![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/3c/d18d7cf7dc6ef343aaa000437c80aadb.jpg)
◎2009年12月27日(日)―1人
栃木の山から見た富士山はぼんやりして小さかった。富士山を間近から無性に見たい。それだけのこと。この時期になると毎年繰り返す一種の発作。三ツ峠山から見た富士山も大きかったけど、地図を調べると、地理的にも、石割山やら御正体山が富士山に近い。近けりゃ、きっと、感動もより大きいだろう。正直のところ、両山ともに、調べるまで知らなかった山。御正体山は皇太子も行かれたことがあるらしい。保証付きということだ。地元としても、まずい富士山をお見せするわけにはいかないだろう。昭文社のエリアマップでは、この界隈、3エリアにまたがっている。「富士山」「高尾・陣馬」「丹沢」。いずれも持っていたから、勤務先のコピー機でちゃっかりカラーコピーをしたのだが、つなげられなかった。緯度・軽度のブロックで編集されているはずなのに、どうしてずれるの?結局、1/25,000の「御正体山」を買って出かけた。現場に行かないと、状況がよく分からず、コースを変えないといけない場合もある。一通り網羅している地図の方が具合がいい。
4時に起き、4時半に出発。東松山から入り、圏央道。今日は日曜日だから、てっきり1,000円だと思っていたが、山中湖で下りる際に3,000円超えの表示が出ていた。後で知ったことだが、今日は適用外だったらしい。年末に1,000円運用はしないことにする話は聞いていたが、せいぜい31日までの3日間だと勝手に思い込んでいた。今日まで待って欲しかった。これでは、帰りはケチらないとだめだな。
山中湖に着いたのは、ちょうど7時前の日の出。湖畔に富士山を撮る観光客があふれていた。裾野から山頂まで丸見え。自分も朝焼けの富士を撮りたかったが、我慢して先を急ぐ。山中湖が正面に入った富士山を撮るよりも、山中湖を見下ろす富士山の方がいい。道志道に入る。山伏トンネルの周辺には、ネットで読んだ諸事情があって車を置けないらしい。確かに、トンネルを越えて道志村に入っても、路肩駐車すら無理だった。引き返し、トンネルの手前、300mくらいの、車が4~5台置ける空き地を見つけて駐めた。7時5分出発。トンネルの右側の旧ホテル(跡地?)の入り口には、見張り役の方が2人立っていた。トンネルをくぐり、広場の脇から峠に向かう。くねくねした急坂を登って、峠。7時18分。
(石割山分岐)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/35/04c008be24e5d03b711767625fd09aab.jpg)
早々に汗をかいた。今日は雪の心配をして出てきた。下着も、この時期用の長袖、長タイツまで穿いている。暑い。さらに、アイゼンと杖2本、富士山を眺めながらラーメンを食べようと、ガスとコンロ、コッヘル一式が加わり、結局、最後まで一切使うことはまったくなかったものまで担いでいた。石割山分岐7時50分。左手に富士山がちらちらと見える。なるほどでかい。木々が邪魔して写真には撮れない。御正体山からは富士山は望めないらしい。唯一この先、高圧線鉄塔の周辺が刈り払われていて、展望がすこぶる良いようだ。右手にその鉄塔が見える。御正体山はその遥か先に見える。結構、距離があるよ。
(奥ノ岳から御正体山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/4c/2eac933f366df736a9a59dd5bf2050cf.jpg)
(鉄塔からの富士山。石割山に続く尾根)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/2b/1717f36f75218e80ddd093f7233a9b5c.jpg)
奥ノ岳を通過して鉄塔。8時2分。感嘆のため息が出た。右手には真っ白な南アルプスの峰々が続く。神々しい光景だ。しばらく休む。富士山の手前にある山が石割山の手前の山か。あそこも遠い。石割山からの富士山がもっとでかいだろうことは予想がつく。一時、迷った。御正体山はもういいのではないか。どうせ、この先、これ以上の富士山眺望は期待できない。このまま、石割山に行こうかと。迷いを捨てて、御正体山に向かう。少し、気になった。今日の天気は午後から崩れる。本当は昨日の予定にしていたが、昨日は今日と反対に午後から良くなった。富士山ライブカメラを見ていたら、確かに、富士山が見え出したのは午後からだった。天気予報は当たっている。今日も当たるかもしれない。心なしか、富士山のバックが白くなってきているような。
(南アルプス)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/15/779e4ab4cfcb1470ee874f1ad12439f2.jpg)
