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(つづき)
昨年末、吉行和子さんとお杉さん出演のテレビ(番組名は不明)で
紹介していた「日向大神宮」へ行ってみました。
「京のお伊勢さん」として古くから(式内社)信仰されていて、
山上には伊勢神宮遥拝所もあるとか。
平安神宮から南禅寺をめざし、地図を確かめると
南禅寺近くにある「インクライン」の山側に鎮座しています。
「インクライン」とは、舟で物資を運ぶ時に、舟ごと台車に乗せ、
坂を上り下りする線路のことです。
明治時代、琵琶湖疏水が舟運、灌漑、水車などの利用に建設されました。
滋賀方面から物資を乗せ疏水を通って来た舟は、蹴上舟溜りに到着すると、
舟ごと台車に乗せ、線路で南禅寺舟溜りへ運ばれました。
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「インクライン」蹴上舟溜り
「インクライン」の遺構を見ながら上って行くと、
「日向大神宮」の石灯籠が見えてきました。
平安神宮に比べると、ウソのように人出も少なく、
時折参拝者と行き交うくらいの狭い参道を登って行きました。
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伊勢大神宮遥拝所
最初に「伊勢大神宮遥拝所」へ。
山の気を感じながら急な山道を行くと、見通しが好い場所に
「伊勢大神宮遥拝所」があり、伊勢の方角へ向かってお詣りしました。
ここは太陽の通り道になっているそうで、
反対側には平安神宮の赤い大鳥居と左大文字が一線上に見えます。
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太陽の通り道
日向大神宮には八百万の神を祀る社がありますが、
その一つ「えんむすびの神 福士神社」へ。
大黒主命が祭られている社前には、願いごとが書かれたかわらけが
高く積まれていて、若い女性が熱心に祈っていました。
うず巻くエネルギーに圧倒されながらもお詣りし、願いごとを・・・。
粟田山の懐深く、神々を祀る聖なる地でありながら、
ほっこり温かみを感じる境内に、雅な神明造りの社がありました。
こんなステキな神社があるなんて・・・
すっかり気に入り、嬉しくなりました。
日向大神宮は伊勢神宮のように外宮と、その奥に内宮(本宮)があり、
先ず外宮からお詣りし、橋を渡って内宮でお詣りしました。
祭神は天照大神です。
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内宮でお詣り・・・二拝二拍手一拝
神前に若水と書かれた、浄めの水が用意されています。
青竹の器に水を汲み、口に含むと、まろやかな味です。
あとで巫女さんに若水のことを伺うと
「橋を渡った右奥に湧き出ている「朝日泉(あさひのいずみ)」の御神水で、
水神さまを祀る社がございます」
と教えてくださいました。
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御神水・・朝日泉(あさひのいずみ)
内宮のすぐ横の山に「天の岩戸」と呼ばれる岩屋があります。
中に戸隠の神様が祭られていて、通り抜けたら厄祓いが出来るとか。
興味深く、浪漫を感じる岩屋に入り、厄祓いをしてきました。
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天の岩戸の通り抜け
とても満足して帰途へつく時に
「ところで、日向ってなんて読むのかしら?
ひむかい、ひのむかい、それともひゅうが・・・」
丁度通りかかった年配のご婦人に尋ねると、鹿児島からいらした方でした。
でも、印刷した分厚いネット情報をとりだし、調べてくださいました。
すごい情報量にびっくり!
日向大神宮は京都人でも知る人ぞ知る穴場だと思うので
鹿児島からお詣りにいらしてくださって嬉しいです!
正しい読みは「日向(ひむかい)大神宮」でした。
お薦めの神社です。ぜひお詣りしてくださいまし。
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(初詣-1 平安神宮で「翁」をみる)へ