たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

下仁田の御堂山は何ともコメントしづらい山であった

2014年09月23日 | 西上州の山
◎2014年9月23日(火)

西牧関所趾先駐車地(7:41)……みの滝(8:28)……じじばば岩分岐(8:34)……じじばば岩(8:46)……御堂山(9:23)……高石峠分岐(9:38)…小滝(10:18)……駐車地(11:02)
※表示時刻は到着タイム。

 20日の土曜日、学生時代のサークル仲間8人で千曲市まで出かけた。最近亡くなった友人の墓参りである。その後、仲間内の勤務先が保有する軽井沢の別荘で、故人を偲んでの飲み会となった。皆んなそれぞれ30年以上ぶりの再会で、夜遅くまで飲んでいた。偲ぶわりには大騒ぎの結果となった。まぁこんなものだろう。悲しい酒もだらだらと飲めるものではない。
 翌日は各自ばらばらでの帰参であったが、自分は当初から、帰りがけの駄賃といった感覚で、碓井軽井沢IC近くの日暮山に行くつもりでいた。ここは群馬百名山らしいが、昭文社マップにはルートが記されていない。ハイトスさんは小平という南東側から登っているようで、これが一般ルートらしい。地形図を見ていると、尾根伝いに北東の和美峠からも登れそうだし、現に、登った記録も目につく。ヤブ続きらしいが、軽井沢からの便を考慮すると、これがいいだろう。しかし、いざ和美峠に行ってみると、手ごろな駐車地もなく、路肩駐車もままならない。致し方なくヤメとなったのではあるが、二日酔いで、山歩きどころではなかったのが本音のところである。
 家に帰り、二日酔いが醒めたところで西上州の山の情報をネットで調べると、「じじばば岩」というのが目に付いた。この岩、見てみたい。御堂山(みどうやま)という山の山腹(?途中?)にあるようで、御堂山そのものは群馬百名山にもなっているし、火曜日は展望も含めて、ある程度の期待を持って出かけることにした。時間的にはもう一山行けそうだが、自分はそういうことはめったにしない。明日が休みなら考えなくもないが。

(駐車地。右手前。バス停脇に軽が置かれていた)

(関所跡)

(ここが登山口のようだ)

(登山口に石仏。信仰の山かと思ったが、これを見ただけだった)


 御堂山からの帰路は、高石峠寄りに出て、途中から沢沿いに破線ルートで下るつもりでいるので、国道254号線が分岐する西牧関所趾の先の駐車スペースに車を置いた。果たして、ここに駐車していいものなのかどうかは知らないが、どなたかのネット記事に、ここに駐車していたので、多分いいのだろう。ちなみに「西牧関所趾」は、現在の地名に合わせて「藤井関所趾」とも呼ばれているようだ。分岐してからの先のバス停脇に他県ナンバーの車が置かれていた。先行者がいるかもしれない。余談だが、この駐車地にストレートに辿り着けたわけではなく、ぐるぐると回っていたが、その際、254号線沿いのモツ煮込み屋の看板に「じじばば」と記されているのを見かけた。ジジババがやっているからなのか、じじばば岩からとったのか、それは知らない。
 ちょっと戻って左に関所跡を見て、すぐに左の道に入る。しっかりした道はすぐに終わり、ヒモだかコードが結わえてあって、先には車が入れないようになっている(後で調べると、このヒモに見えたのは、シカ除けの電気柵だったようだ。いずれにしても、車両は進入禁止ということだ)。傍らには「御堂山入口」の道標と石仏、石祠。石仏の彫りはもうわからなくなっている。

(作業道と言うよりも明瞭な林道だったが)

(すぐに横倒し。車両が入れないように人為的なものかもしれない)

(作業道はかなり荒れてしまった)

(沢に入るとやはり荒れている)


 林道(実際には林道ではなく作業道)に入ると、すぐに草に覆われ、木が横倒しになっていたりしている。これでは、車で入ろうにも入れない。続いて2本目が道をふさぐ。この沢沿いの作業道、やがてえぐられ、かなりの荒れようである。したがって歩きづらい。ハイトスさんは5年前にかなり奥まで車を乗り入れたようだが、この状態では信じがたいものがある。
 作業道跡が分岐し、右に御堂山への道標。道の具合はさらに悪くなり、崩れているところもあり、かろうじて作業道の痕跡が続いているといったレベルになった。テープがうるさくない程度に付けられ、迷うことはない。やがて作業道跡らしきものは消え、踏み跡を辿って、沢歩きになった。沢に水はないが、この沢もまた荒れている。正直のところ、群馬百名山にしてはひどいメインルートだ。下仁田には群馬百名山が多いから、行き届かないところもあるのだろう。

(ロープ場。左に「みの滝」があるが、敢えて出すほどのものでもない)

(ようやくこんな感じになった)

(じじばば岩は左)


