暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

白露の朝茶事 (2)

2011年09月11日 | 茶事
懐石をお出ししました。

お詰は昨年の長屋門の茶事で懐石をお願いした佐藤愛真さん
懐石と茶道の両方に励んでいらっしゃる頑張り屋さんです。
その方をお招きして、家庭料理をお出しするのですから、勇気がいりますよね。
佐藤さんのブログで教えて頂いた煮物椀をお出ししました。
鰻入り蓮根餅です。もって菊を少し添え、おろし生姜を乗せました。

朝なのでシンプルを心がけ、粥と汁のお代わりなしにしたり、
八寸で千鳥の盃のあとに
愛媛県西予市の郷土料理・ひゅうが飯(二の膳)をお出ししたり、
朝茶事の常とは違う懐石次第になりました。

懐石献立は
   向付   胡麻豆腐
        和え物  ささみ、きゅうり、みょうがの胡麻酢和え
   飯    粥
   汁    長芋 舞茸  合せ味噌
   香の物  三種(きゅうりと茄子の糠漬、梅のカリカリ甘酢漬)
   煮物椀  鰻入り蓮根餅  もって菊  おろし生姜
   箸洗   スダチ
   八寸   蒸雲丹   焼マツタケ(スダチ)
   ひゅうが飯  飯 鯛 掛け汁 薬味(胡麻、海苔、ネギ、山葵)
   香の物  二種(タクワン、きゃらぶき)
   湯斗
   酒    巻機(まきはた)  千代酒造(新潟県南魚沼市)
 
主菓子をお出しし、中立をお願いしました。
朝とは違い、腰掛待合のベランダには燦々と陽が射していて、
あわててパラソルを広げました・・・まだ暑いですね。

                 
                 

釣瓶の水指に注連縄をつけ、茶入を荘り、
銅鑼を五つ打って、後座の席入です。
竹尺八へ白い芙蓉一枝を入れ、露を打ちました。

襖越しに席入の摺り足や衣擦れの音を聞きながら
呼吸を整えて待つ瞬間・・・緊張感が高まり、とても好きな時間です。
座が鎮まってから襖を静かに開け、濃茶点前が始まります。

柄杓を引いて総礼すると、お正客から声が掛かりました。
「名水をご用意頂いたようで、ありがとうございます。
 名水を頂戴したく存じます」 (承知いたしました)
点前を進め、釣瓶のふたを開け、水一杓で茶碗をすすいでから
一杓半汲んで、たっぷり(?)味わって頂きました。

「おいしい水ですが、どちらの?」
神奈川県秦野市にあります弘法の清水でございます。
 丹沢山の名水を差し上げたいと思っていましたが、
 台風のため丹沢の麓で汲んでまいりました。
 昔、弘法大師が杖を突いたら湧水が噴き出したという伝説があり、
 今でも湧水量が豊かな清水でございます」

      (前へ)      (白露の朝茶事 (3)へつづく)
                     その日は  のち 




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