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◎2024年12月20日(金)
清水寺前駐車場(9:43)……東の破線路入口(9:53)……晃石山(10:37)……青入山(10:55)……桜峠(11:06)……馬不入山(11:36)……踏み跡下り(11:55)……林道歩き(12:04)……円仁様史跡(12:24)……桜峠(13:03)……清水寺(13:24)
あじさい林道と大平アルプス間の破線路歩きを早いとこ済ませておきたかった。16日に完了の予定が、おかしな歩きをして一本残していた。残ったのは、林道の途中から晃石山に向かう東端の破線路、大中寺から北西に登る破線路はすでに何度か歩いている。気になって仕方がない。終わらせてしまわないと、他の山に目を向けられない。取るに足りない歩きだが、やってしまうと、つまらぬこだわりになってしまった。以前、足尾の山にうつつを抜かしている時には、破線路もないようなところばかりを半端なく歩いていた。それに比べれば園児の遠足レベルのようなものかもしれない。時期的に、ふと「年の瀬」という言葉を思い出した。
今回は欲は出すまいと思ったが、前回の帰り道で、岩舟ゆかりらしい円仁の史跡の看板を見てしまい、その時は、すでに気力がなくなっていたので、寄り道もしなかったが、せめてそこだけは見ておきたい。大明神山にはもう登っている。となると、桜峠からの往復でも済むが、それではつまらなさそうで、せめて馬不入山経由で行ってみようか。その程度の歩きなら欲とはいえない普通の歩きだ。ただ、桜峠に着いた時点でバテていたら、無しにする。あくまでも破線路優先だ。
(清水寺からあじさい林道を歩いて大中寺方面へ)
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(破線路の入口)
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清水寺駐車場から林道を大中寺方面に歩いて行くと、反対方向からジイちゃんがやって来た。このジイちゃんをこれまでも何度か見ている。決まってこの林道だ。6日に大中寺から清水寺に向かっている時にも林道で追い越している。歩きはとにかく遅い方だ。最初のうちは散歩かなと思っていたが、今日は、この方を帰路の桜峠でまた見かけた。その件は後回しにする。10分ほどで破線路の登り口に着いた。
(ゆったりした感じの良い道が続いている)
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(右斜面のあのレールが気になった)
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(小沢。何で紙垂があるのだろう。もしかすると、かつては晃石神社への参拝道だったのだろうか)
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しっかりした道が続いていた。緩い登り。沢に沿っているらしく、パイプから流れ落ちる水を見かけた。右手上には、レールが並行して続いている。何のレールかはわからない。興味はあったが、先のことを考えれば、少しでも体力を消耗したくなく、わざわざ見には行かなかった。このレールも、そのうちに終点だったのか、別方向に行ったのか、沢を渉ったあたりで視界からは消えていた。
ここの破線路もまた、下の等高線は広く、上部は狭いが、実際は、沢から離れて尾根に乗る前あたりから急になり、中盤以降ではクネクネ道になる。前回の青入山への破線路と同じで岩混じりではないが、周囲は広葉樹ではなく、ヒノキ林が続く。そのため、落葉フカフカではない。下り使用とするなら、この破線路が滑りの危険は少ないかと思うが、つんのめる危険性はあるだろう。下って来る方五人ほどと行き会った。利用頻度としては、アクセス的にもこの破線路が一番利用しやすいかもしれない。ただ、あくまでも下り使用の場合であって、上り使用としては自分だけだったから何とも断定はできない。
(沢から離れる。このあたりから急になってくる)
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(不思議な柄付きの石)
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(平たい石の上にも、こんな模様が)
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自分の推測だけが先走った。元に戻す。沢から離れると、大石をいくつか見かけ、いずれも不思議な文様の刻みがあった。わかりやすくいえば、地図の等高線のように見え、素人感覚で蛇紋岩かなと思ったりもしたが、どうもそんな石ではない。いったい、どういった自然の造形なのだろうか。そちら方面にも詳しくはない。
(明瞭な道は続く)
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(何とか持ちこたえている)
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(きついクネクネ道)
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(見下ろす)
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(石祠があったが、屋根部分が神様ではない)
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感心しながら登って行くと急斜面になり、道はクネクネとなった。何でこんなところにと思うようなところにトラロープが張られていたりする。結構、きつい。一時的に少しおさまったところに石祠があった。見上げれば、まだ急な上りは続いている。石祠の文字は解読できなかったが、「山神●社」とは読めた。真っ白な紙垂が置かれていたから、いまだに地元の方の信仰はあるようだ。
(急な登りは続いている)