 上でお2人、休んでいた。親子だ。もしかすると、バス停脇の車の所有者だろうか。挨拶をして先行する。水が滴っている大岩が現れた。案内板には、手書きで「みの滝」と記されている。そして、脇にはロープが垂れている。ここも西上州の山だ。いよいよ始まったかと思ったが、この先、山頂直下に手すり用のロープがあるだけで、それ以外はクサリ場もなかった。この岩のロープ、敢えて使わずともに登れる。
 ようやく普通の山の歩きらしい風景になって、ほどなくじじ岩ばば岩の分岐にさしかかる。15分とある。周回する以上は、こちらが優先だし、それが目的で来たのだから、そのままじじばば岩に向かう。

(正面の大岩を右に巻いて下る)

(右手に見えた。もしかして、御堂山は右の台地ピークだろうか)

(じじ岩とばば岩)

(じじ岩。先に鹿岳)

(ばば岩)

(巻いた大岩)


 細尾根を行くと、正面に大きな岩が立ちはだかる。踏み跡は右に迂回している。この迂回路、斜めで歩きづらい。下は急斜面。かなり大きな岩で、大分先まで行く。見上げると岩のところどころに穴があいている。踏み跡を辿って行き過ぎの気配があり、途中から木につかまって登り上げると展望地に出た。すると正面にじじ岩とばば岩が屹立していた。
 何とも不思議な造形だ。西上州の山だから、こんなの普通だといえばそれまでだが、どうすれば、こんな岩が出きるのだろうか。手前がばば岩で奥がじじ岩か。だれが名づけたか、これもまた感心する。残念ながら、周囲の眺望がすごいとは言えない。せいぜい鹿岳程度のものだが、いい景色だ。しばらく眺めていた。この山も、これくらいのスポットがないと先に行く気がしなくなる。

(急斜面のロープは下りで助かった)


 サンドイッチを食べて下る。分岐に戻ると親子連れが上がって来た。ここからは自然林中の歩きで、樹間から御堂山らしきピークがちらっと覗く。すぐに植林となり、急になる。反対方向に下る予定の高石峠分岐に着く。標識には「奴居出への下山は危険」と記されている。地図を見ると、山頂から南東に沢伝いに下って奴居出というところに出るようだ。

(御堂山山頂)

(見えたのは妙義だけ)


 急登に伝いロープが加わって、しばらく登るとやや平らになって御堂山の山頂に到着した。
 展望はない。一角から妙義山が見えるだけ。それも部分的。三等三角点はあるが冴えない山頂だ。長居するようなところではない。タバコを一本吸って下る。まぁ、群馬百名山、一つマルが追加したといったところだが、こういう何とか百名山て結構あるんだよねぇ。ただ、木々の葉が落ちる冬の時期なら、また印象が違うかも。

(高石峠分岐。右に下る)

(すぐにこうなった)

(こんなところも。ここはかなり滑った)


 高石峠分岐まで戻る。あの親子は今ごろじじばば岩だろうか。この先、踏み跡とテープ頼みになるが、テープは至って少ない。今日はコンパスを忘れていたので、仕方がないがGPS頼りにもなる。
 植林と自然林が交互に続く。今度は妙義山がはっきりと見えた。こちらもかなり荒れている。植林の倒木がひどく、それを避けていたら、すぐに踏み跡を失った。感でそのまま行ったら、踏み跡がまた現れたものの、上の尾根に登っている。GPSを見ると、高石峠に向かっているようで、これでは行き過ぎになる。どうも本宿に下る分岐を見逃したか、倒木の下だったのかだろう。戻る。
 そのまま戻ると登り返しがあるので、ショートカットを試みた。かすかな踏み跡を追う。とにかく、沢伝いに下ることになるから、沢に出ればいい。いくつかの小尾根を乗り越える。また倒木が続き、場所によってはズルズルになる。沢に出られないとヤバいよ。

(沢に出る)

(気まぐれに踏み跡が出てくる)

(小滝を慎重に下りる)


 ようやく、流れのある沢に出た。GPSを見ると、この沢で正解のようだ。しかし、踏み跡はまったく見えない。しばらく、沢を下る。じきに水は消えた。その程度の沢だ。この沢も荒れていて、ヤブもさることながら、倒木もかなりのもの。ザックがひっかかって、つんのめる。間違っているんじゃないのかと思ったが、ところどころの倒れた木の枝にテープが付いているから、間違ってはいないようだ。
 たまに作業道ぽいところに出るものの、すぐに消えてしまう。結局、沢に戻る。この繰り返し。しかし、このあたりから、クモの巣がひどくなって、うっとうしい。そのうちに、沢に水がまた出てきて、どうも、先に滝がある気配。これ、まずい状況じゃないのか。しかし、沢の水はたいしたことがなく、滝も何とかそのまま下って越えられた。冷や汗ものだった。こんな、物好きしか通らないところでお陀仏はごめんだ。

(ここが反対側の登山口らしい。文字は消えている)

(林道跡には出たが)

(こんな状態)


 また作業道が出てきて、色落ちの白いプレートが2枚、目に入った。これ、もしかして、登山口の標識ではないのかね。確かにそうだったらしく、しばらくヤブを行くと、林道跡に出た。
 この林道跡も、登りに使った林道同様に荒れ果て、部分的になくなっている。型だけが残っているといったもの。かなりのヤブに覆われ、ガードレールなんかがあるものの、何のためにこんなところにあるの?といった違和感があり過ぎ。クモの巣がますますひどくなる。

