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朝の円山公園
心なき身にもあはれは知られけり
鴫しぎたつ沢の秋の夕暮 西行法師
雨の朝、西行庵の朝茶へ伺いました。
西行庵(京都市東山区円山公園南)は、
平安時代に西行法師が「祭華園院」を営み、
また、一説には終焉の地とも伝えられる真葛ヶ原の旧蹟で、
西行堂、母屋、離れ「皆如庵」などが現存しています。
西行庵の朝茶では西行法師へ香が手向けられ、茶が献じられます。
毎日行われる西行庵のお勤めに客が同席し、
献香と献茶を相伴させて頂くというものです。
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西行庵
茶友YさんとSさんに同行して、夜が明けぬ6時前に席入しました。
母屋の茶室は四畳半、畳縁が二方にあって、八畳の広さがあります。
炉には釜が掛けられ、点前座には豪華な(?)棚が設えてありました。
床には掛物と花、
白玉椿とハシバミが竹一重切に生けられていました。
三つの燭台の灯りが荘厳な空間を生み出し、印象的でした。
一つは床柱に、桜の透し文様の燭台が二つ、畳に置かれていました。
それらが一つずつ消えていく様子は趣き深く、短い命の輝きのよう・・・。
西行庵の若宗匠と挨拶を交わし、床の掛物の話を伺いました。
お軸は能「江口」に因む画で、
上方に天女のような女人、下方に西行法師が描かれています。
女人は遊女・江口の君、普賢菩薩となって空へ上って行くところです。
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西行堂
香から始まりました。
灰を調え、灰筋をつけていく香の点前に見惚れていると、
6時を告げる鐘聲がBGMのように聞こえてきました。
二つの鐘が交互に、高台寺と知恩院でしょうか?
香が焚かれ、香炉が西行法師をお祀りしている床の間に置かれました。
その後、一人ずつ床前に進んで聞香し、身心を浄め、
清雅な香りを楽しませていただきました。
次は献茶です。
万代屋釜から湯が汲まれ、天目台に乗った天目茶碗で
茶が点てられ、献じられました。
点前は円位流、西行庵・若宗匠が武家茶(藪内流など)の点前を参考に
考案されたとのこと、袱紗捌き、柄杓の扱いなど見ごたえ十分でした。
献茶の後で、菓子が運ばれ、薄茶を二服ずつ相伴しました。
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だいぶ時間も経ち、明るくなってきたのですが、
三つの燭台のうち、最後の一つだけが灯っていて、まさに残燈の茶会です。
・・・やがて、それも消える頃、母屋を退出して露地を通り、
茶室「皆如庵(かいにょあん)」の見学へ向かいました。
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西行庵の朝茶-2 茶室・皆如庵 へ
心なき身にもあはれは知られけり
鴫しぎたつ沢の秋の夕暮 西行法師
雨の朝、西行庵の朝茶へ伺いました。
西行庵(京都市東山区円山公園南)は、
平安時代に西行法師が「祭華園院」を営み、
また、一説には終焉の地とも伝えられる真葛ヶ原の旧蹟で、
西行堂、母屋、離れ「皆如庵」などが現存しています。
西行庵の朝茶では西行法師へ香が手向けられ、茶が献じられます。
毎日行われる西行庵のお勤めに客が同席し、
献香と献茶を相伴させて頂くというものです。
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西行庵
茶友YさんとSさんに同行して、夜が明けぬ6時前に席入しました。
母屋の茶室は四畳半、畳縁が二方にあって、八畳の広さがあります。
炉には釜が掛けられ、点前座には豪華な(?)棚が設えてありました。
床には掛物と花、
白玉椿とハシバミが竹一重切に生けられていました。
三つの燭台の灯りが荘厳な空間を生み出し、印象的でした。
一つは床柱に、桜の透し文様の燭台が二つ、畳に置かれていました。
それらが一つずつ消えていく様子は趣き深く、短い命の輝きのよう・・・。
西行庵の若宗匠と挨拶を交わし、床の掛物の話を伺いました。
お軸は能「江口」に因む画で、
上方に天女のような女人、下方に西行法師が描かれています。
女人は遊女・江口の君、普賢菩薩となって空へ上って行くところです。
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西行堂
香から始まりました。
灰を調え、灰筋をつけていく香の点前に見惚れていると、
6時を告げる鐘聲がBGMのように聞こえてきました。
二つの鐘が交互に、高台寺と知恩院でしょうか?
香が焚かれ、香炉が西行法師をお祀りしている床の間に置かれました。
その後、一人ずつ床前に進んで聞香し、身心を浄め、
清雅な香りを楽しませていただきました。
次は献茶です。
万代屋釜から湯が汲まれ、天目台に乗った天目茶碗で
茶が点てられ、献じられました。
点前は円位流、西行庵・若宗匠が武家茶(藪内流など)の点前を参考に
考案されたとのこと、袱紗捌き、柄杓の扱いなど見ごたえ十分でした。
献茶の後で、菓子が運ばれ、薄茶を二服ずつ相伴しました。
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だいぶ時間も経ち、明るくなってきたのですが、
三つの燭台のうち、最後の一つだけが灯っていて、まさに残燈の茶会です。
・・・やがて、それも消える頃、母屋を退出して露地を通り、
茶室「皆如庵(かいにょあん)」の見学へ向かいました。
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西行庵の朝茶-2 茶室・皆如庵 へ