朝日新聞紙の一面の見出し「官製春闘」というネーミングに驚きました

　2014年3月13日に発行された朝日新聞紙の朝刊一面に掲載された、見出し「官製春闘　ベアの波」という記事を拝読しました。

　3月12日に、自動車や電機の大手企業が従業員の賃金体系を底上げするベア（ベースアップ）を実施するという回答を、それぞれの企業の労働組合に伝えたという内容です。



　朝日新聞紙は「官製春闘」という言葉をつくりました。景気回復を後押ししたい安倍晋三内閣は、企業の経営陣に賃上げを強く求めたという色合いから、こう命名しています。“官製談合”は良くないことですが、官製春闘はいいことなのでしょうか。

　例えば、トヨタ自動車は2002年以降で最高額となる、平均月額2700円のベアを回答しました。日産自動車は、組合の要求通りに3500円という“満額回答”をしたとのことです。

　電機大手の企日立製作所などの大手6社は、2000円のベアと足並みをそろえたそうです。各電機大手は、自社の事業収益、将来性などから従業員の給与体系を考え、その根拠を伝えることができるのかどうか疑問です。

　今回の賃金体系の底上げを実現するベアの実施は、6年ぶりだそうです。内閣がお願いすれば、従業員の賃金のベアを実施するという点では、“社会主義国家”のようです。

　たぶん、現在の20歳代の若手従業員は「ベア」という言葉を知らない可能性が高いです。“クマ”の意味ではと思う若者も出てきそうです。

　今後の春闘相場では、授業収益の回復が進む中小企業の従業員がベアを勝ち取れるかどうかがポイントになります。

　そして、働き手の約40パーセントを占める非正規労働者の待遇改善がどうなるのか注目されています。

　また、2014年3月14日発行の日本経済新聞紙の朝刊の中面に、東京三菱UFJと三井住友、みずほの三メガバンクは19年ぶりのベアを実施するとの記事が中面に掲載されています。組合の要求通りの月給0.5パーセントのベースアップを実施するそうです。

　銀行は業績が絶好調と聞いています。業績に見合う給料を出さないと、グローバル化はできないと思います。

　来年度は、現行内閣の後押し無しで、自社の授業員の給与改善を経営陣に考えてもらいたいと感じました。