たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

赤面山にスキーで登って、帰りは情けなくも転びまくる

2013年03月01日 | 近所じゃない栃木県の山
◎2013年2月28日(木)

旧白河高原スキー場前駐車地(8:50)……旧ゲレンデ最高部(10:10)……9番標識(10:45)……赤面山山頂(11:16~11:25)……旧ゲレンデトップ(12:15)……駐車地(12:50)

 先日、野球親爺さんが過酷な風雪の中を歩かれた赤面山。山の名前とアカヅラの読みだけは知っている程度の山だった。いろいろと調べた。この山、山スキーの入門編の山でもあるらしい。山スキーなんて、ここ何年もやっていないし、数年前に新調したスキー板は未使用のままになっている。購入した頃は、山スキー再開でやる気満々であった。その後、やる気は失せていた。理由はない。ただ、一人でやるのもやっかいだし、何となく面倒であっただけのこと。「入門編の山」のコピーにひかれた。自分レベルでもスキーで歩けるのではないのか。だったら行ってみよう。山頂からの景色もいいようだし。
 決めて以来、毎日、天気予報をチェックした。ずっと暴風、強風が続いていた。代休をとる日を決めかねた。愚かにも無風・晴天の日を狙っていた。風速を弱風に下げても、そういう日和は皆無。那須の山に強い風はつきものだ。仕方がない。せめて晴れの日に行こう。それが今日だった。

(左のフェンスをくぐって旧スキー場に入る)

(旧白河高原スキー場)


 家から那須までは遠い。赤面山は那須とはいっても、もう福島・西郷村の山だ。高速道を使っても2時間以上はかかる。マウントジーンズスキー場までは難なく行けたが、その先は雪と凍結。後続車がいないことをいいことに、思いっきり低速で走って、何とかスリップなしでフェンス前に到着。路肩に駐車する。他に車はない。今日は月末の平日だから当たり前か。青空が覗いている。風はやはり強い。冷たくないだけマシだろう。
 フェンスの下をくぐって、旧スキー場に入る。建物もリフトもそのまま。駐車場は枯れた萱だらけだ。シールを貼って出発。この新古スキー板、カービングっていうのかね。歩くのには都合がいい。以前のスキー板ときたら、重くて、硬くて、これよりも30cmは長かった。シールを付けても、登りには体力を費やした。これはなかなかいい。何せ軽い。快適に歩ける。と思っていたのは前半部分の登り時だけであった。ゲレンデを見上げては、これをスイスイと滑って下る己が姿を思い浮かべたりもした。さぞかしご満悦であったろう。

(ゲレンデを登る)

(見下ろす)

(リフトが残ったまま)


 早速、左右のかかとに靴ズレを起こした。久しぶりのブラブーツだから仕方がない。今は痛いが、そのうち慣れるだろう(確かに痛みへの慣れはあったが、帰宅後に風呂に入ったら飛び上がってしまった)。ずっとゲレンデを歩いてきた。そろそろゲレンデトップかと思っていたが、目の前にまだゲレンデが続いている。おかしいなと思っていたら、北側の木立の先にリフトがあった。リフトもイスをつけたままで止まっている。ナイター施設のライトもある。このスキー場、那須甲子道路が有料だったため、スキー客が遠のいて廃業したという説があるようだ。というよりも、スキーそのものがマイナーなスポーツになってきた。そんな、世の流れの一環じゃないのか。廃業して10年以上、そのままの姿をさらしているが、このまま放置しておくのだろうか。

(最高部のゲレンデ)

(自分の跡)

(登山口の標識)

(樹林帯の中)

(「甲子少年自然の家」分岐)


 ゲレンデトップに着く。最後のゲレンデはきつかった。斜度は30度くらいか。今のところ、雪質はモナカ。表面はかなり堅くて下はやわらかい。滑るのはやっかいかも。アイスバーンよりはいいか。「赤面山山頂入口→」の標識があった。ここから木が出てきて、ようやくいい感じになってきた。緩やかな樹林帯の中の歩き、これが風雪の中だったら、さまよっている感じで陰鬱な気分になるかもしれない。ほどなく「那須甲子少年自然の家→」の標識に出会う。ここには「8」のナンバープレートも置かれていた。雪の上にはスキーの跡が結構目に付く。足型の跡もある。ワカン、スノーシューは消えてか不明。いずれにせよ、歩く人は多いことは確か。

