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◎2018年7月15日(日)
旗坂キャンプ場駐車場(6:30)……鳴清水(7:40)……三光の宮(8:35)……大滝コース合流(8:40)……鳥居(9:00)…升沢小屋(9:23)……千畳敷分岐(10:35)……船形山(10:53~11:26)……千畳敷分岐(11:37)……蛇ヶ岳(12:13)……瓶石沢・合流(12:45)……駐車場(14:30)
宮城の山までわざわざ出向いたのは他でもない。孫の顔を見たかっただけのことで、船形山はついでにと旅程に入れ込んだだけの話だ。泉ヶ岳でもよかったが、群馬から出かけて泉ヶ岳では何となくもったいない。船形山は200名山らしい。行ったことはない。じゃ、それにしようと思って選んだ山で、紅葉は北東北の山と決めているから、南東北の山の情報はあまり詳しくはなかった。ところが、この山に行ってみると、かなり紅葉がきれいになる感じがしたので、帰ってからネットで調べると、やはり、紅葉が絶品の山となっている。どうも歩く時期を間違えてしまったようだ。
東北の山だし、少しは涼しいかなと期待もしていたが、それは甘かった。山歩きのブランクもあり、暑さにバテバテの歩きになってしまった。樹林の中にたまに通う風、山頂の強い風は心地良いものだったが、終始、汗だくの不快な歩きが続いた。紅葉の時期にまた改めてとなると、一般コースながらも「登山口から登り7.6km、4時間30分」ではどうも…と考えてしまう。
娘の嫁ぎ先は仙台市ではないが、隣接しているところなので以降はアバウトに仙台としておく。東日本大震災の時には津波がモロに押し寄せたところだ。現に、娘の亭主のジイチャン、バアチャンがともに亡くなっている。さて、その娘、愚かなことに、こちらの反対を押し切って先方の家に同居してしまった。それ見たことかと姑との確執が始まり、子供が生まれると加速度的になり、結局は最近になってアパート住まいになった。定職にも就いて子供は保育園。それがきわめて当たり前の結末だが、こちらにしてみれば、娘の住むアパートに気兼ねなく泊まれるというメリットにもなった。これまで嫁ぎ先の家に何回か行ったことはあるが、日帰りか夫婦して近くのビジネスホテルに泊まっていた。
せっかくの三連休だしと妻に誘いをかけると、こちらは町内会のお祭りのお札配りがあるとのこと。身体を使う方の雑用でもないからオレの出番でもない。一人で行くことになった。娘の亭主は酒飲みだ。妻がいなけりゃ気楽に飲める。とはいっても、もう限界をわきまえた飲み方しかできなくなっているからほどほどのものだ。
14日の土曜日の朝に出発。8時過ぎだったが、来月の盆を前にしての三連休の高速は渋滞することもなくスムーズに流れていた。アパートに着いたのは1時前。これが秋田の山間部だったらさらに4時間はプラスされる。
久しぶりに会った娘はいきなり「オトウサン、痔になったんだって~」と軽く聞いてきた。妻が余計な電話かメールを入れたようだ。ストレスなのか、確かに外イボになってしまっている。大菩薩以来だから7年ぶりの痔だ。同じ7月。痔は暑い頃になりやすいのか? 痛みはなく、車の運転も苦痛ではないが、ボラギノールを塗っている関係で肛門付近の感触はあまりよろしくなくヌルヌルだ。ただでさえ風通しの悪いところだ。このボラギノール、アオキで買った時は以前と違って、まったくためらいも恥じらいもなかった。むしろ、あり得ないことではあるが、この年でコンちゃんでも買ったら、レジのオバチャンの視線が気になってかなりの勇気がいるだろう。
肝心の孫は、こちらの存在に泣きはしないものの、不思議な顔で見ていて、記憶にもないようだ。一緒に遊んで、散歩して、風呂に入って、あとは娘の亭主と酒を飲み、暑さと疲れも手伝って早々に孫を隣にして寝てしまった。ベランダに出てタバコを吸い、ジイタン、ジイタンと探し回われたのは帰る日の朝になってからのことだった。
(旗坂キャンプ場駐車場)
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本題に入る。船形山、仙台から近いとはいっても、アパートからは高速を乗り継いで2時間近くかかった。県道区間も長かった。自宅から奥日光の山に行くような距離感覚だ。夜中に雨が降ったらしく、海岸沿いの仙台東部道路は深い霧に包まれていた。これで山歩けるのかなと気になったが、やはり二百名山の人気か、旗坂キャンプ場の駐車場には8台くらいの車があり、千葉県ナンバーの車から二人連れが出て行ったところだ。他のハイカーはとっくに出払っている。6時半とはいえ、自分の出発は遅い口のようだ。ガスが濃い。この旗坂とは別に大滝キャンプ場というのがあって、そこからだと船形山も楽勝らしいが、この先の林道は舗装もされていないし、昭文社マップには「一般車通行止」とある。別林道で行くと、かなりの距離になってしまうので、どうしてもこの「升沢コース」が選択肢になってしまう。
(林道に入って登山口。ここに㉚の標識が置かれている)
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さて、ここからどうやって行くのか。案内板を見てもわからない。さっきの二人連れはこっちに行ったようだったなと、そちらに行くと、林道に出て、すぐに<㉚>と記されたマークがあり、その脇に朽ちかけた案内板があった。「船形山登山道入口」。上には階段付きの歩道が続いている(階段はすぐに消えた)。マップにはここの標高が560mとあるから、単純に1000mは登らないといけない。始点が㉚なら、終点の山頂が①だろう。ということは、距離が7.6kmならと、携帯を出して計算する。等間隔なら、割る29で262m置きの標識ということか。こういう細かい数字の標識を見ながらの歩きもつらい。むしろ合目標識の方が数も少なくて励みになる。半分の⑮で果たしてどんな状況にあるのか。事前情報では、地味な登りがずっと続き、升沢小屋から先はえらく長い感じのする沢歩きとあった。念のため、沢靴も用意をしてみたが、沢靴に履き替えての登りをする人の情報はなく、すでにザックから沢靴は取り出している。むしろ、地下タビにするか迷ったが、登山靴にした。結果的にはこれで正解だった。正直のところ、せっかくだし、沢靴で歩いてみたいという気持ちがかなりあった。
余談だが、今回の虫除けはハッカ油を調合して作ってみた。ネットの記事を参考にエタノールと精製水を混ぜた。ハッカ油の分量が多過ぎたのか強い刺激臭がしたが、今回は出発時の一回だけのスプレーで済んだ。元から羽虫の少ないところなのだろうか。汗で早々にハッカ油の効果は失せているはずなのに、最後まで虫に寄り付かれることはなかった。むしろ、なぜかトンボがずっと付きまとってきたのには閉口した。
(結果として、こんな中の歩きがずっと続くことになる)
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事前情報通りに樹林の中の地味な登りが続く。周囲はブナの原生林になっている。急な登りはない。周囲のガスは切れず、先が見えないのもまた不気味なものがある。道は幅広のしっかりしたものだが、あちこちで泥濘になっていて歩行に気を遣う。登山靴はすぐに泥んこになった。ここで地下タビにしなくてよかったと思った。
標識が㉘になった。㉙の存在は気づかなかった。帰りにでも確認しておこう。この標識、律儀に山頂までナンバープレートを確認するつもりでいたが、最初からこんな状態だったし、途中で目にしてもさしてこだわりの感情も起きなくなってしまった。半分の⑮だけは意識にあり、それは気持ちの持ち方からだろう。「残り半分」と「まだ半分も歩いていない」のでは気分的にも大きな違いがある。
ガスが消えていき、たまに陽射しも入り込む。樹林帯の歩きは変わらないから、あくまでも先が見えないままだ。汗を相当にかき、シャツはびっしょりになった。ハッカの香りは消えてしまっている。またスプレーしようかなと思ったが、やはり百均で買ったレベルの容器だ。最初のスプレー時にボタボタと脇から落ちてきていた。あの不快感が嫌で、虫が寄ってきたらやることにしよう。泥濘は散発的に続く。改めて記すまでもなく、おそらくケツの穴の周辺もボラギと汗でドロドロの状態だろう。
(文章が長いわりに、ここで旗坂平。陽射しが出てきたが)
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(樹林帯の中はまだ霧のところもある)
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ほどなく「旗坂平」というところに出た。標識を見るとまだ800mしか歩いていない。標識では山頂まで6.7km。合計7.5mとなる。冒頭に記した7.6kmというのは、おそらく三光宮往復を加えた場合の距離だろう。この旗坂平だが、別に広くなった平地でもない。すぐ先に㉗標識がある。思い出したようにここでストックをダブルで出す。
(一群平の標識)
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(空身の単独A氏にさっとかわされる)
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再びガスが出てきて消えた。黙々の樹林帯の中の歩きは先がまったく読めない。この先に開けた中での歩きを期待できるのだろうか。確かに、そんな登山道では数字の標識が有効だろう。㉕を過ぎると「一群平」。ここにもまた「平」の字が出てきた。ここで後ろから来た単独A氏に抜かれる。あれっ、ザックはなく水筒だけの荷物だ。その時は、地元の方で、しょっちゅうここを往復しているのだろうなと思った。
(最初の休憩は水気もない鳴清水)
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やがて「鳴清水」というところに出た。ここに沢が通っているわけではないが、以前はあったのか。ここまで出発から1時間10分。樹の切り株が何本も置かれていたのでここで休憩をとる。ここには㉑の標識が置かれている。まだ1/3にも達していない。帰路でもまたここで休むことになる。何だかうんざりしてきた。こういうダラダラとした長い登りは意外に応える。どうせなら、急登の一発勝負で済ませたいもの。狭く覗いた空を見上げる。青空になっている。あれでは今日も暑くなりそうだ。樹林の中では直射日光にさらされないだけでもましというものか。チョコレートを食べ、タバコを吸い、つい10分以上も長居してしまった。気持ちの良い風も通っていたし。しかし、駐車場で見かけた二人連れをとっくにかわしていてもいい頃だが、それがない。今日のオレもかなりの鈍足になってしまっているようだ。これが普通になっている。ここのところそうだから、今さら気にもかけないであきらめの心境になっている。実際に場数をこなさなくなっているのだから。
