なかなか病院に連れていかないので、
涙目のまわりが、だんだん、ひどくなってきた。
仕方ないので、毎晩、ケアすることにした。
・・・
まず、油断しているうさぎを持ち上げる。
逃げようと暴れるうさぎを、ひっくり返す。
目の周りの、涙で固まった毛を指でこしょげてほぐす。
目やになのか、涙が固まったのか、べたべたごそごそする。
指だけではきれいにならないので、濡れた脱脂綿で拭く。
摘んでは拭いているうちに、毛の束が取れたりする。
あ、はげて、赤剥けになってしまった・・。
・・・
だいたい、このあたりで、鼻息は荒くなっている、
嫌だ、嫌だと、身もだえする。
赤向けになった皮膚を弄られているのだから、
さぞかし沁みて痛いのであろうと同情する。
同情するが、同情では、きれいにならないので、拭く。
・・・
あまりに呼吸が荒くなり、心配になり、うつぶせにもどす。
濡れたままにもできないので、仕上げにティッシュで拭いてと。
ついでに、体のそここに浮いた抜けかけた毛も引っ張る。
なんとか逃げようと必死なうさぎは、
人間の太ももに爪をたてて抵抗する。
・・・
痛い、でも、少々、赤くなるくらいでは、
人間として、退くわけにはいかない。
いかないのだが、やっぱり痛い、みみず腫れになっている。
腕のあたりも噛まれて、痕がついている、
昨日の青あざもこれか、なかなかやるな、うさぎ。
・・・
最後に、もう一度ひっくり返して目薬を挿し、
赤く剥けた目の周りに薬を塗る。
サークルに戻すと、慌てて、奥の隅に逃げ込む。
物陰から、恨めしそうな目で、こちらを眺めている。
かわいそうなので、庭の野草を少しとって、置いておく。
出てこない。
少しだけ、隠れているうさぎの前に放ってみる。
出て来た。
食べるのか、うさぎ。
時々、恨めしそうな目をこちらに向けながら、食べ終わる。
・・・
よかった、食欲をなくすほどのストレスではなさそうだ。
しばらく放っておけば、きっと、ペレットも食べるだろう。
それから、しっこして、寝て、明日、そして夜になったら、
またケアしてあげるからね。がんばってね、うさぎ。