(ところどころの木が傾いでいる。風が相当に強いのだろう)

(かすかに赤面山の山頂が見える)


 なおも林の中を登って行くと、次第に低い灌木帯になった。ツツジだろうか。太い木は消える。植生分布がはっきりしている。夏の時期ならともかく、スキー歩きだから、ヤブの少ないところを選んで歩く。さっきまでテープがあったところを歩いていたが、もう目に付かない。おかしなところを歩いているようだ。地形からして山頂の方向は明らかだから、かまわずに進む。もう、この時期、霧氷を目にすることはできないが、枝に付いた氷は何ともきれいだ。枝先を見ると、春の気配はまだまだ感じない。蕾のふくらみがあるだけ。上に登るに連れ、風が強くなってきた。ここで少し休憩し、菓子パンを食べる。

(9番標識)

(こんな光景が目に入り込んだ)

(そして赤面山山頂も間近に)


 ナンバー「9」に着いた。左手前方になかなかの景観が顔を出した。あれは朝日岳と茶臼岳じゃないのか。右手には赤面山山頂も見えている。この景色を見たかった。しばらく眺めていた。那須エリアでの赤面山の位置関係も分かった。そして、もう、この先まで行かなくてもいいかとまで思うようになっていた。久しぶりのスキー登りも疲れた。そこに、下から女性2人組が上がって来た。途中のゲレンデから見下ろした際には人影は見えなかった。すごいスピードで登ってきたようだ。1人はスキー、もう1人はスノーシューのようで、極端に短いスキーにも見える。さっさと山頂に向かって行ってしまった。ここで引き返すわけにもいかなくなった。せっかくだから山頂を目指すか。

(赤面山山頂)

(旭岳)

(前岳、スダレ山、三本槍か?)

(改めて山頂から茶臼、朝日岳)


 風は強風といったほどのものではないが、強いことは確か。あっけなく山頂に到着した。展望はさらに広がった。正面には前岳とスダレ山か?その奥に三本槍。右手には旭岳。あの山の、雪を被った時の神々しさは圧巻だなぁ。以前、ぶなじろうさんのブログでも拝見したことがあって、以来、雪のお姿を見てみたかった。ようやく相見えることができた。本当にいい眺めだ。野球親爺さんはこれもナシに、震えながらそそくさと下山されたというわけか。ご愁傷様ものだ。しばらく見とれていたかったが、冷たい強風がさらしてくる。先のお2人も、スダレ山に行くのかと思ったら、「ここは風が強くて…」と、そそくさと立ち去った。こちらも、スダレ山は論外。スキー板を外して、ブラブーツでぎこちなく歩いていく根性は最初からない。見るからにガチンガチンに凍っている。そろそろ下るか。

(シールを外して…滑走に入る)

(ゲレンデに着いた)


 赤面山の山頂付近は、風が強いためか、土や石が露出している。雪のあるところを選び、シールを付けたままで下る。それでも滑る。安全地帯に入って、シールを外す。例のお2人は腰をおろして食事をしていた。こちらも、別れ惜しみで展望を眺める。いよいよ滑走か。期待3/4、怖さ1/4。しかし、快適とはいかなかった。ヤブがじゃまになって、スムーズには下れない。ヤブのない斜面は地面が出て石ころだらけになっている。樹林帯に入って、ようやく気分が乗った。だが、ここも雪はモナカ。ターンがうまくできない。木に激突こそしなかったが、転倒2回。うち1回は復帰に手間取った。ゲレンデトップに何とか到着。どうもうまくないな。オレ、こんなにスキーが下手クソだったっけ?ブランクがあっても、感は戻るものだろうに。どうも勝手が違う。まるで超初心者が滑っている感じだ。板を自在に操れない。とにかく、スキー板が軽すぎる。カービングスキーの特性なるものが分からないがゆえに、それをうまく利用した滑りができない。ここまでで知ったメリットは登り時に扱いやすいということぐらいだ。これでは、子供の頃、凍った雪道でよく遊んだ竹スキーと何ら変わらないレベルの板だ。流行遅れのオッサンが何を今さら…と言われてもしかたがない話だが。

(見た目は滑りやすそうだが)


