしょうがない。それでいて、ハイトスさんからはその格好で暑くないかと言われる始末だが、薄手のシャツとペラペラのウインドブレーカーでは寒い。じっとしていられず、たまらず出発しましょうと休憩終了。
(改めて906m)
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(三境山と、樹に隠れてはいるが根本山)
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少し下って登りになる。左手前方の展望が良くなる。三境山だけではなく、根本山、熊鷹山、丸岩岳も視界に入っているはずだが、三境山以外はどうも特定ができない。ここから、熊鷹山の展望台の櫓が見えていれば一目瞭然だが、その櫓が見えず、あれが根本でこっちが丸岩だのと適当に言い合うが、丸岩岳そのものが、林道合流手前に1070m級の小ピークがあるので、それに隠れているのかしかとはわからない。ただ、ハイトスさんはそのうちに何とか特定できたようで、三境山と根本山を一枚に撮るのはなかなか珍しいと言いながら樹間越しに写真を撮っていた。
(歩きやすくなり)
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(テープも出てくる)
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(岩場もあるが、脇を簡単に通れる)
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(ヤセ気味なところもある)
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樹の根が張り出した尾根は部分的に細くなったりしたが、906mを過ぎてから目印テープが目に入るようになった。やはり、西尾根を末端から登るか下る人がいるようだ。ただ、すでに尾根型は明瞭で、何でこんなところにと、不要なテープに感じてしまう。
岩が出て来て急になる。だが、さほどでもない。尾根幅も元に戻って平穏に歩ける。単調といえば単調だ。そろそろ、正面に見えるピークが丸岩岳だとわかるようになったが、いまだに熊鷹山の櫓は見えていない、距離感覚からして、あそこだろうなというピークは想定できるが、明言できるほどでもない。
(丸岩岳が近くなる)
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(林道に出る。写真右から上がって、左を上がる形になる)
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目の前のピークを巻いて下ると林道に出た。自分には、これでほっとした。ここからなら石鴨林道を通って、無事に帰還できる。ここまでにバテて、林道に達していなかったら、登った急な尾根を下るのはかなりしんどい。ただ、逃げ道がそれしかないのでは、危険を冒すしかなかったから、余計に安堵した。
(やすやすと登っているように見えるが、自分にはそうでもなかった)
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さて、ここからの取り付きが問題だ。林道で切れた延長尾根は擁壁ではないが、簡単に復帰できそうなところはない。まして岩場状にもなっている。周囲を歩いて様子見をし、どこから登るのか、半ばあきらめ気分で思案していたら、ハイトスさんがここから行きましょうと正面突破で岩々に取り付いた。考えもしなかったので黙って眺めていた。スイスイと登り上げ、尾根に復帰した。ようやるわと思いながら、やはりここしかないのかとストックを収め、四つん這いで登る。頼りの細い木は意外に根がしっかりして体重もかけられる。何とか復帰した。自分一人なら、おそらく林道を野峰側に回り込んで丸岩岳に行ったろう。ついこの間まで頭に慢性硬膜血種とやらを抱えた方がこんなことを即決行動するとは。自分は強いて言えば地味なヤブ尾根派だが、ハイトスさんは何と言えばいいのか…。ヤバイとこ平気と表現すればわかりやすいか。こちら、尾根に上がった時はかなりの動悸になっていた。ついでながら、以降、またストックを出すのが面倒になってストックは使わなかった。
(丸岩岳はそこ)
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(丸岩岳山頂)
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(この標識、傾いでいたのが気になって針金を締めていたら針金が切れて短くなってしまった。仕方なく、何とか工夫して幹ではなく枝に結わえた。こんな記事に気づくことはないだろうが、製作者さん、申しわけありません)
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ほどなく丸岩岳に到着。ここもまた緑色すらなく、樹々の葉は落ちたまま。アカヤシオが咲く以前の状態だ。ここは三角点峰ではないが、石標が2基。長いのは何か知らないが、短い方の地面を掘ってみると「主図」までは読めた。方向を指す標識がいくつかあり、いずれも新しい。ここでまた一服したが、何も見るものがないのに、しかも自分には寒い中、ダラダラと休んでしまった。実は、この先をどうするか決めかねていた。野峰に行き、北西方面に784m標高点を経由して石鴨天満宮に出るルートで下るアイデアもあった。自分はそれを歩いたことはあるのだが、かなり以前のことでとんと記憶がない。もしくは、根本山方面に向かい、その間にある目ぼしい三本の尾根のいずれか。
野峰経由は、駐車場までの上り林道が長いのでボツ。三本の尾根にマーカーを入れた地図をハイトスさんに示すと、根本山山頂手前から南下する尾根は、ハイトスさん自身が歩いたことはないが、情報通に植林尾根で面白くなかったと聞いたのでやめましょう。1035m経由も同じようなものらしく、結局、熊鷹山の先の小ピークから西に下る尾根が、下部が広葉樹になっているようだし、これにしましょう。林道歩きがかなり長くなるが、瀑泉さんのブログに、台風19号で林道がかなり荒れたとあったので、それを見ておきたかったし、林道沿いでタラの芽にありつける。別に異存はない。
(二十三丁目石)
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(つぶれた石祠)
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(二十一丁目)
