たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

竜ヶ岳。山頂に着いたら、かの山は雲隠れしてしまった。

2024年11月26日 | 富士山見物
◎2024年11月22日(金)

本栖湖駐車場(8:42)……竜ヶ岳登山道入口(9:00)……石仏・見晴台(9:54)……登山分岐に合流(10:35)……竜ヶ岳(10:45~11:15)……分岐(11:23)……駐車場(13:03)

 当初は足和田山に行く予定でいた。前日になって竜ヶ岳に変更した。雪の富士山を至近距離の山から眺めるのが目的だからどちらでもよかったのだが、足和田山だと、周回をするには帰路の車道歩きが長くなりそうで、場合によってはピストン歩きになりかねず、計画時点でどうもすっきりしなかった。そういえば竜ヶ岳もあったなと思い出しての選択だった。いずれの山にも行ったことはない。距離的には、足和田山は西湖で、竜ヶ岳はさらに西の本栖湖が起点になるから12、13kmほど遠くなる。群馬から出向くなら、そのくらいの距離は車で15分程度のものだし、遠路からすればたいして変わりはない。足和田山は後回しにして、奥の竜ヶ岳を先行することにした。どうせなら、さらに先の、これまた登ったことのない毛無山という選択もあろうが、それをやったら、「さらに」が重なってきりもなくなるので、今回は毛無山は対象から外していずれはということにした。

(本栖湖畔から竜ヶ岳。左から登って、中の尾根伝いに下ることになる。黄色の遊覧船が見えている)


(靄が少し漂っている)


 こちらの地理は詳しくもなく、本栖湖エリアに入ってすぐに目についた駐車場に車を入れた。さらに先にも駐車場はあったようで、そちらの方が出発地点とした方が都合も良かったようだが、歩いてたかが往復で15分程度の違いだったろう。とりあえず本栖湖を眺めるべく湖畔に出ると、竜ヶ岳かと思われる山が見えた。標高は1485mだから、さほどに高くは感じない。ただ、駐車場の標高は900mを超えているから、その程度に見えたのかもしれない。8時42分出発。

(テントサイトの脇を通る)


(落葉サクサク)


 車道歩きは避けたかった。トイレがあったので用を済ますべく向かうと、トイレは使えないのか入口が不明。実際は反対側にあったかもしれない。我慢できずに裏で用足しすると(もちろん小の方だし、大だったら車に戻って別のトイレを探し回る)、トイレの上に道が続いているのに気づいた。地図を見ると、その道でも行けるようだ。車道に並行した遊歩道になっている。車道を歩くよりはましと、この道を行く。歩きながら車道側を見ると、先にも駐車場があったのに気づいた。遊歩道周辺は車を横づけできるキャンプサイトにもなっていて、5張りほどのテントを見かけた。他人事ながら、この時期は朝晩寒かろうにご苦労様なことだ。

(やはりうまくはいかないものだ。短区間だが、車道歩きせざるを得ない)


(再び遊歩道)


(実際には、ここまでも車は入れないようだ)


(石仏コースの登山口。ここからは遊歩道から離れて登山道になる)


(歩幅は合わず。えぐられてもいたので歩きづらかった。しばらく続いてきつかった)


 この遊歩道を歩けば登山口に直通と思っていたが、遊歩道は一旦車道に出る。これでいいのかなと車道伝いに歩いて行くと、車道から離れて改めての遊歩道が続いている。それに入ると、ようやく登山道入口方面への標識を見た。間違ってはいなかった。かつては林道だったらしく、遮断されていて通行止めなっている。
 ほどなく、旧林道から分岐して右上に向けて「竜ヶ岳登山道入口」とあった。9時。ここまで、どうも回り道をした感じがしてしまう。木の階段が続いてくねくねと上に向かう。先日の石尊山のことがあったから、極力、歩きの速度は控えめにした。これを登りきれば、いずれは平穏な登山道になるだろう。地味にきついなと立ち休みを何回かして、そのうちに階段は消えていくらか平坦になり、林の中の緩い登りになった。後で思えば、この階段区間が、自分には一番きつかった。若い二人連れが下って来た。彼氏は大きな一眼レフを持っていたから、時間的に日の出後の澄んだ富士山を見ての下りだろうか。

(傾斜も緩くなった)


(樹間から本栖湖)


(急がずゆっくり歩いている。周囲の雰囲気もそんな歩きには都合が良い)


(四人ほど休憩中)


(コース初の富士山がみえた。うるさい枝ヤブは切ってしまいたい)


