うめと愉快な仲間達

うめから始まった、我が家の猫模様。
犬好きな私は、チワワの夢を見ながら、
今日も癖が強めの猫達に振り回される。

たれ蔵、ありがとう

2023年11月27日 | ほくろたれ蔵の闘病記

急に食べなくなった。

その日が始まりじゃなかったのだと今更気づいた。

 

おはようございます。

9月に入った頃、たれ蔵が寝なくなった。

少なくとも、土日になると、たれ蔵は昼寝もしないで、

私にべったり甘えていたし、

夜になり部屋が寝静まっても、私がトイレに起きると、

たれ蔵はどこからともなく表れてトイレへ着いてきた。

「たれちゃん、猫はうんと寝なくちゃいけないんだよ?

母ちゃんに付き合っていると、寝不足になるんだから。」

私はそう言って、たれ蔵をしばらく膝に抱いていた。

「そうだそうだ。たれ蔵は赤ちゃんの頃は、

すごい甘ったれだったもんな。」

だから、ほくろと名付けたのに、たれ蔵と呼ぶようになった。

「たれ蔵、長生きするんだよ。絶対よ。」

私は、たれ蔵を抱くたび、そう念を押した。

 

どういう訳か、私は以前から予感していた。

たれ蔵を育て始めた、あの時からかも知れない。

「君は、うんと早くに消えてしまいやしないか?」

そんな予感が、かき消してもかき消しても、浮かんで来る。

よく食べてよく遊ぶ、健康な猫なのに、どうしてそんな予感がするのか。

自分でも不思議でならなかったが、抗う気持ちにもなれなかった。

けれどせめて、私は、その予感を決して誰にも話さなかった。

言葉にして放ってしまったら、

運命がその通りに動き出してしまいやしないかと怖かったからだ。

 

11月26日、

この部屋のちょうど真上に月が浮かぶ頃、

ほくろたれ蔵は、夜空に召されていった。

 

朝、昏睡状態に陥り、それ以来、

私とおじさんは、何度も「たれ蔵」と呼んでは撫ぜた。

それはそれは、鬱陶しかったろうが、

その都度、たれ蔵の瞳はまるで返事をするように輝いた。

「うんうん、ゆっくり眠るんだよ?」

そう言って、でもまた「たれ蔵」と呼ぶものだから、

たれ蔵はなかなか永眠が出来なかっただろう。

最期は、本当に静かに眠りに就いた。

 

たれ蔵の運命は、誰にも話さなかったのに抗えなかった。

けれど、悔しいとは思わない。

どういう訳か、とても素直に受け入れている。

争いを好まない優しい優等生だったから、

最期まで、たれ蔵らしい生き様を残して逝ってくれた。

 

たれ蔵、ありがとう。

私の元へ来てくれて、ありがとう。

私の元で逝ってくれて、ありがとう。

 

たれ蔵に、暖かい応援、心強い励ましを下さった皆様、

誠にありがとうございました。

どうか、これからも、この美しくすんばらしい猫を、

時々でもいいので、思い出してやってください。

という、惚気でしたすみません。