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熊鷹山に向けて歩き出す。もうこうなったら後は消化試合のようなものだ。先日の水沢山で、これまでの2時間歩き続きから4時間歩きに進歩はしたが、そのタイムは超えそうだ。それだけでも満足だ。まして、下ではマニアック歩きもやった。ここで、ひょんなことに気づく。それは丁目石。気づく以前にも目にしていたのかもしれないが、よく注意していなかった。「二十三丁目」、「野州足利新中町」、「小沼仁兵衛」とある。こちら側にも丁目石はあったのか。根本沢のそれは根本山神社までの道標だとすれば、こちら側にあるのは十二山神社に至る道標なのか。始点はどこで終点がどこなのか。そして、つぶれて胴体のない石祠。先には「常盤津邑(=村?)八寺木(本?)新町」の「二十一丁目」。二十二丁は石祠だったのか? 「山」と記されたありきたりの細い石標があっただけだった。この寄進の道標以降、少なくとも熊鷹山までは見ることはなかったが、根本沢同様に上がるに連れて丁目の数字は小さくなる。根本沢の道標は沢沿いで、土砂崩れや流されても不思議ではないが、この尾根道はもっと残っていてもいいようで、これまで意識もしなかったから、この古道がどういうルートになっていたのかえらく気になった。後でネット記事で調べても、道標を見た記事はあっても、突っ込んだ好事家はいなかった。ハイトスさんですら、初めて気づいたようだった。
ここで、白いものがぱらついてきた。風花かと思ったが、これは確実に雪だった。天気予報は大外れ。今季は雪が少なかったわりには季節外れの降雪が多いような気がする。おかげで、車一台は夏タイヤに戻したが、他の車はタイミングを逸してスタッドレスのままにしている。この程度のぱらつきなら、この先の歩行に支障はないが、ここに至ってもだれにも会わないままだ。
(林道分岐にあった案内図)
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石鴨林道への分岐に出た。ここに案内地図があり、地図には丁目石が記されている。熊鷹山の先には十三丁目、十二山の手前には六丁目、十二山神社側に二丁目、一丁目がある。やはり、十二山神社に至る古道だったようだが、この丁目石の3/4近くが消えているというのはどういうことだろう。
(熊鷹山。こうして見ると、山頂の展望台はここからでも見えていない)
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(傾いだ鳥居)
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(神社)
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(熊鷹山山頂。誤解ないよう。ここでハイトスさんが用足しをしているわけではない)
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(展望台。これもまた斜めになっている)
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(展望台から根本山。白いポツポツは雪。写真右の丘状のところから左に下ることになる)
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熊鷹山が見えてくると鳥居。鳥居は斜めになって今にも倒れそうだが、おそらく、去年の台風でも持ちこたえたのだから、柱を相当深くに入れ込んでいるのだろう。脇にある石祠、これは神社だろうが、明治40年となっている。
熊鷹山山頂に着くと、雪は本降りになった。これもまた曲がった展望台に登ってみた。ここの周辺が見えるだけで、奥の視界は効かない。これから下る予定の尾根は見えている。ここで、事前に林道までコンパスをセットする。そうしているうちに雪はやんだ。一時的な降雪だった。
(ハイトスさんはここから下り始めた。もう少しピークに行ってから下って欲しかった)
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(この辺はまだよかったが)
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(こうなる。ハイトスさんはかなり下。ザックがかろうじて見える)
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下山にかかる。地図の上では、熊鷹山から少し下って、最初の小ピークから西に下って、石鴨林道の屈折部に出るというコースになる。小ピークからの尾根型は不明瞭で、50mほど適当に下って尾根型になるというものだが、ハイトスさんは、その小ピークに至る前で左・西側に下ろうとしている。まぁ、それでも尾根に乗れればいいのだが、こちらは地図の尾根型にこだわっている。
ハイトスさんが先導し、それを追いかけるように下ったが、さっき合わせたコンパスの方向とはほぼ45度は外れている。コンパスは下っているよりも右方向に向いている。下っている方向は左側。後ろ歩きで、できるだけ右手方向に向かい、ハイトスさんに右寄りにと声はかけたが、歩きやすい方を選ぶのか、どうしても左寄りになっていく。どこを下っても林道に出るのだから、こちらもそのうちに気にしなくなった、
(沢に出て)
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(林道)
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下に沢が見えた。水が流れている。地図上の青線の沢であるはずがない。予定コースからは外れて下ったのだから。二人で地図を見て、どこに出たのだろうかと話しながら、取りあえず沢沿いに下ったら、先に林道が見えた。
林道に出てヤレヤレ。GPSを見ると、予定下りポイントの二つ手前のカーブに出てしまっていて、ここは沢型になっていて、実際に水が流れていたわけだ。休んでいると、林道を歩いて来る青年が、我々が下って来た沢を写真に収めていたりしている。出発時の単独氏とは違う。根本山から熊鷹山に行き、石鴨林道を下る歩きのようだ。
(十二山からのコースに合流。地図にはないが明瞭)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/23/54cf5fb50b5526482441c6a851d8fa57.jpg)
林道下りになった。すぐに、当初予定の尾根の末端を確認したが、地図とは違って、ここを林道に出るのはきつい。ロープでもなければ無理かもしれない。もしくは、戻るか先に行って下るしかない。ここで、ハイトスさんから聞いたことだが、これまで、簡単な山でも常にハーネス、ロープを持参していたが、もう持って歩いていないし、そんなのが必要なところは歩かないとのこと、まして、今は山岳保険もやめたと。こちらは、山岳保険どころか、ココヘリまで導入している。このココヘリって何? とハイトスさんに聞かれ、後で現物とともに説明するつもりだったが、忘れてそのままになってしまった。ここで余計なことを記す。一昨年に骨折した際、山岳保険にも請求したところ、手術代、入院、通院費合わせ84,000円ほどの支給があった。年会費の形で1万円少々の支出だったから、これまでの支払い分は取り戻した形にはなった。
さて、林道歩きだが、二つの興味点があった。一つは荒れ具合。これは瀑泉さんのことは前述の如しだが、自分の目でも確認したかった。もう一つは、かつて、もう少し先の時季に林道沿いでタラの芽をかなり収穫していたのでそれを期待した。