 針葉樹の林を抜けると、広葉樹の明るい登山道になった。右手前方には樹間から竜ヶ岳が見えている。二人ほど抜いて登って行くと、先に小広いところがあり、四人ほど休んでいる。ここで本日初の富士山が見えた。独り言に「あっ見えた」と口から出た。陽光はすでに山頂の右手にあり、さらに野暮な枝木ですっきり見えないが、雲は下にも流れていないし、着雪がかなりありそうな気配。この分なら、この先で冨士見を満喫できそうだ。ただ、空は青いものの、真っ青というわけではなく、若干の霞がかかっているようにも見える。完璧な富士山を求めるには無理があるかもしれない。

(下り気味。前方に竜ヶ岳)


(この辺りまでは道幅も広いが、次第に狭くなる)


(さっきよりはましな眺望だ。雲は山腹に薄いのが流れているだけ)


(アップにすると。この先でもドアップを含めた写真は撮ったが、好みではないのであまり出したくはない)


 緩く下る。距離は意外に長く、登り返しが思いやられたが、標高的にはさほどではなく上りになった。前方を何人かが歩いている。今日は追い越しせずにゆっくり歩こうと思っていたが、つい抜いてしまった。

(ササの道が続く。ここのササは低くはない)


(ササ道の左に曲がるところがどこも冨士見スポットになっている。右手・西からの雲がゆっくり流れて来ている)


(樹海を撮ってみた)


(北側の道志の山並み。奥にちんまりしているのが御正体山かと思う。以下すべて、記述した山名の自信はない)


(左裾野途上にある台形上の山だが、大室山かと思う。この辺りには、大室山も含めて毛無山も複数あるから、つい混乱してしまう)


 道は両サイドがササに覆われていて、歩いていて気分は良い。ここもまたカーブの連続で、左曲がりにさしかかるとどこも富士見スポットで、つい立ち止まって眺めては時間をとられてしまう。出てきた雲の流れも気になったが、それ以上に興味をそそいだのは裾野の広い樹海だ。スマホもGPSも使えない。コンパスも低くして使うと使えないといった話もある。ヤブ専門の方でも歩く方角がわからなくなるのでは歩きようもあるまい。自殺者が多いらしいが、本気で樹海を歩いて方向を失ってしまうハイカーもいるのではないだろうか。
 ここで気になった。左裾野にある丘状の山は何というのだろう。『山と高原地図』を見ると、自信はないが大室山のようだ。道志の大室山とは違う。地図を見る限りでは登山道は破線路すら記されていない。登るにせよ、まずは樹海に入らないといけない。自分なら確実に行方不明人になる。

(竜ヶ岳が近づいている)


(だが、本栖湖が真下に見えるのではさほどに登っていない感じがする)


(見晴台)


(見晴台から。山腹の雲は左にジワジワと伸びて来ている)


(出さないつもりがアップで。雲との調和が良かったので)


(こちらは、コース名にもなっている石仏小屋)


(三者を入れて。富士山は霞んでしまったが)


 見晴台のようなものが見えてきた。地図上は竜ヶ岳への上りにかかる平地になる。このコース、<石仏コース>には見晴台と石仏があるのは知っていたが、それぞれに離れているのか近いのかはわからなかった。見晴台に着くと、石仏が祀られた小屋(?)は50mほど先にあった。9時54分。
 見晴台からの富士山はなかなかのお姿だ。気づかぬうちに、西から東にかけて下部に帯状の雲が山腹に停滞している。空はかなり青くなっている。ここで休憩してまったり見物をしていてもいいが、やはり、雲が出て来たからには、山頂からの富士山を早いとこ眺めたい。さっさと山頂に向かう。途中、石仏の囲いの中を覗いたが、狭い格子の隙間から三体あるのが見えただけで、囲いを設けるまでは長年の風雨雪にさらされたのか、目鼻立ちもすっきりしているようではなかった。

(この景色の中の歩きはそろそろ飽きてきた)


(まぁ、撮るものもないので)


(河口湖ではなく西湖だろう。とすれば、右の山は足和田山だろうか。奥の電波塔のある山は何山だろう。地図を見ても毛無山のようだが、そうでもないようだし)


(山頂下に雲が流れてきた)


(上にあがって山頂を隠した)


(左に流れて行った)


(また隠した)


 相変わらず、密なササの道は続く。高さ1mほどはあるだろうか。ちらちらと富士山を見ながら登る。下る何人かと行き交う。道幅は狭くなり、その都度に待機する。前方を二人連れがずっと歩いている。追い越してもいいが、後ろに付かれるのも嫌だから歩調を合わせている。距離が近づくと、暑くなってもいたので、フリースを脱いだりして時間を稼ぐ。その間、富士山の山頂は北側、つまりはこちら側に西から流れて来た雲の塊に隠れ、ゆっくりと東に移動して行った。帯状の雲はそのまま長くなる一方だ。そのうちに、別雲が山頂を隠した。晴れてはいても、3000m付近の風はかなり強そうだ。雲の流れがせわしない。

