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御所の枝垂れ桜が咲く頃に(左クリックして見てください)、
楽美術館・特別鑑賞茶会へ伺いました。
昨年の9月以来2回目で、茶友Oさんが予約してくださり、
二人で嬉しく出かけました。
いつも当代が生けられた花が出迎えてくれます。
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正客はアメリカ・ペンシルベニア州在住の日本人男性で、
アメリカ人の奥様(?・・maybeです)が次客でした。
その男性は「よくわからないので・・・」と遠慮されていましたが、
正客となり、きっと佳き思い出になったのではないかしら?
当代と同い年というのも、何かのご縁だと思いました。
私は五客、Oさんは六客でしたが、丁度斜めに向いて正座している席主と
対峙しているような位置でして、ずーっと幸せでございました(大ファンなのです!)。
本席のお軸は「楽」と書かれた大きな一字、伏見宮貞愛親王の御筆で、
十二代弘入が拝領し、印字としても使ったそうです。
「でも今日は「たのしい」と読んでくださいね」と席主。
青銅瓢花入(九代淨益作)にピンクの椿が一枝。
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手付きの喰籠に入ったお菓子がまわってきました。
「香炉釉手付輪花蓋鉢、覚入作で水指として作ったのかもしれません。
蓋裏と内側に銀がはってあって、お菓子が映えるんです」
「あらっ・・・(ホント!)」
きんとんの薄桜色が銀箔に映って、上品で、はかなげな美しさです。
菓子銘は「錦春」、聚洸製です。
釜は裏甲釜、西村九兵衛造、炉縁は真塗高台寺蒔絵です。
お点前さんがちょこんと置いた、蓋置の愛らしさと存在感に見惚れていると、
すぐに蓋が乗せられて、見れなくなりました。
お点前さんが二椀点てられ、あとは水屋から運ばれました。
主茶碗は半筒のような狂言袴写赤楽ですが、詫びた風情のある茶碗です。
作者は四代一入、実は最近、五代宗入とともに注目している方の作でした。
私は団子絵黒楽茶碗、都をどりで茶席菓子皿に使われる団子絵が鮮やかで、
楽しい茶碗です。団子は漆絵で最近、塗り直したそうです。
内側にも団子絵があり、こちらは三個でグレーでした。
Oさんは桜絵赤楽茶碗、共に十四代覚入作で、この二つは一双になっているそうです。
仲良く、一双の茶碗で薄茶を頂き、大喜びしました。
薄茶は一保堂の丹頂の昔です。
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客一同、薄茶を頂いてから、六個の茶碗が中央に並べられ、
当代が一碗一碗、丁寧に解説されるのが、楽しみであり、勉強になります。
九代了入作の茶碗が替として三碗使われました。
一碗目は、二条内筆洗赤楽
二椀目は、黄瀬戸写 唐和七種之内
三碗目は、赤絵写 唐和七種之内
了入は隠居後、信楽で自由に愉しみながら、いろいろな作品を作ったそうです。
唐和七種もその一つで、黄瀬戸、赤絵(安南写?)、志野、三嶋、珠光青磁、
古清水、あと一つは何だったかしら??
隠居印もいろいろあって、使い分けて愉しんでいたみたいです。
轆轤は使っていないが、轆轤目のようにヘラを入れて楽しんだ話なども・・・。
隠居後の了入のお話をする時に、ちょっぴりうらやましげに感じたのは
私だけでしょうか?
(柵を離れて、山にこもって自由闊達な作陶の日々・・・好いですよねぇ~)
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楽美術館・茶会 黒の魅力-その2へつづく