まずはタラの芽。これはダメ。タラの木そのものが少なくなっていて、芽も小さいのを一つ見つけただけで、これは摘まなかった。あれから大分経つ。植生も変わったのだろうか。ある程度先に行ってあきらめた。
(沢があふれ、斜面からもかなり落ちてきたのだろう)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/f1/025e37d490866b7311ae4868bba87894.jpg)
(流木がたまっている)
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(ふさがれるが通れる)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/fa/acd109d8106ac6cb0f704b34f99a6acb.jpg)
(ちらりと小滝)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/27/fbd5d5e0cbd0933dff494dd54d67b3e7.jpg)
林道の崩壊は、なるほどひどいやとは思ったが、元から現役の様子ではなかったし、倒木が道をふさいでいても、歩行に支障があるわけでもない。まぁ、こんなものかといったところだった。ただ、斜面の崩れが結構目についた。おそらく、この林道も、やがては自然に戻るのだろう。
林道歩きは一時間くらいのものだった。おしゃべりをしながら歩いたから、時間の長さはあまり感じなかった。そんな気楽な歩きが災いしたのか、道に乗った鉄板でスパ地下を滑らせて転倒。ハイトスさんに、受け身がうまいと笑われた。転んだ際にケガ跡の左足首をもろに打ってしまい、しばらく痛かった。
(中尾根コースに合流)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/40/d74f17cded47ea6949cb5f6ba6e74250.jpg)
(駐車場到着)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/02/7233df40d9d785461cde6acf1d3e7816.jpg)
駐車場が近づく。根本山の方から二人連れが下って来る。もう晴れて、青空も出ている。駐車場にはすでに二十台以上置かれている。その中に、ハイカーとは思えぬ、タバコを吸っているオニイサン、オネエチャンの姿が見えた。これは後で知ったが、ミツマタ群生地の見物客のようだ。
ミツマタ群生地は三境山の方にあることは何となく知っていて、できれば見てみたいとも思っていたが、ここまで来て、また山登りするのも何だしとためらっていたが、通行止めの三境林道から少し入ったところにあるらしい。それをわかっていたら、ついでに行ってみるのもよかったか。
休憩込みの5時間半歩きだった。ポカポカ陽気を期待していたら、山中では曇天で雪にも降られる状態だった。ハイトスさんには、久しぶりのマニアック歩きをして面白かったと評されたが、自分には、丸岩岳の西尾根末端から歩けなかったことが心苦しく残っている。いずれ、改めてやり直し、どうせなら、906mから県境斜面を南下したいものだと思っている。
ハイトスさんと別れての帰り道。桐生川沿いに、物々しいほどのパトカーと消防車がとまっていた。水難事故でもあったのか。釣りは解禁になっているはずだ。翌日の上毛新聞を見たが、事故の記事はなかった。
朝、来る途中で桐生川ダム湖の桜が満開だったのが気になっていたので、立ち寄って、周辺を散歩した。絵になるほどの景色はなかったが、ここには小粒ながらミツマタの群生があった。何だか矛盾した話だが、自分はさほどにミツマタが好きなわけではない。あくまでもこの時季のネタとして興味があっただけのこと。釣り人もさることながら、ドライブがてらに探索する方も多く、結構、賑わっていた。
(本日の軌跡)
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「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」
(ダム湖で1)
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(ダム湖で2)
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(ダム湖で3)
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(ダム湖で4)
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駐車場(7:34)……取り付き(7:50)……906m標高点(8:52~9:07)……林道(9:49)……丸岩岳(10:02~10:21)……熊鷹山(11:06~11:18)……コース外れ(11:22)……石鴨林道(11:49~12:06)……駐車場(13:10)
去年の12月、根本沢の十七丁石碑を見た後にその先をぶらぶらし、昔の墓を見たことだけが収穫の帰路の下りで、正面に屹立した端正な形の尾根が見えた。その尾根にはこれまで気づかなかった。それもそのはずで、駐車場から桐生川対岸を眺めても視界には入らず、林道を戻らないと見えない。その尾根は、丸岩岳につながる906m標高点を経由する西尾根(丸岩岳からの見て西)だった。以来、いずれ登る課題尾根にしていた。
(昨年12月に見た県境ルートでの西尾根。おそらく、正面のピークが906m標高点かと思う。その奥が丸岩岳なのか、途中の小ピークなのかはわからない。今回は正面左から登ったことになる)
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皆さんのアカヤシオ情報記事を見ながら、そろそろ西尾根のタイミングかなと思い、何の気なくハイトスさんにメールしてみる。即答でOKの返信。ハイトスさんもまたその尾根に興味を持っていたとのこと。それなら無理に誘った形にならずに都合も良い。これは後で知ったことだが、ハイトスさんは三境山から根本山、丸岩岳、野峰にかけ、そこはつまらないと事情通に聞いたところ以外の大方のところは歩いていて、この西尾根だけが残っていたそうである。ちなみに、前日の4日にはおK3さんと仙人ヶ岳に行かれたとのこと。頭の負傷の方はもう何ともないようだ。道中、アイコスながらもタバコは吸っていたし。自分なら、連日の山行はできないだろうから、適当な理由をつくって断わる。ついでながら、高木にも声をかけたら、今、自分の家のファームの仕事が忙しく、山を登るヒマがあったら、畑作業を手伝えと言ってきた。これは腰が悪いからと断わったが。
ところで、この西尾根だが、ハイトスさんによると、MさんかFさんだかが下りで使っていたとのこと。自分にその記事の記憶はない。読んでいたとしても、現物の尾根を目にする前だったら、さほどに興味もなかったから覚えていないのか。ただ、行く直前に確認したところ、ヤマレコにここを下った方の記事があって、とにかく急で、激斜面が二か所あったと記されていた。それは下り使用であったからで、上りだったら、激斜感も少しは薄れるのではないのか。