(正面。雨ヶ岳と毛無山かと思ったが、後で調べると、毛無山はこちらからは見えず、手前のタカデッキだった)


(どうも、樹海と右奥の三角山が気になる。地図を見ても判断できず)


(空が霞んできた感じ)


(八ヶ岳)


(右からの登山道が合流。下りはそちらに下る予定。湖畔コースというらしい。ここまで富士山が見えることはない。やはり、石仏コースを上りに使うべきだろう。ただ、周回するなら、石仏コースの下りで富士山を楽しめる。雲の流れ次第だ)


(コバルトブルーの本栖湖)


 右手に八ヶ岳が見えた。真っ白かと思っていたが、右端の山、おそらくは横岳あたりだろうか、そこだけが白くなっている。数日前のネット記事の写真では連峰が白かったから、初雪も融けたのだろう。ここで右からの登山道に合流する。右手は「湖畔登山口」となっている。帰路はそちらに下る予定だが、その標識を先行する二人連れの女性がスマホで撮影していたので、追い越すことになってしまった。連れの男性は元気がなかったのか、休みがちで、すでに追い越していた。別にこちらが元気なわけでもないのだが。

(ようやく山頂のようだ)


(唯一の岩場だった)


(さっき見てから10分も経っていない。頭しか見えていない)


 ササのために山頂が見えずにいたが、ようやく山頂が見えた。ラストの登りをすると、何と富士山は頭しか残っていない。例の横断する帯状の雲は左右上下に広がっていた。雲はこちら手前に漂っているから、例えば、足和田山方面からなら、すっきりとした姿になって見えているだろう。

(竜ヶ岳山頂に到着)


(これでは絵にならない)


(先に行って雨ヶ岳とタカデッキ。こちらはしっかりと見えている)


(白根三山かと思う。左の農鳥は頭がかすかに見える)


(自信なしの続き。赤石?)


(南アルプスを眺めている間に御大はこうなった)


(ぬるいチゲスープを飲んで雲が消えるのを待つ。この温度でコーヒーを飲んだらかなりまずいはず。やはり、この時期はコンロ持参だろう)


(ほどなくこちらもこうなった)


(富士山は完全に消えた)


 真正面に雨ヶ岳と毛無山手前のタカデッキが見えて竜ヶ岳山頂に到着。10時45分。広場のようになっていて、ベンチがあり、女性四人グループと、離れたベンチで単独女性が食事中。肝心の富士山はといえば、今にも雲に隠れそうな状態になっている。石仏コースを登って来たから、散々に見られて良かったものの、湖畔コースから登って、このまま隠れてしまったのでは、見られずのままに終わったかもしれない。時間も早い。ゆっくりして雲が流れるのを待つとしよう。
 単独女性の隣のベンチは空いていたが、足場は水溜まりになって具合は悪かった。腰かけもまた濡れていた。仕方なく、お行儀は悪いが、乾いているテーブルに腰をおろした。今日は珍しくポットに湯を入れて持ってきていた。たまたま、前日にスーパーでチゲスープを見かけ、身体が暖まりそうだからと山で飲むつもりでいたのだが、熱湯を入れてから5時間経過している。こんなにぬるくなるものかと驚いた。ポットは新しい買い物ではない。大分以前のものながらも、テルモス製だからと安心していた。ぬるいスープを飲みながら菓子パンを食べる。追い越したハイカーがどんどん上がって来て、山頂広場は15人ほどになった。

(待つ気持ちもなく下る)


(八ヶ岳の上にも雲が。別に曇り空になってきているわけではなく、空自体は青空のままだ)


(分岐。ここから左へと下る)


(もしやと思ったが、雲はそのまま。片鱗も窺えない)


 タカデッキの頭が隠れつつあった。そして富士山はといえば、もうすっぽりと姿を隠して、片鱗も見えずに雲が二重、三重になっている。30分の待機だったが、もうダメだなと下山にかかる。11時15分。富士山を途中で見られただけでも幸いで、逆登りをしていたら見られずに残念でしたで終わりだった。いや、はるばる遠路を来たからにはしぶとく待ったかもしれない。ただ、自分の気質からしてそれはあるまい。あっさりあきらめているはずだ。
 富士山も見えなくなったままに分岐に着いてしまった。前方先に西湖か河口湖だかわからない湖が見え、その右にピークがあって、あれが足和田山だとすれば、西湖かもしれない。これを最後に、富士山を含めた南側の展望は消え、ひたすら本栖湖に向かって下ることになる。本栖湖は眼下に見えながらも、なかなか標高差が縮まることはなく、まだまだ下るようだ。

