(大好きな東寺、ライトアップを楽しんで・・・)
(光悦寺の紅葉)
11月13日の光悦会へ参席するために12日から京都へ出かけました。
久しぶり(4年ぶり?)の上洛なので京都在住のOY様へ茶事をお願いしたところ快諾してくださり、茶友O様とY様と3人でいそいそと出かけました。
今年の暑さのせいか、京都の紅葉はまだこれからでしたが、OY様のお茶事では「もみじ」が風情よく散りばめられていて、遠来の客へのお心遣いを感じました・・・それで題を「京のもみじの茶事」としました。
席入は12時でした。水が打たれた玄関を開け、待合で待っていると、OY様が汲出しを運び、腰掛待合へご案内くださいました。
(待合の掛物は「紅葉と鳥」(深水画)・・・最初の「もみじ」です)
正客Y様、暁庵、詰O様の順に腰掛待合へ進み、緑の苔が美しい庭を眺めながら迎えつけを待っていると、ご亭主が現れ、水桶の水を蹲に開ける姿も音も清々しく、これから始まる茶事への期待がいや増します。
席入りした四畳半の茶室はうす暗く、床のお軸は「只楽静寂」(只 静寂を楽しむ)・・・淡々斎のお筆です。
床の上座に網袋に入った茶壷が飾られており、「あらっ!口切かしら?」
ご亭主OY様と順次ご挨拶を交わし、正客Y様から「口切のようでございますが、ご都合により茶壷の拝見をお願いします」と声がかかりました。
「それでは口切をさせていただきます」と床の茶壷を取りに行かれ、同じ裏千家流ですが我が家とは違い、先に口切が行われました。
茶壷の口を切り、詰茶を葉茶上戸に開け、半袋を一つ取り出してから詰茶を曳家と茶壷に戻し、再び茶壷の口が封印されました。
OY様はその一連の所作をさらさらと流れるようになさって、うす暗いこともあって夢うつつに見るお能のようだった・・・と、今そのお姿や美しい所作を思い出しています。
封印し終わった茶壷が運ばれてきました。どこか懐かしく茶壷を拝見すると、我が家と同じ丹波焼・市野信水造とのこと、親戚に出会ったようで嬉しかったです。
(後座の床に飾られた茶壷・・・初座の写真がないので)
初炭になり、瓢の炭斗と灰器が運び出されました。大きな炉釜が上げられ初履きで炉縁によると、湿し灰がたっぷり撒かれた美しい炉中や見事な五徳(鬼爪、敬典造)が目を惹きます。
瓢の炭斗に「もみじ」の絵があり、黒漆が塗られた内側にも赤い「もみじ」が描かれていて、とても印象に残りました。後炭の時にお尋ねすると、ご亭主の手描きだそうで、びっくりしました。
(瓢炭斗に「もみじ」が・・・)
胴炭から炭が順次置かれ、点炭で元の席へ戻りましたが、そのままずっーと炉中の様子を見ていたい・・・と。
存在感のある炉縁のなぐり(?)が気になっていましたが、黒漆を塗った後に削ったのでしょうか、初めて見る個性的な炉縁に素朴な味わいの阿弥陀堂釜がとてもお似合いでした。京都の某茶人の炉縁を譲られたとか・・・京都の懐の深さを感じるエピソードを伺いました。
香合は時代のある織部はじき、香は・・・薫玉堂の「黒方」だったような??
(阿弥陀堂釜とインパクトのある炉縁)
初炭が終わり、懐石です。13時過ぎだったこともあり、OY様が作られた懐石をもうもう美味しく頂戴しました。
密かに懐石名人と呼んでいますが、お心づくしの美味しい懐石を出してくださるので、とても楽しみな時間です。
柔らかい一文字と白味噌の汁が温かく、鯛の昆布〆、カニ真蒸の煮物碗、海老芋やかぶらの煮物や穴子豆腐に舌鼓でした・・・ご馳走様。
懐石後に主菓子「初椿」(練り切り、御自製)をしっかり食べて中立しました。
後日、教えていただいた懐石献立を忘れないようにこちらへ記します。
懐石献立
向付 黒鯛の昆布〆 (乾山写の「もみじ」の向付の器がすてき!)
汁 白味噌仕立て 大根 人参 小豆
煮物椀 蟹しんじょう 三つ葉 しめじ ゆず
焼物 さわら味噌漬け
預け鉢 海老芋 かぶら 穴子豆腐 モロッコインゲン 紅葉人参
強肴 ぶどう(シャインマスカット、ピオーネ)の白和え
小吸 ラフランス
八寸 菊花寄せ カマスの酢〆
香の物 タクアン 赤かぶ かぶら キュウリ 奈良漬
「京のもみじの茶事」へ招かれて・・・(2)へつづく