ハイトスさんとは7時半の待ち合わせ。林道が細くなると、しばらく3台が連なった。自分は三番手。先頭を走る車がハイトスさんのだとはすぐにわかった。すれ違えないような区間が続くのは承知だから、自分は軽で来ていた。
駐車場には1台しかなかったからここで都合4台となったが、時間的に早いのか、天気が予報に反してどんよりしているからなのか、やけに少ない気がした。ハイトスさんと合流し、出発。
(いつもの根本山登山口。ハイトスさんが見ている案内図はハイトスさん制作だそうだ。もっとも依頼されてのことらしい。これは下山してから聞いた話)
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(石垣の上が林道。ここを下った)
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いきなりのチョンボをしでかした。元はといえば、自分の錯覚、勘違いからだった。今回の西尾根は県境になっている末端から登るつもりでいたが、何の意思もなく不死熊橋の方に向かった。ハイトスさんの顔から怪訝そうな気配を感じたが、こちらは特に気にもかけていない。不死熊橋から石鴨林道に入ったあたりで、この先、川に下りられるところはないんじゃないのとハイトスさんから言われ、きょとんとしていると指摘を受けた。西尾根の末端から登るのなら、不死熊橋方面ではなく、逆に林道を石鴨天満宮の方に少し下り、そこから桐生川を渡らなければならないと。ここで地図を改めて見てようやく自分の思い込みに気付いた。おそらく、ハイトスさんは、自分が末端を避けて北側から906mに登るつもりでいるとでも思っていたのだろうが、今にして思えば、それを早々に言って欲しかった。戻りましょうかといった話をしていると、脇を、中尾根で根本山に登るのか、自分とハイトスさんの間に入っていた車の単独氏が通って行った。聞けば、根本山は初めてとのこと。他県ならともかく、群馬ナンバーだったから、山歩き間もない方かもしれない。この方、駐車場に戻るとすでに車はなかった。熊鷹山の方には行かず、もしくは途中で降ってきた雪で予定を変更して中尾根ピストンにしたのかもしれない。
そんなことはともかく、自分のアホさに無性に腹立たしく、昨年眺めた尾根は歩けないのは残念だなと思いながらも、こうなったらこちらから登りましょうというご意見もあって、そのまま行くことにした。つまり西尾根末端からではなく、605m標高点付近から北西尾根経由で906mに出るというルート変更ということになる。問題は沢(十二沢)にどうやって下りるかだが、石垣があるところがうまい具合に崩れている。ここから下る。決してすんなりと下ったわけでもない。当然、ハイトスさんに様子見がてらに先行していただいた。沢も水の少ないところを石伝いに渉った。自分としてはまだ落胆が大きかったが、早いとこ頭を切り替えなきゃ目の前の急斜面は登れない。
(急斜面登り。上に南西尾根が顔を出す)
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まだ尾根型にはなっていない。もとより、北西尾根とはいっても、その末端部からは先に来ている。目の前はただの広い急斜面だ。ヒノキの植林の樹の幹には白いテープが巻きつけてはいるが、大方、それは間伐対象外の目印やもしれず、そのための作業道のようなものは見えず、気まぐれに見つける踏み跡らしきところを、こっちだあっちだと拾いながらジグザグに登る。その踏み跡すら、人間のものとは思えないものもある。幸いにも樹間は密で、つかむものに不自由はないので、かろうじて四つん這いになっても登れる。これに倒木や間伐が加わったら難儀する。沢床に倒木の堆積はなかったし、まだ青年期の植林なのか、去年の台風19号には耐えられたのだろう。
(南西尾根に出る)
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(向こうの尾根が、当初登るつもりでいた末端からの西尾根)
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とにかく、尾根型を目指して登ったし、気を許せる登りではなかったからしんどいとかといった思いはなかったが、上に尾根が見えた時にはほっとした。尾根に上がる。少しは落ち着いたが、幾分傾斜が緩くなって、尾根幅と樹間が広くなって明るくなっただけのことで、相変わらずの植林尾根。杉も混じったのか、足元は木の葉が積もって歩きづらい。
足元が落ち着いたところでダブルでストックを出す。今はもう、激急未満の急斜面はこれに頼るしかない。激急は上りも下りもストックが足手まといになることもある。ハイトスさんはストックに縁がない。持参もしない。たいしたものだと思う。ある程度は落ち着いたせいか、忘れていた息切れがし始めた。ストックを使って登っているだけでも少しは楽で、見下ろすと、ハイトスさんは四つん這いで登ってくる。
(三境山)
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(緩くなったとはいえ四つん這い登り)
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左手に三境山が見えるようになると、傾斜も幾分落ち着き、広葉樹の雑木になりつつある雰囲気。そろそろアカヤシオに期待したい。が、色づきどころか新緑すら目に入らない。曇天も加わって、景色は相変わらずの冬枯れのままだ。標高的には700~800m付近で見ごろかと思うが、たまに見かける何ツツジの木かは知らないが、ツボミはまだ小さくて固い。これでは期待もできない。今日の楽しみは西尾根以外に、アカヤシオとタラの芽摘みがある。この様子ではアカヤシオは期待薄。
(普通の尾根になって)
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(906m)
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(MHCの標識)
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(予定では向こうからここに至ることになっていた)
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ようやく普通の斜度の歩きにはなったものの、右側はかなり切れていて、県境の西尾根はまだ見えていない。それもそのはず。地図を見れば、この先の906mから直角に右から上がって来ていて、その間は深そうな谷間になっている。北西尾根に登った際にちらりと見えただけだった。
おとなしい尾根になって906m標高点到着。<MHC 906>の標識が置かれている。ハイトスさんによれば、県境歩き隊(前橋ハイキングクラブ)のだろうとのこと。もう13年前の板で、県境歩きには興味があって『群馬の県境を歩く』(上毛新聞社刊)まで買って読んだ。この隊も西尾根を下り使用していて、「転げ落ちそうな急斜面」と形容されている。ここには、他に桐生市水準点と石柱が二基。いずれかが図根点らしい。ここで休憩。お互い一服。こちらは紙巻タバコだ。
(唯一のアカヤシオ)