ちょっとグズグズした岩場まじりを通ったが、何とか半分の⑮に至った。8時半か。「残り半分」の気分になった。ここまで来たら行かなきゃなるまいが、相変わらず先は樹林帯のまま。立ち休みをしていると単独B氏に抜かれた。もう後ろにはいまい。いたら先に行っていただくだけのこと。どうも身体が重い。汗も粘った感じのものになっている。トレパンの左右のポケットに入れた手拭い、右はすでに絞れるほどになり、左はメガネ拭きにしていたが、これもまた吸い込んだ汗でメガネが曇るようになってしまった。
(この標識を見て、左に登山道を外れて少し登る)
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(三光宮は岩場の小ピークといったところだった)
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(三光宮の石碑)
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(船形山方面。右のピークが船形山だろうか)
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倒れた標識に「三光宮入口」とある。距離は30m。樹林の景色にも飽きてきていたので立ち寄ることにした。岩場に出た。石碑が置かれている。それに描かれた太陽、月、星。なるほど、これが三つの光ということか。ガイドブックによれば、ここから船形山、三峰山、泉ヶ岳が見渡せ、遠くに松島、金華山も見えるとある。上空はようやく晴れ出したといった感じで、松島や泉ヶ岳は見えないが、船形山らしき山は見えている。まだまだ遠いわ。ここから見ても、先はずっと樹林帯だ。ただ、船形山がどう船の形になっているのだろうかと首を傾げる。
三光宮から下りかけると、登ってくる方がいる。あれっ、さっきのA氏じゃないの。待機してくれたA氏が言うには、ここから20~30分ほど先に白木の鳥居ができたというので、今日はそれを見に来たのだそうだ。以前にも倒れた鳥居があったとか。ということは、船形山山頂には神社でもあるのか。いずれにせよ、やはりA氏はここによく通っていらっしゃるようで、「今日は暑くなりそうですから注意して行ってください」とアドバイスを受けて別れた。オレが危なそうな感じにでも見えたのだろうか。
(写真では右から来た。左からの登りが大滝キャンプ場からのコース)
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(突如として現れた大鳥居)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/a9/a512460750ade57b6765fb1c65ac6006.jpg)
(ササヤブの中に⑪の標識)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/74/db4d1325895792fa1ebd41df797954d4.jpg)
少し下り調子も加わるようになり、大滝キャンプ場からのコースに合流した。そして標高1240mあたりのところにその白木の鳥居があった。柱には、建立は先月、黒川森林組合と奉納・船形山山岳会とある。元の鳥居の残骸はないのか探したが、撤去されたのかそれらしきものは見あたらない。その先に、ササに隠れた⑪の標識があった。コースの標識、上からでも下からでも見えるようになっていて、つまりは2枚組なのだが、この落ちた⑪も2枚合わせて置かれている。
涸れた沢を通過。この先に左から下って来る道があって、そこには「瓶石沢」の標識も置かれていたはずなのだが、往路時で撮った写真にはそれがない。つまりは気づいていないわけで、かなり無気力な歩きになっていたのではないだろうか。下りはその道を使って瓶石沢標識に出た。この付近で下山者に会う。2人組と単独。時間からして鳥居目的ではあるまい。山頂の小屋に泊まってご来光かと思う。
(升沢小屋。ようやく空が出てきたといった感じだ。この先の標識にはただ「山小屋」とだけあった)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/50/07c7b2af5d356e92dab34f853a16cf2e.jpg)
(ちなみに小屋の中)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/78/a176543efeeb448736d560762f28719d.jpg)
(案内図板)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/81/b3d1e772bd9ef03709ac70c649c4345a.jpg)
升沢小屋に到着。さも東北の山の避難小屋といった風情で、比較的に新しい。中に入ってみた。熱気でむっとしたが、きれいに管理され、トイレもまたドッポンであるのは無論だが清潔で、トイレットペーパーまで袋に入っている。ここに泊まるのは快適だろう。
小屋から先は空の面積も広がったが、依然として船形山山頂らしきピークをとらえることはできない。ここからうんざりした長い沢歩きになるという。案内図を見る。距離が記されたコース案内図だが、この距離が1メートル単位まで記されていて、後で撮った写真を計算すると、キャンプ場から山頂までは7,489mとなる。ちなみにここから山頂までは1,669mで、標識には1.7kmとあった。
(沢に入る。これがコース名由来の升沢かと思う)
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(樹林帯と違って空が出ている分、かなり暑くなっている)
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沢の水量はごく普通。その辺の沢の水量で、小滝を期待できるレベルではない。ここで、持参の水の半分近くを捨ててしまった。というのは、どうせここを下りで使うだろうし、なくなったら、ここで汲めばいいだろうと思ってのことだが、持参水はペットボトル2本の計2ℓ。まだ200㎖も飲んでいず、使ったペットボトル1本分の水を空けてしまった。この後に沢歩きになるが、ふと、そういえばと思い出し、結局、沢で水を汲み直し、ザックの重さを水を捨てる以前よりも重くしてしまった。この沢を下るのではなく、別ルートで下れることを思い出したからだ。沢の水はぬるかった。この先にキツネはいないだろう。ぬるくて良かった。冷たかったらゴクゴクと飲んでしまい、エキノコックスもさらに身近なものになる。
沢はちょっと紛らわしかった。分岐もある。ここを行っていいのだろうかと思うところもある。テープが頼りだ。水に濡れることはなく、ほとんど石伝いだ。沢靴の履き替えで悩んだのが滑稽だった。先行で歩いた人、具体的にはB氏ということになろうが、石の上に濡れた足跡がないのが気にはなる。倒れた⑨標識を見る。ようやく一桁数字になった。
(汗で汚れ切った手拭いをここで洗って顔を拭く。さしてすっきりとはしなかった)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/48/edf4005c7cb53f5272d23bd28e728666.jpg)
(そろそろヤブの中に沢という状況になる)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/26/6a5854c6bce113fc32c83111265ab906.jpg)
すでに樹林帯からは抜け出している。周囲は疎らな灌木の間にヤブの組み合わせになった。陽射しが強くなり、確かにこれではやたらと長く感じもするだろう。沢自体に変化がない。ヨイショッとするところもない。ただ、梅雨時や雪解け時には水量もあるのか、ナメ滝調の黒ずんだ痕跡も確認できる。次第に水は少なくなり、水たまりで右ポケットの手拭いを洗い、顔を拭いて首に巻く。そして、左ポケットの手拭いを右に移動する。首巻きはいずれ乾いたら左ポケットに戻ることになる。
(水は消え、ただの窪みになった)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/ee/e0bbac5d3f0a4f4b5fe5f7f9cc33e558.jpg)
(そして、ただの登山道になった)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/8d/48550149e6e02010e5d32bea460f588c.jpg)
上に三角の山が見え出し、1370m付近で水流は消えた。視界が良くなると、一気に暑くなった。ただ、程よい風が流れている。ヤブの中に④標識が転がっている。このあたりから、この山は紅葉がきれいだろうなと思うようになっていた。
(一休みして左手・南側の山並みを眺めている)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/c9/e7f0e8db9ed0b06e15083071d363be1c.jpg)
(さらにその先は雲海になっている。泉ヶ岳方面だろう)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/ee/3eb65d563abb9d591919a752d318ab8a.jpg)
③を確認して休憩。沢からは離れた。塩アメを2個、口に入れる。かなりの汗をかき、空腹なのに食欲がまったくない。水を飲んで一服したら、ようやく落ち着いた。さて出発するかと思ったら、下からゴソゴソ上がって来た単独C氏。こうなったら先に行ってもらいましょう。だが、そのC氏もまたここに腰をおろしてしまった。船形山には40年前に来たことがあるそうだ。神社と避難小屋があったとか。出発は7時で、こちらよりも30分も遅い。出発直後に何人か抜き、あとはここまで誰とも会わなかったとのこと。健脚なのか普通なのか今の自分にはわからない。
C氏は小休止後に出発。引き続き間を取るべく一服してこちらも出発。15分ほどの休憩になってしまった。C氏の上半身が緑の中から見えている。ここでふと、ストック先が石にぶつかる音が金属的になっているのに気づき、ストックを見ると、両方ともに先端ゴムのキャップが取れていた。いつも思うが、キャップは決して安くはない。どのメーカーも、わざと取れやすくした構造にしているような気がしてならない。まぁ、それはそれでメーカー側の収支面での都合もあることなのだろう。
