暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

古都  町家探訪(2)

2011年12月12日 | 京都へ家うつりします
京都での最終日に、町家を1軒見学しました。
借主Sさんが京都へ戻られたと不動産屋のHさんから連絡が入り、
急に見学することになったのです。
京都案内人のPさんと一緒に伺いました。

借主Sさんとの出会いは、インパクトのある嬉しいご縁でした。

Sさんは一見、修業僧のような雰囲気を持った青年で、
玄関の座敷に座って、きれいなお辞儀をして迎えてくれました。
Sさんは、伝統的な町家とそこでの暮らしに愛着を持っていて、
いろいろな復元を試みていました。

例えば、サッシの窓を木枠の窓へ戻し、建具も古いものを探して入れ替え、
板張りの台所を元の走り庭(土間)へ。
新しい建材が張られていた天井も元へ戻し、これが一番大変だったとか。

何もわからず「町家に住みたい」とあこがれていた私は、
Sさんの質実な暮らしぶりに触れ、伝統工法の説明を聞くうちに
「町家に住む」とはどういうことなのか・・・
覚悟と課題を突き付けられた気がしました。

                

四畳半の奥座敷に軸が掛けられています。
「壷中日月長」
それを見て「あらっ! お茶をやっていますか?」
「はい、○○〇流です」
・・・そうなんです。
先ほどからこの家で感じていたのは「お茶」だったのね。

東西に小さな庭があり、町家の暗さもなく風が通り、
夏の暑さもこの庭が助けてくれそう・・・と思いました。

「ここに住んでもいいなぁ~」と思ったのは、
Sさんが小さな門(入口?)の前に立って見送ってくれた時でした。
狭い路地をPさん、Hさんと三人で歩き、振り返ってお辞儀をすると、
Sさんも深々とお辞儀をし、お別れしました。
「まるで茶事へ伺ったみたい・・・」

そして、「この家だったら、お茶事ができそう・・・」と思いました。

まだわかりませんが、前向きに検討中です。

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1 コメント

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素敵な出会い (暁庵)
2011-12-14 08:59:22
あの日は不思議な出会いが満載でした。
中でもあの家とS青年との出会いにお茶のご縁を感じました。
きっと日が好かったのでしょうね。
お人や家との出会いも素敵でしたが、ぽちママさんにご案内戴いた
十二段屋のすずしろにはまりそうです。
また、ご一緒してください。
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