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ふと西尾根の方を見ると、アカヤシオが一株。これが本日唯一の収穫で、後にも先にもアカヤシオに触れることはなかった。ただ、このアカヤシオ、尾根から外れた斜面に咲いていたので、間近に鑑賞することはできなかった。
この先の等高線の詰まり具合を地図で見る限り、950mから1050mの間がやや急といった感じがする。それでも、ここまでの取り付きの600mから800mにかけての等高線の間隔に比べれば若干広い。それにしても、このどんより天気はずっとこうなのか。予報では3時頃までは陽が出ているはずだったが。寒くてしょうがない。それでいて、ハイトスさんからはその格好で暑くないかと言われる始末だが、薄手のシャツとペラペラのウインドブレーカーでは寒い。じっとしていられず、たまらず出発しましょうと休憩終了。
(改めて906m)
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(三境山と、樹に隠れてはいるが根本山)
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少し下って登りになる。左手前方の展望が良くなる。三境山だけではなく、根本山、熊鷹山、丸岩岳も視界に入っているはずだが、三境山以外はどうも特定ができない。ここから、熊鷹山の展望台の櫓が見えていれば一目瞭然だが、その櫓が見えず、あれが根本でこっちが丸岩だのと適当に言い合うが、丸岩岳そのものが、林道合流手前に1070m級の小ピークがあるので、それに隠れているのかしかとはわからない。ただ、ハイトスさんはそのうちに何とか特定できたようで、三境山と根本山を一枚に撮るのはなかなか珍しいと言いながら樹間越しに写真を撮っていた。
(歩きやすくなり)
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(テープも出てくる)
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(岩場もあるが、脇を簡単に通れる)
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(ヤセ気味なところもある)
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樹の根が張り出した尾根は部分的に細くなったりしたが、906mを過ぎてから目印テープが目に入るようになった。やはり、西尾根を末端から登るか下る人がいるようだ。ただ、すでに尾根型は明瞭で、何でこんなところにと、不要なテープに感じてしまう。
岩が出て来て急になる。だが、さほどでもない。尾根幅も元に戻って平穏に歩ける。単調といえば単調だ。そろそろ、正面に見えるピークが丸岩岳だとわかるようになったが、いまだに熊鷹山の櫓は見えていない、距離感覚からして、あそこだろうなというピークは想定できるが、明言できるほどでもない。
(丸岩岳が近くなる)
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(林道に出る。写真右から上がって、左を上がる形になる)
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目の前のピークを巻いて下ると林道に出た。自分には、これでほっとした。ここからなら石鴨林道を通って、無事に帰還できる。ここまでにバテて、林道に達していなかったら、登った急な尾根を下るのはかなりしんどい。ただ、逃げ道がそれしかないのでは、危険を冒すしかなかったから、余計に安堵した。
(やすやすと登っているように見えるが、自分にはそうでもなかった)
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さて、ここからの取り付きが問題だ。林道で切れた延長尾根は擁壁ではないが、簡単に復帰できそうなところはない。まして岩場状にもなっている。周囲を歩いて様子見をし、どこから登るのか、半ばあきらめ気分で思案していたら、ハイトスさんがここから行きましょうと正面突破で岩々に取り付いた。考えもしなかったので黙って眺めていた。スイスイと登り上げ、尾根に復帰した。ようやるわと思いながら、やはりここしかないのかとストックを収め、四つん這いで登る。頼りの細い木は意外に根がしっかりして体重もかけられる。何とか復帰した。自分一人なら、おそらく林道を野峰側に回り込んで丸岩岳に行ったろう。ついこの間まで頭に慢性硬膜血種とやらを抱えた方がこんなことを即決行動するとは。自分は強いて言えば地味なヤブ尾根派だが、ハイトスさんは何と言えばいいのか…。ヤバイとこ平気と表現すればわかりやすいか。こちら、尾根に上がった時はかなりの動悸になっていた。ついでながら、以降、またストックを出すのが面倒になってストックは使わなかった。
(丸岩岳はそこ)
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(丸岩岳山頂)
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(この標識、傾いでいたのが気になって針金を締めていたら針金が切れて短くなってしまった。仕方なく、何とか工夫して幹ではなく枝に結わえた。こんな記事に気づくことはないだろうが、製作者さん、申しわけありません)
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ほどなく丸岩岳に到着。ここもまた緑色すらなく、樹々の葉は落ちたまま。アカヤシオが咲く以前の状態だ。ここは三角点峰ではないが、石標が2基。長いのは何か知らないが、短い方の地面を掘ってみると「主図」までは読めた。方向を指す標識がいくつかあり、いずれも新しい。ここでまた一服したが、何も見るものがないのに、しかも自分には寒い中、ダラダラと休んでしまった。実は、この先をどうするか決めかねていた。野峰に行き、北西方面に784m標高点を経由して石鴨天満宮に出るルートで下るアイデアもあった。自分はそれを歩いたことはあるのだが、かなり以前のことでとんと記憶がない。もしくは、根本山方面に向かい、その間にある目ぼしい三本の尾根のいずれか。
野峰経由は、駐車場までの上り林道が長いのでボツ。三本の尾根にマーカーを入れた地図をハイトスさんに示すと、根本山山頂手前から南下する尾根は、ハイトスさん自身が歩いたことはないが、情報通に植林尾根で面白くなかったと聞いたのでやめましょう。1035m経由も同じようなものらしく、結局、熊鷹山の先の小ピークから西に下る尾根が、下部が広葉樹になっているようだし、これにしましょう。林道歩きがかなり長くなるが、瀑泉さんのブログに、台風19号で林道がかなり荒れたとあったので、それを見ておきたかったし、林道沿いでタラの芽にありつける。別に異存はない。
(二十三丁目石)
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(つぶれた石祠)