(先に進む)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6e/49/64fd197c1b61ef5857e6603d00ac5d64.jpg)
(千畳敷の分岐。左から登って来た。帰路は右に行く)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/04/e4347fa7aa119e0248c54e6f8c7ab9c1.jpg)
相変わらずになだらかなまま。ただ、標高1500mの山なのに高山風な植生があって、ハイマツでもないのだが、ハイマツモドキのやや高いマツの群集が見られる。何というのかは知らない。まさかハイヤーマツとは言うまい。とにかく雰囲気は良い。
(しつこいか。つい振り返る。この辺が紅葉になったら素晴らしいだろうな)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/f3/660ad7dbabda7a2ea346002d66a527bc.jpg)
(樹林帯の中の延々とした歩きの景色ははころっと変わった。船形山がようやく見えてきた。写真では出ていないが、この辺が千畳敷というのだろう)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/9c/293613d1acdcce214c4986e76e2accbe.jpg)
千畳敷。ここが、このまま沢を下らずともに迂回して元コースに戻れる分岐だった。帰りはここから蛇ヶ岳経由になる。振り返る。これなら間違いなく紅葉は絶品だろうなといった景色が広がっている。おそらく、この目の前の緑は真っ赤になるだろう。
直進で船形山と思っていたが、右手前方に避難小屋と露岩が見えてくる。あそこが船形山の山頂のようだ。こちら側の山腹もまた一面に紅葉だろうな。やはり、この時期に来る山ではなかったみたい。ここに至って後悔してもはじまらない。紅葉は予定通りに八幡平周辺ということにしておこう。
(やはり振り返る。東北的ななだらかな山容が続いている。中のピークは後髭山だろうか。帰路に立ち寄る蛇ヶ岳も見えているわけだが、わからん)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/0c/126badefd09957a303aa0a288032a8a6.jpg)
トンボがやたらと飛んでいる。オレに群がって来るように思えるのは思い過ごしというものか。おかしなことを思い出した。仕事関係の集いでオバチャンから聞いた話だ。地元の樹々には随分とカブトムシが集まるそうだが、カブトムシはカラスの好物になっていて、メスは丸ごと飲み込むが、オスには角があって、それがノドに引っかかるので、カラスはオスの頭部だけは下に落とすそうだ。へェー、そんなものかと思い、自分のいた桜の樹の下を見ると、まさにクワガタの角だけが残った残骸が2個あった。これもまた気づいていなが深慮もしなかった知識だ。
(②の標識)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/19/6fd09673f855ceef50cc7b4efb036c7d.jpg)
(ハイマツのような回廊を行く)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/5d/31c25438858ffdffc8af4df022e1bfa8.jpg)
(こんな視界が広がっている)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/16/99e15dd58ac5086d36e2ca6da4ca4ca9.jpg)
(そして、こんな花が一面にあった)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/21/97405b5913a9e95f1f342826c6b0a850.jpg)
②標識が倒れている。ここは船形山の肩といったところだろう。風が強くて気持ちが良い。展望も抜群。おそらく自分は北西側を向いて歩いている。ボコボコした山並みが正面に見えている。その奥に月山やら鳥海山があるのかもしれない。勝手違いな南東北の山からの展望の特定はできない。白い花びらを広げた花がやたらとある。そして飛び交うトンボ。
(山頂まではほぼ水平になった)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/c8/222b2ab7d73f4dff0f668d5dc76fc570.jpg)
(山形ルートを合わせる)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/f6/15de56b23c45698c6e12e90b9d56638e.jpg)
(もうすぐそこ。C氏の姿が見える)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/3c/6d66a179dadb36daa2ae2027ee0453f7.jpg)
(直下の神社)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/d5/c87b133736da24268433a29f4cea2d55.jpg)
(そして、山頂の避難小屋。これは2階建てのようだ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/9c/055560fa455f8aac93cdd34be18fc684.jpg)
山頂まではほぼ水平になった。先を歩くC氏の姿が見えている。観音寺コースという山形側からコースが左から合流する。山頂はもうすぐそこだ。左に小さな社がある。まずはそこに参拝。これが神社だろう。船形山神社とでも言うのか。やはり①標識があった。
(船形山山頂)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/a3/b9df0ee8cf48aa7ec0f97543a39b535a.jpg)
(三角点)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/83/bc41a51985425f9c4e16ebac5ce530eb.jpg)
山頂には10人ほどいるだろうか。入れ違いに単独B氏が下山して行った。出発時に見かけた二人連れの姿も見える。セントバーナードらしき犬を連れて歩いて来た女性ハイカーもいる。犬がいてもまったく違和感のない風景だ。これがパグだったらどうなのか。展望も含めてなかなかの山頂だ。樹林帯と長い沢歩きをしたせいか、こんな素晴らしい高台にようやく飛び出せたといった感もある。帽子を押さえるほどの強い風が気持ち良い。
(山頂から1)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/65/ee70079fcb9c4e287f16073c2fa82cda.jpg)
(山頂から2)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/70/bf4e1b330b89ddc2c4c11171db75ec4c.jpg)
(山頂から3)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/4f/f7a48d91e90a2fb750594c0fbd22cb2f.jpg)
展望を眺めていたら空腹感がようやく出てきた。おにぎりを2個食べる。食後の一服に時間をかける。ターボライターだし着火に問題はない。まして風があるから煙も素早く流れていく。やはり思う。ここは紅葉がきれいだろうなって。大の字になって寝ころんだ。飛ばされそうな帽子を脱いで頭に巻いた濡れ手拭いも、汗みずくのシャツも乾いた。これもまたいずれ元に戻るが。
ハイカーがあちこちからのルートで登って来る。数はたかが知れている。山頂が混みあうことはない。わがままで自分勝手なGB隊もいない。下山前に避難小屋の中でも見て行こうかと小屋に向かおうとしたら、オバチャンがトイレでも使うのか先行されたので、小屋覗きはやめにした。
(下りにかかる)
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(振り返る。山小屋の目立つ山頂だ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/0f/4f716a7116194beaf21a51f015ce72ab.jpg)
(次第に遠ざかる。C氏の姿が入っている)
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そろそろ下るか。何度も振り返っては写真を撮る。良い展望の山だった。紅葉目的なら山形側からのルートが時間的にたっぷり堪能できるような気がする。
C氏も下山しかけている。C氏はどこを下るのか。この沢は下るのは嫌だと言っていたので、こんなルートがありますよと、紹介だけはしておいた。オレはこの先から蛇ヶ岳経由で升沢コースに復帰するつもりでいる。
(蛇ヶ岳に向かっている)
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(振り返りの船形山は右端に遠のいた)
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千畳敷分岐から蛇ヶ岳に向かう。先にその蛇ヶ岳が見えているはずだろうが、どのピークか特定はできない。船形山よりもちょうど100m標高が低い山だ。稜線伝いにこのまま長倉尾根を下ると泉ヶ岳に出られるようになっているようだ。さらに奥には蔵王も見えるはずだが、あいにくそちら方面には雲がかかっている。
(C氏に先行を譲る)
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ヤブの中の明瞭な道をずっと行く。船形山からはどんどん離れていく。不安になってきた。GPSを見るとルートは合っている。ほっとする。どうも目の前のなだらかな尾根に出てさらに奥に行くようだ。GPSの電池交換をしていると、C氏がやって来た。彼も不安だったらしい。GPSで確認すると、あのピークが蛇ヶ岳のようだから、もうちょっとです。升沢コースに出るには、蛇ヶ岳を回り込んですぐのところに分岐があると思いますよと教える。実はここでグズグズしていたのも、彼に先行してもらいたかったからで、気持ちが狭量だから、後ろに付かれると自分ペースの歩きもできなくなってしまう。
