暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

錦繍の茶事に招かれて-2

2013年11月15日 | 思い出の茶事  京都編
(つづき)
初炭に続いて、楽しみな懐石になりました。
ご亭主は某家庭茶事の会の会員、懐石はすべてご自分でされるので
一人亭主を修業中の暁庵にはとても勉強になります。
シンプルな献立、自分の味を追及する姿勢が好ましく刺激を受けました。

目利きのご亭主だけあって、随所にちりばめられた懐石道具が垂涎でした。
ご亭主が楽しみに求めていった様子が目に浮かぶようです。
一つだけ紹介しますと、燗鍋。
銀の急須の下に台がくっついていて、可愛らしく笑えます。
お酒(地酒、福の光)が下の台まで入る優れもので、浄益造でした。

             
                    錦秋の京都         

銅鑼の音を聴き、後入りすると、
床には白い椿(初嵐)。
凛と辺りを祓い清めて、一輪ありました。

雨音が聴こえる中で濃茶点前が始まりました。
青竹の蓋置に「喝!」と置かれた大きめの柄杓、
中蓋や中仕舞の所作を新鮮な気持ちで拝見しながら
風炉の端整な点前とは一味違う炉の温かな雰囲気を愉しみました。

茶の香りが満ち溢れ、濃茶「初昔」(上林詰)を三人で
美味しく頂戴しました。
主茶碗は金海、州浜のような形で胴に猫掻があります。
薄い白磁の茶碗の内に薄紅色のしみがかかりだしていて、
これからどんどん佳くなるだろう・・・と楽しみな茶碗です。
水指は瀬戸、小振りですがこちらも魅力たっぷりでした。

            
                    清水寺の秋景

火相も湯相もよろしいので、そのまま薄茶になりました。

薄茶になっていろいろなお話をしたのですが、
一番印象に残っているのは、仕事と介護をしながら数々の茶事をし、
準備を工夫しながら楽しんでいらっしゃることでした。
細やかな心遣いが行き届き、豊かで刺激に満ちた時間が過ぎて行きます。
「今日、伺って本当に良かった!」と思いました。     

最後に次客Hさまのお点前でご亭主に一服差し上げ、
労をねぎらうことができ、これも好かった・・・と思います。
茶杓銘「直心」(紫野喝堂作)の如く、
ご亭主さま、相客Hさま、Kさまとの直心の交わりが嬉しゅうございました。
早や、次回の御目文字を今から楽しみにしています。

            
                藤の種・・・山科・毘沙門堂にて

もう一つおまけがあって、帰りにご亭主行きつけの骨董屋へ
Hさまが車で連れて行ってくださって、
足りない稽古道具を数点買い込んでしまいました。
これもヨカッタ・・・です。

聴雨茶味清・・・素晴らしい錦繍の一日に感謝です。

                                  

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