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(もう少しだ)
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(清水寺からの東側破線路に合流して)
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(晃石神社。破線路歩きはこれで完了。体調が良かったのか、きつかったわりに疲労感はあまりなかった)
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また急登になった。単独さんが下って来た。続いてまた単独さん。そろそろ晃石神社かなと思ったところで三人グループ。この破線路に入ってから、絶えず見下ろしてはいたが、上りの後続者はいない。前述のジイちゃんとは登り口で出会ったが、ここを登って来る姿はない。最も、自分よりもかなり遅速だから、ここを登ったとして姿が見えなくとも不思議ではない。
左から清水寺からの破線路が合流し、鳥居をくぐれば晃石神社到着。10時30分。破線路入口からは37分だった。青入山も含めた三本の破線路ともに、稜線に出るまでの時間はほぼ同じ。標高差的には、青入山直登が30mほど少ないか。
神社には珍しくだれもいなかったが、青入山方面から神社の脇に出る道を歩いて来る単独女性を見かけた。ここまで下から来たら晃石山の巻き道になる。歩いたことはない。晃石山には6日にも来ているのでわざわざ登らなくともと思ったが、実際には稜線に出ているわけでもないので、ベンチに座って水を飲んで山頂に向かった。
(晃石山)
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(おそらく見えまいが、中央に浅間山。以前、ここで、富士山が見えるよと、従えたオバちゃん達相手に誇らしげに教えていたジイちゃんリーダーがいて失笑してしまった)
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(日光方面はくっきり)
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(下る)
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(左に晃石神社への巻き道。標識には、そちらに向けて晃石山とある)
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だれもいなかった。あの女性は山頂を巻いて太平山に行ったのか。うっすらと浅間山が見える。こちらは青空だが、西方面には薄雲がかかってすっきりした景色は望めない。雪雲かもしれない。セルフ撮影でもしようとしたところに数人のグループが登ってきたので、さっさと青入山方面に下った。
(トレランのおニイちゃん。その先におしゃべりオバちゃんたち)
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しばらくは小ピーク越えが続く。前方を女性二人連れが歩いている。トロトロ歩いている様子はなく、歩き慣れしているようだ。後ろから足音が聞こえる。先に行ってもらおうと、道脇に待機すると、トレランの青年だった。「ありがとうございます」と律儀に言われた。太平山から桜峠まで、その後は林道戻りのコースだとしたらトレランには快適かもしれない。その後二人のトレランに先を譲った。
(青入山)
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(晃石山からは見えなかった赤城山が見えた。先日歩いた広戸山はどれなのかわからない。右寄りの三角ピークだろうか)
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青入山に到着。その間、二人の単独氏に抜かれた。追い抜かれることに関して、以前ほどに気になることはなくなっている。こちらはジジイ歩きだ。ただ、見るからに自分よりも年配者と思われるハイカーに抜かれると、がっくりしてしまう。今のところ、そういうことはあまりないが。青入山では先の女性二人連れが休んでいた。自分よりは一回り以上は若いようだ。しかし、女性というのは、何でまたこうもよくしゃべるのだろう。おしゃべりをしながら歩いているようだったし、ここでもまた賑やかで、ほんの少し休んだだけで桜峠の方に下って行った。こちらは、あまり飲みたくもない水を飲んで、それまで待機していた。改めて先日の歩きコースを目で追ってみたが、広戸山そのものがここからでは特定できない。
(桜峠へ)
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(ここは急で、つい手すりに手をかけてしまう)
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(桜峠)
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二人を追い越すまいと、等間隔で後を歩いていたが、二人にちょっとしたトラブルがあったのか、桜峠に下る階段で立ち止まってしまった。仕方がなく追い越した。桜峠に到着。東屋でオジさんが一人休んでいるだけ。そのうちに二人連れが到着した。相変わらずにおしゃべりは続いている。よく体力が消耗しないものだと感心したが、体力との経路は違うのだろう。むしろ、おしゃべりが身体を活性化させるのかは知らない。帰路で、ここにまた戻り、清水寺に下る前方を歩く男女の、オバちゃんの方もまたしゃべり通しだったし、それどころか、駐車場のトイレにそれぞれに入り、オバちゃんが個室からオジちゃんに外にまで聞こえる声で、仕切り越しにしゃべりまくっていたのには恐れ入った。こうなると異常としかいいようがない。長年連れ添った夫婦なら、会話も子供、孫、職場のネタがなくなれば自然に無口になるものだ。無関心を装っても、どういう関係なのだろうかと訝ってしまう。オレの存在は視界になかったのだろうか。以前にも何度か記したが、桜峠に下る階段で、二人連れのオバちゃんの片方が遅れたので追い越した。先を行くオバちゃんはそれに気づかず、オレの足音が連れのオバちゃんと勘違いしたようで、自分の長男と嫁のことを散々にこき下ろしている話を聞かされたことがある。まぁ、大平アルプスは、そんなのんびりして歩けるところなのだろう。だから、特にオバちゃん達には人気のあるところなのかもしれない。