ここから、アップダウンが続く。中ノ岳8時34分、前ノ岳8時59分。だれかのブログに、石割山側からの奥ノ岳、中ノ岳、前ノ岳の順序の配置が釈然としないと記されていた。これを御正体山側からの論理にすると、妥当な位置関係にはなると思うが、南を正面ととらえれば、前、中、奥、本体が正当な位置関係かなとも思ってしまう。それはともかく、前ノ岳を過ぎてから、傾斜は急になってきた。左手の樹間に富士山がちらちら見える。確かに、邪魔のない富士山は見られなくなった。
(急な斜面が続く)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/41/cd11f7940f87dc76836b97cea1a5c36f.jpg)
(御正体山山頂)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/b5/c074dc2dc312ddd7bc54d0d89c89684e.jpg)
9時38分、山頂到着。同年輩が1人食事中。三輪神社の先の林道から歩いて来たそうだ。7時歩き出しで、2時間半か。大宮から来たと言っていたが、彼もまた、オレと同様、1,000円高速の年末勘違いだった。鹿留川から入るコースとの合流点からの富士山もきれいらしい。皇太子がどのコースをお歩きになったかは知らないが、整備されてアップダウンの少ない北側からのコースが設定されたのだろう。皇族である以上は、三輪神社からのコースが相応しいと思うのだが。やはり、ここは展望に恵まれない山頂である。恒例により、ミニ三脚を置いてセルフ。見ていた大宮さんが撮りましょうかと言ってくれたが、大宮さんは一眼レフカメラだったから、こちらが気恥ずかしくなって、「いつもこれですから」と断った。一眼レフをあやつる方に、コンデジを預けるのはためらいがある。15分ほどいて下山する。大宮さんも下って行った。
中ノ岳を過ぎたあたりで、登ってくる親子に出会った。山頂に人がいるかどうかをえらく気にしている。何故かは知らない。車はトンネルの山中湖側出口すぐのところに置いたらしい。ちょうど、旧ホテルの入り口だ。確かに、道の真ん中には赤い警告ポールが置かれていたが、その手前、3~4台の駐車が可能なエリアは使ってもいいということだろうか。話好きなパパらしく、長い立ち話になってしまった。
(次第に霞んできた)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/1f/9179ab8ce0c3b8332c59e30a5f05a003.jpg)
なかなかきつい下り。アップダウンがあるから、上りにさしかかるとうんざりする。この繰り返しでようやく富士山展望の鉄塔に着く。10時58分。足も痛くなってきた。今日はろくに食べていない。往路時にここでウイダーインを含み、山頂でアンパンを食べただけだ。富士山を見ながらオニギリを1個食べる。ずっと眺めていても本当に飽きのこない山だ。やはり、雲が多くなってきた。石割山はどうしよう。富士山の下に見える、石割山に向かういくつかの山のコブ。地形図で見ると、標高からして、石割山はさらに先ではなかろうか。今日は、余力があればというよりも、余力があることを前提に石割山をも予定に組み込んでいたが、余力はなくなっていた。上り時の山頂直下の急登、下り時のアップダウンにやられてしまった。また迷った。ここは迷いの鉄塔だね。出た結論は、行けるところまで行くということ。ただ、己のふがいなさを正当化するため、天気が崩れることを期待した面もある。富士山が見えなきゃ、石割山もただの山にすぎないわけだから、「雲が出て富士山が見えなくなったから、途中で戻った」と言い訳するシチュエーションを、無意識の中で想定したわけだ。
コースタイムでは、分岐からの往復が2時間30分。早くて3時間はかかるか。分岐出発11時14分。最初は下りだったからまだいい。そして上り。数十歩登って休む連続。むろん、休んでハーハーしている時間が長くなる。こんなことをやっていたら、富士山が雲に隠れるのに間に合わないんじゃないの。笹薮に入る。背丈を越すが、しっかりとした道が中を通っている。ここも起伏が多い尾根だ。目の前の1446mピークがうとましいく見える。ところが、道は、尾根を巻くようについている。高みに登る手前に「この先行き止まり」の表示が置かれている。道型はしっかりと上に向かっているが、最近は歩かれていないようだ。ほっとした。尾根を実直に歩かずともいいわけだ。ただ、気にはなる。石割山よりも高い標高だ。富士山の見え具合はどんなものだろうか。もっとも、その時、そんな思いを抱く余裕はなかった。この先、ずっと尾根巻きの道が続いていた。
(石割山山頂)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/8d/e3faa4e963f266b6f7fb3c04909006ce.jpg)