(正面に物語山。西上州の山は一つ一つが格好はいい)

(人家が見えた)


 ようやく林道らしくなって、正面が開け、物語山が見えてきた。人家が見えた時にはほっとした。舗装された車道を歩く。墓参りを終えたジイさんにご挨拶。どこに行って来たんだいと聞かれたから、かくかくしかじかと答えたら、「ここを下って来たんかい、ヤブがひどくて、歩く人なんかいねぇよ」と言われた。

(本宿通りを通って駐車地に)


 本宿の通りを通って、駐車地に向かう。車は通っても、人の姿が見えない。駐在所には日の丸の旗。そういえば今日は秋分の日か。通りにはコスモスがいっぱい咲いていた。
 駐車地に到着。3時間半の歩きか。意外と精神的にきつかったなぁ。衣類に付いたクモの巣と草の実をはたいて、どこにも寄らずにさっさと帰路についた。

(本日の軌跡)

「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」

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西上州 (ハイトス)
2014-09-24 00:22:07
こんばんは。
珍しく西上州の山でしたか。
確かにたそがれさんの西上州はあまり記憶にないなぁ。
自分らも以前は結構行きましたが最近はご無沙汰ですね。
自分的には鹿岳や四つ又が結構お気に入りですが。
御堂山は今回たそがれさんの降られたルートがおもしろそうだと思いましたが、帝釈山の方がより面白そうでそちらに回ってしまいました。
じじ岩、ばば岩は国道からもその特異の容貌が遠望出来て目立ちますよね。
西上州の象徴的な奇岩かも。
比べて日暮山はあまりパッとしなかったと記憶しております。
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ハイトスさん (たそがれオヤジ)
2014-09-24 06:00:32
ハイトスさん、こんにちは。
西上州の山、高速使えば足尾に行くくらいの時間で行けるのですが、どうもなかなか足が向きませんね。
今回も、日暮山の件がなかったら、行かなかったかもしれません。
どうも自分には、本来魅力ある奇岩の連なりが、たじろぎの対象になってしまうものでして。
ただ、せめて群馬百名山を塗りつぶすには、この地域の山を避けて通れぬようで(笑)。ハイトスさんの手引きをせっせと読ませていただきますよ。
じじばば岩、帰ってから、いろいろとネットで調べると、国道からも見え、さらに御堂山すら見えるようですね。
私、まったく気づきませんで、今回も、確信もって山の姿を拝めなかったなあと後悔しているのですよ。
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Unknown (でん)
2014-09-24 11:31:47
御堂山ってどこよ~ってとこか始まりました(^^;)
ジジ岩・ババ岩が妙義山にあるようなきわどいバランスの岩なので
その辺りから探したらすぐに見つかりました。
浅間山へは行きますがどうも西上州の山へは足が向かなくて荒船山も歩いたことがないんです。
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でんさん (たそがれオヤジ)
2014-09-24 12:22:12
でんさん、こんにちは。
西上州の山への思いって、たいていはそんものではないでしょうか。
玄人向けの山域なんでしょうね。だからはまる方もいらっしゃる。私ははまらずに、こんな形でポツリポツリと歩いております。
秩父の山も、この西上州の延長のような気がします。
しかし、登るのはともかく、こういった奇岩、奇峰を間近に眺めるのはおもしろいものですね。
じじ岩とばば岩と名づけられていれば、つい、そのストーリーを想像してしまう。
まぁ、それだけの話でして、西上州の岩峰を危うい思いをしてまでも登りたいとはさらさら思いませんね。まして、風化して、岩も他よりもろいようだし。
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西上州は・・・ (瀑泉)
2014-09-25 00:06:10
憧れの山域で,結構,名前を聞いてピンと来るんですが,どうもレベルが高そうなのと,遠いのとで,全くといって良いほど,歩けていませんヨ。
今回の御堂山の下り,これも一応ルートなんですか。どうも,西上州の山は,ヘタに歩こうものなら,身動きがとれなくなりそうで。。。
そういえば,以前,翠岩や大岩も登ってらっしゃいましたよネ。あそこのレベルってどんなもんなんでしょう。そのうち滝見物を兼ねて,行ってみたいと思っているのですが。。。
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瀑泉さん (たそがれオヤジ)
2014-09-25 11:39:44
瀑泉さん、こんにちは。
瀑泉さんには西上州の山への思い入れがあるようですね。
その意味では、なかなかの山の通かと拝察いたします。
私も、西上州に関しては、古くからの馴染みではあるものの、回数的には掛け出しです。
今回の下り、地形図には破線がついてはおりますが、何ということはない、つまりは沢筋とはいっても、沢そのものが破線路ですよ。かろうじて、身動きはとれましたけど。
あの辺の岩場のレベルと言われましても…。私でも歩けるくらいですし、クサリもロープも大抵は設えてありますから、瀑泉さんレベルではつまらないかもしれませんよ。
碧岩だったかで正規のルートから外れて登ったことがありますが、あれはこわかったですね。ツルンと滑ったら奈落の底でしたよ。
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