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(二十一丁目)
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熊鷹山に向けて歩き出す。もうこうなったら後は消化試合のようなものだ。先日の水沢山で、これまでの2時間歩き続きから4時間歩きに進歩はしたが、そのタイムは超えそうだ。それだけでも満足だ。まして、下ではマニアック歩きもやった。ここで、ひょんなことに気づく。それは丁目石。気づく以前にも目にしていたのかもしれないが、よく注意していなかった。「二十三丁目」、「野州足利新中町」、「小沼仁兵衛」とある。こちら側にも丁目石はあったのか。根本沢のそれは根本山神社までの道標だとすれば、こちら側にあるのは十二山神社に至る道標なのか。始点はどこで終点がどこなのか。そして、つぶれて胴体のない石祠。先には「常盤津邑(=村?)八寺木(本?)新町」の「二十一丁目」。二十二丁は石祠だったのか? 「山」と記されたありきたりの細い石標があっただけだった。この寄進の道標以降、少なくとも熊鷹山までは見ることはなかったが、根本沢同様に上がるに連れて丁目の数字は小さくなる。根本沢の道標は沢沿いで、土砂崩れや流されても不思議ではないが、この尾根道はもっと残っていてもいいようで、これまで意識もしなかったから、この古道がどういうルートになっていたのかえらく気になった。後でネット記事で調べても、道標を見た記事はあっても、突っ込んだ好事家はいなかった。ハイトスさんですら、初めて気づいたようだった。
ここで、白いものがぱらついてきた。風花かと思ったが、これは確実に雪だった。天気予報は大外れ。今季は雪が少なかったわりには季節外れの降雪が多いような気がする。おかげで、車一台は夏タイヤに戻したが、他の車はタイミングを逸してスタッドレスのままにしている。この程度のぱらつきなら、この先の歩行に支障はないが、ここに至ってもだれにも会わないままだ。
(林道分岐にあった案内図)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/1f/e4500e85e9458c8271e64121c82628b4.jpg)
石鴨林道への分岐に出た。ここに案内地図があり、地図には丁目石が記されている。熊鷹山の先には十三丁目、十二山の手前には六丁目、十二山神社側に二丁目、一丁目がある。やはり、十二山神社に至る古道だったようだが、この丁目石の3/4近くが消えているというのはどういうことだろう。
(熊鷹山。こうして見ると、山頂の展望台はここからでも見えていない)
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(傾いだ鳥居)
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(神社)
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(熊鷹山山頂。誤解ないよう。ここでハイトスさんが用足しをしているわけではない)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/2c/ff32260867b8e82934872fb6a0e6543e.jpg)
(展望台。これもまた斜めになっている)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/db/f6e51e5fe5282a52305a6871d9e857fd.jpg)
(展望台から根本山。白いポツポツは雪。写真右の丘状のところから左に下ることになる)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/4e/9a9f42686e12eb4f538d0f3d8e678ab8.jpg)
熊鷹山が見えてくると鳥居。鳥居は斜めになって今にも倒れそうだが、おそらく、去年の台風でも持ちこたえたのだから、柱を相当深くに入れ込んでいるのだろう。脇にある石祠、これは神社だろうが、明治40年となっている。
熊鷹山山頂に着くと、雪は本降りになった。これもまた曲がった展望台に登ってみた。ここの周辺が見えるだけで、奥の視界は効かない。これから下る予定の尾根は見えている。ここで、事前に林道までコンパスをセットする。そうしているうちに雪はやんだ。一時的な降雪だった。
(ハイトスさんはここから下り始めた。もう少しピークに行ってから下って欲しかった)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/2a/70780f687c35fba351f5e2f56ec31246.jpg)
(この辺はまだよかったが)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/67/1831fc1b6a6f0ebbaf9ead8b2299b4a6.jpg)
(こうなる。ハイトスさんはかなり下。ザックがかろうじて見える)
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下山にかかる。地図の上では、熊鷹山から少し下って、最初の小ピークから西に下って、石鴨林道の屈折部に出るというコースになる。小ピークからの尾根型は不明瞭で、50mほど適当に下って尾根型になるというものだが、ハイトスさんは、その小ピークに至る前で左・西側に下ろうとしている。まぁ、それでも尾根に乗れればいいのだが、こちらは地図の尾根型にこだわっている。
ハイトスさんが先導し、それを追いかけるように下ったが、さっき合わせたコンパスの方向とはほぼ45度は外れている。コンパスは下っているよりも右方向に向いている。下っている方向は左側。後ろ歩きで、できるだけ右手方向に向かい、ハイトスさんに右寄りにと声はかけたが、歩きやすい方を選ぶのか、どうしても左寄りになっていく。どこを下っても林道に出るのだから、こちらもそのうちに気にしなくなった、
(沢に出て)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/a6/dd843bd980a2c73dc9312adde40d6d70.jpg)
(林道)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/42/f956f40eb5bc564fd60b9f3b5cee6421.jpg)
下に沢が見えた。水が流れている。地図上の青線の沢であるはずがない。予定コースからは外れて下ったのだから。二人で地図を見て、どこに出たのだろうかと話しながら、取りあえず沢沿いに下ったら、先に林道が見えた。
林道に出てヤレヤレ。GPSを見ると、予定下りポイントの二つ手前のカーブに出てしまっていて、ここは沢型になっていて、実際に水が流れていたわけだ。休んでいると、林道を歩いて来る青年が、我々が下って来た沢を写真に収めていたりしている。出発時の単独氏とは違う。根本山から熊鷹山に行き、石鴨林道を下る歩きのようだ。
(十二山からのコースに合流。地図にはないが明瞭)