(こちらもしばらくはササの間の歩き)


(本栖湖が真下に見えるが、標高差は450mほどある)


(普通の登山道風景になった。石仏コースでこんな風景はなかった)


(葉を落としてかなり寂しい)


(これは居残りだろう)


(キリンに似た樹があった)


(どうもなぁ…)


(これは好みの配色と色彩)


(そろそろ終わりかけか)


(こちらはまだ見られる)


(自分の評価ではまあまあ)


(気づいたら、道もない急斜面を下っていた)


(ほっとした)


 ひたすらに登山道を下る。これから登るオジサンにも出会った。上の具合を聞かれたので正直に伝えた。雲は流れて行ったろうか。大分下ったつもりのところで、紅葉がちらほらと出てくる。たいした紅葉ではなく、大方は葉が落ちてはいるものの、標高が下がるに連れて見映えするものも出てきて、道を外れて写真を撮ることが増えた。これを繰り返していたら、標識があったところに戻れなくなった。どうもかなり外れてしまったらしい。
 いずれ登山道に出るだろうと、そのままに下ろうとしたはいいが、かなりの急斜面になっている。樹につかまりながら下ると、あっけなく落葉に覆われた登山道に出た。本栖湖を左に見ながらの下りだったが、前述のように本栖湖からは相変わらずに高い位置を歩いていて、この急斜面のままで本栖湖に出てしまうのかなと懸念していた。

(標高100m地点あたりから見頃になった)


(焼けてもいずにきれいだ)


(つい足が止まるのが増えた)


(これは今盛りなりかも)


 登山道に出てほっとして、もう逸脱歩きはやめようと、道なりに下ったが、終わりかけの紅葉は見ておきたいと、少しだけは登山道から離れることは続いた。下るに連れ、自分好みの淡い紅葉になり、さらに時間をとられた。
 ようやく下り切って平坦になった。ところによっては紅葉もきれいだ。ただ、敢えて文句を言うなら、どこでも見られる紅葉でしかなく、目を見張るほどのものではない。そんな紅葉でも追いかけては湖畔道路に出ないように回り道を歩いた。

(車道が見えたので右に迂回して遊歩道歩きにする)


(ここからは部分ではなく全体が盛りになっていた。盛りとはいってもいわゆる紅葉スポットに比べたら見劣りはする)


(ここらはもう少しのようだ)


(でもないか)


(しばらく徘徊していた)


(なかなかの赤)


(林道ゲートに戻ってしまった。陽がささずにうすら寒い)


 紅葉は消え、出発の林道ゲートに出た。そのままに来た道を歩けば駐車場に着くが、せっかくここまで来たからには、キャンプサイトを横切って本栖湖を眺めながら駐車場に戻りたい。

(再びキャンプ場。テントが増えている)


(車道に出る。車道とはいっても、脇道なので、通る車は少ない)


(車道沿いで。きりがないのでラストにしておく)


(この駐車場の方が近かったが、何せ知らなかったものだから)


(本栖湖に出て)


(カモが一羽。もうそんな季節なんだ)


(烏帽子岳だろうか)


(帰着した)


 キャンプ場を横切って、先の駐車場に出て、湖畔歩きをした。たいして面白い歩きではなかったし、忠実に湖畔沿いに行くとヤブにもなっていた。足運びもかなり鈍化していたが、もう少しだからと無理して湖畔沿いに歩いたが、あまり収穫はなく、せいぜい、カモが泳いでいるのが見えただけだった。
 駐車場に到着。13時03分。竜ヶ岳から眺める富士山は雲隠れで残念だったが、途中までの富士山は雲の流れに変幻して楽しめはした。良しとしておこう。ただ、張り出した雲の位置からして、足和田山に登っていたら、すっきり富士をずっと眺められたかもしれないと思うと、山の選択に失敗したかなと思ってしまう。

(道の駅からの富士山。YAMAP記事を読んでいると、自分よりも2、3時間遅く竜ヶ岳に登った方の写真に写った富士山はこんな風だった)


 帰路で<道の駅なるさわ>に寄る。ラーメンでも食べたかったからだが、ここで提供する麺類は地元の「せんどそば」とかだけで、初物で後悔することもあったのでやめた。ここの道の駅のはずれには富士山の展望地があり、見上げると雲に半分覆われてはいたが、そのうちにすっきりした富士山が見えた。わざわざ山に登って見る半端な富士山よりも、ここからの富士山の方が圧巻だったかも。

(今回の歩き)

(この地図は電子地形図25000(国土地理院)を加工して使用しています(令和元年手続改正により申請適用外)

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