ここにもある鉄塔。その先には平坦な場所が見える。「石割山5分」の標示。ただ、「5」はつぶしている。その平坦な場所が石割山山頂だった。12時13分到着。何とか間に合った。まだ富士山が見える。周りには夫婦者らしき2組。赤土がやたらぬかるみ、歩くたびに靴底がどんどん厚くなる。うっとうしい。草地を選んで腰をかけオニギリを食べる。隣で夫婦が湯をわかしてカップラーメンを食べている。こっちもラーメンを食べたくなったが、何だか面倒くさくなってやめた。到着して10分。富士山はついに消えてしまった。危ういところだった。
(石割山からの富士山。下に山中湖)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/32/cd2c9691596f47cf7213160459862d31.jpg)
何とか、山伏峠の分岐に到着。13時15分。転倒1回。トラロープが張ってあった意味を転んで理解した。辺りが薄暗くなり、御正体山も見えなくなってしまっていた。ここからが気分的にかなり長かった。まさに延々といったところ。陽が陰ってきたら寒くなってきた。山伏峠13時39分。ここから山中湖側に降りて、戻された人がいるみたいだ。駐車地に着いたのは13時52分。最近、長時間歩きはほとんどなくなったが、今日の7時間歩きはちょっと長かったかな。
(山伏トンネル)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/f3/e63942797bbe3bed4358f5f4e3a8c1a7.jpg)
帰りは、このまま道志村を通って相模湖インターから帰ることにする。節約コース。山道ゆえ、カーブが多い。汗をかなりかき、風呂に入りたかったが、中央高速の渋滞を考え、下着を取り替えるだけで我慢した。木から電話が入った。受話器を通して、聞き覚えのある犬の吠え声がする。ウチに来年のカレンダーとタクアンを持ってきたが、だれもいないから置いていくとのこと。吠えていた犬はウチの犬だったのか。タクアンを犬に食われていなけれゃいいが。木家のタクアンはやや酸味が強く、刺激臭もあるが、オレにとっては一種の美味だ。楽しみにしている。中央高速は意外にスムーズ。やはり、1,000円無効高速代の影響だろうか。さて、年内にあと1回くらい、どこかに行けるかな。
栃木の山から見た富士山はぼんやりして小さかった。富士山を間近から無性に見たい。それだけのこと。この時期になると毎年繰り返す一種の発作。三ツ峠山から見た富士山も大きかったけど、地図を調べると、地理的にも、石割山やら御正体山が富士山に近い。近けりゃ、きっと、感動もより大きいだろう。正直のところ、両山ともに、調べるまで知らなかった山。御正体山は皇太子も行かれたことがあるらしい。保証付きということだ。地元としても、まずい富士山をお見せするわけにはいかないだろう。昭文社のエリアマップでは、この界隈、3エリアにまたがっている。「富士山」「高尾・陣馬」「丹沢」。いずれも持っていたから、勤務先のコピー機でちゃっかりカラーコピーをしたのだが、つなげられなかった。緯度・軽度のブロックで編集されているはずなのに、どうしてずれるの?結局、1/25,000の「御正体山」を買って出かけた。現場に行かないと、状況がよく分からず、コースを変えないといけない場合もある。一通り網羅している地図の方が具合がいい。
4時に起き、4時半に出発。東松山から入り、圏央道。今日は日曜日だから、てっきり1,000円だと思っていたが、山中湖で下りる際に3,000円超えの表示が出ていた。後で知ったことだが、今日は適用外だったらしい。年末に1,000円運用はしないことにする話は聞いていたが、せいぜい31日までの3日間だと勝手に思い込んでいた。今日まで待って欲しかった。これでは、帰りはケチらないとだめだな。
山中湖に着いたのは、ちょうど7時前の日の出。湖畔に富士山を撮る観光客があふれていた。裾野から山頂まで丸見え。自分も朝焼けの富士を撮りたかったが、我慢して先を急ぐ。山中湖が正面に入った富士山を撮るよりも、山中湖を見下ろす富士山の方がいい。道志道に入る。山伏トンネルの周辺には、ネットで読んだ諸事情があって車を置けないらしい。確かに、トンネルを越えて道志村に入っても、路肩駐車すら無理だった。引き返し、トンネルの手前、300mくらいの、車が4~5台置ける空き地を見つけて駐めた。7時5分出発。トンネルの右側の旧ホテル(跡地?)の入り口には、見張り役の方が2人立っていた。トンネルをくぐり、広場の脇から峠に向かう。くねくねした急坂を登って、峠。7時18分。
(石割山分岐)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/35/04c008be24e5d03b711767625fd09aab.jpg)