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林道下りになった。すぐに、当初予定の尾根の末端を確認したが、地図とは違って、ここを林道に出るのはきつい。ロープでもなければ無理かもしれない。もしくは、戻るか先に行って下るしかない。ここで、ハイトスさんから聞いたことだが、これまで、簡単な山でも常にハーネス、ロープを持参していたが、もう持って歩いていないし、そんなのが必要なところは歩かないとのこと、まして、今は山岳保険もやめたと。こちらは、山岳保険どころか、ココヘリまで導入している。このココヘリって何? とハイトスさんに聞かれ、後で現物とともに説明するつもりだったが、忘れてそのままになってしまった。ここで余計なことを記す。一昨年に骨折した際、山岳保険にも請求したところ、手術代、入院、通院費合わせ84,000円ほどの支給があった。年会費の形で1万円少々の支出だったから、これまでの支払い分は取り戻した形にはなった。
さて、林道歩きだが、二つの興味点があった。一つは荒れ具合。これは瀑泉さんのことは前述の如しだが、自分の目でも確認したかった。もう一つは、かつて、もう少し先の時季に林道沿いでタラの芽をかなり収穫していたのでそれを期待した。
まずはタラの芽。これはダメ。タラの木そのものが少なくなっていて、芽も小さいのを一つ見つけただけで、これは摘まなかった。あれから大分経つ。植生も変わったのだろうか。ある程度先に行ってあきらめた。
(沢があふれ、斜面からもかなり落ちてきたのだろう)
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(流木がたまっている)
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(ふさがれるが通れる)
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(ちらりと小滝)
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林道の崩壊は、なるほどひどいやとは思ったが、元から現役の様子ではなかったし、倒木が道をふさいでいても、歩行に支障があるわけでもない。まぁ、こんなものかといったところだった。ただ、斜面の崩れが結構目についた。おそらく、この林道も、やがては自然に戻るのだろう。
林道歩きは一時間くらいのものだった。おしゃべりをしながら歩いたから、時間の長さはあまり感じなかった。そんな気楽な歩きが災いしたのか、道に乗った鉄板でスパ地下を滑らせて転倒。ハイトスさんに、受け身がうまいと笑われた。転んだ際にケガ跡の左足首をもろに打ってしまい、しばらく痛かった。
(中尾根コースに合流)
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(駐車場到着)
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駐車場が近づく。根本山の方から二人連れが下って来る。もう晴れて、青空も出ている。駐車場にはすでに二十台以上置かれている。その中に、ハイカーとは思えぬ、タバコを吸っているオニイサン、オネエチャンの姿が見えた。これは後で知ったが、ミツマタ群生地の見物客のようだ。
ミツマタ群生地は三境山の方にあることは何となく知っていて、できれば見てみたいとも思っていたが、ここまで来て、また山登りするのも何だしとためらっていたが、通行止めの三境林道から少し入ったところにあるらしい。それをわかっていたら、ついでに行ってみるのもよかったか。
休憩込みの5時間半歩きだった。ポカポカ陽気を期待していたら、山中では曇天で雪にも降られる状態だった。ハイトスさんには、久しぶりのマニアック歩きをして面白かったと評されたが、自分には、丸岩岳の西尾根末端から歩けなかったことが心苦しく残っている。いずれ、改めてやり直し、どうせなら、906mから県境斜面を南下したいものだと思っている。
ハイトスさんと別れての帰り道。桐生川沿いに、物々しいほどのパトカーと消防車がとまっていた。水難事故でもあったのか。釣りは解禁になっているはずだ。翌日の上毛新聞を見たが、事故の記事はなかった。
朝、来る途中で桐生川ダム湖の桜が満開だったのが気になっていたので、立ち寄って、周辺を散歩した。絵になるほどの景色はなかったが、ここには小粒ながらミツマタの群生があった。何だか矛盾した話だが、自分はさほどにミツマタが好きなわけではない。あくまでもこの時季のネタとして興味があっただけのこと。釣り人もさることながら、ドライブがてらに探索する方も多く、結構、賑わっていた。
(本日の軌跡)
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「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」
(ダム湖で1)
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(ダム湖で2)
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(ダム湖で3)
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(ダム湖で4)
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お二人で楽しまれたようで・・・県境ルートとしては、もう一回やり直しですかね。なぜ906P以南の県境が尾根でなく中腹を縫うように進むのか不思議で本にも何か記載無かったですがいずれ?でしょうか・・ちなみにココヘリですがHPを見ると直近1年で実績14件とありましたので、割と慎重な方が入会されてんじゃないかなと。保険で戻ってくるなら良いですね。冬季の上州武尊なんかも会員ならパスでしょうから。
そうですね。やり直しをしたいといった気持ちはなきにしもあらずですが、歩いて価値があるものなのかどうかと考えるとちょっと…となりますね。今になって気づいたのですが、西尾根の末端部は群馬県なんですね。県境は北の小尾根を通っています。ちょっと勘違い。
県境歩き隊の記録では、閉篭里と不死熊橋区間を9時間もかけています。まず一人では無理だろうし、その前にクマが恐いですよ。
私も、尾根筋、谷筋に県境が通っていないのが不思議だと思うのですが、群馬県を鶴が舞っている形にするにはこんなところを県境にするしかなかったのではないですかね(笑)。
ココヘリから使い勝手のアンケートがきたのですが、そんなの使っていたら最悪のパターンですから、「使ったことがないので返答しようがない」と記しておきましたよ。携帯電波が届くところなら119番通報も可能だし、山深いところから果たしてココヘリにつながるのかなと思うとかなりの疑問です。一応、保険のような気休めと思っています。
900mくらいで咲いているやつ、結構いい感じに咲いていて不思議ですね。同日小友を歩いていたら630mでも蕾がわりと見受けられたのに。たそがれさんが昨年歩いた尾根は当たりでしたよ。