(馬不入山へ)
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(なだらかで歩きやすいが、いくつかピークが続く)
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(こんなやさしいゴロ道が好きだ)
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(歩行の妨げになるわけでもなし)
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(欠けた石仏を見て)
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(馬不入山山頂)
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(気温7℃)
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まだ先に行ける余裕があったので馬不入山に向かう。さらに大明神山となると、戻りに自信はないので、前回見損ねた円仁の史跡を回ってみよう。実はどの程度の史跡なのか楽しみにしていた。
馬不入山までの間に出会ったのは、反対側から歩いて来た単独のオバちゃんだけ。小ピークをいくつか越えて馬不入山。山頂にはネエちゃんが一人で食事中。意識をする年でもないのに居づらかった。気軽に話しかける芸当はできない。ただ、そのネエちゃんは、声をかけられたら話をしたいようなタイプではあった。無防備ということではなく、拒む姿勢が見えなかった。思い切って話しかけたとしても、オレの話ではつまらんだろう。
地図を広げて、この先のルートを確認した。とりあえずは北西方向に大明神山方面に向けて下ればいいらしいが、大明神に行く気はなく、さりとて、林道の通る長坂峠まで下るつもりはない。途中に、231m標高点を経由して南下する尾根があり、地図の限りではゆったりした感じだし、それを利用して下に出るつもりでいる。
その間、さっきの二人連れが登って来た。てっきり、桜峠から下るものとばかりに思っていた。太平山の方からおしゃべり続きで歩いて来たら、かなりタフだなと思った。普通なら、話のネタもなくなり寡黙になるはずだ。そして、青入山手前で追い抜かれた単独氏が大明神の方から戻って来た。まさか大明神まで行っての戻りではあるまい。先行してはもらったが、自分とさほどに変わらない歩きだった。大明神方面に<展望台→>があったから、おそらく、展望台まで行っただけだろうと勝手に納得した。
(大明神山方面に下る)
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(第二展望台)
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(日光方面が見えるだけ)
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(急な下りがしばし続いた)
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下る。大明神から馬不入まで歩いたことはあるが、反対側から歩いたことはない。やたらに急に感じた。上りで使いたくはないなとまで思った。気づくと<第二展望台>の標識があった。気づかずのうちに<第一>は通り過ぎていたようだ。オジさんが登って来た。出会ったのはこの方だけ。
(緩くなった)
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(右手を見ながら歩いた。ヤブで、予定尾根への手頃な降り口は見つからない)
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(色の落ちたリボンがあった。ここから下ってみよう)
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緩くなった。下り尾根の付け根はこの辺だろうと右手を覗くと、結構なヤブで、尾根筋も判然としない。ちょっと先に行くと、リボンがあった。これだろうか。リボンの先には明瞭な踏み跡があったが、231mに合わせたコンパス方向とは45度ほど左にずれている。予定尾根がヤブでは、尾根筋に行かずとも、この踏み跡を追うことにした。
(どこに出るのか知らない踏み跡ははっきりしていたが)
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(林道をかすめたりしている)
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(林道を離れてくれたが)
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(結局、この先は林道歩き)
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やはり、尾根方面に方向転換することもなく、林道に接したりする。もういいやと踏み跡に従うと林道に出てしまった。下り予定だった尾根は、少なくとも右手に70mは登らないとならない。ここまで来て、苦労をしたくもなく、そのまま林道歩きをしたが、尾根下りをしたとて、車道に出てからの距離は100mも離れてはいまい。歩き損ねたからといって、次の課題にするほどのものでもないだろう。
(こんな林道を通る車はないようで、わざわざ舗装する必要があったのだろうか)
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(砕石場。馬不入山からの下りで3回ほど発破の音が聞こえた。昼休みタイムで、人の姿は見えない)