 リフト小屋の中からイスを出し、コーヒーを飲みながらしばらく休み、滑りを思案した。あの2人組が下ってきた。スノーシューの方がスキーを追いかけて走っている。それでいて、ちっとも埋もれない。すごい方だ。休憩もせず、そのままゲレンデを下って行った。あれを自分がやったら、つんのめって転げ落ちるだろう。異色な存在としか言いようがない。
 ゲレンデを下る。細かいターンで下ってみたが、すぐにエッジが効かなくなり、ひっくり返った。雪質に文句をつけてもしょうがないが、雪が堅い。今度は大回転。これは安全だが面白味がない。日陰のパウダーでのターンだけはスムーズにいく。ボーゲンを入れるとガリガリで流される。全然おもしろくもない気分。期待3/4がうざい気分3/4になった。次のゲレンデトップまで2回転んだ。
 スキー目的と思われる方が休んでいた。休みたかったがそのまま下った。今度はゲレンデから出てみたがヤブが多く、枝も出ている。やはり滑りづらい。快適なものではなかった。ゲレンデにまた戻る。もうどうでもいいやと、ゆっくりと大回りして下った。転倒1回。下に着いた時には泣きたくなった。新しいスキー板に最後まで乗れなかった。雪質云々のことは言うまい。はるか以前は、こんな堅雪の上を散々滑っていた。これが今の自分のレベルだ。また当分、スキーをやることもあるまい。

(フェンスの内側)


 フェンスに沿って駐車地に向かう。2人組の車が出発した。じわじわと気温が上がっている。路面の雪は融けて水が流れている。足が痛くて、すぐに靴を脱いだ。ほっとした。スノーシューで来ていれば良かったかなと少々、後悔。確かにそうかも。少なくともスダレ山までは行けたかも。
 翌日の話だが、久しぶりのスキーだったためか、内股と肩がやたらと痛い。それでいながらも、もう一度、どこかでスキー歩きしてみようかといった気分になっているのもまたおかしなものだ。

(本日の軌跡)

「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図メッシュ(標高)を使用した」(承認番号 平23情使、 第832号)

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12 コメント

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赤面山 (みー猫)
2013-03-01 21:28:17
こんばんわ。
木曜日は、会社でお昼後に外で指くわえてたそがれさん行ったかな~?と思っておりましたがこちらでしたか。爽快な青空で最高ですねー!赤面山は秋から何度か機会を伺っていたのですが、フラれてます。でも、たそがれさんの記事で満足しました。これ以上はないでしょうから・・・・写真のリフトには乗ったのかも。15年以上前です。ゲレンデスキーでしたが。小気味良い滑りとは勝手が違ってしまったようですが、差し引いてもホント羨ましい限りです。それでもって土曜はまた天気が・・・・。
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いいお天気でなにより (野球親爺)
2013-03-01 21:44:55
こんばんは。
遠路はるばる赤面山までご苦労様でした。
綺麗な青空、羨ましい限りです。
こちらは真っ白けで何も見えませんでしたからね。
私はスキーをやったことが一度もないので何ともよく分かりませんが、スノーシューで転ばずに走り降りる御仁は想像外です。
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アカヅラヤマ (ななころび)
2013-03-01 21:47:24
こんばんは。
今年1月みー猫さんに赤面山へのお誘いを受けるまで場所も読み方も知りませんでした。その時は気象条件が悪く、他の山に変更になりましたが、こんなにキレイな眺望が見られるのですね。素晴らしい写真の数々ありがとうございました。私もいづれ行ってみなければなりません、初夏も秋も素晴らしそうで・・・。
山スキーとは、たそがれさんもお若いですね。私はスキーはできないので、羨ましいです。やってみたら面白いのでしょうね。
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ゲレンデ風景 (ハイトス)
2013-03-01 22:08:18
こんばんは。
ゲレンデ風景を見ていると今にも歓声をあげながら斜面を滑走できそうなイメージが湧きますが。
スキーのことはよく知りませんが、今までの物よりも板が狭く短いのですか?
それともただ材質が軽い?
何度か一般ゲレンデで慣れれば勘が復活しますよ。
写真から受ける印象はなかなか良い日だったようですね。
茶臼、朝日岳が綺麗です。
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みー猫さん (たそがれオヤジ)
2013-03-01 22:20:44
こんばんは。
なんだ、みー猫さん、スキーをやったことがあるんじゃないですか。てっきり、ご出身が九州だし、今までのブログからして、スキーの経験はないのかなと思っておりました。失礼いたしました。
青空だけは最高ですが、山頂付近の風の強さが写真にあらわせないのが残念です。
みー猫さんには、この雪のある時期の、赤面山から先の風景、期待したいな。こんなちんけいな記事に満足していないで、行って来てくださいな。
それにしても、何で、私が木曜日に山に行くのをご存じだったのでしょう。どなたにもマル秘だったのですけど。インスピレーションですかね。
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野球親爺さん (たそがれオヤジ)
2013-03-01 22:32:40
こんばんは。
後追いさせていただきました。野球親爺さんのブログの写真は、失礼ながら、何とも寂しいものでしたが、昨日は最高でした。代休をとってまで歩いて正解でしたよ。
天気の具合で、こんなに景色も気分も違うものなのですね。コメントをいただき、野球親爺さんには、さらにお気の毒にといったあんばいですよ。
女性の2人組、明らかにお若い方でした。最初はショートスキーかなと思っていましたが、後でドタドタと下ってきた際に見ると、やはりスノーシューでした。でも、確かに軽そうでしたよ。モナカ雪の上を走るには相応の重量に思えましたが、あれにはびっくりです。