早々に汗をかいた。今日は雪の心配をして出てきた。下着も、この時期用の長袖、長タイツまで穿いている。暑い。さらに、アイゼンと杖2本、富士山を眺めながらラーメンを食べようと、ガスとコンロ、コッヘル一式が加わり、結局、最後まで一切使うことはまったくなかったものまで担いでいた。石割山分岐7時50分。左手に富士山がちらちらと見える。なるほどでかい。木々が邪魔して写真には撮れない。御正体山からは富士山は望めないらしい。唯一この先、高圧線鉄塔の周辺が刈り払われていて、展望がすこぶる良いようだ。右手にその鉄塔が見える。御正体山はその遥か先に見える。結構、距離があるよ。
(奥ノ岳から御正体山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/4c/2eac933f366df736a9a59dd5bf2050cf.jpg)
(鉄塔からの富士山。石割山に続く尾根)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/2b/1717f36f75218e80ddd093f7233a9b5c.jpg)
奥ノ岳を通過して鉄塔。8時2分。感嘆のため息が出た。右手には真っ白な南アルプスの峰々が続く。神々しい光景だ。しばらく休む。富士山の手前にある山が石割山の手前の山か。あそこも遠い。石割山からの富士山がもっとでかいだろうことは予想がつく。一時、迷った。御正体山はもういいのではないか。どうせ、この先、これ以上の富士山眺望は期待できない。このまま、石割山に行こうかと。迷いを捨てて、御正体山に向かう。少し、気になった。今日の天気は午後から崩れる。本当は昨日の予定にしていたが、昨日は今日と反対に午後から良くなった。富士山ライブカメラを見ていたら、確かに、富士山が見え出したのは午後からだった。天気予報は当たっている。今日も当たるかもしれない。心なしか、富士山のバックが白くなってきているような。
(南アルプス)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/15/779e4ab4cfcb1470ee874f1ad12439f2.jpg)
ここから、アップダウンが続く。中ノ岳8時34分、前ノ岳8時59分。だれかのブログに、石割山側からの奥ノ岳、中ノ岳、前ノ岳の順序の配置が釈然としないと記されていた。これを御正体山側からの論理にすると、妥当な位置関係にはなると思うが、南を正面ととらえれば、前、中、奥、本体が正当な位置関係かなとも思ってしまう。それはともかく、前ノ岳を過ぎてから、傾斜は急になってきた。左手の樹間に富士山がちらちら見える。確かに、邪魔のない富士山は見られなくなった。
(急な斜面が続く)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/41/cd11f7940f87dc76836b97cea1a5c36f.jpg)
(御正体山山頂)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/b5/c074dc2dc312ddd7bc54d0d89c89684e.jpg)
9時38分、山頂到着。同年輩が1人食事中。三輪神社の先の林道から歩いて来たそうだ。7時歩き出しで、2時間半か。大宮から来たと言っていたが、彼もまた、オレと同様、1,000円高速の年末勘違いだった。鹿留川から入るコースとの合流点からの富士山もきれいらしい。皇太子がどのコースをお歩きになったかは知らないが、整備されてアップダウンの少ない北側からのコースが設定されたのだろう。皇族である以上は、三輪神社からのコースが相応しいと思うのだが。やはり、ここは展望に恵まれない山頂である。恒例により、ミニ三脚を置いてセルフ。見ていた大宮さんが撮りましょうかと言ってくれたが、大宮さんは一眼レフカメラだったから、こちらが気恥ずかしくなって、「いつもこれですから」と断った。一眼レフをあやつる方に、コンデジを預けるのはためらいがある。15分ほどいて下山する。大宮さんも下って行った。
中ノ岳を過ぎたあたりで、登ってくる親子に出会った。山頂に人がいるかどうかをえらく気にしている。何故かは知らない。車はトンネルの山中湖側出口すぐのところに置いたらしい。ちょうど、旧ホテルの入り口だ。確かに、道の真ん中には赤い警告ポールが置かれていたが、その手前、3~4台の駐車が可能なエリアは使ってもいいということだろうか。話好きなパパらしく、長い立ち話になってしまった。
(次第に霞んできた)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/1f/9179ab8ce0c3b8332c59e30a5f05a003.jpg)
