ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

ベンチャー企業のサイバーダインが3月に上場することが話題になっています

2014年03月08日 | イノベーション
 サイバーダイン(CYBERDYNE、茨城県つくば市)は、2004年6月に筑波大学大学院教授の山海嘉之さんの研究開発成果を基に、創業したベンチャー企業です。同社は、つくばエクスプレスの研究学園駅のすぐ側に立っている建物で活動しています。

 山海さんも、弊ブログの2014年3月2日編でお伝えした、内閣府の「最先端研究開発支援プログラム」というプロジェクトの中心研究者のお一人です。

 サイバーダインは、2014年2月19日に東京証券取引所がマザーズ市場に上場することを承認したとのニュースが話題を集めています。株式の公開予定日は3月26日で、主幹事会社はSMBC日興証券だそうです。

 大学発ベンチャー企業の大型のIPO(新株上場)になるとして、証券会社やベンチャーキャピタル(VC)などの金融系の業界で話題になっています。

 サイバーダインは、医療・福祉・介護分野向けの“ロボットスーツ HAL”と呼ばれる人間の動作を補助する装置・システムを開発・製造・販売しています。



 2008年に、同社は大和ハウス工業とロボットスーツの販売代理店契約を結ぶなどして同社から事業資金を獲得しています。

 サイバーダインのロボットスーツは人間が上半身の腕を動かすと考えた時に、その腕の筋肉に“筋電流”が流れるのをセンサーで検知し、この信号検知によって、動かす筋肉の動きを支援するように、補助システムの関節部にある電気モーター(DCモーター)が動くことで、通常の筋肉の数倍の力が働き、動きを補助・支援ます。

 こうした動作原理を利用して、脚の筋肉の動きが弱った人間の動きを補助する“下肢用HAL”を運動機能回復用の福祉機器としてリースしたり、販売したりしています。



 サイバーダインが“下肢用HAL”などを福祉機器向けなどで製品化し始めたことから、日本市場では同様の目的の福祉機器開発が活発化しています。

 例えば、2014年2月27日に菊池製作所と東京理科大学の教授が共同で設立したベンチャー企業のイノフェス(東京都葛飾区)も“マッスルスーツ”という作業補助・福祉用の機器を製品化する事業を始めます。

 東京理科大学教授の小林宏さんの研究開発成果である空気圧で作動する“人工筋肉”を利用するものです。

 見かけは似たような作業補助用のロボットシステムを、パナソニックの子会社であるアクティブリンク(奈良市)は、2015年から装着型の「パワーローダー」というロボットシステムを量産化することを明らかにしています。

 いろいろな会社が、福祉機器用のロボットシステムを製品化することで、製品化開発が活発化し、その市場ができつつあるようです。