昨日の帰り道、
ふっと脇の田んぼに目をやると、
大きくて色鮮やかなキジが佇んでいた。
おはようございます。
私は咄嗟にブレーキを踏み、ドアウィンドウを開けた。
すると、キジは逃げるどころか、鮮やかな羽根を膨らませて、
厳かな舞いを見せつけてきた。
あっ、キジの求愛行動だ!
全身全霊で舞う、愛。
私の目にキジの愛が突き刺さったと同時に、胸がチクリと痛んだ。
私はお前の愛を受け取れやしない。
それなのに、私は魅入られたまま、どうしても動けない。
それどころか、瞳孔はさらに焦点を絞って行く。
その時、田んぼの一部が微妙にズレた。
私の目に映る画像の一部分にモザイクが掛ったようなズレ方だ。
ドアウィンドウから精一杯顔を出して目を凝らすと、
それは地層のような模様をしたメスキジの体だった。
そうか、キジの舞いは、このメスへの求愛行動だったのか。
うふふ、そうか。そりゃあ、そうだよね。
昨日の夕方、
私は、春めいた風に頬をくすぐられるような、微かな失恋をした。
そして、眠い。春は眠い。
もう眠いというべきか。
昨日から、少し気温が高めになってきた途端に、眠くなるんだもんな~。
すごいよね、生物の体感って敏感ですよね。
さらに敏感なのが、猫の体感だろう。
おたまなんて、最近、寝坊する日が続いている。
おい、おたま!
朝ご飯だぞ、起きて~!
お・・・きた?
おたま?起きてる?
朝ご飯なんだけど・・・大丈夫?
おたま「なにがだ?ここはどこだ?」
おたま、起きて!ねえ、起きて!!
おたま「起きて・・・るだ・・・・」
だめだ、こりゃ
今朝に至っては、まだ起きてさえ、こないのであった。
がんばれ、おたま!