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(この石仏、彫られた年代は「文元」となっていたが「元文」の誤りではなかろうか。この辺は壬生藩の管轄かと思うが、岩舟村の人たちには文元だったのだろう。代官様が文元で伝えたのかもしれない)
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(前回記事にも出した写真。行けなかったので期待は大きかった)
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(昨日は降雪があったようだ)
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(まずは腰掛石)
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(柵を開けて獨鈷水御堂へ)
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(なんだかなぁ…)
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(帰り道で目にした。三角点標石のようだが、地図には、この辺に三角点はない)
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前回、下りて来て車道にぶつかったところにはほどなく着いた。桜峠方面とは道を違えて円仁史跡の案内板。500m先とはいっても、距離はそれほどでもなかった。道路沿い左に円仁様の腰掛石を見て先に行くと、獨鈷水御堂は柵を開けて参拝するようになっていたが、中に入ってこれを見てがっかりした。栃木市の観光課には失礼かもしれないが、見学するほどの価値はない。仏像を含めて大方がコンクリートで固められていた。史跡好きのリピーターはまずいないだろう。ムダ歩きだったとまで思った。まだ、大明神に登って車道を下り、桜峠にそのまま向かった方が賢明だったかもしれない。自分の目で見て納得したからには、それはそれでよしだ。寄らなかったら、課題として残ってしまう。
(桜峠へ)
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(池は凍っている)
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(ようやくここまで来た。だらだら登りは応えた。むしろ、ここからが楽に感じた)
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(桜峠に到着)
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がっかりして桜峠に向かう。ここは相変わらずに長い。おそらく、前回よりも時間がかかったかもしれない。目に見える急登よりも、直線路のジワジワとくる地味な登りの方がつらい。
桜峠に到着。三人グループがいた。他の二人連れが清水寺の方に下って行った。見覚えがあるような気がしたが、勘違いかもと思って黙っていたら、その中のオッサンが「一昨日も会ったよね」と言ってきた。「一昨日の水曜日ではなく、月曜日ですよ」と返答したが、この三人とは、16日に来た際に出会った五人組の三人で、もしかして、また水曜日にも来ていたのだろうか。頻度がちょっと半端ではないな。三人のうちの女性だけは冷静で、16日に直接の会話はなかったが、しっかりと曜日もオレの顔も覚えていた。おしゃべりだけではない女性もいる。何食わぬ表情のままに観察されていた。
東屋に入って一人でおにぎりを食べていると、冒頭の、林道で出会ったジイちゃんが青入山の方から下って来た。三人組に加わって、いろいろと話をしていた。すっかりお馴染みになっているようだ。三人グループのオッさんがオレのところにやって来て、あのジイちゃん、いつも電車で来るんだよと教えてくれたが、大中寺の方からやって来て、どこをどうやって歩いたのやら、ラストは青入山の方から下って来た。どう歩かれたのか聞きたかったが、物静かなジイちゃんなので、今朝、お会いしましたよねの言葉すら言い出せなかった。三人組に、これから馬不入ですか? と聞いたが、考え中とのこと。しかし、ここを好きな方はとことんまでに歩くんだなと感心してしまった。前回は「ほっとした」だったが、今回は「感心した」が多くなったみたい。半分は皮肉の感心だが。
(清水寺へ。相変わらずにここの区間は寒い)
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(前回は気づかなかった。今年最後の紅葉見物)
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(田園風景百選を眺めて)
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(帰着)
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先行した二人連れに追いついた。しゃべりまくりなので、後方をゆっくり下って駐車場に到着。林の中は相変わらずに寒かった。
これで林道から稜線までの破線コースはようやく完了した。ただ、一か所の破線、これは清水寺から桜峠に向かう通常のコースの手前に「へ」の字形の沢沿いの破線路があり、その先で通常コースに合流して桜峠に至るようだが、ここは、短区間だし、敢えて歩いてみる必要もない気はするが、機会があったら歩いてみたいと思ってはいる。ただ、ここのところ、ずっとこだわりで歩いたこともあり、この山域からはしばらくは離れたい。軽い雪山になりでもしたら歩くかもしれないが。
(今回の歩き)
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この地図は電子地形図25000(国土地理院)を加工して使用しています(令和元年手続改正により申請適用外)
