丸の内 テニスカフェ

malibu string labo.

サイクロンを他の多角形ガットと比較してみた

2019-09-27 | Good Shot 
僕のコノミというだけで地方では知る人の少ないフォルクル・サイクロンの購入に踏み切ったのですが、何人かに試打してもらったところ打球感がとてもいいということで現在追加購入を検討しています。ただ、コイツはゲージもカラーも多くてちょっと困っているw

と言う訳で、今回はサイクロンの打球感の良さに迫ってみた。

サイクロンは10角形という鈍角にしてはヒッカカリが良過ぎるので、マイクロスコープで調査したところ、


10角形といってもひとつひとつの角の出方がメチャクチャ鋭角だった。

スパイキーシャーク



5角形のヨネックス・ポリツアースピン



同じく5角形のソリンコ・ハイパーG



こうしてガットの表面と断面を比較してみると、サイクロンの表面は比較的ツルツルである上に、その断面がフォルクル独特のギヤシェイプという均等で尖った角の付け方で、もう見ただけでガット同士の接触面積が他の多角形ガットに比べてかなり小さくなるのが解ります。これがサイクロンの打球感の秘密ですね。本当に良く出来たガットだと改めて思ってしまった。



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エラストクロスとストリンググライド

2018-12-09 | Good Shot 


僕はこれまでエラストクロスには興味がなかったので知らなかったのですが、エラストクロスはバボラの商品で、他にストリンググライド(ウイルソン)とトーナクロス(トーナ)があった。

ウチのクラブでは7人がナチュラルとアルパワーのハイブリッドで、僕を含めて3人がRF97を使っている。で、こりゃあミスター・フェデラーが使っているエラストクロスを一度は使ってみなけりゃいかんなあと思って、SWでガットを購入するついでにエラストクロスとストリンググライドを購入した。残念ながらトーナはなかったです。

で、エラストクロスとストリンググライドの違いを拡大画像で見てみると・・・

エラストクロス表側

かなり荒いですね。

裏側

ツルツルです。

僕は疑り深いので収まっているカートリッジを全て検査してみた。
表側

裏側

裏側はちゃんとすべてがツルツルでした。

ということは、
エラストクロスの装着は普通はメインガットに表側が当たるようにした方が良いでしょうね。

ストリンググライド


チューブを輪切りにしただけで、エラストクロスと違って溝がないのだが、
これでちゃんと装着出来るのかいなと思って実際に使ってみた。

これがうまい具合に凹んでちゃんと収まる・・・。

エラストクロスの方は

こんなカンジ。

で、両者を比べるとガットの動きはエラストクロスの方が良く、ヒッカカリはストリンググライドの方が大きい。僕が使うとしたらエラストクロスですが、スピンガットが好きな人はストリンググライドの方を好むかもしれませんね。
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スターティングクランプ痕 (2)

2016-01-18 | Good Shot 
前回はバボラの新旧スターティングクランプでクランプ痕を調べたのですが、今回はラボ所有の他メーカーのスタクラでも検証してみることにした。 と、エラソーに言っても、二人の弟子にそれぞれ1個ずつ持たせちゃったので、現在他にはヨネックスとテクニファイバーの2種類しかナイですけどw 

で、前回の検査では実際にガットにテンションをかけた状態だったのですが、試料がマルチガットということで、同じ条件ではテクニファイバーは滑ってしまって検証は不可能でした、ザンネン! 

と言う訳で、今回はヨネックスのクランプ痕と、オマケでヨネックスとバボラのツカミ部加工の比較です。これが意外にオモシロイ!

ヨネックスAC618H(東洋造機製)


分解すると、


ツカミ部には2本の溝がある。

比較に使った旧バボラ



拡大画像です。 ガットは前回と同じプリンス・プレミアタッチ17です。

画像の中心部にまったくダメージがないのは、このクランプの構造的な特徴です。
滑らないようにかなり強めにクランプ調整しているので、ガットの白濁はバボラより多いですね。

さらに拡大すると

溝のところは、

もう一ヶ所

潰れて白濁してはいるものの、目立つキズはほとんどないですね。 溝の境目にもダメージはまったく見られません。 まるで氷のようです。
ガットを挟んだ時に二ヶ所ある溝の段差が少なからずガットにダメージを与えるのじゃないかと思っていたのですが、杞憂だったようです。

ツカミ部の加工を拡大してみると、

段差にエッジはなくアールがついている。

こちらはバボラ、同倍率です。


さらに、

バボラも

アッチコッチにある半透明の白いモノはガットカスです、たまには掃除しないとなあw

こうして見ると、加工のチガイがよく解りますね。 バボラは凸で、ヨネックスは凹(笑) ちなみに、テクニファイバーのバネを旧バボラの強力なバネに替えて試してみても滑ってしまいました。 まあ、それくらいツカミ面が滑らかということでしょうが、滑ってしまってはスターティングクランプとしては使い物にならないですね。

と言う訳で個人的見解ではありますが、ガットに与えるダメージに関して、現在ラボにある3社5種類のクランプの中ではヨネックスAC618Hが最も優れているという結果になりました。 ただ、このAC618Hに関しては材質と加工精度は他を圧倒しているものの、価格がその分高価だということがネックではあります。 それに加えてデザインがもうひとつなので使い勝手がよくないし、調整もメンドクサイ。 まあ、僕は強めにガットを潰すくらいにして放置していますがw、今のところAC618Hはポリ専用で、マルチとナチュラルは調整する必要のない(まあ出来ないですがw)旧バボラを使っています。
 
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レジェンド

2014-03-06 | Good Shot 






ヘッド社がミスター・アガシのために最初に作った試作品のラケットというのがこれです。フレームサイドに 『 EXPERIMENTAL 』 とあります。ミスター・アガシ専用の初期のラジカル同様、超デンスストリングパターン(メイン20、クロス21)で、試作品とはいえ完成度はかなり高いように見えます。さすがにストリングホールがスゴイことになってますねえ。ただ、これはまだラジカルというよりグラファイトって感じですよね。

このラケットをパッケージガットを使ってハイブリッドで張るとすると、パッケージの半分約6mでメインは18本分しか張れない、というか、キッチリ18本分張れます。で、クロスは6mではかなり余るのですが、じつはクロスの余った長さがメインの端2本を張るのに丁度良い長さなんですね。あるいは、そこまで考えてのストリングパターンだったのかも知れませんね。 

と言う訳で、オーバーサイズで20×21という超デンスストリングパターンのミスター・アガシのカスタムラケットであっても、誰でも手に入れることの出来る種類の違うパッケージ2個分のガットで2本、同じ張り方で張れる訳なんですねえ。まあ、『アガシ張り』に関しては一時期ネット上でいろいろと言われていましたが、『元祖アガシ張り』に関しては単純にそういうことだったのではないかなと思います。

この画像は 『 NYC在住 』 さんに提供していただきました。
いつも貴重な情報をありがとうございます。  

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