後入りの床の花(茶事後に撮影しました・・・)
銅鑼が七つ打たれ、後座の席入りです。
中立の間に床の中釘に花が飾られました。
「花は苦手で困っています・・・」とお手上げ状態のM氏。
「とにかく花屋さんを時々覗いてみて、どんな茶花があるかチェックしてね」と私。
花屋さんで購入したという「桔梗、紅葉唐松草、利休草」が竹尺八に生けられ、とても好い雰囲気です。
詰のN氏からも「桔梗以外がよく見つかったね」と言われたそうですが、「直前に手に入るという、何とも不思議なものです・・・」とM氏。(花に出会うまできっとハラハラしていたことでしょう)
お花も生け方もご亭主の好みを活かしたものが一番・・・と思いました。つい手助けをしたくなりますが、じっと我慢することも大事ですね。
(紅葉唐松草、桔梗、利休草です)
「転勤族 水無月の茶事」では続き薄茶ではなく、後炭をしました。
転勤先で購入した思い出の水指を2つ使いたいという理由からですが、後炭は風炉中拝見もあり、いつも大歓迎です。
茶事の数日前にS先生の東京教室のお稽古があり、後炭のご指導がありました。
「風炉では初炭から後炭までの時間が短く、後炭で輪胴やその他の炭を継ぐ必要がない場合が多いのですが、初炭の胴炭を細いものに変えてみてください。そうすると、炉みたいに胴炭を割ることが出来ますし、輪胴も入ります」
早速、M氏に細い胴炭(丸管の太いもの)を選んでもらうと、後炭で胴炭がきれいに割れ、輪胴が入ったそうです。「ヤッタネ!・・・」
・・・こうして、いろいろありましたが、M氏が気合を入れて準備し、席中でお話してくださったお道具の会記を記します。時間が経つと忘れてしまいますが、書いておくとまた思い出す楽しみが出来ます。
「転勤族 水無月の茶事」会記 令和3年6月27日(日)
待合床 色紙 「瀧直下三千丈」 橋本紹尚和尚筆
本席
床 「洗心」 藤田寛道和尚筆
風炉 唐銅道安風炉 一ノ瀬宗和造
釜 桐文車軸釜 長野 新造
炭斗 淡々斎好み 螢籠炭斗
羽箒 シマフクロウ
火箸 岡山城大手門古釘を鋳造
灰器 琉球焼
香合 埋木 桐絵 道場宗廣造
(水指 萩 耳付 11代 坂高麗左衛門造)
濃茶席
水指 萩 耳付 11代 坂高麗左衛門造
茶入 古高取写 11代 高取八仙造
仕覆 花鳥紋うんげん錦
茶杓 銘「養老」 閑翠斎作
茶碗 黒 加藤雅康造
替 古唐津
替 御本三嶋
替 飴釉 大樋年郎造
替 呉器御本 久祐和尚 銘「 富久音」 加藤錦雄造
建水 曲
蓋置 竹
主菓子 銘「せせらぎ」 美濃忠製(名古屋市)
器 縁高
濃茶 愛知県西尾市 西条園詰 芳香昔 大宗匠好
(水指の末家焼(ばっけやき)は仙台伊達藩のお庭焼だそうです)
薄茶席
床 花 紅葉唐松草 桔梗 利休草
花入 尺八 (吐月峯の竹にて)
水指 末家焼(ばっけやき) 束ね熨斗 加藤ひろ子造
薄器 木地曲 七福蒔絵 3代萬象造
御茶 銘「青松の白」 大正園詰(宮城県仙台市)
茶杓 銘「養老」 閑翠斎作
主茶碗 竹絵 銘「清風」 鵬雲斎絵 即全造
替 祥瑞写 捻丸文十牛 林淡幽造
替 日の出鶴 妙全造
替 乾漆茶碗 染付山水九谷呼継 吉田華正造
蓋置 竹
建水 京焼
(水屋にて相伴しました・・・干菓子も薄茶「青松の白」も美味しかった!)
干菓子 「みちのく煎餅」 賣茶翁(仙台市)
「折節に」 森の香本舗(仙台市)
菓子器 紅銅敷松葉四方盆 浄益造
薄茶 「青松の白」大宗匠好 大正園詰(仙台市)
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