清水寺前駐車場(9:43)……東の破線路入口(9:53)……晃石山(10:37)……青入山(10:55)……桜峠(11:06)……馬不入山(11:36)……踏み跡下り(11:55)……林道歩き(12:04)……円仁様史跡(12:24)……桜峠(13:03)……清水寺(13:24)
あじさい林道と大平アルプス間の破線路歩きを早いとこ済ませておきたかった。16日に完了の予定が、おかしな歩きをして一本残していた。残ったのは、林道の途中から晃石山に向かう東端の破線路、大中寺から北西に登る破線路はすでに何度か歩いている。気になって仕方がない。終わらせてしまわないと、他の山に目を向けられない。取るに足りない歩きだが、やってしまうと、つまらぬこだわりになってしまった。以前、足尾の山にうつつを抜かしている時には、破線路もないようなところばかりを半端なく歩いていた。それに比べれば園児の遠足レベルのようなものかもしれない。時期的に、ふと「年の瀬」という言葉を思い出した。
今回は欲は出すまいと思ったが、前回の帰り道で、岩舟ゆかりらしい円仁の史跡の看板を見てしまい、その時は、すでに気力がなくなっていたので、寄り道もしなかったが、せめてそこだけは見ておきたい。大明神山にはもう登っている。となると、桜峠からの往復でも済むが、それではつまらなさそうで、せめて馬不入山経由で行ってみようか。その程度の歩きなら欲とはいえない普通の歩きだ。ただ、桜峠に着いた時点でバテていたら、無しにする。あくまでも破線路優先だ。
(清水寺からあじさい林道を歩いて大中寺方面へ)
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(破線路の入口)
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清水寺駐車場から林道を大中寺方面に歩いて行くと、反対方向からジイちゃんがやって来た。このジイちゃんをこれまでも何度か見ている。決まってこの林道だ。6日に大中寺から清水寺に向かっている時にも林道で追い越している。歩きはとにかく遅い方だ。最初のうちは散歩かなと思っていたが、今日は、この方を帰路の桜峠でまた見かけた。その件は後回しにする。10分ほどで破線路の登り口に着いた。
(ゆったりした感じの良い道が続いている)
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(右斜面のあのレールが気になった)
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(小沢。何で紙垂があるのだろう。もしかすると、かつては晃石神社への参拝道だったのだろうか)
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しっかりした道が続いていた。緩い登り。沢に沿っているらしく、パイプから流れ落ちる水を見かけた。右手上には、レールが並行して続いている。何のレールかはわからない。興味はあったが、先のことを考えれば、少しでも体力を消耗したくなく、わざわざ見には行かなかった。このレールも、そのうちに終点だったのか、別方向に行ったのか、沢を渉ったあたりで視界からは消えていた。
ここの破線路もまた、下の等高線は広く、上部は狭いが、実際は、沢から離れて尾根に乗る前あたりから急になり、中盤以降ではクネクネ道になる。前回の青入山への破線路と同じで岩混じりではないが、周囲は広葉樹ではなく、ヒノキ林が続く。そのため、落葉フカフカではない。下り使用とするなら、この破線路が滑りの危険は少ないかと思うが、つんのめる危険性はあるだろう。下って来る方五人ほどと行き会った。利用頻度としては、アクセス的にもこの破線路が一番利用しやすいかもしれない。ただ、あくまでも下り使用の場合であって、上り使用としては自分だけだったから何とも断定はできない。
(沢から離れる。このあたりから急になってくる)
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(不思議な柄付きの石)
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(平たい石の上にも、こんな模様が)
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自分の推測だけが先走った。元に戻す。沢から離れると、大石をいくつか見かけ、いずれも不思議な文様の刻みがあった。わかりやすくいえば、地図の等高線のように見え、素人感覚で蛇紋岩かなと思ったりもしたが、どうもそんな石ではない。いったい、どういった自然の造形なのだろうか。そちら方面にも詳しくはない。
(明瞭な道は続く)
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(何とか持ちこたえている)
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(きついクネクネ道)
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(見下ろす)
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(石祠があったが、屋根部分が神様ではない)
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感心しながら登って行くと急斜面になり、道はクネクネとなった。何でこんなところにと思うようなところにトラロープが張られていたりする。結構、きつい。一時的に少しおさまったところに石祠があった。見上げれば、まだ急な上りは続いている。石祠の文字は解読できなかったが、「山神●社」とは読めた。真っ白な紙垂が置かれていたから、いまだに地元の方の信仰はあるようだ。
(急な登りは続いている)
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(もう少しだ)
