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元日の初詣は平安神宮へ。
12時30分から平安神宮神楽殿で京都能楽会新年奉納が
あるというのです。
神楽殿へ行くと満席に近く、かろうじて後方に座り込みました。
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まもなく、最初の演目「翁」が始まりました。
能「翁」の呪文のような神にささげる歌です。
とうとうたらりたらりら
たらりあがりららりとう・・・
翁は「能にして能にあらず」といわれ、能が正立する以前の
「猿楽」の形を残した能です。
天下泰平、五穀豊穣、国土安穏を祈る能なので、
新年を寿ぐのにこれほどふさわしい能はありません。
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千歳の舞
以前観た能「翁」とはだいぶ違い、日吉式となっていました。
面を着けずに千歳、翁、三番叟の三人が次々と謳い舞う、
とてもシンプルな「翁」で、能が成立する以前の神楽「翁」を
再現しているかのようでした。
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翁の舞
以前、金剛能楽堂へ見学に行った折、
金剛永謹氏が翁で使う面(白色尉と黒色尉)を手にして
次のようなことを話してくださいました。
その昔、「翁」は神楽として神官が演じていました。
あるときに神官から能楽者へ丸投げされたのです。
神官ではない能楽者が神前で「翁」を奉納するためには
大変な努力をしなくてはなりませんでした。
別火を行い、身を浄め、神に近づくために「面」をつけ、
祈りのための「翁」を演じるのです・・・と。
そんなお話を思い出しながら「翁」を拝見しました。
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力強い三番叟の舞
「翁」に続いて「高砂」まで拝見してから、本殿の参拝の列へ並びました。
並ぶこと30分、やっと神前に進み、小さな幸せをお願いしました。
初詣後は恒例のおみくじです。
「末吉 願い事は叶うけれど、たゆまぬ努力をしなさい・・・」
大いに納得して、次の「日向大神宮」へ向かいました。
初詣-2 日向大神宮へつづく
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(参考)
京都府 【京都能楽会新年奉納】
12時半 平安神宮神楽殿
★翁 日吉式 浦田保浩 田茂井廣道 茂山良暢
笛 森田保美 小鼓 林吉兵衛 林大和 林大輝 井林久登
★舞囃子 高砂 金剛龍謹
笛 杉信太朗 小鼓 曽和尚靖 大鼓 石井保彦 太鼓 井上敬介
★仕舞 鶴亀 吉田篤史
東北 キリ 河村晴久
猩々 宮本茂樹
★仕舞 田村 クセ 種田道一
★小舞 三人夫 網谷正美 松本薫 山口耕道
★舞囃子 嵐山 片山伸吾
笛 左鴻泰弘 小鼓 吉阪一郎 大鼓 渡部諭 太鼓 前川光長