なかなかきつい下り。アップダウンがあるから、上りにさしかかるとうんざりする。この繰り返しでようやく富士山展望の鉄塔に着く。10時58分。足も痛くなってきた。今日はろくに食べていない。往路時にここでウイダーインを含み、山頂でアンパンを食べただけだ。富士山を見ながらオニギリを1個食べる。ずっと眺めていても本当に飽きのこない山だ。やはり、雲が多くなってきた。石割山はどうしよう。富士山の下に見える、石割山に向かういくつかの山のコブ。地形図で見ると、標高からして、石割山はさらに先ではなかろうか。今日は、余力があればというよりも、余力があることを前提に石割山をも予定に組み込んでいたが、余力はなくなっていた。上り時の山頂直下の急登、下り時のアップダウンにやられてしまった。また迷った。ここは迷いの鉄塔だね。出た結論は、行けるところまで行くということ。ただ、己のふがいなさを正当化するため、天気が崩れることを期待した面もある。富士山が見えなきゃ、石割山もただの山にすぎないわけだから、「雲が出て富士山が見えなくなったから、途中で戻った」と言い訳するシチュエーションを、無意識の中で想定したわけだ。
コースタイムでは、分岐からの往復が2時間30分。早くて3時間はかかるか。分岐出発11時14分。最初は下りだったからまだいい。そして上り。数十歩登って休む連続。むろん、休んでハーハーしている時間が長くなる。こんなことをやっていたら、富士山が雲に隠れるのに間に合わないんじゃないの。笹薮に入る。背丈を越すが、しっかりとした道が中を通っている。ここも起伏が多い尾根だ。目の前の1446mピークがうとましいく見える。ところが、道は、尾根を巻くようについている。高みに登る手前に「この先行き止まり」の表示が置かれている。道型はしっかりと上に向かっているが、最近は歩かれていないようだ。ほっとした。尾根を実直に歩かずともいいわけだ。ただ、気にはなる。石割山よりも高い標高だ。富士山の見え具合はどんなものだろうか。もっとも、その時、そんな思いを抱く余裕はなかった。この先、ずっと尾根巻きの道が続いていた。
(石割山山頂)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/8d/e3faa4e963f266b6f7fb3c04909006ce.jpg)
ここにもある鉄塔。その先には平坦な場所が見える。「石割山5分」の標示。ただ、「5」はつぶしている。その平坦な場所が石割山山頂だった。12時13分到着。何とか間に合った。まだ富士山が見える。周りには夫婦者らしき2組。赤土がやたらぬかるみ、歩くたびに靴底がどんどん厚くなる。うっとうしい。草地を選んで腰をかけオニギリを食べる。隣で夫婦が湯をわかしてカップラーメンを食べている。こっちもラーメンを食べたくなったが、何だか面倒くさくなってやめた。到着して10分。富士山はついに消えてしまった。危ういところだった。
(石割山からの富士山。下に山中湖)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/32/cd2c9691596f47cf7213160459862d31.jpg)
何とか、山伏峠の分岐に到着。13時15分。転倒1回。トラロープが張ってあった意味を転んで理解した。辺りが薄暗くなり、御正体山も見えなくなってしまっていた。ここからが気分的にかなり長かった。まさに延々といったところ。陽が陰ってきたら寒くなってきた。山伏峠13時39分。ここから山中湖側に降りて、戻された人がいるみたいだ。駐車地に着いたのは13時52分。最近、長時間歩きはほとんどなくなったが、今日の7時間歩きはちょっと長かったかな。
(山伏トンネル)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/f3/e63942797bbe3bed4358f5f4e3a8c1a7.jpg)
帰りは、このまま道志村を通って相模湖インターから帰ることにする。節約コース。山道ゆえ、カーブが多い。汗をかなりかき、風呂に入りたかったが、中央高速の渋滞を考え、下着を取り替えるだけで我慢した。木から電話が入った。受話器を通して、聞き覚えのある犬の吠え声がする。ウチに来年のカレンダーとタクアンを持ってきたが、だれもいないから置いていくとのこと。吠えていた犬はウチの犬だったのか。タクアンを犬に食われていなけれゃいいが。木家のタクアンはやや酸味が強く、刺激臭もあるが、オレにとっては一種の美味だ。楽しみにしている。中央高速は意外にスムーズ。やはり、1,000円無効高速代の影響だろうか。さて、年内にあと1回くらい、どこかに行けるかな。
そして、山から逃げ出す事をいつも考えているのも同じ。何か理由をつけて帰っちゃう。判りますです。
おいらの場合、1000円と思っていた高速代が1900円。目が点になったです。何かの間違えではないかと。この記事を見て、はじめて知りましたです。年末も高速代、とられるとは!