(蛇ヶ岳直下から。確かに船を引っくり返したような形ではある。それよりも、ここが紅くなったらきれいだろうな)
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(蛇ヶ岳山頂。去年の八幡平にもこんな山頂があった)
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振り返ると、船形山はやはり船をひっくり返したような形をしている。荒船山を想い出した。あんなゴツゴツした山ではない女性的でなだらかな山だ。だが、後で調べると、この山、船の形というわけではなく、船形権現信仰から由来する山名らしく(とはいっても、自分にはどういった信仰なのかよくわからない)、山形側からは御所山と呼ばれているようだ。
あっけないピークらしくない蛇ヶ岳山頂。標識がなければわからない。図根点が置かれている。C氏もこんなところに長居は不要と、さっさと下ったのか姿はすでにない。回り込んだ先には泉ヶ岳まで13.5km、そして「草原をへて升沢へ至る 6.0km」の分岐標識が現れる。この「草原」というのは何なのか。「ソウゲン」と「クサハラ」ではイメージが違ってくる。昭文社マップには、この区間に「イワカガミ」と記されている。
(分岐。右は泉ヶ岳方面。ここは左に折れて下る)
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(なんだ。こんな道かよ)
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視界が消え、また早々に樹林帯に戻るのかとがっかりしたが、ヤブを越えると、湿地帯のような世界が広がっていた。渡された木道は腐っていて、あてにはならない。靴を濡らさないように歩いても、たちまちに泥んこになった。前方に人影が見えた。C氏だ。彼もここの歩行に苦労しているようだ。立ち休みして間を取る。こちらなりの気遣いでもある(笑)。
(池塘というよりも池だか水溜まりが一つあった)
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次第に「クサハラっぽいソウゲン」に近づいている。感じの良いスポットだがここもまた暑い。風通しが悪い。靴の中に入った泥を取ろうと、靴を脱いだ瞬間に足が攣り出した。休憩にしよう。漢方を飲んで一服。ついでに塩アメ。また汗みどろの状態に戻ってしまっている。いつも着て歩いている快適に汗を放出するシャツは先日の足尾の山で穴だらけになり、今日はユニクロ製を着ているが、このシャツは汗を中に閉じ込めてしまい、その分、下着に汗を溜め込んでしまう。この暑い時期にはまったく不適なシャツだ。せめてトレパンの外に裾を出したいが、そうなると、腹で押さえている熊除けスプレーがダラリとなってしまう。ポケットは満杯だ。このまま我慢するしかない。クマが現れないという保証がないのだから。手拭いは2本ともにグッショリで、とうとうザックの中からタオルを取り出してメガネを拭いている。
(まぁ、ソウゲンだろうね)
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(いい感じ)
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(さっきからちらちら見えた山は千本松山かと思う)
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(途中で見た花)
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ソウゲン風になってきた。正面に見える山は千本松山だろう。このままの歩きを続けたいが、間もなく終わって樹林帯の中の歩きになる。イワカガミに注意しながら歩いて来たが、目に付いたのは白と黄色の小さな花だけだった。青年が登って来た。12時半をすでに過ぎている。山頂の避難小屋にでも泊まるのだろうか。それもいいだろうな。
(瓶石沢に出てしまった。これから先が長いだろう)
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再び泥の道になって「瓶石沢」の標識に出た。ここで升沢コースに合流だ。振り出しに戻った感じがする。
気分的にも長い、長い下りになった。もう風通しも悪くなっている。下るだけとはいっても、ちょっとした登りになっているところもあって、かなり疲れるし、地味な緩い登りと思っていた往路も、この復路では急になった感じすらする。
(往路で一回歩いただけなのに、標識は見飽きた感じがする)
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後で損をした感じになるが、マップを見ると「石の堂」というのが記されている。一般道歩きだったためあまり地図は見なかった。当然、「石の堂」には気づいていない。標識もなかったようだ。あれば気になる。その「石の堂」は登山道からちょっとヤブ入りしたところにあるようで、岩に薬師如来が彫られているらしい。この摩崖仏見学をし損なったことだけは今回の失敗だった。
大滝コースの分岐で休もうとしたが、二人連れが休んでいた。山頂では見かけなかったから、これから登るのか。何だか冷えたスイカを食べているようで、生唾が出てしまった。
⑮の先で休憩。以降、だれとも出会うことはなく、10分以上の休憩を繰り返した。退屈しのぎにまた改めて番号札を確認して行く気にもなれない。ただ、数字が大きくなるに連れ、ほっとする状態になってきた。ことに⑳を過ぎてからは。
(先に見えている黒っぽい路面。これが泥濘。ところどころにあってうんざりする)
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(かなり惰性の歩きになっている)
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(往路で確認できなかった㉙標識)
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(ようやく林道が見えた)
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往路で見そこなっていた㉙を確認。ようやく終わりだと思っているうちに下に駐車場が見えてきてほっとした。とにかく長い升沢コースだった。泉ヶ岳からのピストンも考えなかったわけではなかったが、往復16、17kmでこれではなぁ。駐車場から車のエンジン音が聞こえた。きっとC氏が帰るところなのだろう。
(疲れ果てて駐車場到着。ここまでは県道になっているようだ)
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10台ほど駐まった駐車場に着くと、まっすぐにトイレに向かった。とにかくケツの穴からボラギのぬめりを拭い去りたかった。幸いにも、女性トイレにはペーパーがなかったが(つまり、間違えて女性用に入ってしまった)、男性トイレにはあった。そして水洗。これでは、下流では水も飲めないな。
ケツ部がすっきりしたところで、蛇口で頭をじか洗い。ノーシャンプー。そして手拭い2枚に水を浸して全身を拭いた。下着を取り替えたところで人心地が付いたが、汗は依然として噴き出ているし、着ていたものはすべて汗でズシリと重かった。そのままビニール袋に入れ、臭いが車内にあふれないようにきつく縛った。靴は泥んこのままだ。
車のエンジンをかけ、エアコンを強くしてしばらく涼んだ。その間に4人ほど下山して来たか。隣の千葉県ナンバーの二人も戻って来てうろうろしている。車の形からして、これからまたどこかの山にでも向かうのだろう。見た目の年齢からして相当に元気だねぇ。ところでここの旗坂キャンプ場はどこにあったのだろう。駐車場とトイレはわかったが、キャンプ場の管理所らしき建屋は見なかった記憶だが。
温泉にでも寄りたかったが、途中見かけた温泉マークは一軒だけで、それも見るからに風呂が狭そうな感じがしてパス。そのまま娘のアパートに向かった。
町に近づくと30℃超えの気温になっていて、決して涼しいものではない。コンビニに寄って、買った濃い茶をがぶ飲みしても足りなかった。
娘のアパートには亭主がいなかった。同窓会の飲み会で出かけたそうだ(帰って来たのは夜中の3時だったらしい)。カレーを食べたいと言うと、買い出しに連れて行かされた。戻ってようやく風呂に入ったところで牛タンをつまみにチューハイに氷を入れて飲む。これもまたがぶ飲みだった。亭主がいなけりゃいないで他人がいないことだから勝手もできるし、ムダな会話をせずにくつろげるというもの。
食後は孫の風呂入れをさせられ、「西郷どん」を見て、布団に寝そべって孫と遊んでいたら、そのまま寝てしまった。
翌日の帰り、できるだけ午前中に家に着きたいと、7時半にアパートを出る。東北道では2件の事故渋滞があった。1時間ほどのロス。運転しながらずっとサザンの『戦う戦士(もの)たちへ愛を込めて』を繰り返し聴いていた。先日観た『空飛ぶタイヤ』のテーマソングがこれで、お気に入りだったのでネットでダウンロードした。何度聴いても日本語がしかとわからないところが多かったが、カラオケにでも行けば、こんな歌詞だったのかと思いながらスムーズに唄えはするだろう。ちなみに、映画そのものは、原作の池井戸潤の小説は食わず嫌いで読んだことがなく、あまり期待はしていなかったが、自分にはお薦めの映画だった。
自宅に戻ったのは1時過ぎ。何だこのクソ暑さ。車載の温度計は39℃を示していた。結局、家に帰って洗濯をすると何もやる気も起きず、エアコンを効かせて昼から飲んでしまった。
(今回の軌跡)
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「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」
参考までに→http://blog.livedoor.jp/yamasone/archives/1061504689.html
旗坂キャンプ場駐車場(6:30)……鳴清水(7:40)……三光の宮(8:35)……大滝コース合流(8:40)……鳥居(9:00)…升沢小屋(9:23)……千畳敷分岐(10:35)……船形山(10:53~11:26)……千畳敷分岐(11:37)……蛇ヶ岳(12:13)……瓶石沢・合流(12:45)……駐車場(14:30)