靴ズレの痛みが最悪ですが、明後日は車の点検の用事もあるし、明日、軽く、岩舟山の後追いさせていただこうかな、なんて考えているのですが。
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ななころびさん (たそがれオヤジ)
2013-03-01 22:45:52
こんばんは。
「お若い?」とは失敬な。ななさんとは一回りはも違いはないですよ。
さて、ななさんは赤面山にいらしたことがないんだ。栃木に住んでいて行ったことがないのでは赤面ものですよ。といっても、福島の山ですけど。
今回のコース、スキー場跡地を登るのに抵抗はありますが、今の、雪のある時期が最高のような気がします。スキー場を経由せずとも、南東尾根を歩くという手がありますよ。私も、スキーの楽しみを度外視していたら、南東尾根を登ったかもです。スキーで下る方がいるようですから、歩きであっても、決して、無理ではないと思います。
ななさんのメニューを増やすばかりですが、残雪のうちに試してみたらいかがですか?
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ハイトスさん (たそがれオヤジ)
2013-03-01 22:58:30
こんばんは。
カービングスキーなるもの、従来といったって、もう10年以上前に出ているのですが、何と申しますか、私の感覚ではスタイルは野暮ったい。スノボタイプですね。全体は幅広で、中心部分はくびれている。昔の人間から言わせると、軽薄短小ですよ。それまでのスキー板は長くて厚みがあってスリム。当然重い。
こんなことを記しても致し方ありませんよ。それに適合できない自分の認識不足と言うか、感覚ズレなんですから。機会があれば、斜度の少ないところでやり直ししてみます。
茶臼、朝日も、雪をかぶると景観が違いますね。身近なところで、谷川、日光、那須と、今回のような雪景色を見ると、さらに突っ込んでみたくなりますよ。
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Unknown (ぶなじろう)
2013-03-02 09:52:28
おはようございます。
スキーですか!
確か、鶏頂山の藪スキー以来かと?
冬の赤面山は2回敗走しています。いずれも強風でした。帰りも、強風でパックされたモナカ雪で散々な滑りでした。滑りだけで言うならば、同じようなモンでしたよ。
豪快な景色に恵まれて羨ましい限りです。旭岳は、いいですね!私も見に行こう~ッ。
靴ヅレは、私もありまして、同じ所がやられるので、あらかじめバンドエイドを貼っときます。全然違いますよ。都合6枚位貼っとります。
それと、中途半端に雪が硬くなる3月頃が一番滑りにくいです。ザラメになる4~5月の東北は極楽的滑りができると思いますが。

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靴ヅレ (みー猫)
2013-03-02 11:11:21
こんにちわ。
スキーは栃木に来て、数年ゲレンデをやったくらいですから我流もよいとこのヘタレです(笑)山スキーの板を借りたのは2回ほどでまさに転びまくりでした。ところで、ぶなじろうさんのコメントと同じ話ですが、テーピング用のものだと広範囲がカバーできて良いと思いますヨ。
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