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(清水寺からの東側破線路に合流して)
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(晃石神社。破線路歩きはこれで完了。体調が良かったのか、きつかったわりに疲労感はあまりなかった)
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また急登になった。単独さんが下って来た。続いてまた単独さん。そろそろ晃石神社かなと思ったところで三人グループ。この破線路に入ってから、絶えず見下ろしてはいたが、上りの後続者はいない。前述のジイちゃんとは登り口で出会ったが、ここを登って来る姿はない。最も、自分よりもかなり遅速だから、ここを登ったとして姿が見えなくとも不思議ではない。
左から清水寺からの破線路が合流し、鳥居をくぐれば晃石神社到着。10時30分。破線路入口からは37分だった。青入山も含めた三本の破線路ともに、稜線に出るまでの時間はほぼ同じ。標高差的には、青入山直登が30mほど少ないか。
神社には珍しくだれもいなかったが、青入山方面から神社の脇に出る道を歩いて来る単独女性を見かけた。ここまで下から来たら晃石山の巻き道になる。歩いたことはない。晃石山には6日にも来ているのでわざわざ登らなくともと思ったが、実際には稜線に出ているわけでもないので、ベンチに座って水を飲んで山頂に向かった。
(晃石山)
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(おそらく見えまいが、中央に浅間山。以前、ここで、富士山が見えるよと、従えたオバちゃん達相手に誇らしげに教えていたジイちゃんリーダーがいて失笑してしまった)
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(日光方面はくっきり)
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(下る)
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(左に晃石神社への巻き道。標識には、そちらに向けて晃石山とある)
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だれもいなかった。あの女性は山頂を巻いて太平山に行ったのか。うっすらと浅間山が見える。こちらは青空だが、西方面には薄雲がかかってすっきりした景色は望めない。雪雲かもしれない。セルフ撮影でもしようとしたところに数人のグループが登ってきたので、さっさと青入山方面に下った。
(トレランのおニイちゃん。その先におしゃべりオバちゃんたち)
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しばらくは小ピーク越えが続く。前方を女性二人連れが歩いている。トロトロ歩いている様子はなく、歩き慣れしているようだ。後ろから足音が聞こえる。先に行ってもらおうと、道脇に待機すると、トレランの青年だった。「ありがとうございます」と律儀に言われた。太平山から桜峠まで、その後は林道戻りのコースだとしたらトレランには快適かもしれない。その後二人のトレランに先を譲った。
(青入山)
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(晃石山からは見えなかった赤城山が見えた。先日歩いた広戸山はどれなのかわからない。右寄りの三角ピークだろうか)
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青入山に到着。その間、二人の単独氏に抜かれた。追い抜かれることに関して、以前ほどに気になることはなくなっている。こちらはジジイ歩きだ。ただ、見るからに自分よりも年配者と思われるハイカーに抜かれると、がっくりしてしまう。今のところ、そういうことはあまりないが。青入山では先の女性二人連れが休んでいた。自分よりは一回り以上は若いようだ。しかし、女性というのは、何でまたこうもよくしゃべるのだろう。おしゃべりをしながら歩いているようだったし、ここでもまた賑やかで、ほんの少し休んだだけで桜峠の方に下って行った。こちらは、あまり飲みたくもない水を飲んで、それまで待機していた。改めて先日の歩きコースを目で追ってみたが、広戸山そのものがここからでは特定できない。
(桜峠へ)
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(ここは急で、つい手すりに手をかけてしまう)
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(桜峠)
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二人を追い越すまいと、等間隔で後を歩いていたが、二人にちょっとしたトラブルがあったのか、桜峠に下る階段で立ち止まってしまった。仕方がなく追い越した。桜峠に到着。東屋でオジさんが一人休んでいるだけ。そのうちに二人連れが到着した。相変わらずにおしゃべりは続いている。よく体力が消耗しないものだと感心したが、体力との経路は違うのだろう。むしろ、おしゃべりが身体を活性化させるのかは知らない。帰路で、ここにまた戻り、清水寺に下る前方を歩く男女の、オバちゃんの方もまたしゃべり通しだったし、それどころか、駐車場のトイレにそれぞれに入り、オバちゃんが個室からオジちゃんに外にまで聞こえる声で、仕切り越しにしゃべりまくっていたのには恐れ入った。こうなると異常としかいいようがない。長年連れ添った夫婦なら、会話も子供、孫、職場のネタがなくなれば自然に無口になるものだ。無関心を装っても、どういう関係なのだろうかと訝ってしまう。オレの存在は視界になかったのだろうか。以前にも何度か記したが、桜峠に下る階段で、二人連れのオバちゃんの片方が遅れたので追い越した。先を行くオバちゃんはそれに気づかず、オレの足音が連れのオバちゃんと勘違いしたようで、自分の長男と嫁のことを散々にこき下ろしている話を聞かされたことがある。まぁ、大平アルプスは、そんなのんびりして歩けるところなのだろう。だから、特にオバちゃん達には人気のあるところなのかもしれない。