宮城の山までわざわざ出向いたのは他でもない。孫の顔を見たかっただけのことで、船形山はついでにと旅程に入れ込んだだけの話だ。泉ヶ岳でもよかったが、群馬から出かけて泉ヶ岳では何となくもったいない。船形山は200名山らしい。行ったことはない。じゃ、それにしようと思って選んだ山で、紅葉は北東北の山と決めているから、南東北の山の情報はあまり詳しくはなかった。ところが、この山に行ってみると、かなり紅葉がきれいになる感じがしたので、帰ってからネットで調べると、やはり、紅葉が絶品の山となっている。どうも歩く時期を間違えてしまったようだ。
東北の山だし、少しは涼しいかなと期待もしていたが、それは甘かった。山歩きのブランクもあり、暑さにバテバテの歩きになってしまった。樹林の中にたまに通う風、山頂の強い風は心地良いものだったが、終始、汗だくの不快な歩きが続いた。紅葉の時期にまた改めてとなると、一般コースながらも「登山口から登り7.6km、4時間30分」ではどうも…と考えてしまう。
娘の嫁ぎ先は仙台市ではないが、隣接しているところなので以降はアバウトに仙台としておく。東日本大震災の時には津波がモロに押し寄せたところだ。現に、娘の亭主のジイチャン、バアチャンがともに亡くなっている。さて、その娘、愚かなことに、こちらの反対を押し切って先方の家に同居してしまった。それ見たことかと姑との確執が始まり、子供が生まれると加速度的になり、結局は最近になってアパート住まいになった。定職にも就いて子供は保育園。それがきわめて当たり前の結末だが、こちらにしてみれば、娘の住むアパートに気兼ねなく泊まれるというメリットにもなった。これまで嫁ぎ先の家に何回か行ったことはあるが、日帰りか夫婦して近くのビジネスホテルに泊まっていた。
せっかくの三連休だしと妻に誘いをかけると、こちらは町内会のお祭りのお札配りがあるとのこと。身体を使う方の雑用でもないからオレの出番でもない。一人で行くことになった。娘の亭主は酒飲みだ。妻がいなけりゃ気楽に飲める。とはいっても、もう限界をわきまえた飲み方しかできなくなっているからほどほどのものだ。
14日の土曜日の朝に出発。8時過ぎだったが、来月の盆を前にしての三連休の高速は渋滞することもなくスムーズに流れていた。アパートに着いたのは1時前。これが秋田の山間部だったらさらに4時間はプラスされる。
久しぶりに会った娘はいきなり「オトウサン、痔になったんだって~」と軽く聞いてきた。妻が余計な電話かメールを入れたようだ。ストレスなのか、確かに外イボになってしまっている。大菩薩以来だから7年ぶりの痔だ。同じ7月。痔は暑い頃になりやすいのか? 痛みはなく、車の運転も苦痛ではないが、ボラギノールを塗っている関係で肛門付近の感触はあまりよろしくなくヌルヌルだ。ただでさえ風通しの悪いところだ。このボラギノール、アオキで買った時は以前と違って、まったくためらいも恥じらいもなかった。むしろ、あり得ないことではあるが、この年でコンちゃんでも買ったら、レジのオバチャンの視線が気になってかなりの勇気がいるだろう。
肝心の孫は、こちらの存在に泣きはしないものの、不思議な顔で見ていて、記憶にもないようだ。一緒に遊んで、散歩して、風呂に入って、あとは娘の亭主と酒を飲み、暑さと疲れも手伝って早々に孫を隣にして寝てしまった。ベランダに出てタバコを吸い、ジイタン、ジイタンと探し回われたのは帰る日の朝になってからのことだった。
(旗坂キャンプ場駐車場)
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本題に入る。船形山、仙台から近いとはいっても、アパートからは高速を乗り継いで2時間近くかかった。県道区間も長かった。自宅から奥日光の山に行くような距離感覚だ。夜中に雨が降ったらしく、海岸沿いの仙台東部道路は深い霧に包まれていた。これで山歩けるのかなと気になったが、やはり二百名山の人気か、旗坂キャンプ場の駐車場には8台くらいの車があり、千葉県ナンバーの車から二人連れが出て行ったところだ。他のハイカーはとっくに出払っている。6時半とはいえ、自分の出発は遅い口のようだ。ガスが濃い。この旗坂とは別に大滝キャンプ場というのがあって、そこからだと船形山も楽勝らしいが、この先の林道は舗装もされていないし、昭文社マップには「一般車通行止」とある。別林道で行くと、かなりの距離になってしまうので、どうしてもこの「升沢コース」が選択肢になってしまう。
(林道に入って登山口。ここに㉚の標識が置かれている)
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さて、ここからどうやって行くのか。案内板を見てもわからない。さっきの二人連れはこっちに行ったようだったなと、そちらに行くと、林道に出て、すぐに<㉚>と記されたマークがあり、その脇に朽ちかけた案内板があった。「船形山登山道入口」。上には階段付きの歩道が続いている(階段はすぐに消えた)。マップにはここの標高が560mとあるから、単純に1000mは登らないといけない。始点が㉚なら、終点の山頂が①だろう。ということは、距離が7.6kmならと、携帯を出して計算する。等間隔なら、割る29で262m置きの標識ということか。こういう細かい数字の標識を見ながらの歩きもつらい。むしろ合目標識の方が数も少なくて励みになる。半分の⑮で果たしてどんな状況にあるのか。事前情報では、地味な登りがずっと続き、升沢小屋から先はえらく長い感じのする沢歩きとあった。念のため、沢靴も用意をしてみたが、沢靴に履き替えての登りをする人の情報はなく、すでにザックから沢靴は取り出している。むしろ、地下タビにするか迷ったが、登山靴にした。結果的にはこれで正解だった。正直のところ、せっかくだし、沢靴で歩いてみたいという気持ちがかなりあった。
余談だが、今回の虫除けはハッカ油を調合して作ってみた。ネットの記事を参考にエタノールと精製水を混ぜた。ハッカ油の分量が多過ぎたのか強い刺激臭がしたが、今回は出発時の一回だけのスプレーで済んだ。元から羽虫の少ないところなのだろうか。汗で早々にハッカ油の効果は失せているはずなのに、最後まで虫に寄り付かれることはなかった。むしろ、なぜかトンボがずっと付きまとってきたのには閉口した。
(結果として、こんな中の歩きがずっと続くことになる)
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事前情報通りに樹林の中の地味な登りが続く。周囲はブナの原生林になっている。急な登りはない。周囲のガスは切れず、先が見えないのもまた不気味なものがある。道は幅広のしっかりしたものだが、あちこちで泥濘になっていて歩行に気を遣う。登山靴はすぐに泥んこになった。ここで地下タビにしなくてよかったと思った。
標識が㉘になった。㉙の存在は気づかなかった。帰りにでも確認しておこう。この標識、律儀に山頂までナンバープレートを確認するつもりでいたが、最初からこんな状態だったし、途中で目にしてもさしてこだわりの感情も起きなくなってしまった。半分の⑮だけは意識にあり、それは気持ちの持ち方からだろう。「残り半分」と「まだ半分も歩いていない」のでは気分的にも大きな違いがある。
ガスが消えていき、たまに陽射しも入り込む。樹林帯の歩きは変わらないから、あくまでも先が見えないままだ。汗を相当にかき、シャツはびっしょりになった。ハッカの香りは消えてしまっている。またスプレーしようかなと思ったが、やはり百均で買ったレベルの容器だ。最初のスプレー時にボタボタと脇から落ちてきていた。あの不快感が嫌で、虫が寄ってきたらやることにしよう。泥濘は散発的に続く。改めて記すまでもなく、おそらくケツの穴の周辺もボラギと汗でドロドロの状態だろう。
(文章が長いわりに、ここで旗坂平。陽射しが出てきたが)
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(樹林帯の中はまだ霧のところもある)
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ほどなく「旗坂平」というところに出た。標識を見るとまだ800mしか歩いていない。標識では山頂まで6.7km。合計7.5mとなる。冒頭に記した7.6kmというのは、おそらく三光宮往復を加えた場合の距離だろう。この旗坂平だが、別に広くなった平地でもない。すぐ先に㉗標識がある。思い出したようにここでストックをダブルで出す。
(一群平の標識)
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(空身の単独A氏にさっとかわされる)
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再びガスが出てきて消えた。黙々の樹林帯の中の歩きは先がまったく読めない。この先に開けた中での歩きを期待できるのだろうか。確かに、そんな登山道では数字の標識が有効だろう。㉕を過ぎると「一群平」。ここにもまた「平」の字が出てきた。ここで後ろから来た単独A氏に抜かれる。あれっ、ザックはなく水筒だけの荷物だ。その時は、地元の方で、しょっちゅうここを往復しているのだろうなと思った。
(最初の休憩は水気もない鳴清水)
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やがて「鳴清水」というところに出た。ここに沢が通っているわけではないが、以前はあったのか。ここまで出発から1時間10分。樹の切り株が何本も置かれていたのでここで休憩をとる。ここには㉑の標識が置かれている。まだ1/3にも達していない。帰路でもまたここで休むことになる。何だかうんざりしてきた。こういうダラダラとした長い登りは意外に応える。どうせなら、急登の一発勝負で済ませたいもの。狭く覗いた空を見上げる。青空になっている。あれでは今日も暑くなりそうだ。樹林の中では直射日光にさらされないだけでもましというものか。チョコレートを食べ、タバコを吸い、つい10分以上も長居してしまった。気持ちの良い風も通っていたし。しかし、駐車場で見かけた二人連れをとっくにかわしていてもいい頃だが、それがない。今日のオレもかなりの鈍足になってしまっているようだ。これが普通になっている。ここのところそうだから、今さら気にもかけないであきらめの心境になっている。実際に場数をこなさなくなっているのだから。