しかしそちらでは雪まで振り出しましたか。私は雨がぱらついた時点でやる気をなくして帰りました。
県境の通っている尾根、3年前にきりんこさんが歩いてましたが意外とあっさり取り付けたのこと。最近きりんこさんは皆沢・閉篭里・野峰北西辺りまでの県境のうねうねした部分も歩かれていました。906m地点南の個所もそろそろ歩かれるんじゃないかなと思ってます。私もそのうちとは思っていますが。クマについては巣神山とかよりはよっぽどましなんじゃないですか(笑)。
自分だけ満足感で申し訳ない気持ちです。w
本当に久しぶりのバリルートでした。
登りもさることながら下りの時に感じるワクワク感は久しぶりでした。
短かったけれども。
ココヘリはちょっと割高な山岳保険といったものでしょうかね。
やはりふみふみぃさんでしたか。記事中のFさんはふみふみぃさんのことです。改めてその時の記事は拝見しましたが、私もコメントを入れていて、それを読む限りは、その頃から潜在的に906mの北西尾根歩きをしたがっていたようで、何でまたそれが西尾根末端からということになったのか、おそらくは、その尾根を対岸から眺めて神々しく見えたから、気持ちの変化といったところでしょう。その時のふみふみぃさんの返信に石祠のことが記されていましたが、石祠には気づきませんでした。
しかし、アカヤシオは上はともかく、中腹辺りではかなり期待していたのですが、やはり植林尾根に隣接したところはダメなのでしょうか。もしかすると、西尾根の下は盛りだったかなと思うと…。そんなことを言っても始まりませんがね。906mで一株だけ見たこと自体が不思議なのですが。
ふみふみぃさんもアカヤシオ活動、本格化しているようですが、あれもまた、去年きれいだったから今年もというわけでもなく、気まぐれなものですね。ただ、標高の高いところのスポットは、毎年スポットになるような気がします。
昨日は、予定ではコロナを避けたコースで鳴神のアカヤシオでもと思っていましたが、あの天気ではねぇ。一週間遅れで行ってどういう状態になっているのやら。
何をおっしゃるハイトスさんですよ。今回は自分にはチョイバリレベルでしたが、久しぶりにしては充実の部類です。
下りをもっと工夫したかったのですが、野峰方面に下らない限りはあんなものですかね。下りがもっと長くて、チョイ危険が加わったら、さらに楽しかったかもしれません。そんなことを考えるのも、角力場にやばい思いをして登った経験からなのか、あの山域はバリではなく、少しばかり危険も加えた歩きをしたいものと思っているからでしょう。
ココヘリは加入しながら詳しくは知らないのですよ。連携する山行計画やらのスマホアプリが出てきたりすると、活用するのも面倒で、持っていて良かったといった状況にはなりたくないものです。
ご無沙汰しております。私の方は、昨年秋に両膝を故障(どちらとも前十字靭帯の部分断裂と軟骨の菲薄化、ようは膝関節症です)しまして、無理をできない身体になってしまいました。足元の不安定なところを長時間歩くとこうなりますよという悪い見本です。これまで体力まかせで歩いていたため、知らず知らず見えないところを消耗し、気づいた時には手遅れといった具合です。皆様も、長く山歩きを楽しむためには、ほどほどの歩きを続けられることをおすすめいたします。
それでも、筋力維持のため無理のない範囲で山歩きを続けております。ふみふみぃさんに言い当てられてしまいましたが、昨日、906P南側の県境を歩いてきました。なかなかのスパルタンコースで、激斜面の下りと倒木アスレチックで膝にはやさしくありませんでした(笑)
これで栃木県境完全踏査まで残り2回となりました。膝が動かなくなる前に、これだけは成し遂げようと思っております。
たそがれさんたちが歩かれてから1週間経ちましたが、906Pのアカヤシオはほぼ同じ状態で残っていたのは驚きです。この1週間は寒かったので開花がストップしていたようです。これから先は、結局例年通りの開花時期になりそうですね。
きりんこさんが県境を歩かれているのは存じていましたが、閉篭里から906mまでの区間をどう歩かれるのか興味津々でした。
どうやら、私には、一気に通しで歩いた県境歩き隊の9時間歩きのイメージしかなく、きりんこさんのようなうまい具合に分割しての歩きの発想は残念ながらありませんでした。
しかしながら、改めてきりんこさんの記事を拝見すると、あの区間、県境歩き隊のただ境界杭を追って歩いた記述ではこぼれているすごさを感じますね。写真だけでも十分です。
一時期、歩いてみたい気分になっていたことがあり、自分には無理かなと思いながら、せめて906mくらいは尾根通しだし歩けるか。その先は改めて考えてみようかなと、今回思ったりしたのですが、とんでもないことに最初から間違え、県境どころか群馬側から906mに登ってしまった次第です。ただ、きりんこさんの記事を拝見していると、自分の今の足の状態では無理だなと改めて感じています。
きりんこさんも膝に爆弾を抱えたわけですね。無責任にお大事にとも言えず、それでいながら、歩き足りなくて多高山ですか。残りはもうあっさり行けるんじゃないですか。
私なんか、もうすでにほどほどの歩きしか体力、気力ともにできない状況になっています。それでも、何とか、人が入り込まないようなところでアカヤシオを堪能したいなんて気持ちだけはあるのですが…。
ところで,丸岩岳の処にあった丁石。たそがれオヤジさんが,ご存じなかったということは無いですヨ。その丁石は,飛駒の黒沢西川沿いに十二山根本山神社へ続く,野州側の登拝路である「根本山道」に残った丁石です。根本山道は,たそがれオヤジさんもお歩きになっていますヨ。
ちなみに,起点は,飛駒にある根本神社里宮で,下の記事に詳しく載っています。https://akanekopn.web.fc2.com/yama/sanyaken/sanyaken74.html
それはさておき,この辺りの県境の不自然さは,群馬側が,熊鷹~丸岩~野峰の尾根上を主張し,栃木側は,根本山神社は,昔から栃木にあったことを理由に,桐生川を県境に主張した結果じゃないですかネ。で,結局,どちらも譲らずで,ほぼ真ん中に県境を置いたのではないかと思っています(違うかな)。
そうでしたか。あの道でしたか。確かに古道という感覚で歩き、十一丁石と石仏、石祠を見ました。丁石ももっと見ていれば明瞭な記憶に残って、今回見た丁石に結びつけられたかと思いますが。なるほどねぇ。あの古道の延長でしたか。
実は、あの古道、何となく半端な歩きで終わってしまった感じで、何だか歩き足りない気分だけは残っています。そうと知ったら、改めて意識していずれ歩いてみるのもいいですね。
県境設定の瀑泉さんのお説、なるほどとうなづけます。確かに、大方、桐生川、その稜線、実際の県境は並行した形になっていますね。でも、おかしなところに県境を設定したもので、結果として、県境歩きを目指すには厄介な形で結論を出したものです。群馬側が損した感じですが、後でその分、菱町を取り込んでカバーしたのでしょうか。
ところで瀑泉さん、仙人ヶ岳での受難、不運でしたね。こういうことって、予想もせず、ひょんなタイミングで起きてしまうから、とっさの判断でカバーできればいいのですが。お大事になさってください。運悪く、アカヤシオのタイミングにぶつかってしまいましたね。