(馬不入山へ)
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(なだらかで歩きやすいが、いくつかピークが続く)
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(こんなやさしいゴロ道が好きだ)
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(歩行の妨げになるわけでもなし)
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(欠けた石仏を見て)
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(馬不入山山頂)
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(気温7℃)
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まだ先に行ける余裕があったので馬不入山に向かう。さらに大明神山となると、戻りに自信はないので、前回見損ねた円仁の史跡を回ってみよう。実はどの程度の史跡なのか楽しみにしていた。
馬不入山までの間に出会ったのは、反対側から歩いて来た単独のオバちゃんだけ。小ピークをいくつか越えて馬不入山。山頂にはネエちゃんが一人で食事中。意識をする年でもないのに居づらかった。気軽に話しかける芸当はできない。ただ、そのネエちゃんは、声をかけられたら話をしたいようなタイプではあった。無防備ということではなく、拒む姿勢が見えなかった。思い切って話しかけたとしても、オレの話ではつまらんだろう。
地図を広げて、この先のルートを確認した。とりあえずは北西方向に大明神山方面に向けて下ればいいらしいが、大明神に行く気はなく、さりとて、林道の通る長坂峠まで下るつもりはない。途中に、231m標高点を経由して南下する尾根があり、地図の限りではゆったりした感じだし、それを利用して下に出るつもりでいる。
その間、さっきの二人連れが登って来た。てっきり、桜峠から下るものとばかりに思っていた。太平山の方からおしゃべり続きで歩いて来たら、かなりタフだなと思った。普通なら、話のネタもなくなり寡黙になるはずだ。そして、青入山手前で追い抜かれた単独氏が大明神の方から戻って来た。まさか大明神まで行っての戻りではあるまい。先行してはもらったが、自分とさほどに変わらない歩きだった。大明神方面に<展望台→>があったから、おそらく、展望台まで行っただけだろうと勝手に納得した。
(大明神山方面に下る)
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(第二展望台)
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(日光方面が見えるだけ)
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(急な下りがしばし続いた)
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下る。大明神から馬不入まで歩いたことはあるが、反対側から歩いたことはない。やたらに急に感じた。上りで使いたくはないなとまで思った。気づくと<第二展望台>の標識があった。気づかずのうちに<第一>は通り過ぎていたようだ。オジさんが登って来た。出会ったのはこの方だけ。
(緩くなった)
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(右手を見ながら歩いた。ヤブで、予定尾根への手頃な降り口は見つからない)
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(色の落ちたリボンがあった。ここから下ってみよう)
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緩くなった。下り尾根の付け根はこの辺だろうと右手を覗くと、結構なヤブで、尾根筋も判然としない。ちょっと先に行くと、リボンがあった。これだろうか。リボンの先には明瞭な踏み跡があったが、231mに合わせたコンパス方向とは45度ほど左にずれている。予定尾根がヤブでは、尾根筋に行かずとも、この踏み跡を追うことにした。
(どこに出るのか知らない踏み跡ははっきりしていたが)
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(林道をかすめたりしている)
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(林道を離れてくれたが)
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(結局、この先は林道歩き)
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やはり、尾根方面に方向転換することもなく、林道に接したりする。もういいやと踏み跡に従うと林道に出てしまった。下り予定だった尾根は、少なくとも右手に70mは登らないとならない。ここまで来て、苦労をしたくもなく、そのまま林道歩きをしたが、尾根下りをしたとて、車道に出てからの距離は100mも離れてはいまい。歩き損ねたからといって、次の課題にするほどのものでもないだろう。
(こんな林道を通る車はないようで、わざわざ舗装する必要があったのだろうか)
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(砕石場。馬不入山からの下りで3回ほど発破の音が聞こえた。昼休みタイムで、人の姿は見えない)