ちょっとグズグズした岩場まじりを通ったが、何とか半分の⑮に至った。8時半か。「残り半分」の気分になった。ここまで来たら行かなきゃなるまいが、相変わらず先は樹林帯のまま。立ち休みをしていると単独B氏に抜かれた。もう後ろにはいまい。いたら先に行っていただくだけのこと。どうも身体が重い。汗も粘った感じのものになっている。トレパンの左右のポケットに入れた手拭い、右はすでに絞れるほどになり、左はメガネ拭きにしていたが、これもまた吸い込んだ汗でメガネが曇るようになってしまった。
(この標識を見て、左に登山道を外れて少し登る)
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(三光宮は岩場の小ピークといったところだった)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/5d/597cb490a8afe626eb4ff875a4203d09.jpg)
(三光宮の石碑)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/5b/a0ed3f745ac308d8b48433812d8183db.jpg)
(船形山方面。右のピークが船形山だろうか)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/b0/afd135133200eb40568b4753dc158a12.jpg)
倒れた標識に「三光宮入口」とある。距離は30m。樹林の景色にも飽きてきていたので立ち寄ることにした。岩場に出た。石碑が置かれている。それに描かれた太陽、月、星。なるほど、これが三つの光ということか。ガイドブックによれば、ここから船形山、三峰山、泉ヶ岳が見渡せ、遠くに松島、金華山も見えるとある。上空はようやく晴れ出したといった感じで、松島や泉ヶ岳は見えないが、船形山らしき山は見えている。まだまだ遠いわ。ここから見ても、先はずっと樹林帯だ。ただ、船形山がどう船の形になっているのだろうかと首を傾げる。
三光宮から下りかけると、登ってくる方がいる。あれっ、さっきのA氏じゃないの。待機してくれたA氏が言うには、ここから20~30分ほど先に白木の鳥居ができたというので、今日はそれを見に来たのだそうだ。以前にも倒れた鳥居があったとか。ということは、船形山山頂には神社でもあるのか。いずれにせよ、やはりA氏はここによく通っていらっしゃるようで、「今日は暑くなりそうですから注意して行ってください」とアドバイスを受けて別れた。オレが危なそうな感じにでも見えたのだろうか。
(写真では右から来た。左からの登りが大滝キャンプ場からのコース)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/79/437dc92039559f15dc6616af1a61e467.jpg)
(突如として現れた大鳥居)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/a9/a512460750ade57b6765fb1c65ac6006.jpg)
(ササヤブの中に⑪の標識)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/74/db4d1325895792fa1ebd41df797954d4.jpg)
少し下り調子も加わるようになり、大滝キャンプ場からのコースに合流した。そして標高1240mあたりのところにその白木の鳥居があった。柱には、建立は先月、黒川森林組合と奉納・船形山山岳会とある。元の鳥居の残骸はないのか探したが、撤去されたのかそれらしきものは見あたらない。その先に、ササに隠れた⑪の標識があった。コースの標識、上からでも下からでも見えるようになっていて、つまりは2枚組なのだが、この落ちた⑪も2枚合わせて置かれている。
涸れた沢を通過。この先に左から下って来る道があって、そこには「瓶石沢」の標識も置かれていたはずなのだが、往路時で撮った写真にはそれがない。つまりは気づいていないわけで、かなり無気力な歩きになっていたのではないだろうか。下りはその道を使って瓶石沢標識に出た。この付近で下山者に会う。2人組と単独。時間からして鳥居目的ではあるまい。山頂の小屋に泊まってご来光かと思う。
(升沢小屋。ようやく空が出てきたといった感じだ。この先の標識にはただ「山小屋」とだけあった)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/50/07c7b2af5d356e92dab34f853a16cf2e.jpg)
(ちなみに小屋の中)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/78/a176543efeeb448736d560762f28719d.jpg)
(案内図板)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/81/b3d1e772bd9ef03709ac70c649c4345a.jpg)
升沢小屋に到着。さも東北の山の避難小屋といった風情で、比較的に新しい。中に入ってみた。熱気でむっとしたが、きれいに管理され、トイレもまたドッポンであるのは無論だが清潔で、トイレットペーパーまで袋に入っている。ここに泊まるのは快適だろう。
小屋から先は空の面積も広がったが、依然として船形山山頂らしきピークをとらえることはできない。ここからうんざりした長い沢歩きになるという。案内図を見る。距離が記されたコース案内図だが、この距離が1メートル単位まで記されていて、後で撮った写真を計算すると、キャンプ場から山頂までは7,489mとなる。ちなみにここから山頂までは1,669mで、標識には1.7kmとあった。
(沢に入る。これがコース名由来の升沢かと思う)
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(樹林帯と違って空が出ている分、かなり暑くなっている)
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沢の水量はごく普通。その辺の沢の水量で、小滝を期待できるレベルではない。ここで、持参の水の半分近くを捨ててしまった。というのは、どうせここを下りで使うだろうし、なくなったら、ここで汲めばいいだろうと思ってのことだが、持参水はペットボトル2本の計2ℓ。まだ200㎖も飲んでいず、使ったペットボトル1本分の水を空けてしまった。この後に沢歩きになるが、ふと、そういえばと思い出し、結局、沢で水を汲み直し、ザックの重さを水を捨てる以前よりも重くしてしまった。この沢を下るのではなく、別ルートで下れることを思い出したからだ。沢の水はぬるかった。この先にキツネはいないだろう。ぬるくて良かった。冷たかったらゴクゴクと飲んでしまい、エキノコックスもさらに身近なものになる。
沢はちょっと紛らわしかった。分岐もある。ここを行っていいのだろうかと思うところもある。テープが頼りだ。水に濡れることはなく、ほとんど石伝いだ。沢靴の履き替えで悩んだのが滑稽だった。先行で歩いた人、具体的にはB氏ということになろうが、石の上に濡れた足跡がないのが気にはなる。倒れた⑨標識を見る。ようやく一桁数字になった。
(汗で汚れ切った手拭いをここで洗って顔を拭く。さしてすっきりとはしなかった)
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(そろそろヤブの中に沢という状況になる)
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すでに樹林帯からは抜け出している。周囲は疎らな灌木の間にヤブの組み合わせになった。陽射しが強くなり、確かにこれではやたらと長く感じもするだろう。沢自体に変化がない。ヨイショッとするところもない。ただ、梅雨時や雪解け時には水量もあるのか、ナメ滝調の黒ずんだ痕跡も確認できる。次第に水は少なくなり、水たまりで右ポケットの手拭いを洗い、顔を拭いて首に巻く。そして、左ポケットの手拭いを右に移動する。首巻きはいずれ乾いたら左ポケットに戻ることになる。
(水は消え、ただの窪みになった)
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(そして、ただの登山道になった)
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上に三角の山が見え出し、1370m付近で水流は消えた。視界が良くなると、一気に暑くなった。ただ、程よい風が流れている。ヤブの中に④標識が転がっている。このあたりから、この山は紅葉がきれいだろうなと思うようになっていた。
(一休みして左手・南側の山並みを眺めている)
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(さらにその先は雲海になっている。泉ヶ岳方面だろう)
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③を確認して休憩。沢からは離れた。塩アメを2個、口に入れる。かなりの汗をかき、空腹なのに食欲がまったくない。水を飲んで一服したら、ようやく落ち着いた。さて出発するかと思ったら、下からゴソゴソ上がって来た単独C氏。こうなったら先に行ってもらいましょう。だが、そのC氏もまたここに腰をおろしてしまった。船形山には40年前に来たことがあるそうだ。神社と避難小屋があったとか。出発は7時で、こちらよりも30分も遅い。出発直後に何人か抜き、あとはここまで誰とも会わなかったとのこと。健脚なのか普通なのか今の自分にはわからない。
C氏は小休止後に出発。引き続き間を取るべく一服してこちらも出発。15分ほどの休憩になってしまった。C氏の上半身が緑の中から見えている。ここでふと、ストック先が石にぶつかる音が金属的になっているのに気づき、ストックを見ると、両方ともに先端ゴムのキャップが取れていた。いつも思うが、キャップは決して安くはない。どのメーカーも、わざと取れやすくした構造にしているような気がしてならない。まぁ、それはそれでメーカー側の収支面での都合もあることなのだろう。
(先に進む)
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(千畳敷の分岐。左から登って来た。帰路は右に行く)
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相変わらずになだらかなまま。ただ、標高1500mの山なのに高山風な植生があって、ハイマツでもないのだが、ハイマツモドキのやや高いマツの群集が見られる。何というのかは知らない。まさかハイヤーマツとは言うまい。とにかく雰囲気は良い。
(しつこいか。つい振り返る。この辺が紅葉になったら素晴らしいだろうな)
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(樹林帯の中の延々とした歩きの景色ははころっと変わった。船形山がようやく見えてきた。写真では出ていないが、この辺が千畳敷というのだろう)
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千畳敷。ここが、このまま沢を下らずともに迂回して元コースに戻れる分岐だった。帰りはここから蛇ヶ岳経由になる。振り返る。これなら間違いなく紅葉は絶品だろうなといった景色が広がっている。おそらく、この目の前の緑は真っ赤になるだろう。
直進で船形山と思っていたが、右手前方に避難小屋と露岩が見えてくる。あそこが船形山の山頂のようだ。こちら側の山腹もまた一面に紅葉だろうな。やはり、この時期に来る山ではなかったみたい。ここに至って後悔してもはじまらない。紅葉は予定通りに八幡平周辺ということにしておこう。
(やはり振り返る。東北的ななだらかな山容が続いている。中のピークは後髭山だろうか。帰路に立ち寄る蛇ヶ岳も見えているわけだが、わからん)
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トンボがやたらと飛んでいる。オレに群がって来るように思えるのは思い過ごしというものか。おかしなことを思い出した。仕事関係の集いでオバチャンから聞いた話だ。地元の樹々には随分とカブトムシが集まるそうだが、カブトムシはカラスの好物になっていて、メスは丸ごと飲み込むが、オスには角があって、それがノドに引っかかるので、カラスはオスの頭部だけは下に落とすそうだ。へェー、そんなものかと思い、自分のいた桜の樹の下を見ると、まさにクワガタの角だけが残った残骸が2個あった。これもまた気づいていなが深慮もしなかった知識だ。
(②の標識)
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(ハイマツのような回廊を行く)
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(こんな視界が広がっている)
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(そして、こんな花が一面にあった)
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②標識が倒れている。ここは船形山の肩といったところだろう。風が強くて気持ちが良い。展望も抜群。おそらく自分は北西側を向いて歩いている。ボコボコした山並みが正面に見えている。その奥に月山やら鳥海山があるのかもしれない。勝手違いな南東北の山からの展望の特定はできない。白い花びらを広げた花がやたらとある。そして飛び交うトンボ。
(山頂まではほぼ水平になった)
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(山形ルートを合わせる)
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(もうすぐそこ。C氏の姿が見える)
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(直下の神社)
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(そして、山頂の避難小屋。これは2階建てのようだ)
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山頂まではほぼ水平になった。先を歩くC氏の姿が見えている。観音寺コースという山形側からコースが左から合流する。山頂はもうすぐそこだ。左に小さな社がある。まずはそこに参拝。これが神社だろう。船形山神社とでも言うのか。やはり①標識があった。
(船形山山頂)
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(三角点)
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山頂には10人ほどいるだろうか。入れ違いに単独B氏が下山して行った。出発時に見かけた二人連れの姿も見える。セントバーナードらしき犬を連れて歩いて来た女性ハイカーもいる。犬がいてもまったく違和感のない風景だ。これがパグだったらどうなのか。展望も含めてなかなかの山頂だ。樹林帯と長い沢歩きをしたせいか、こんな素晴らしい高台にようやく飛び出せたといった感もある。帽子を押さえるほどの強い風が気持ち良い。
(山頂から1)
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(山頂から2)
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(山頂から3)
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展望を眺めていたら空腹感がようやく出てきた。おにぎりを2個食べる。食後の一服に時間をかける。ターボライターだし着火に問題はない。まして風があるから煙も素早く流れていく。やはり思う。ここは紅葉がきれいだろうなって。大の字になって寝ころんだ。飛ばされそうな帽子を脱いで頭に巻いた濡れ手拭いも、汗みずくのシャツも乾いた。これもまたいずれ元に戻るが。
ハイカーがあちこちからのルートで登って来る。数はたかが知れている。山頂が混みあうことはない。わがままで自分勝手なGB隊もいない。下山前に避難小屋の中でも見て行こうかと小屋に向かおうとしたら、オバチャンがトイレでも使うのか先行されたので、小屋覗きはやめにした。
(下りにかかる)
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(振り返る。山小屋の目立つ山頂だ)
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(次第に遠ざかる。C氏の姿が入っている)
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そろそろ下るか。何度も振り返っては写真を撮る。良い展望の山だった。紅葉目的なら山形側からのルートが時間的にたっぷり堪能できるような気がする。
C氏も下山しかけている。C氏はどこを下るのか。この沢は下るのは嫌だと言っていたので、こんなルートがありますよと、紹介だけはしておいた。オレはこの先から蛇ヶ岳経由で升沢コースに復帰するつもりでいる。
(蛇ヶ岳に向かっている)
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(振り返りの船形山は右端に遠のいた)
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千畳敷分岐から蛇ヶ岳に向かう。先にその蛇ヶ岳が見えているはずだろうが、どのピークか特定はできない。船形山よりもちょうど100m標高が低い山だ。稜線伝いにこのまま長倉尾根を下ると泉ヶ岳に出られるようになっているようだ。さらに奥には蔵王も見えるはずだが、あいにくそちら方面には雲がかかっている。
(C氏に先行を譲る)
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ヤブの中の明瞭な道をずっと行く。船形山からはどんどん離れていく。不安になってきた。GPSを見るとルートは合っている。ほっとする。どうも目の前のなだらかな尾根に出てさらに奥に行くようだ。GPSの電池交換をしていると、C氏がやって来た。彼も不安だったらしい。GPSで確認すると、あのピークが蛇ヶ岳のようだから、もうちょっとです。升沢コースに出るには、蛇ヶ岳を回り込んですぐのところに分岐があると思いますよと教える。実はここでグズグズしていたのも、彼に先行してもらいたかったからで、気持ちが狭量だから、後ろに付かれると自分ペースの歩きもできなくなってしまう。
(蛇ヶ岳直下から。確かに船を引っくり返したような形ではある。それよりも、ここが紅くなったらきれいだろうな)
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(蛇ヶ岳山頂。去年の八幡平にもこんな山頂があった)
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振り返ると、船形山はやはり船をひっくり返したような形をしている。荒船山を想い出した。あんなゴツゴツした山ではない女性的でなだらかな山だ。だが、後で調べると、この山、船の形というわけではなく、船形権現信仰から由来する山名らしく(とはいっても、自分にはどういった信仰なのかよくわからない)、山形側からは御所山と呼ばれているようだ。
あっけないピークらしくない蛇ヶ岳山頂。標識がなければわからない。図根点が置かれている。C氏もこんなところに長居は不要と、さっさと下ったのか姿はすでにない。回り込んだ先には泉ヶ岳まで13.5km、そして「草原をへて升沢へ至る 6.0km」の分岐標識が現れる。この「草原」というのは何なのか。「ソウゲン」と「クサハラ」ではイメージが違ってくる。昭文社マップには、この区間に「イワカガミ」と記されている。
(分岐。右は泉ヶ岳方面。ここは左に折れて下る)
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(なんだ。こんな道かよ)
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視界が消え、また早々に樹林帯に戻るのかとがっかりしたが、ヤブを越えると、湿地帯のような世界が広がっていた。渡された木道は腐っていて、あてにはならない。靴を濡らさないように歩いても、たちまちに泥んこになった。前方に人影が見えた。C氏だ。彼もここの歩行に苦労しているようだ。立ち休みして間を取る。こちらなりの気遣いでもある(笑)。
(池塘というよりも池だか水溜まりが一つあった)