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(この石仏、彫られた年代は「文元」となっていたが「元文」の誤りではなかろうか。この辺は壬生藩の管轄かと思うが、岩舟村の人たちには文元だったのだろう。代官様が文元で伝えたのかもしれない)
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(前回記事にも出した写真。行けなかったので期待は大きかった)
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(昨日は降雪があったようだ)
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(まずは腰掛石)
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(柵を開けて獨鈷水御堂へ)
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(なんだかなぁ…)
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(帰り道で目にした。三角点標石のようだが、地図には、この辺に三角点はない)
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前回、下りて来て車道にぶつかったところにはほどなく着いた。桜峠方面とは道を違えて円仁史跡の案内板。500m先とはいっても、距離はそれほどでもなかった。道路沿い左に円仁様の腰掛石を見て先に行くと、獨鈷水御堂は柵を開けて参拝するようになっていたが、中に入ってこれを見てがっかりした。栃木市の観光課には失礼かもしれないが、見学するほどの価値はない。仏像を含めて大方がコンクリートで固められていた。史跡好きのリピーターはまずいないだろう。ムダ歩きだったとまで思った。まだ、大明神に登って車道を下り、桜峠にそのまま向かった方が賢明だったかもしれない。自分の目で見て納得したからには、それはそれでよしだ。寄らなかったら、課題として残ってしまう。
(桜峠へ)
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(池は凍っている)
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(ようやくここまで来た。だらだら登りは応えた。むしろ、ここからが楽に感じた)
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(桜峠に到着)
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がっかりして桜峠に向かう。ここは相変わらずに長い。おそらく、前回よりも時間がかかったかもしれない。目に見える急登よりも、直線路のジワジワとくる地味な登りの方がつらい。
桜峠に到着。三人グループがいた。他の二人連れが清水寺の方に下って行った。見覚えがあるような気がしたが、勘違いかもと思って黙っていたら、その中のオッサンが「一昨日も会ったよね」と言ってきた。「一昨日の水曜日ではなく、月曜日ですよ」と返答したが、この三人とは、16日に来た際に出会った五人組の三人で、もしかして、また水曜日にも来ていたのだろうか。頻度がちょっと半端ではないな。三人のうちの女性だけは冷静で、16日に直接の会話はなかったが、しっかりと曜日もオレの顔も覚えていた。おしゃべりだけではない女性もいる。何食わぬ表情のままに観察されていた。
東屋に入って一人でおにぎりを食べていると、冒頭の、林道で出会ったジイちゃんが青入山の方から下って来た。三人組に加わって、いろいろと話をしていた。すっかりお馴染みになっているようだ。三人グループのオッさんがオレのところにやって来て、あのジイちゃん、いつも電車で来るんだよと教えてくれたが、大中寺の方からやって来て、どこをどうやって歩いたのやら、ラストは青入山の方から下って来た。どう歩かれたのか聞きたかったが、物静かなジイちゃんなので、今朝、お会いしましたよねの言葉すら言い出せなかった。三人組に、これから馬不入ですか? と聞いたが、考え中とのこと。しかし、ここを好きな方はとことんまでに歩くんだなと感心してしまった。前回は「ほっとした」だったが、今回は「感心した」が多くなったみたい。半分は皮肉の感心だが。
(清水寺へ。相変わらずにここの区間は寒い)
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(前回は気づかなかった。今年最後の紅葉見物)
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(田園風景百選を眺めて)
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(帰着)
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先行した二人連れに追いついた。しゃべりまくりなので、後方をゆっくり下って駐車場に到着。林の中は相変わらずに寒かった。
これで林道から稜線までの破線コースはようやく完了した。ただ、一か所の破線、これは清水寺から桜峠に向かう通常のコースの手前に「へ」の字形の沢沿いの破線路があり、その先で通常コースに合流して桜峠に至るようだが、ここは、短区間だし、敢えて歩いてみる必要もない気はするが、機会があったら歩いてみたいと思ってはいる。ただ、ここのところ、ずっとこだわりで歩いたこともあり、この山域からはしばらくは離れたい。軽い雪山になりでもしたら歩くかもしれないが。
(今回の歩き)
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この地図は電子地形図25000(国土地理院)を加工して使用しています(令和元年手続改正により申請適用外)
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