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次第に「クサハラっぽいソウゲン」に近づいている。感じの良いスポットだがここもまた暑い。風通しが悪い。靴の中に入った泥を取ろうと、靴を脱いだ瞬間に足が攣り出した。休憩にしよう。漢方を飲んで一服。ついでに塩アメ。また汗みどろの状態に戻ってしまっている。いつも着て歩いている快適に汗を放出するシャツは先日の足尾の山で穴だらけになり、今日はユニクロ製を着ているが、このシャツは汗を中に閉じ込めてしまい、その分、下着に汗を溜め込んでしまう。この暑い時期にはまったく不適なシャツだ。せめてトレパンの外に裾を出したいが、そうなると、腹で押さえている熊除けスプレーがダラリとなってしまう。ポケットは満杯だ。このまま我慢するしかない。クマが現れないという保証がないのだから。手拭いは2本ともにグッショリで、とうとうザックの中からタオルを取り出してメガネを拭いている。
(まぁ、ソウゲンだろうね)
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(いい感じ)
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(さっきからちらちら見えた山は千本松山かと思う)
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(途中で見た花)
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ソウゲン風になってきた。正面に見える山は千本松山だろう。このままの歩きを続けたいが、間もなく終わって樹林帯の中の歩きになる。イワカガミに注意しながら歩いて来たが、目に付いたのは白と黄色の小さな花だけだった。青年が登って来た。12時半をすでに過ぎている。山頂の避難小屋にでも泊まるのだろうか。それもいいだろうな。
(瓶石沢に出てしまった。これから先が長いだろう)
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再び泥の道になって「瓶石沢」の標識に出た。ここで升沢コースに合流だ。振り出しに戻った感じがする。
気分的にも長い、長い下りになった。もう風通しも悪くなっている。下るだけとはいっても、ちょっとした登りになっているところもあって、かなり疲れるし、地味な緩い登りと思っていた往路も、この復路では急になった感じすらする。
(往路で一回歩いただけなのに、標識は見飽きた感じがする)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/ce/585f149f1c4005aedbd645cace3046a2.jpg)
後で損をした感じになるが、マップを見ると「石の堂」というのが記されている。一般道歩きだったためあまり地図は見なかった。当然、「石の堂」には気づいていない。標識もなかったようだ。あれば気になる。その「石の堂」は登山道からちょっとヤブ入りしたところにあるようで、岩に薬師如来が彫られているらしい。この摩崖仏見学をし損なったことだけは今回の失敗だった。
大滝コースの分岐で休もうとしたが、二人連れが休んでいた。山頂では見かけなかったから、これから登るのか。何だか冷えたスイカを食べているようで、生唾が出てしまった。
⑮の先で休憩。以降、だれとも出会うことはなく、10分以上の休憩を繰り返した。退屈しのぎにまた改めて番号札を確認して行く気にもなれない。ただ、数字が大きくなるに連れ、ほっとする状態になってきた。ことに⑳を過ぎてからは。
(先に見えている黒っぽい路面。これが泥濘。ところどころにあってうんざりする)
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(かなり惰性の歩きになっている)
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(往路で確認できなかった㉙標識)
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(ようやく林道が見えた)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/1a/4f83159fb0bfbdb863458ac21e1bfda2.jpg)
往路で見そこなっていた㉙を確認。ようやく終わりだと思っているうちに下に駐車場が見えてきてほっとした。とにかく長い升沢コースだった。泉ヶ岳からのピストンも考えなかったわけではなかったが、往復16、17kmでこれではなぁ。駐車場から車のエンジン音が聞こえた。きっとC氏が帰るところなのだろう。
(疲れ果てて駐車場到着。ここまでは県道になっているようだ)
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10台ほど駐まった駐車場に着くと、まっすぐにトイレに向かった。とにかくケツの穴からボラギのぬめりを拭い去りたかった。幸いにも、女性トイレにはペーパーがなかったが(つまり、間違えて女性用に入ってしまった)、男性トイレにはあった。そして水洗。これでは、下流では水も飲めないな。
ケツ部がすっきりしたところで、蛇口で頭をじか洗い。ノーシャンプー。そして手拭い2枚に水を浸して全身を拭いた。下着を取り替えたところで人心地が付いたが、汗は依然として噴き出ているし、着ていたものはすべて汗でズシリと重かった。そのままビニール袋に入れ、臭いが車内にあふれないようにきつく縛った。靴は泥んこのままだ。
車のエンジンをかけ、エアコンを強くしてしばらく涼んだ。その間に4人ほど下山して来たか。隣の千葉県ナンバーの二人も戻って来てうろうろしている。車の形からして、これからまたどこかの山にでも向かうのだろう。見た目の年齢からして相当に元気だねぇ。ところでここの旗坂キャンプ場はどこにあったのだろう。駐車場とトイレはわかったが、キャンプ場の管理所らしき建屋は見なかった記憶だが。
温泉にでも寄りたかったが、途中見かけた温泉マークは一軒だけで、それも見るからに風呂が狭そうな感じがしてパス。そのまま娘のアパートに向かった。
町に近づくと30℃超えの気温になっていて、決して涼しいものではない。コンビニに寄って、買った濃い茶をがぶ飲みしても足りなかった。
娘のアパートには亭主がいなかった。同窓会の飲み会で出かけたそうだ(帰って来たのは夜中の3時だったらしい)。カレーを食べたいと言うと、買い出しに連れて行かされた。戻ってようやく風呂に入ったところで牛タンをつまみにチューハイに氷を入れて飲む。これもまたがぶ飲みだった。亭主がいなけりゃいないで他人がいないことだから勝手もできるし、ムダな会話をせずにくつろげるというもの。
食後は孫の風呂入れをさせられ、「西郷どん」を見て、布団に寝そべって孫と遊んでいたら、そのまま寝てしまった。
翌日の帰り、できるだけ午前中に家に着きたいと、7時半にアパートを出る。東北道では2件の事故渋滞があった。1時間ほどのロス。運転しながらずっとサザンの『戦う戦士(もの)たちへ愛を込めて』を繰り返し聴いていた。先日観た『空飛ぶタイヤ』のテーマソングがこれで、お気に入りだったのでネットでダウンロードした。何度聴いても日本語がしかとわからないところが多かったが、カラオケにでも行けば、こんな歌詞だったのかと思いながらスムーズに唄えはするだろう。ちなみに、映画そのものは、原作の池井戸潤の小説は食わず嫌いで読んだことがなく、あまり期待はしていなかったが、自分にはお薦めの映画だった。
自宅に戻ったのは1時過ぎ。何だこのクソ暑さ。車載の温度計は39℃を示していた。結局、家に帰って洗濯をすると何もやる気も起きず、エアコンを効かせて昼から飲んでしまった。
(今回の軌跡)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/e3/39d1b4355a1d1083605466da949abadc.jpg)
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「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」
参考までに→http://blog.livedoor.jp/yamasone/archives/1061504689.html
それはさておき船形山,その名前を聞いてそう言えばと,久々に,御宝前大滝と色麻大滝のことを思い出しましたヨ。
ちなみに,御宝前大滝は,山形県側の層雲峡ルートの途中にある滝で,落差50mの大滝。沢自体がルートになっているので,暑い夏はお勧めだと思います。
一方,色麻大滝は,宮城県側の大滝キャンプ場近く(大滝コース)にある41mの名瀑。ただ,何年か前に,キャンプ場手前7kmから通行止めになっていて,この記事を読むまで,スッカリ忘れていました。
でまぁ,こういってはなんですが,いずれ紅葉の時季に登られるようですし。それに,長い林道歩きも苦にならないなら,紅葉の色麻大滝と船形山を楽しまれてはいかがですかネ。
お疲れ様でしたー。↑同じく層雲峡からのルートを期待してしまいました。以前から行ってみたい候補ですので、気になっておりますがいかんせん、遠いので行かなきゃならないという気力が自分には必要ですね。たそがれさんの秋記事でモチベがあがると信じて(笑)
ロングとはいっても、自分の足にはロングでも、他の方には通常のコース歩きでしょう。休憩もかなりとりましたしね。
暑い中の歩きは、あまり身体に良くはないというのが実感ですよ。
色麻大滝、当初は大滝コースから船形山に登って、帰りがけにそれを見る算段もしていたのですが、升沢コースに比べて時間もあっさりのようで、物足りない感じがしてそちらはやめたのです。通行止めの林道を通らずに、別林道で行けるはずです。現に、大滝コースで登る人もいましたから。
御宝前大滝ですか。地図を見て、今知りました。50mとは巨瀑ですね。でも層雲峡コースは破線ルートになっていて、果たして自分に歩けるかどうか。課題にはしておきますよ。でも、今はとてもそんな気にはなりませんね。
紅葉は北東北でと思っていますが、その時期に気分が乗れば、こちらを候補にしてもいいのですが、微妙なところですね。今は暑さ続きで、山のことはあまり考えたくない心境なものですから。
そうですか。層雲峡コース、やはりみー猫さんも歩いてみたいコースですか。魅力があるのでしょうね。
別に自分には「行かなきゃならない」コースでもないですが、紅葉の時期に気が向いたら、わざわざ北東北に行かずとも、この辺の紅葉を楽しむのもいいかなとは思っています。
まぁ、猛暑が終わってから考えてみますよ。